釣ったマダイを家族みんなで楽しむなら、唐揚げは作りやすく食べやすい料理です。片栗粉の衣はカリッと、白身はふっくら。しょうが醤油を軽くなじませれば、ご飯のおかずにもおつまみにもよく合い、刺身や塩焼きとは違うおいしさを楽しめます。
この記事では、釣ったマダイ1尾を三枚におろし、唐揚げに使う身を切り分けるところから解説します。骨の取り方、下味、片栗粉の付け方、170℃前後の油でふっくら揚げるコツ、部位や大きさによる調整、二度揚げが向く場面、残った身やアラの使い方、保存・温め直しまでまとめています。
マダイの唐揚げの材料
2〜3人分の目安です。マダイ1尾をすべて唐揚げにする必要はありません。背身・腹身・端身などから食べる分を取り、残りは刺身や煮付けなど別の料理へ回せます。
| 材料 | 2〜3人分の目安 |
|---|---|
| マダイの身 | 300〜400g程度 |
| しょうゆ | 大さじ1 |
| 酒 | 大さじ1 |
| おろししょうが | 小さじ1 |
| おろしにんにく | 小さじ1/2(好みで) |
| 片栗粉 | 大さじ4〜5程度 |
| 揚げ油 | 適量 |
| レモン・すだち | 好みで |
マダイの味をよりシンプルに楽しみたい場合は、しょうゆ・にんにくを使わず、塩と酒だけで下味を付ける「塩唐揚げ」にしてもよく合います。アレンジは後半で紹介します。
基本の作り方
まずは全体の流れを確認します。油温や部位ごとの調整は、この後の詳しい工程で説明します。
- マダイのうろこ・エラ・内臓を処理して三枚におろします。
- 腹骨と血合い骨を取り除き、身を3〜4cmほどの食べやすい大きさに切ります。
- 表面の水分を拭き、しょうゆ・酒・しょうがを合わせた下味へ10〜15分ほどなじませます。
- 余分な漬け汁を切り、片栗粉を全体へ薄く均一にまぶします。
- 揚げ油を170℃前後に温め、マダイを一度に入れすぎないよう数回に分けて揚げます。
- 表面がカリッとし、中心まで火が通ったら取り出して油を切ります。
- 皿に盛り、好みでレモンやすだちを添えます。
詳しい作り方
1.うろこ・エラ・内臓を取り、三枚におろす
釣ったマダイは、まず全体のうろこを落としてからエラと内臓を取り除き、三枚におろします。マダイはうろこが硬めなので、皮付きで唐揚げにする場合は特に、腹側・ヒレの付け根・尾の近くまで残っていないか確認します。
うろこが残ると、揚げても口に硬く残ります。下処理から始める場合は、うろこ取りを使うと細かな部分まで処理しやすくなります。
2.腹骨と血合い骨を取る
三枚におろした身の腹骨は、骨のカーブに沿わせるように包丁を寝かせて薄くすき取ります。身の中央に並ぶ血合い骨は、指でなぞって位置を確認し、骨抜きで骨の向きに沿って抜きます。
子どもと食べる場合や、骨を気にせず一口で食べたい場合は、この工程を丁寧に行います。血合い骨が集中する中央部分を細長く切り落とす方法でも構いません。
3.3〜4cmほどの大きさに切り分ける
唐揚げにする身は、極端に厚さがばらつかないよう3〜4cmほどの食べやすい大きさに切ります。厚い背身と薄い腹身・尾側をまったく同じ大きさにそろえる必要はありませんが、同じ鍋で揚げるものの厚みを近づけると火入れを合わせやすくなります。
皮は基本的に付けたままで大丈夫です。揚げると香ばしくなり、身が崩れにくくなります。皮が苦手な場合は引いても作れますが、皮付きで使うなら残ったうろこを必ず確認します。
4.水分を拭いてから10〜15分ほど下味を付ける
切り分けた身の表面に水分があれば、キッチンペーパーで軽く押さえます。ボウルや保存袋にしょうゆ、酒、おろししょうが、好みでにんにくを合わせ、マダイを加えて10〜15分ほどなじませます。
長時間漬け込まなくても、ひと口大なら表面に十分味が付きます。マダイの上品な味を残したい料理なので、濃い味を中まで染み込ませるより、短時間で下味を付けるくらいがちょうどよいです。
5.片栗粉は揚げる直前に薄くまぶす
下味を付けたら、ボウルの底にたまった漬け汁を切り、表面に多く残った汁だけキッチンペーパーで軽く押さえます。その後、片栗粉を皮側・身側・切り口まで薄く均一にまぶします。
片栗粉を厚く付けすぎると衣だけが硬くなったり、余分な粉が油の中へ落ちて焦げたりします。表面がうっすら白く覆われる程度で十分です。粉を付けて長く置くと湿ってべたつくため、油を温めてから最後に粉を付けます。
6.揚げ油を170℃前後に温める
鍋に揚げ油を入れ、170℃前後まで温めます。油温を安定させたい場合は、料理用温度計で確認すると確実です。
温度が低いまま入れると衣が油を吸いやすく、高すぎると中心へ火が入る前に表面だけ濃く色付きます。まず170℃前後を目安にし、魚を入れた後も一度に大量に加えないことで温度低下を抑えます。
7.一度に入れすぎず、数回に分けて揚げる
マダイ同士が重ならない量を油へ入れます。入れた直後は衣が固まるまで必要以上に触らず、表面が固まってから上下を返します。
3〜4cm程度の切り身なら、3〜5分ほどがひとつの目安です。ただし、厚みや油量、鍋の大きさで変わるため、時間だけで取り出さず、表面がカリッとしてきつね色になり、中心の身が白く不透明になっていることを確認します。
厚い部分の加熱に不安がある場合は中心温度を確認します。家庭で加熱調理する食品は、中心部75℃で1分以上の加熱が食中毒予防の目安のひとつです。
8.網やバットで油をしっかり切る
揚がったマダイは網や油切りバットへ取り出し、重ならないように並べます。キッチンペーパーへ長く置くと、下側に蒸気がこもって衣がしんなりしやすいため、できれば網の上で油を切ります。
揚げたてにレモンやすだちを添えれば、そのままで十分おいしく食べられます。柑橘は食べる直前に絞ると、衣のカリッとした食感を残せます。
片栗粉と小麦粉はどちらが合う?
マダイの唐揚げには、まず片栗粉がおすすめです。薄く付けても表面がカリッとしやすく、白身のふっくらした食感との違いが出ます。
| 衣 | 仕上がり |
|---|---|
| 片栗粉 | 表面がカリッとしやすい。基本の唐揚げにおすすめ |
| 薄力粉 | 衣がやややわらかく、全体がしっとりした仕上がりになりやすい |
| 片栗粉+薄力粉 | カリッと感と衣のまとまりを両立しやすい |
迷ったら片栗粉だけで問題ありません。衣を厚くするより、水分を整えて薄く均一に付ける方が仕上がりへの影響は大きくなります。
部位・大きさに合わせて揚げ方を変える
マダイ1尾から取れる身は、背側・腹側・尾側で厚みが違います。同じ時間で全部を揚げ切ろうとせず、薄いものは早めに、厚いものは中心まで熱が入るまで揚げます。
| 部位・状態 | 揚げ方 | ポイント |
|---|---|---|
| 厚い背身 | 170℃前後で中心までじっくり | 表面の色だけで取り出さない |
| 薄い腹身・尾側 | 火が通ったら先に取り出す | 揚げすぎるとパサつきやすい |
| 皮付き | 皮もカリッとするまで揚げる | 残ったうろこを事前に確認する |
| 冷凍した身 | 冷蔵庫で解凍して水分を拭いてから | ドリップが残ると衣がべたつきやすい |
二度揚げは毎回しなくてもいい
マダイのひと口大の唐揚げは、170℃前後で中心まで火を通せば一度揚げでも十分にカリッと仕上がります。二度揚げを「必須の工程」にする必要はありません。
一方、皮をよりパリッとさせたい場合や、やや厚めに切った身を使う場合は、いったん取り出して1〜2分休ませ、最後に180℃前後の油へ短時間戻す方法もあります。二度目は長く揚げるのではなく、表面をカリッと戻す程度にします。
薄い腹身や尾側まで同じように二度揚げすると水分が抜けやすいため、厚い身だけに使う方法でも十分です。
骨付きのカマやアラも唐揚げにできる?
カマなど身が付いた部位は唐揚げにもできますが、太い骨まで食べられるわけではありません。身の唐揚げと同じ感覚で一口でかじるのではなく、骨を避けながら食べます。
頭や中骨など骨の割合が多い部分は、無理に唐揚げへ回さなくても大丈夫です。自分で釣った1尾を使い切るなら、頭・カマ・中骨は煮付けにしたり、焼いてから鯛めしへ使ったりすると、唐揚げとは違うおいしさを楽しめます。
味付けを変えて楽しむアレンジ
塩唐揚げ
マダイの味を前に出したいなら、しょうゆを使わず塩と酒で軽く下味を付けます。揚げたてにすだちやレモンを添えると、白身の甘みを感じやすい仕上がりになります。
甘酢あんかけ
唐揚げに玉ねぎ、にんじん、ピーマンなどを使った甘酢あんをかけると、野菜も一緒に食べられる一皿になります。衣が完全にあんを吸う前に食べると、カリッとした部分も残せます。
カレー風味
片栗粉へ少量のカレー粉を混ぜれば、子どもにも食べやすい香りのある唐揚げになります。下味のしょうゆを少し控えると、カレーの香りが強くなりすぎません。
おろしポン酢
揚げたてへ大根おろしとポン酢を添えると、油のコクをさっぱり食べられます。衣をカリッと残したい場合は、上から全部かけず別添えにします。
一度にたくさん揚げるときのコツ
家族分など量が多い場合は、鍋へ一度に詰め込まず2〜3回に分けます。魚をまとめて入れると油温が大きく下がり、衣が油を吸ってべたつきやすくなります。
1回目を揚げ終えたあと、油の中に片栗粉のかすが多く残っていれば、網じゃくしなどですくってから次を入れます。焦げた衣のかすを残したまま揚げ続けると、後半の唐揚げに黒い粒や苦味が付きやすくなります。
残った身は無理に全部唐揚げにしない
大きなマダイを釣った場合は、唐揚げに向く量だけを取り分け、残りを別の料理へ回す方が1尾を楽しめます。厚い背身は刺身やムニエル、頭・カマは煮付け、アラは鯛めしなど、部位に合わせて使い分けると無駄がありません。
唐揚げ用に切った身が余った場合は、まだ揚げていない状態なら下味へ長時間漬けたままにせず、早めに調理します。すぐに使わない分は、下味を付ける前の状態で冷蔵・冷凍する方が別の料理にも回しやすくなります。
よくある失敗と対処法
スマホでは横にスクロールできます。
| 失敗 | 主な原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 衣がべたつく | 水分が多い、油温が低い、一度に入れすぎた | 余分な汁を切り、170℃前後で少量ずつ揚げる |
| 衣がはがれる | 粉を付けて長く置いた、揚げ始めに触りすぎた | 揚げる直前に粉を付け、表面が固まるまで触りすぎない |
| 表面だけ濃く色付く | 油温が高すぎる、しょうゆの漬け汁が多く残っている | 170℃前後へ戻し、余分な漬け汁を切ってから粉を付ける |
| 身がパサつく | 薄い身を長く揚げた、二度揚げしすぎた | 薄い部位は早めに取り出し、二度揚げは厚い身だけにする |
| 中心が生っぽい | 切り身が厚い、表面の色だけで取り出した | 厚みをそろえ、中心まで追加加熱する |
| 皮が硬く残る | うろこが残っている | 皮付きで使う前にヒレ周りまでうろこを確認する |
保存と温め直し
唐揚げは揚げたてが一番ですが、残った場合は粗熱を取ってから清潔な保存容器へ入れ、冷蔵します。室温に長く置いたままにせず、できるだけ早めに冷やします。
温め直しは、電子レンジだけだと衣がしんなりしやすいため、短く電子レンジで中を温めた後、トースターやオーブンで表面を焼くとカリッと感が戻りやすくなります。厚い身は中心まで十分に温まっていることを確認します。
釣った魚は調理前の低温管理も大切です。持ち帰りから下処理までの基本は、釣った魚の持ち帰りと処理で確認できます。
マダイの唐揚げでよくある質問
皮は取った方がいいですか?
取らなくて大丈夫です。皮付きは香ばしく、身も崩れにくくなります。皮が苦手なら引いても作れますが、皮付きで揚げる場合はうろこを残さないことが大切です。
二度揚げした方がカリッとしますか?
厚い身や皮をよりカリッとさせたいときには有効ですが、毎回必要ではありません。ひと口大なら一度揚げで十分です。薄い身を二度揚げすると水分が抜けやすいため、必要な部位だけに使います。
少ない油でも作れますか?
揚げ焼きでも作れます。ただし魚が油から出る部分が多くなるため、途中で返しながら全体へ火を通します。少量の油は温度が変わりやすいので、数切れずつ揚げる方が仕上がりをそろえやすくなります。
冷凍したマダイでも作れますか?
作れます。冷蔵庫で解凍し、出てきたドリップを丁寧に拭いてから下味を付けます。水分が残ったまま片栗粉を付けると衣がべたつきやすくなります。
まとめ
マダイの唐揚げは、ひと口大に切った身へ軽く下味を付け、片栗粉を薄くまとわせて170℃前後の油で揚げれば、外はカリッと、中はふっくら仕上がります。皮付きなら香ばしさも加わり、刺身や塩焼きとは違うマダイのおいしさを楽しめます。
まずは背身や腹身から食べる分だけを唐揚げにし、頭・カマ・中骨は煮付けや鯛めしへ。自分で釣った1尾だからこそ、部位ごとに料理を変えながら最後までおいしく使い切ってみてください。
