クロソイのカルパッチョは、骨と皮を除いた身を2〜3mmに薄く切り、レモンとオリーブ油のソースを食べる直前にかけます。締まった白身を薄く広げ、少量のケッパーとラディッシュを添えると、魚を噛んだときの食感に酸味と歯触りを加えられます。
冷たい皿を先に用意し、野菜の水気を切っておくと、魚を切ってからすぐ盛れます。レモンに長く漬ける料理ではありません。レモンや塩は寄生虫対策にならず、生食向けの原料管理とアニサキス対策を確認できるクロソイだけを使います。魚種や保冷履歴が不明な魚、保冷不良、異臭や不自然な変色がある魚は、加熱で救済せず食用にしません。
クロソイのカルパッチョの材料|2人分
皮と骨を除いた、厚さ1〜2cm程度のさくを160g用意します。刺身用としての管理と寄生虫対策を確認済みの身を使い、食べる直前に切ります。さくからなら約15〜20分。丸魚・皮付きの身は後半の下処理を済ませてから使います。下処理後、後半の中心温度条件で冷凍し、冷蔵庫で解凍してから当日の調理を始めます。下処理と冷凍・解凍の時間は含みません。
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| クロソイ(生食の条件を確認できる、皮・骨なしのさく) | 160g |
| レモン汁 | 12ml |
| エキストラバージンオリーブオイル | 大さじ1(15ml) |
| 塩 | 0.8g |
| にんにく | 1/2片、皿へ香りを付ける分 |
| ベビーリーフ | 10g |
| ラディッシュ | 2個 |
| ケッパー(酢漬け) | 汁を切って5g |
| 黒こしょう | 少量 |
切ってある刺身でも作れます。その場合は薄く切り直さず、今の厚さのまま一層に並べ、ソースを控えめにかけて食べながら足します。にんにくの香りが苦手なら省きます。ケッパーは酢漬けを使い、塩抜きの程度で味が変わる塩漬け品はここでは使いません。
白身の香りを残したい場合は、苦味や辛味が穏やかなオリーブ油を選びます。
必要な道具
盛り皿は直径26〜28cm程度を1枚、または20cm程度を2枚用意し、冷蔵庫で冷やしておきます。魚を重ねて厚く積まず、一層に広げられる大きさが目安です。よく切れる包丁、清潔なまな板、ペーパー、小さなソース用容器を使います。
作り方の流れ
- 魚種と釣獲後の保冷・衛生管理を確認し、皮と骨を除きます。後半の中心温度条件で冷凍し、冷蔵解凍します。使用当日に皿を冷やします。
- ベビーリーフを洗って水を切り、ラディッシュを1mmほどの輪切りにします。ケッパーの汁も切ります。
- レモン汁へ塩を溶かし、オリーブ油を少しずつ加えて混ぜます。野菜とソースは使うまで冷蔵します。
- にんにくを使う場合は、冷たい皿へ切り口を軽く擦ります。冷たい魚の表面を確認し、切り口も見ながら2〜3mmのそぎ切りにして並べます。切ってある刺身はそのまま並べます。
- 野菜とケッパーを散らし、食べる直前に混ぜ直したソースと黒こしょうをかけます。
- 作ったらすぐ食べ、酸味で白くなった身を加熱済みとは扱いません。
冷凍・解凍を済ませた使用当日に、野菜とソースを用意する
ベビーリーフを洗い、ザルへ上げてからペーパーで水分を取ります。ラディッシュは葉と根の先を落とし、洗って1mmほどの輪切りにします。長く水へ浸けず、表面の水を拭いて冷蔵しておきます。ケッパーは酢漬けの汁を切って5g量ります。
レモンを使う場合は洗って切り、種が入らないよう汁を搾ります。ボトル果汁なら砂糖や塩を含まない100%果汁を使います。小さな容器へレモン汁12mlと塩0.8gを入れ、粒が溶けるまで混ぜます。そこへオリーブ油15mlを少しずつ加え、スプーンで手早く混ぜます。
油と果汁が分かれても失敗ではありません。魚へかける直前にもう一度混ぜれば、塩味と酸味を均等に散らせます。にんにくを使う場合は皮をむいて半分に切り、冷たい皿の魚を並べる面へ切り口を1〜2往復軽く擦ります。香りが付いたらにんにくを取り除きます。
冷たいさくの表面と切り口を確認する
さくの表裏、腹側、皮引き後の面を明るい場所で見て、切り進める際も新しい断面を確認します。アニサキスライトを使う場合も目視の補助にとどめます。筋肉の奥を透視したり、照射で虫を死滅させたりはできず、反応がなくても安全の証明にはなりません。冷凍や加熱の代わりには使えません。
筋肉に黒い粒や袋状のものが見つかっても、見た目だけで無害と判断しないでください。クロソイには人へ寄生しない種類の報告もありますが、家庭で見つけたものが同じとは限りません。正体が分からない異物のある身は生食に回さず、保健所などへ相談します。
2〜3mmにそぎ切りし、皿へ一層に広げる
魚は切る直前まで冷蔵します。さくを置き、包丁を寝かせ、刃元から刃先へ長く使って2〜3mm厚にそぎ切りします。向こう側へ透ける程度を目安にしつつ、途中で破れるほど薄く削る必要はありません。薄い尾側は刃の角度を少し寝かせると、細長く小さすぎる切片になりにくくなります。
切れた身は冷たい皿へ、端をわずかに重ねる程度に並べます。160gが入り切らなければ2皿へ分け、重なりの下へソースが届かない山盛りにはしません。冷たい身でも刃が引っかかって表面が毛羽立つなら包丁を整え、前後に何度ものこぎり引きをしないでください。
ラディッシュ、ベビーリーフ、ケッパーを少量ずつ散らします。食べる直前にソースを混ぜ直し、まず約2/3を魚へ細く回しかけます。黒こしょうを少量振り、残りのソースは好みに合わせて添えます。野菜の上だけにかけず、魚の面へ薄く行き渡らせてください。
クロソイの白身はほどよく繊維があり、刺身より薄く広げると少量のソースを一口全体へまとわせやすくなります。厚い部分と薄い部分を無理に同じ大きさにせず、厚みを優先してそろえます。皮は厚く強いので、皮を残したまま薄切りにしても同じ口当たりにはなりません。皮引き済みのさくを使い、皮の切れ端が残れば切る前に外します。
丸魚・皮付きの身から用意する場合
丸魚は、ひれや頭の鋭い棘に注意して扱います。うろこ取りでうろこを除いてから、頭と内臓を外し、血を洗って水を拭きます。三枚におろし、腹骨をすき取ります。内臓を処理した器具は洗浄し、器具に合う方法で消毒してから、食べる身を切る作業へ進みます。
身の中央を指で確認し、抜ける骨は骨抜きで向きに沿って抜きます。太く深い骨は、身を裂きながら引くより、骨の並びを細い帯状に切り取ります。骨が残ったまま薄切りにすると短い骨片が混ざるため、先に除いてください。
皮を下に置き、尾側へ皮一枚を残す切り込みを入れます。皮の端をペーパーでつかみ、刃を寝かせて皮と身の間へ入れ、皮を引きながら包丁を小さく左右に動かします。刃が身側へ寄ると皮に身が残り、皮側へ寄ると皮が切れるので、境目を確かめながら進めます。骨と皮を除いた身を160g量り、次の中心温度条件で冷凍して冷蔵解凍します。
生食に使う魚と、冷凍処理の条件を確かめる
「ソイ」は複数の魚を指すため、対象がクロソイと確実に分かることが最初の条件です。釣った魚は釣獲後から冷やし、内臓を早く除いて衛生的に扱ったものが前提です。新鮮そうな見た目だけで、生食できるとは判断しません。
アニサキス対策では、魚の中心が−20℃以下になってから24時間以上保ちます。家庭用冷凍庫の設定や凍った見た目だけでは、庫内と魚の中心がこの温度条件を満たしたとは確認できません。冷凍庫へ入れた時点から数えないでください。温度条件を確かめられなければ、魚種と保冷・衛生管理が確かなものだけ、中心まで加熱する料理へ替えます。
冷凍処理済みの身は冷蔵庫で解凍し、出た水分を拭いて使います。内臓は生食せず、冷凍やレモンで不適切な保冷・衛生状態を元に戻せるとは考えません。クロソイと確認でき、保冷と衛生状態が良好で、寄生虫対策だけが不明なら、蒸し焼きなど中心まで加熱する料理へ替えます。切り身を重ねずフライパンへ入れ、水を薄く張って蓋をし、弱火で穏やかに蒸します。厚い一切れを開き、生の透明感が残る場合は水を補いながら加熱を続けます。見た目だけで安全は保証できないため、温度計があれば中心75℃以上を1分以上保つことも確認します。
身が白くなる、水っぽい、味が強いとき
レモンを早くかけると、魚の表面が白っぽく変わり、食感も締まります。酸による変化であって、加熱や寄生虫対策ができた印ではありません。透明感を残したいならソースは食べる直前にし、仕上げてから長く待つ予定では作らないでください。
皿へ水がたまる場合は、野菜の水切りや解凍後の魚の拭き取りを見直します。盛る前なら新しいペーパーで表面を押さえます。ソースをかけた後なら、余分な液を清潔なスプーンで少し取り、残りのソースを足さずに食べます。
酸味や塩気が強いときは残りのソースを足さず、ケッパーを少なめに食べ合わせます。次回はレモン汁を10mlから合わせるか、最初にかける量を減らします。
小さく破れた身も、皿の空いた場所に一枚ずつ置きます。重なりを減らすと、表だけ酸っぱく下は味がない状態を避けられます。
作り置きせず、冷たいまま食べ切る
野菜とソースを先に用意する場合は、それぞれ清潔な容器へ分けて冷蔵し、その日の食事で使います。魚を切るのは食べる直前にします。生魚へ触れたソースを元の容器や油の瓶へ戻さず、にんにくと油を混ぜた常温の作り置きにも転用しません。
切って盛ったカルパッチョは食べ切れる量にし、食卓へ出した残りを翌日の生食へ回さないでください。釣獲後の保冷・衛生管理が前提で、レモン・塩・油を加えて保存期間が延びるわけではありません。
保存用レシピまとめ
クロソイのカルパッチョの材料と手順を、一枚で振り返れます。


