クロソイの幽庵焼きは、皮付きの身をしょうゆ・酒・みりんとゆずの漬けだれへ短時間漬け、汁気を拭いて焼く料理です。黒灰色の皮には薄く焼き目を付け、厚い白身は中心まで加熱します。しょうゆの香ばしさとゆずの香りが、淡い白身に重なります。
ここでは骨を除いた2切れを冷蔵庫で30分漬け、200℃のオーブンで焼きます。生魚に触れた漬けだれは仕上げに塗り直さず、ゆずも漬け込み用と盛り付け用を分けておきます。
クロソイの幽庵焼きの材料|2人分
クロソイは皮付き、骨を除いた身を合計240g、厚さ2cm程度にそろえます。冷蔵の漬け時間を含め、約50〜55分を見込みます。丸魚は下の下処理を先に済ませ、冷凍品は冷蔵庫で解凍してから始めます。さばく時間は別です。
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| クロソイ(皮付き、骨を除いた切り身) | 2切れ、合計240g |
| 濃口しょうゆ | 大さじ1(15ml) |
| 酒(食塩無添加) | 大さじ1(15ml) |
| 本みりん | 大さじ1(15ml) |
| ゆずの薄い輪切り | 漬け込み用2枚、仕上げ用2枚 |
| ししとう | 4本 |
| サラダ油 | 小さじ1/2(2.5ml)、天板用は必要に応じて少量 |
酒類を使わない場合のたれ
酒と本みりんは焼いてもアルコールが必ずゼロになるわけではありません。酒類を避ける場合は、酒15mlとみりん15mlを水30mlへ替え、砂糖3gを溶かします。味と焼き色は変わるため、汁をよく拭き、焦げ方を見ながら中心まで加熱します。厳密なアルコール回避が必要なら、しょうゆも製品仕様を確認し、必要に応じてメーカーへ問い合わせてください。
必要な道具
魚を一層に置ける小さな保存容器か食品用の袋、オーブン用天板、鍋つかみを用意します。食品用温度計は、あれば用意してください。敷材はオーブンと敷材の説明書で200℃に対応するものを選びます。ここでは上下加熱を使い、電子レンジへ同じ手順を流用しません。
釣獲後から冷やして衛生的に扱ったクロソイを使います。魚種や保冷状態が不明なもの、傷みが疑われるものは使いません。
作り方の流れ
- うろこと骨を除き、切り身の水分を拭きます。通常はしょうゆ・酒・みりんを各15ml、酒類なしはしょうゆ15ml・水30ml・砂糖3gでたれを作ります。
- 魚と漬け込み用のゆずをたれへ入れ、冷蔵庫で30分漬けます。15分で一度返します。
- オーブンを200℃に予熱します。魚を取り出してゆずを外し、表面の漬けだれをペーパーで拭きます。
- 天板へ皮を上にして並べ、200℃で焼きます。10分後、穴を開けて油を絡めたししとうを空いた場所へ加えます。
- 14分ほどから厚い魚の中心を割り、生っぽさが残っていないか確認します。足りなければ表面の焦げを抑えながら追加で焼きます。
- ししとうもしんなり焼けたら、魚と一緒に盛ります。生魚に触れていない仕上げ用のゆずを添えます。
皮と骨を処理し、漬ける前に水分を拭く
丸魚を使う場合は、ひれや頭の鋭い棘を避け、うろこ取りで皮のうろこを落とします。ひれの付け根や腹側を確認してから頭と内臓を除き、血を洗って三枚におろします。硬い頭を無理に割らず、骨に沿って身を外し、扱える大きさの切り身にします。
腹骨をすき取り、中央に残る骨を指で確認します。骨抜きで抜けるものを向きに沿って抜き、太くて身を裂く骨は、その並びを細い帯状に切り取ります。骨を除いた身を240g量り、厚さ2cm程度の2切れにしてください。
皮が反りやすい切り身には、長さ1cmほど、皮が切れる程度の浅い切れ目を1本入れます。皮と切り口をペーパーで押さえて水分を取ります。この配合では塩を別に振りません。冷凍品は冷蔵庫で解凍し、出た水分を拭いてから漬けます。
ゆず入りのたれへ、冷蔵庫で30分漬ける
ゆずを洗い、2mm程度の薄い輪切りにします。漬け込み用2枚は種を除き、仕上げ用2枚は清潔な別容器で冷蔵して、魚や漬けだれに触れさせません。
通常のたれはしょうゆ・酒・みりんを各15mlずつ、酒類なしならしょうゆ15ml・水30ml・砂糖3gを混ぜます。魚が一層で入る小さな容器へ、魚、たれ、漬け込み用のゆず2枚を入れ、覆って冷蔵庫へ置きます。たれが浅くても15分で一度返せば両面へ触れさせられます。袋を使う場合は空気を軽く抜いて口を閉じ、液漏れに備えてバットへ置きます。
薄い尾側や小さな切り身は塩味が入りやすいため、初回は合計30分で取り出して焼き上がりの味を確かめます。漬けている間は冷蔵庫へ置きます。
汁気とゆずを外し、オーブンを予熱する
漬けている間にオーブンを200℃へ予熱します。魚をたれから出し、ゆずを外して表面の汁をペーパーで軽く拭きます。皮の溝や身の下へたれがたまらないようにしてください。たれが多いままだと、魚の中心が温まる前に表面が焦げやすくなります。
生魚に触れたたれと漬け込み用のゆずは使い切りとして捨て、焼いた魚や付け合わせにはかけません。取り出した魚は予熱の済んだオーブンで続けて焼き、室温へ長く置いて温度を戻す工程は設けません。
天板にはオーブン対応の敷材を収まる大きさに敷きます。アルミホイルを使用する場合は、魚が触れるところへ油を薄く塗ると付着を抑えられます。敷材を天板からはみ出させず、ヒーターへ触れないようにします。魚は皮を上にして離して並べます。
拭く目安は、たれの水滴が落ちず、表面に薄い湿り気だけが残る程度です。クロソイの厚い皮に沿った切れ目や折れた端には、ペーパーの角を軽く当ててたまりを取ります。皮と白身を強くこすったり、水洗いしたりして味を落とす必要はありません。漬ける前の余分な水と、漬けた後の余分なたれを、別々に拭くのがポイントです。
200℃で焼き、ししとうは途中から加える
予熱したオーブンの指定段へ天板を入れ、200℃で焼き始めます。ししとうは洗って水を拭き、へたの先を少し切り、竹串などで1〜2か所穴を開けます。油2.5mlを薄く絡め、魚を焼き始めて10分たったら天板の空いているところへ並べます。熱い天板は鍋つかみで扱い、庫内から出したまま長く作業しないでください。
14分ほどから、天板を安定した耐熱の台へ置き、厚い切り身を清潔な箸で少し割ります。中心に生の透明感がなく白身がほぐれるかを確認します。黒い皮やしょうゆの焼き色だけで火通りを決めないでください。
温度計がある場合は、厚い身の側面から先端を中心へ入れ、75℃以上を1分以上保つよう加熱します。届いていなければオーブンへ戻し、追加加熱して測り直します。天板へ先端を当てずに測ります。時間・色・ほぐれ方は調理の目安で、この温度と時間を外観だけで確認できるわけではありません。
中心が生っぽい場合は2〜3分ずつ追加して焼きます。薄い側と厚い側で差があるため、厚い切り身を開いて確かめます。ししとうは薄い焼き色が付き、しんなりしたら先に清潔な皿へ移し、魚だけを続けて加熱してください。
中心の加熱を確認した魚は、幅広いフライ返しで下から支えて皿へ移します。焼いたししとうと、別に冷蔵しておいたゆず2枚を添えます。香りを足したい場合は、食べる直前にゆずを少し絞ります。仕上げ用の輪切りに残った種は、口へ入れないよう取り除いてください。
黒灰色の皮は焼く前から暗いので、「皮全体がきつね色になること」は目標にしません。皮の縁や身の切り口へ薄い焼き色が付き、ゆずの香りが残り、白身が大きくほぐれる仕上がりを目指します。中心まで十分に火を通したのに皮が軟らかい場合も、カリカリになるまで焼き延ばすと白身が乾きやすくなります。幽庵焼きは、皮の硬さより漬け味と身のしっとり感を優先してください。
表面だけ焦げる、塩辛い、皮が付いたとき
表面が濃くなったのに中心がまだ生っぽい場合は、設定を180℃へ下げ、オーブンで使用できるアルミホイルを魚の上へふんわりかぶせます。ヒーターに触れないようにして加熱を続け、2〜3分ずつ中心を確認します。
塩味が強いときは、中心加熱済みの身を大きくほぐし、たれやしょうゆを足さずに食べます。焼いた一切れの塩味を確かめ、次回は薄い切り身を15〜20分でたれから取り出すなど、漬け時間を短くします。
身や端の皮が敷材へ付いた場合は、中心の加熱を確認してから、身と敷材の間へフライ返しを水平に差し入れます。箸で身だけを持ち上げると皮が大きく残ります。破れた敷材が付着していないかも確かめて盛り付けてください。
漬けた魚と焼いた魚の保存
30分の漬け込みを終えたら、その日の調理として続けて焼きます。漬けだれへ入れたことを理由に、元の魚の保存可能な期間を延ばさないでください。釣獲後からの保冷・衛生状態を確認して使います。
焼いた後に残す分は、ゆずを外して清潔な浅い容器へ小分けし、速やかに冷やして冷蔵します。残りは早めに食べ切り、長く室温へ置いたものや保存状態が不明なものは食べません。温め直す場合は、冷たいフライパンへ魚と水15mlを入れてから火にかけ、蓋をして弱火で厚い中心まで十分熱くなるように加熱します。表面を温めるだけで終えないでください。
保存用レシピまとめ
オーブンで焼く幽庵焼きの材料と手順を、一枚で振り返れます。


