クロソイの煮付けは、厚い皮を残した切り身を、しょうがと長ねぎの入った甘辛い煮汁で仕上げます。身は厚みがあるので、表面の色より中心の火通りを確かめ、煮えた魚を取り出してから煮汁の濃さを決めると、硬くなるまで煮続けずに済みます。
ここでは頭や中骨を除いた2切れを使います。皮の細かなうろこと身の中央の骨を取っておけば、煮上がった白身を大きくほぐし、煮汁を少しずつ絡めて食べられます。
クロソイの煮付けの材料|2人分
皮付きで骨を除いた身を、厚さ2〜2.5cm程度にそろえます。これより厚い身は長くかかるため、後述の中心確認と追加加熱で調整します。下処理済みの切り身からなら、約25〜30分が目安です。丸魚は後半の下処理を済ませてから使い、さばく時間は別に見込みます。冷凍の切り身は冷蔵庫で解凍してから始めます。
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| クロソイ(皮付き、骨を除いた切り身) | 2切れ、合計300g |
| 長ねぎ | 80g |
| しょうが | 10g |
| 水 | 120ml |
| 酒(食塩無添加) | 60ml |
| 濃口しょうゆ | 30ml |
| 本みりん | 30ml |
| 砂糖(上白糖) | 8g |
酒類を使わない場合の材料
酒と本みりんは、加熱してもアルコール分が必ずゼロになるわけではありません。酒類を避ける場合は酒60mlとみりん30mlを水90mlへ替え、砂糖は合計14gを目安にします。厳密なアルコール回避が必要なら、しょうゆなども製品仕様を確認し、必要に応じてメーカーへ問い合わせます。
必要な道具
直径22cm程度の浅い鍋、鍋より一回り小さい落とし蓋、幅広いフライ返しを用意します。食品用温度計はあれば使います。煮魚用の鍋と落とし蓋は、魚2切れとねぎを重ねず置ける底面の広さで合わせます。魚を入れる前に鍋底へ一層で収まるかを確かめ、広すぎる鍋は小さなものへ替えます。
釣獲後から冷やして衛生的に扱ったクロソイを使います。魚種や保冷状態が分からないもの、傷みが疑われるものは使いません。
作り方の流れ
- うろこや骨の取り残しを確認し、切り身の水気を拭いて皮に浅い切れ目を入れます。
- 長ねぎを4cm長さ、しょうがを1〜2mmの薄切りにします。
- 通常は表の煮汁材料、酒類なしは水合計210ml・しょうゆ30ml・砂糖14g・しょうがを鍋に入れ、中火で煮立てます。
- 魚を皮側を上にして入れ、隙間に長ねぎを並べます。再び煮立ったら落とし蓋をし、煮汁が穏やかに回る弱めの中火にします。
- 落とし蓋をして約10分たったら厚い部分を少し開いて確認します。中心に透明感や生っぽさが残る場合は落とし蓋を戻し、煮汁をかけながら煮続けます。
- 魚とねぎを取り出します。塩気も薄ければ煮汁だけを短く煮詰め、魚へ少量かけます。
厚い皮のうろこと、切り身に残る骨を取る
皮付きの切り身は、皮を尾側から頭側へ軽くなぞり、薄い硬い粒が残っていないか確かめます。うろこは取りやすくても、皮の端やひれ際へ残ることがあります。残ったところだけうろこ取りで落とし、短く洗って拭きます。クロソイの皮そのものの厚みと、残ったうろこのざらつきを混同しないようにします。
身の中央を指の腹で軽くなぞり、硬い骨先が当たる場所を確認します。骨抜きで抜ける骨は向きに沿って抜き、太くて身が裂ける骨は、その並びを細い帯状に切り取ります。骨を処理した後の身を300g量ります。
切り身の皮に長さ1〜2cmの切れ目を1〜2本、皮が切れる程度の浅さで入れます。身の奥まで割ると煮ている間に崩れやすくなります。洗った切り口と皮の水分は、ペーパーで押さえて拭き取ります。冷凍した身は冷蔵庫で解凍し、出た水分も拭いてから使います。
煮汁を沸かし、ねぎと魚を一層に並べる
長ねぎは根元と傷んだ外葉を除いて洗い、4cm長さに切ります。しょうがは汚れを落とし、1〜2mmの薄切りにします。ねぎは焼かず、そのまま煮汁へ入れます。
煮汁は、通常なら水120ml・酒60ml・しょうゆ30ml・みりん30ml・砂糖8g・しょうが、酒類なしなら水合計210ml・しょうゆ30ml・砂糖14g・しょうがを使います。選んだ材料を鍋へ入れます。中火にかけて砂糖を溶かし、全体がふつふつ煮立ったところへ魚を入れます。皮側を上にし、切り身の隙間へねぎを並べます。
煮汁が魚の高さの半分〜2/3程度へ届くのが目安です。鍋底が広くて浅すぎる場合は、煮汁の材料を同じ割合で増やします。酒類なしの場合も、先に選んだ配合の水・しょうゆ・砂糖を同じ割合で増やします。煮ている途中で蒸発した分を補うときは、調味料を足さず湯だけを加えます。
魚を入れた後に再び煮立ったら表面のアクをすくい、落とし蓋をします。弱めの中火で、蓋の縁から煮汁が静かに上がる状態を保ちます。魚が大きく揺れるほど沸かさず、途中で裏返さないでください。上面が乾くところへは、煮汁をスプーンでかけます。
10分から、厚い身を開いて火通りを確かめる
厚さ2〜2.5cmなら、魚を入れて再び煮立ち、落とし蓋をしてから10分ほどを確認開始の目安にし、厚い身を少し開きます。中心まで透明感がなく、大きくほぐれるかを見ます。黒い皮や甘辛い煮汁の色だけで煮上がりとはしません。
中心に生っぽさが残る場合は落とし蓋を戻し、煮汁をかけながら1〜2分ずつ煮続けて見直します。厚みが違う切り身はそれぞれ確かめてください。
食品用温度計があれば、厚い側面から差し、煮汁や鍋底ではなく身の中央を測ります。加熱の目安は中心75℃で1分以上です。75℃以上になったら、その温度を1分以上保つよう加熱を続けます。届いていなければ落とし蓋を戻し、煮続けて測り直します。色や見た目は加熱不足を見つける目安で、安全を保証するものではありません。
確認中に煮汁が少なくなったら、湯を大さじ1〜2ずつ鍋の脇へ加え、穏やかな煮立ちを戻します。細い尾側の身は先に火が通るため、厚い部分と分けて中心を確かめ、条件を満たしたものから取り出します。
魚を外してから煮汁を仕上げる
加熱を確認した魚の下へフライ返しを差し入れ、皮と身を一緒に支えて皿へ移します。長ねぎが柔らかくなっていれば一緒に取り出します。まだ硬いねぎだけを煮汁に残し、必要なら湯を少量足して柔らかくしてください。
煮汁を清潔なスプーンへ少量取り、冷まして味を見ます。塩気も薄ければ中火で1分ずつ煮詰め、好みの濃さで止めます。すでに塩味が十分なら、強いとろみがなくても仕上がりです。濃すぎるときは水を大さじ1ずつ加えて煮立て直します。
魚とねぎに薄切りしょうがを添え、煮汁を少量かけます。皮が縮んでいても、それだけで白身が煮過ぎとは限りません。身が大きな片にはがれる状態を目指し、厚い皮の弾力だけをなくそうとして煮続けないようにします。皮が好みに合わなければ食べる際に外します。
白身の中心まで煮汁と同じ濃さにするために煮続けず、ほぐした身へ汁を絡めながら食べます。骨を取った切り身でも、食べるときに硬い部分が当たれば取り除いてください。
丸魚から用意する場合
丸のクロソイは背びれや頭まわりに鋭い棘があります。ひれの上から強く握り込まず、安定するまな板で扱います。硬い頭を無理に割らず、骨に沿って身を外し、扱える大きさの切り身にします。
皮を残すので、うろこ取りで尾側から頭側へ短い幅ずつ動かし、ひれの付け根のうろこも落とします。頭と内臓を除いて腹の血を手早く洗い、三枚におろします。腹骨は薄くすき取ってください。
身が崩れる、硬い、焦げそうなとき
皮と身が離れた
沸騰が強い、返す回数が多い、深く切れ目を入れたことなどで崩れます。火を弱めて魚を動かすのをやめ、中心の加熱を確認してから下からすくいます。割れた身を箸で寄せて形を直そうとすると、さらに細かくなります。
白身が硬くなった
中心加熱を確認できた魚は鍋から出します。硬くなった身をもう一度長く煮ても元には戻らないため、大きくほぐして温かい煮汁を少量絡めます。次は魚を先に取り出し、汁の味だけを後から調整してください。
鍋底が焦げた
すぐに火を止め、焦げた底をかき混ぜません。魚の中心がまだ生っぽければ、焦げが付いていない身を清潔な別鍋へすぐ移します。水60mlを加えて蓋をし、弱火で煮立ちを保ち、厚い身を開いて中まで火を通します。元の鍋の片付けは冷めてからにします。焦げや苦味が全体へ回ったものは無理に食べません。
原料の保冷と、煮た後の保存
食べ残す分は清潔な浅い容器へ魚と煮汁を小分けし、速やかに冷やして冷蔵庫へ入れます。食べる分だけ作り、残りは早めに食べ切ります。長く室温に置いたものや保存状態が不明なものは食べません。
温め直すときは冷たい鍋へ魚と煮汁を入れ、汁が足りなければ水を少し加えてから火にかけます。蓋をして弱火で煮立ちを保ち、魚の厚い所を開いて中心まで十分に熱くします。煮汁全体もふつふつ沸かし、温度計があれば前述の加熱の目安も確認します。生魚用の包丁・まな板・箸は洗浄し、盛り付けや保存用の器具と分けてください。
保存用レシピまとめ
クロソイの煮付けの材料と手順を、一枚で振り返れます。


