マース煮は、塩と泡盛を使って魚を煮る沖縄の料理です。ここでは厚い皮を残したクロソイの切り身に、豆腐と薄切りしょうがを合わせ、最後にあおさを加えます。しょうゆや砂糖の味を重ねず、塩味の汁と一緒に白身を食べる一皿です。
クロソイを使うこの作り方では、水250mlに塩3g、泡盛30mlを合わせます。汁を濃く煮詰めるより、魚の中心に火が通ったところで止めるのが大切です。煮ている途中で汁が減ったら、湯だけを補い、塩味が濃くなりすぎるのを防ぎます。
クロソイのマース煮の材料|2人分
皮付き、骨を除いたクロソイ240gを、厚さ2cm程度の4切れにします。丸魚は後半のうろこ処理を含む下処理を済ませ、冷凍品は冷蔵庫で解凍してから使います。下処理済みの切り身から約20〜25分が目安です。
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| クロソイ(皮付き、骨を除いた切り身) | 240g |
| 木綿豆腐 | 150g |
| しょうが | 5g |
| 乾燥あおさ(味の付いていないもの) | 1g |
| 水 | 250ml |
| 泡盛 | 30ml |
| 塩 | 3g |
泡盛・あおさの代替材料
泡盛は加熱してもアルコールが必ずゼロになるわけではありません。酒類を避ける場合は泡盛30mlを水30mlへ替えます。泡盛の香りはなくなりますが、しょうがとあおさを合わせた塩煮として作れます。焼酎へ替える場合もアルコールを含むので、回避する方法にはなりません。
あおさがなければ省いて作れます。味付きのりや塩蔵品は塩分が異なるため、ここでは代用品にせず、しょうがの香りを生かして仕上げます。
必要な道具
直径20cm程度の鍋と蓋、幅広いフライ返しを用意します。食品用温度計は、あれば中心の確認に使えます。魚4切れと豆腐をなるべく一層に並べ、鍋が小さければ直径16cm程度の鍋で2回に分けます。1回につき魚120g・豆腐75g・水125ml・泡盛15ml・塩1.5g、しょうがとあおさも半量ずつ使います。酒類なしは各回の水を140mlにします。
釣獲後から冷やして衛生的に扱ったクロソイを使います。魚種や保冷状態が不明なもの、傷みが疑われるものは使いません。
鍋底が広いと少量の汁では浅くなります。加熱前に魚が収まる底面を確かめ、小さめの鍋へ替えるか、前述の半量配合で2回に分けます。
作り方の流れ
- 魚のうろこと骨を除き、4切れにします。皮に浅い切れ目を入れ、表面の水気を拭きます。
- 豆腐を4等分、しょうがを1〜2mmの薄切りにします。あおさは製品表示に従って下準備します。
- 泡盛を使う場合は水250ml・泡盛30ml、酒類なしなら水280mlを冷たい鍋に用意し、塩3g・しょうがを入れ、中火で煮立てます。
- 魚と豆腐を一層に入れ、再び煮立ったらアクを取り、蓋を少しずらして弱めの中火で煮ます。
- 7〜8分ほどから厚い魚を一切れ割り、中心の生っぽさを確認します。豆腐も中央まで熱くなるまで、蓋をして穏やかに煮ます。
- あおさを加え、汁全体が再びふつふつするまで温めます。味を調え、魚と豆腐を皿へ移して汁を添えます。
切り身の皮に浅い切れ目を入れ、水分を拭く
切り身に残るうろこを落とし、腹骨をすき取ります。中央に残った骨は骨抜きで向きに沿って抜きます。太くて抜けにくい骨は、その周りの身を細い帯状に切って除きます。骨を処理した後の身を240g量ってください。
4切れに分け、皮が切れる程度の浅い切れ目を1本ずつ、長さ1cmほど入れます。皮と切り口の水分をペーパーで押さえます。このレシピでは下塩を別に振らず、煮汁の塩で味を付けます。冷凍品は冷蔵庫で解凍し、出た水分を拭いてから使います。
豆腐とあおさを用意し、水・塩・泡盛を合わせる
木綿豆腐は包装の水を捨て、4等分にします。強く押して水分を絞る必要はありません。しょうがは汚れを落として1〜2mmの薄切りにします。乾燥あおさは、水戻しやすすぎが必要か製品の表示を確認し、必要な処理をして水を切ります。味付けのりや塩蔵品を同量では使いません。
泡盛30mlは火元から離れた場所で器へ量ります。泡盛を使う場合は冷たい鍋に水250mlと泡盛30ml、酒類なしなら水280mlを入れます。どちらも塩3gとしょうがを加えてから中火にかけ、塩を溶かします。火のついた鍋へ瓶から泡盛を直接注いだり、火を付けて燃やしたりしません。
鍋全体が煮立ったら、魚を皮側を上にして入れ、空いたところへ豆腐を並べます。具を入れた後の液面は、魚の上面近くまで届き、ほぼ浸かる程度が目安です。汁が上面より低い所には、煮ながら汁をかけます。
汁が減ったら、湯を少しずつ補う
煮ている途中で蒸発して汁が減った場合は、塩を追加せず湯だけを大さじ1〜2ずつ補います。蒸発しても塩は鍋に残るため、補水のたびに塩を足すと濃くなります。味は魚と豆腐を加熱した後に確認します。
穏やかに煮て、厚い白身の中心まで火を通す
魚と豆腐を入れて再び煮立ったらアクをすくいます。蓋を少しずらして弱めの中火にし、汁がふつふつと動く状態を保ちます。魚が鍋の中で揺れるほど沸かさず、上面が汁から出る部分にはスプーンで汁をかけます。煮ている間は身を何度も裏返しません。
再び煮立ってから7〜8分ほどを目安に厚い一切れを取り、中心を割って生の透明感がなく、白身がほぐれるか確かめます。豆腐も中央まで熱くします。生っぽさや冷たさが残る場合は蓋を戻し、煮立ちを保って1〜2分ずつ延長し、中心を再確認します。煮汁が沸いたことだけで魚の中心まで煮えたと考えないでください。
温度計がある場合は、厚い身の側面から先端を中心へ入れ、75℃以上を1分以上保つよう加熱します。届いていなければ蓋を戻し、加熱を続けて測り直します。鍋底や骨へ先端を当てずに測ります。時間・色・ほぐれ方は調理の目安で、この温度と時間を外観だけで確認できるわけではありません。
加熱を確認したら、あおさを散らして汁へなじませ、全体が再びふつふつするまで温めます。汁を清潔なスプーンへ少量取り、冷まして味を見ます。塩味が強ければ水を大さじ1ずつ加えて煮立て直し、弱ければ塩をひとつまみずつ溶かします。味が十分なら、汁にとろみを付けようとして煮詰めません。
味を確かめるときは汁だけで決めず、加熱が済んだ白身と豆腐にも少量の汁を添えて食べ比べます。厚いクロソイの中央まで汁と同じ塩味にしようと長く煮ると、表面の味が濃くなり、身も締まっていきます。身をほぐして汁を絡めたときに食べやすければ、中心まで塩を浸透させるための追加加熱は要りません。
魚の下にフライ返しを差し、皮と身をまとめて支えて深めの皿へ移します。豆腐、薄切りしょうが、あおさを盛り、汁を少量注ぎます。残りの汁は好みに合わせて足し、身を大きくほぐして絡めながら食べます。
クロソイの皮は厚く強いため、煮た後も皮だけがしっかり残ることがあります。白身が大きくほぐれ、中心加熱を確認できたなら、皮がとろけるまで煮続けずに盛り付けます。皮の弾力が苦手な場合は食べるときに外してください。次に作るときに皮なしを選ぶなら、身の下をフライ返しで支え、崩さず取り出します。
丸魚から用意する場合
クロソイの皮はしっかりしているので、皮を残すと煮上がった身を支えやすくなります。丸魚から用意する場合は、ひれや頭の鋭い棘を避けながら、うろこ取りで尾側から短く動かしてうろこを落とします。ひれの付け根や腹側も確認してください。続いて頭と内臓を除き、腹の血を手早く洗って水気を拭き、三枚におろします。ここまで済ませてから、前述の切り身の骨取りへ進みます。
塩辛い・身が崩れる場合
塩辛くなったら、魚と豆腐の中心加熱を確認して取り出し、汁へ水を少量ずつ加えて味を薄めます。塩味が整った汁を再び煮立ててから添えます。
身が崩れ始めたら火を弱め、箸で形を整えるのをやめます。中心の加熱を確認できた身から、下を支えて取り出してください。硬くなった身も、中心加熱を確認してから大きくほぐし、温かい汁を少量絡めます。
鍋底を焦がした場合は消火し、焦げを混ぜ込みません。中心加熱が未完了の魚は焦げていない部分を清潔な別鍋へすぐ移し、魚の高さ近くまで湯を入れ、蓋をして厚い中心まで十分に煮ます。元の鍋は冷めてから片付け、苦味が全体へ回ったものは無理に食べません。
残ったマース煮の保存と温め直し
残す分は清潔な浅い容器に小分けし、速やかに冷やして冷蔵します。早めに食べ切り、長く室温に置いたものや保存状態が不明なものは食べません。
温め直すときは魚と豆腐、汁を冷たい鍋へ入れ、汁が少なければ水を少量加えてから加熱します。蓋をして穏やかに煮立て、汁全体をふつふつさせながら魚と豆腐の中央まで熱くします。塩味を濃くし過ぎないよう、蒸発分は水だけを補います。
保存用レシピまとめ
泡盛を使うマース煮の材料と手順を、一枚で振り返れます。


