カマスの刺身・焼き霜造り|生食用の確認と皮を香ばしく炙る手順

カマスの皮を香ばしく炙った焼き霜造りを、大根のつま、大葉、わさびと盛り付けた料理写真

カマスの焼き霜造りは、皮だけを短くあぶって香りを出し、冷やして薄く切ると、皮の香ばしさと白身の食感を楽しめます。皮を引けば、すっきりした口当たりの刺身にもできます。ここで使う魚はアカカマス。どちらも中心が生の料理なので、冷却・衛生管理と寄生虫対策を確認した生食用の身を用意してから作ります。

使う魚の確認:生食用として衛生管理され、アニサキス対策の冷凍条件(魚の中心までマイナス20℃以下で24時間以上)を確認できるアカカマスを使います。釣った当日でも、皮をあぶっても、この確認の代わりにはなりません。保冷と衛生状態が良好でも冷凍条件を確認できない魚は、後述のフライパン調理で中心まで加熱して食べられます。魚種や保存状態そのものが不明な魚は使いません。

子ども、高齢者、妊娠中の人、免疫が低下している人には、皮だけをあぶった魚も含めて生食を避け、中心まで加熱した料理を選んでください。

目次

カマスの刺身・焼き霜造りの材料(2人分)

腹骨と小骨を除いた皮付きの身200gが目安です。厚い所が1〜1.5cm程度の細長い柵を使います。柵とは、刺身へ切り分ける前の、骨を除いて整えた身のこと。釣った魚は、うろこ・頭・内臓を除いて三枚におろし、骨を取り、下記の中心温度・時間条件で冷凍して冷蔵庫で解凍してから使います。つまと薬味は解凍後、食べる当日に準備します。

材料 分量
アカカマス(生食用・寄生虫対策を確認した皮付き柵) 200g
大根つま 80g
大葉 4枚
わさび 少量
しょうゆ 小さじ2程度を小皿へ
飲用の水と氷(焼き霜を冷やすため) 柵を冷やせる量

主な作り方は皮を残す焼き霜造りです。皮を引く刺身にする場合は、冷やすための氷水とバーナーは使いません。

必要な道具

よく切れる包丁、骨抜き、清潔なまな板、キッチンペーパー、冷やした盛り皿を用意します。焼き霜造りには調理用バーナー、炎を当てられるステンレス製バットなどの不燃性の受け皿、受け皿の下に敷く耐熱性の作業台、清潔なトングと、氷水用のボウルも使います。

バーナーは使用できる場所と角度、燃料、連続使用時間を説明書で確認します。紙、ラップ、布、木製まな板を炎の届く位置へ置かず、熱に弱い皿の上であぶらないでください。

焼き霜造りの基本の作り方

生食用に適切に処理され、解凍済みの柵からなら20〜30分ほどが目安です。寄生虫対策の冷凍・解凍時間は含みません。

  1. つまと薬味を用意する:大根つまと大葉を洗い、水気を十分切って冷蔵します。
  2. 身を確かめる:皮のうろこ、腹骨、小骨、身の状態を確認し、残ったうろこや骨を除きます。ペーパーで水分を取ります。
  3. 皮をあぶる:不燃性の受け皿へ皮を上にして置き、バーナーの炎を動かしながら、皮が縮んで薄い焼き色が付くまで短くあぶります。
  4. 冷やして水気を取る:清潔な氷水へすぐ入れ、表面の熱が取れたら引き上げます。水分を拭き、覆って冷蔵庫へ10〜15分ほど置きます。
  5. 薄く切って盛る:皮を上にして置き、包丁を斜めに寝かせ、5mm程度のそぎ切りにします。つま・大葉・わさびを添え、食べる直前に出します。

詳しい作り方

1.つまと大葉を先に用意する

大根つまは清潔な水で手早く洗い、ざるで切ってからペーパーで水分を押さえます。大葉も洗って拭き、盛り皿とともに冷蔵しておきます。魚の下処理をしたまな板で、そのまま薬味を切らないようにしてください。

魚を出すのは道具を準備してからにし、作業しない柵は冷蔵庫へ戻します。大量の魚を一度に常温へ広げず、一枚ずつ作業すると温まりにくくなります。

2.柵のうろこ・骨・水気を取り除く

アカカマスには細かなうろこがあり、焼き霜造りでは皮を食べるため取り残しが口に当たります。皮を尾側から頭側へ軽くなぞり、ざらつきが残ればうろこ取りなどで落とします。

この工程は、材料欄の下処理と必要な冷凍・冷蔵解凍を済ませた柵の確認です。うろこ・腹骨・小骨の取り残しを除いてから仕上げます。

腹側の曲がった骨は、その下へ刃を薄く入れてそぎます。身の中央に並ぶ小骨は指の腹で位置を探し、骨抜きで根元寄りをつかみます。骨が伸びる方向へ引き、反対の指で周囲を支えます。

アカカマスの身は細長く、繰り返し持ち上げると割れやすいので、まな板へ置いたまま手早く作業します。抜き終えたらもう一度軽くなぞり、折れた骨が残っていないか確認します。骨抜きの先も清潔に保ってください。

皮なしの刺身にする場合は、ここで後述の「皮なし刺身は、冷えた柵の皮を引いてから切る」へ進みます。皮を残す焼き霜造りは、次の工程3・4であぶって冷やします。

3.炎を動かし、皮へ薄い焼き色を付ける

皮の表面が濡れていると、同じ所へ長く炎を当てがちになります。ペーパーで水滴を取り、皮を上にしてステンレス製バットなどへ置きます。バット自体も熱くなるため、耐熱性のある作業台の上へ置き、下の台まで焦がさないようにします。

バーナーは指定燃料を使い、接続やガス漏れがないことを確認して点火します。カセットボンベ接続式はボンベを立てて点火し、使用中の角度や予熱の要否も、その製品の説明書に従います。ガスの臭いや漏れる音があれば使いません。

炎は一か所へ固定せず、頭寄りから尾寄りへ往復させます。皮が軽く縮み、ところどころ薄いきつね色になったら次の場所へ移ります。薄い尾側は熱が入りやすいので短くし、全体を黒く焦がすまで当てないでください。

カマスの細い尾の端が先に反ってきたら、その場所を追って炎を当て続けず、まだ焼き色のない厚い方へ移ります。柵の全体を同じ濃い色にそろえる必要はありません。反りは次の工程で冷やして落ち着かせます。

4.氷水で表面の熱を取り、水分を拭いて冷やす

バーナーを消火し、熱い火口が物に触れない場所へ置きます。あぶった身は清潔なトングなどで氷水へ移します。表面の熱が取れたらすぐに引き上げ、皮と身の水分を新しいペーパーで押さえます。水に長く浸けると水っぽくなるので、冷めたら引き上げます。

水分を拭いた柵を清潔な容器へ入れ、ラップや蓋をして冷蔵庫で10〜15分ほど冷やします。あぶった直後の反りが落ち着き、薄く切りやすくなります。冷蔵庫へ入れる前後も、室温へ出したまま待たせないようにします。

5.5mm程度にそぎ切りし、冷やした皿へ盛る

皮を上にして、長い柵を横向きに置きます。包丁を少し寝かせ、刃元から先へ一度引くように切ります。5mm程度を目安に、皮と身を一緒に切り離します。細長い魚なので、斜めに切ると一切れの面を取りやすくなります。

包丁を何度も前後させると、皮に引っ掛かって身が崩れます。刃に魚の脂が付いたら清潔なペーパーで拭き、脂で滑ったり引っ掛かったりしないようにします。押さえる指は刃の進む線から離し、身を強く握らないでください。

皮の香りを楽しみたい切れは、しょうゆへ皮まで浸さず、身の一端へ少し付けて食べます。皮下に脂のある身と淡い尾の身で口当たりが違う場合も、全部へ同じ量のしょうゆをかけ切らず、一口ごとに調整できます。

大根つまを少量盛り、大葉を添えて、刺身を少しずつ重ねて扇状に並べます。焼き霜は皮の線が上から見える向きにすると、皮と白身を一緒に取れます。わさびとしょうゆは脇へ分け、食べる直前まで皿を冷蔵します。

皮なし刺身は、冷えた柵の皮を引いてから切る

皮なしで食べる場合は、あぶる前の柵を皮を下にして置きます。尾側の端に、身と皮の間へ浅く刃を入れ、つかめる皮を少し出します。皮を指または滑りにくいペーパーでつかみ、包丁を皮とほぼ平行に保ちながら、皮を引く手を小さく動かして外します。

刃が身側へ寄りすぎると皮へ厚い身が残り、皮側へ寄りすぎると皮が途中で切れます。途中で止まったら無理に引っ張らず、刃の位置を確かめて少しずつ進めます。身が温まって柔らかくなった場合は、冷蔵庫へ戻してから続けてください。

皮を引いた身も5〜7mm程度に切ります。身が薄い尾側は少し斜めにして一切れの幅を取り、厚い頭寄りは一口で食べられる厚さにそろえます。切った身は基本の工程5と同じく冷やした皿に盛り、つまと薬味を添えてすぐに食べます。

生食する前に確認する鮮度・寄生虫対策

釣った魚は早く冷やし、えらと内臓を早く取り除いて、持ち帰りと下処理の間も低温を保ちます。筋肉内に寄生虫がいる場合もあるため、内臓を除くことに加え、目視確認と適切な冷凍処理が必要です。内臓は生で食べません。

冷凍条件は魚の中心まで満たす

アニサキス対策の冷凍は、魚の中心部までマイナス20℃で24時間以上という条件で扱います。冷凍庫へ入れてから24時間たっただけでは、中心が必要な温度へ達していた時間を確認できません。

魚の中心がマイナス20℃以下になってから、24時間以上その状態を保ちます。冷凍庫の設定や凍った見た目だけでは、中心の条件を満たしたと確認できません。魚種・保冷・衛生管理が確かでも冷凍条件を確認できない場合は、生食に使わず、後述の加熱料理へ切り替えます。

冷凍はすべての細菌やウイルス、保存中に生じた問題をなくす方法ではありません。冷凍前から生食に適した魚を衛生的に扱うことが前提です。解凍は受け皿へ載せて冷蔵庫で行い、室温に放置しません。

目視とライトは確認の補助にとどめる

腹側や身の表面に白い糸状の虫体などがないか、明るい所で確かめます。見つけたものは除去しますが、目に見えた一匹を取れば身全体の対策が済むわけではありません。

アニサキスライトは、露出した表面の虫体を見つける補助に使えます。筋肉の奥は見えない場合があり、光らない種類もあります。光を当てることによる殺虫効果や、何も見えなかったことによる生食の安全保証を期待しないでください。

通常の料理で使う塩、酢、しょうゆ、わさびではアニサキスは死滅しません。

生食の条件を確認できない魚は、中心まで焼く

アカカマスと確認でき、保冷・衛生状態が良好な身200gなら、フライパン調理へ切り替えられます。

うろこ・腹骨・小骨を除いた身の水気を拭き、厚さ1〜1.5cm、フライパンに収まる長さにします。油小さじ1を中火で温め、皮を下にして約3分、返して中弱火で2〜3分ほどから厚い中心を開いて確かめます。半透明な所が残る、ほぐれにくい、加熱に不安がある場合は弱火で蓋をし、1分ずつ追加して同じ中心を再確認します。

中心まで白くほぐれる状態を確認して盛り、しょうゆ少量を付けて食べます。中心温度計があれば、一般的な食中毒予防も含めて中心75℃で1分以上を確かめます。色やほぐれ方はその温度・時間を保証するものではありません。すでに薄く切った身は重ねず並べ、両面を焼いて厚い一切れの中心まで確認してください。焼き霜の途中で切り替える場合も、中心まで加熱して確かめます。

水っぽい・皮が切れないときの対処

あぶったあとに水っぽくなった

新しいペーパーで表裏の水分を押さえ、覆って冷蔵庫へ戻します。次回は氷水へ長く浸けず、熱が取れたらすぐ引き上げましょう。

皮が包丁へ引っ掛かり、身が崩れる

刃に付いた脂を拭き、身を冷やしてから、刃を長く使って一度で引き切ります。細かな往復を続けず、皮へきちんと刃が入る角度を確かめます。皮の食感が強く感じる場合は次回少し薄く切るか、皮なしの刺身に替えます。

皮が黒く焦げた

焦げた部分は苦みが出るため取り除きます。身まで大きく熱が入ってしまった場合は、上のフライパン調理で中心まで加熱して仕上げられます。次回は皮の水滴を拭き、炎を止めずに動かします。

刺身は食べる直前に切り、残す予定の分は分けておく

釣った後からの保冷履歴と処理状態を確認し、必要な冷凍・冷蔵解凍を済ませた柵も低温を保ち、調理した食事で食べる分だけ切ります。あぶったことで保存日数が延びるとは考えないでください。

食べ切れないと分かっている分は、切り分ける前に清潔な状態で取り分け、早めに加熱用として冷凍します。食卓に出して長く室温へ置いた刺身を、あとから冷凍して生食用へ戻す方法は避けます。

生魚を扱った手・包丁・まな板は洗浄し、器具に適した方法で消毒します。つま、薬味、皿へ生魚の汁を広げないようにします。食後に強い腹痛や吐き気などが出た場合は、自己判断で待ち続けず、食べた魚と時刻を伝えて医療機関へ相談してください。

保存用レシピまとめ

カマスの焼き霜造りの材料と手順を、一枚で振り返れます。

カマスの焼き霜造りの材料・分量と作り方をまとめた保存用レシピカード
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