タチウオのしゃぶしゃぶ|釣った太刀魚を昆布だしでふっくら味わう絶品鍋
釣ったタチウオを、家族で囲める温かい料理にしたいときは、昆布だしへ薄切りの身をくぐらせるタチウオのしゃぶしゃぶがおすすめです。
タチウオは加熱すると身がふっくらほどけ、皮の近くにある脂のうま味も楽しめます。骨を取り除いた身を薄く切り、沸騰させすぎないだしで丁寧に火を通せば、上品な白身と野菜の甘みを一緒に味わえる鍋料理に仕上がります。
今回のレシピでは、三枚おろしで中骨・背びれ側・腹側の骨を外し、頭側に残る肋骨をすき取った身を使います。皮は無理に引かず、皮付きのまま薄いそぎ切りにします。
なお、身の表面だけを数秒くぐらせ、中心を半生で食べる方法は、生食と同様の注意が必要です。加熱を安全対策にする場合は、時間だけで判断せず、身の中心まで十分に火を通してください。
- タチウオをしゃぶしゃぶ用に三枚おろしにする方法
- 中骨・背びれ側・腹側の骨と、肋骨の処理方法
- 皮付きの身を食べやすく薄切りにするコツ
- 昆布だしの作り方と鍋の温度
- 身を崩さずふっくら加熱する方法
- ポン酢、ごまだれ、締めの雑炊やうどんの楽しみ方
- 三枚おろしと肋骨処理を終えた骨のない身を使う
- 皮付きのまま3〜5mm程度のそぎ切りにする
- だしはグラグラ沸騰させず、小さな泡が出る程度を保つ
- 加熱を安全対策にする場合は、中心まで十分に火を通す
釣った魚をおいしく食べるには、釣り場から自宅までの保冷も重要です。魚の持ち帰り方は、次の記事で詳しく解説しています。

タチウオのしゃぶしゃぶの材料
2〜3人分を目安にした材料です。タチウオの大きさや、鍋へ入れる野菜の量に合わせて調整してください。
タチウオと昆布だし
- 三枚おろしにしたタチウオ:300〜400g
- 水:1,000ml
- 昆布:10cm角1枚程度
- 酒:大さじ2
- 塩:小さじ1/3程度
おすすめの野菜と具材
- 白菜:1/4株程度
- 水菜:1/2袋
- 長ねぎ:1本
- えのき:1袋
- しいたけ:4個
- 豆腐:1丁
- 大根:5cm程度
- にんじん:1/2本
つけだれと薬味
- ポン酢:適量
- ごまだれ:適量
- 小ねぎ:お好みで
- もみじおろし:お好みで
- 大根おろし:お好みで
- おろししょうが:お好みで
- すだちまたはレモン:お好みで
締めに使う材料
- ご飯:茶碗1〜2杯分
- 溶き卵:1〜2個分
- 小ねぎ:お好みで
- 冷凍うどん:1〜2玉
- 塩またはしょうゆ:味を調える分
タチウオから脂とうま味が出るため、最初の昆布だしは薄味で十分です。しょうゆを多く入れると、身の上品な味や締めの雑炊が重たくなりやすくなります。
白菜の芯、大根、にんじん、長ねぎなど火の通りにくい具材は先に鍋へ入れます。水菜や葉物は食べる直前に加えると、色と食感を残しやすくなります。
タチウオのしゃぶしゃぶの作り方
1.頭・内臓・血合いを取り除く
丸のまま持ち帰ったタチウオは、最初に頭を落として内臓を取り除きます。タチウオの歯は非常に鋭いため、口の近くを素手でつかまず、安定したまな板の上で作業してください。
- タチウオをまな板へ置き、頭の付け根へ包丁を入れます。
- 頭を切り落とします。
- 肛門から頭側へ向かって腹を浅く開きます。
- 内臓を取り出します。
- 背骨に沿って残った血や薄い膜を取り除きます。
- 弱い流水を短時間当て、腹の中を洗います。
- 表面と腹の中の水分をすぐに拭き取ります。
頭を調理台の端へ放置すると、手や腕が触れてけがをするおそれがあります。切り落としたら、すぐに手が触れない容器へ移してください。
取り出した内臓は、しゃぶしゃぶ用の身や野菜、薬味と分けて扱います。内臓に触れた包丁やまな板は、仕上げ作業へ進む前に丁寧に洗ってください。
2.銀色の表面は強くこすらずに洗う
タチウオには、一般的な魚に見られる硬いうろこがありません。銀色の表面は薄くはがれやすいため、包丁やたわしで削る必要はありません。
表面の汚れを弱い流水で短時間流し、キッチンペーパーで押さえるように水分を取ります。皮は薄い身を支え、しゃぶしゃぶにしたときのうま味にもつながるため、基本的には残したまま使います。
海仙人銀色の表面はうろこではないぞ。ゴシゴシ削らず、汚れを流したら水分をすぐに拭くのじゃ。
3.扱いやすい長さに切り分ける
長いままでは三枚おろしにしにくいため、タチウオを15〜20cm程度に切り分けます。
短く切りすぎると三枚おろしの回数が増えるため、まな板と包丁の長さに合わせ、無理なく刃を動かせる長さにしてください。
4.三枚おろしにする
しゃぶしゃぶは薄い身を一切れずつ食べる料理なので、筒切りではなく三枚おろしにします。
- 切り分けたタチウオをまな板の上へ安定させます。
- 背側から中骨に沿って包丁を入れます。
- 腹側からも中骨に沿って包丁を入れます。
- 刃先を中骨へ沿わせ、片側の身を切り離します。
- 反対側の身も同じように切り離します。
中骨へ沿って両側の身を切り離すことで、中骨と一緒に、背びれ側・腹側に並ぶ骨を身から外せます。
タチウオは身が薄いため、包丁を大きく動かさず、中骨の形へ沿わせるように少しずつ切り進めてください。
5.頭側の身に残る肋骨をすき取る
三枚おろしにしても、内臓が入っていた頭側の身には肋骨が残ります。肋骨は、中骨や背びれ側・腹側の骨とは別に処理します。
- 三枚おろしにした身を、皮側を下にしてまな板へ置きます。
- 指で肋骨の位置を確認します。
- 包丁を寝かせ、肋骨の下へ薄く刃を入れます。
- 骨の形に沿って刃を動かし、肋骨だけをすき取ります。
包丁を深く入れると、肋骨と一緒に食べられる身まで削ぎ落としてしまいます。骨のすぐ下へ薄く刃を通すことを意識してください。
6.残った骨を指で確認する
三枚おろしと肋骨の処理を終えたら、身の内側を指の腹でゆっくりなぞります。硬く当たる部分があれば、骨の位置と向きを確認してください。
残った骨は骨抜きを使い、骨が生えている方向へゆっくり引き抜きます。真上へ強く引くと、薄い身が裂けやすくなります。
しゃぶしゃぶは短時間で加熱するため、残った骨がやわらかくなるとは限りません。鍋へ並べる前に、身の端から端まで確認してください。
7.身の状態と異物を確認する
骨を処理した身を明るい場所へ置き、表裏を確認します。傷み、不自然な変色、白い糸状の異物などがないか、少しずつ角度を変えながら見てください。
異物を見つけた場合は取り除きますが、目視だけで生食や加熱不足のリスクが完全になくなるわけではありません。
表面だけを短時間しゃぶしゃぶして中心を半生にする食べ方は、生食と同様の注意が必要です。魚の状態や処理に少しでも不安がある場合は、中心まで十分に加熱してください。
8.身を冷やして切りやすくする
骨を処理した身を清潔なキッチンペーパーで包み、その上からラップをします。
冷蔵庫で10〜20分ほど冷やし、身を落ち着かせます。タチウオの身はやわらかいため、冷たい状態のほうが薄いそぎ切りにしやすくなります。
9.皮付きのまま3〜5mm程度にそぎ切りにする
冷やした身を皮側が下になるように置き、3〜5mm程度のそぎ切りにします。
- 包丁を斜めに寝かせ、刃元を身へ当てます。
- 刃先まで長く使い、手前へ引いて切ります。
- 包丁を何度も往復させず、一度の動作で切り離します。
- 切った身は手で強くつかまず、包丁の腹や箸で移します。
大型で身の厚いタチウオは4〜5mm程度、細めの身は3〜4mm程度を目安にしてください。
皮が口に残りそうな太い身は、切り付ける前に皮目へ数本の浅い切れ目を入れます。身を深く切り離さず、皮だけを断つ程度にしてください。
10.皿へ重ならないように並べる
切った身を、冷やした皿へ重ならないように並べます。
一切れずつ取りやすいよう、皮側を同じ向きへそろえると見た目もきれいです。鍋へ入れる直前までラップをして冷蔵庫で保管してください。
11.昆布だしを作る
鍋へ水と昆布を入れ、30分以上置きます。時間がある場合は、冷蔵庫で数時間置いても構いません。
- 昆布の表面を固く絞った布やペーパーで軽く拭きます。
- 鍋へ水と昆布を入れます。
- 弱火から中火でゆっくり温めます。
- 鍋底から小さな泡が出始めたら昆布を取り出します。
- 酒と塩を加え、薄味に調えます。
昆布を強く沸騰させると、ぬめりやえぐみを感じることがあります。沸騰する直前を目安に取り出してください。
12.野菜と豆腐を食べやすく切る
白菜は芯と葉を分け、食べやすい大きさに切ります。長ねぎは斜め切り、水菜は5cm程度、きのこは石づきを取り除いてほぐします。
大根とにんじんをピーラーで薄く削ると、火が通りやすく、タチウオと一緒にしゃぶしゃぶして食べられます。
13.つけだれと薬味を準備する
ポン酢、ごまだれ、小ねぎ、もみじおろし、大根おろしなどを、食べる人ごとに用意します。
タチウオの味を最初に確認するため、一切れ目はポン酢または塩とすだちで食べるのがおすすめです。
14.火の通りにくい野菜から煮る
昆布だしへ白菜の芯、大根、にんじん、長ねぎ、きのこ、豆腐を入れます。
鍋を強く沸騰させず、具材が動く程度の火加減で煮てください。アクが出た場合は、網じゃくしで丁寧に取り除きます。
15.鍋は小さな泡が出る程度に保つ
タチウオを入れる前に、だしの表面へ小さな泡が出る状態へ調整します。
グラグラ沸騰させると、薄い身が鍋の中で揺れて崩れやすくなり、皮もはがれやすくなります。反対に温度が低すぎると、火が通るまで時間がかかり、身がだしを吸って水っぽくなることがあります。



鍋は沸かしすぎないのがコツじゃ。小さな泡が静かに上がる火加減を保つのじゃぞ。
16.タチウオを一切れずつだしへ入れる
生のタチウオを扱う箸またはトングを用意し、一切れずつだしへ入れます。
身を一度に大量に入れると、だしの温度が急に下がり、切り身同士も重なります。鍋の大きさに合わせ、数切れずつ加熱してください。
生のタチウオを鍋へ入れる箸やトングと、口へ運ぶ箸は分けてください。生魚をつかんだ箸で、そのまま薬味や加熱済みの具材を取らないようにします。
17.身の中心まで火を通す
切り身をだしの中で泳がせ、皮が少し縮み、身全体が白く不透明になるまで加熱します。
3〜5mm程度の薄切りなら短時間で火が通りますが、必要な時間は身の厚さやだしの温度によって変わります。「何秒」と決めつけず、中心まで熱が入ったことを確認してください。
アニサキス対策としては、中心まで70℃以上、または60℃で1分以上の加熱が有効とされています。表面だけが白く、中心が半透明の状態は、十分な加熱とはいえません。
確実に確認したい場合は調理用温度計を使用し、中心温度を確認してください。
18.火が通ったら早めに取り出す
身全体が白くなり、中心まで火が通ったら、鍋の中へ長く残さず取り出します。
タチウオは火が通りやすいため、長く煮続けると身が締まり、ふっくらした食感が弱くなります。食べる分だけ少量ずつ加熱してください。
19.ポン酢やごまだれで味わう
火を通したタチウオを、ポン酢やごまだれへ付けて食べます。
ポン酢には小ねぎ、もみじおろし、大根おろし、すだちがよく合います。ごまだれにはおろししょうがや少量のラー油を加えてもおいしく食べられます。
20.水菜などの葉物を加える
鍋の後半に水菜や白菜の葉を加え、短時間で火を通します。
タチウオの脂とうま味が出ただしを葉物が吸い、魚と一緒に食べやすくなります。葉物を最初から煮込みすぎないようにしてください。
21.アクと骨の取り残しを確認する
鍋を続けていると、だしの表面へアクや細かな身のかけらが浮くことがあります。網じゃくしで取り除き、だしをきれいに保ちます。
骨処理をしていても、食べる際は一切れずつ確認してください。特に子どもや高齢者へ出す場合は、取り皿で身をほぐして確認すると安心です。
22.締めの雑炊またはうどんを作る
魚と野菜を食べ終えたら、残っただしのアクを取り除き、味を確認します。
雑炊にする場合
- ご飯を流水で軽く洗い、余分な粘りを落とします。
- だしへご飯を加え、弱火で数分煮ます。
- 塩またはしょうゆを少量加え、味を調えます。
- 溶き卵を回し入れ、ふたをして火を止めます。
- 小ねぎや刻みのりを添えます。
うどんにする場合
- 冷凍うどんを表示どおりに温めます。
- 鍋のだしへ加え、全体が温まるまで煮ます。
- ポン酢ではなく、塩やしょうゆでだしの味を調えます。
- 小ねぎや七味唐辛子を添えます。
タチウオの脂、昆布、野菜、きのこのうま味がだしへ溶け出しています。味を濃くしすぎず、最後に必要な分だけ塩やしょうゆを加えてください。
タチウオのしゃぶしゃぶをおいしく作るポイント
骨のない三枚おろしの身を使う
筒切りでは中骨、背びれ側の骨、腹側の骨が残るため、薄切りのしゃぶしゃぶには向きません。
三枚おろしで中骨と背びれ側・腹側の骨を外し、頭側に残る肋骨を別にすき取ってください。
皮付きのまま薄く切る
タチウオの皮は薄い身を支え、加熱したときの香ばしさと脂のうま味を残してくれます。
皮が気になる太い身は、皮目へ浅い切れ目を入れてから3〜5mm程度にそぎ切りにすると食べやすくなります。
薄切りにする前に身を冷やす
常温でやわらかくなった身は、包丁を入れたときに崩れやすくなります。
骨処理後の身をペーパーとラップで包み、冷蔵庫で短時間冷やしてから切り付けてください。
昆布だしは薄味にする
最初から濃い味の鍋つゆにすると、タチウオの繊細な味が分かりにくくなります。
昆布、水、酒、少量の塩を基本にし、食べるときにポン酢やごまだれで味を調整してください。
だしを沸騰させすぎない
強く沸騰した鍋へ薄い身を入れると、身が激しく動き、皮や身が崩れやすくなります。
小さな泡が静かに上がる程度を保ち、身を一切れずつ加熱してください。
鍋へ身を詰め込まない
大量の身を一度に入れると、だしの温度が下がり、切り身同士が重なって加熱むらが起こります。
食べる分だけ少量ずつ入れ、火が通ったら早めに取り出します。
加熱時間だけで判断しない
切り身の厚さ、鍋の火力、入れる枚数によって、中心まで火が通る時間は変わります。
安全のために加熱する場合は、表面の色だけでなく、中心まで白く不透明になっているか確認してください。
- 皮が軽く縮み、身がふっくらしている
- 身の中心まで白く不透明になっている
- 長く煮すぎず、身が硬くなっていない
- だしが強く濁らず、昆布と魚の香りがする
- 骨や硬い部分が残っていない
タチウオのしゃぶしゃぶのアレンジ
ポン酢ともみじおろしでさっぱり食べる
タチウオの脂を軽く味わいたい場合は、ポン酢ともみじおろしがおすすめです。
小ねぎ、大根おろし、すだちを加えると、後味がより爽やかになります。
ごまだれで濃厚に味わう
脂の少ない細めのタチウオや、野菜をたっぷり食べたいときは、ごまだれがよく合います。
おろししょうが、ラー油、すりごまを少量加えると、味に変化を付けられます。
大根とにんじんも一緒にしゃぶしゃぶする
大根とにんじんをピーラーで薄く削り、タチウオと一緒にだしへくぐらせます。
火が通りやすく、魚と野菜を一口で食べられるため、鍋全体が軽い仕上がりになります。
水菜と長ねぎを巻いて食べる
火を通したタチウオで、水菜や細切りの長ねぎを包んで食べると、白身のやわらかさと野菜の食感を一緒に楽しめます。
豆乳だしにアレンジする
昆布だしへ無調整豆乳を加えると、まろやかな豆乳しゃぶしゃぶになります。
豆乳は強く沸騰させると分離しやすいため、昆布だしと同量程度から加え、弱火で温めてください。みそを少量溶いてもよく合います。
ゆず塩だしにする
昆布だしへ塩を少量加え、仕上げにゆずの皮や果汁を添えると、香りのよい塩しゃぶしゃぶになります。
ゆずの皮を長く煮ると苦味が出ることがあるため、食べる直前に加えてください。
細い尾側はつみれにする
薄切りにしにくい尾側の身は、骨が残っていないことを確認して細かくたたき、長ねぎ、しょうが、片栗粉、塩を混ぜてつみれにできます。
つみれは中心まで十分に火を通してください。
刺身で楽しめる身は銀皮造りにする
適切に処理し、生食について自分で判断できる身は、皮目へ細かな切れ目を入れた銀皮造りでも楽しめます。
揚げ物にするなら天ぷらがおすすめ
しゃぶしゃぶに使いにくい細い部分や、切り付けで形が崩れた身は、天ぷらにすると無駄なく食べられます。


タチウオのしゃぶしゃぶを作るときの注意点
鮮度が良く見えても加熱不足のリスクはなくならない
見た目に張りがあり、においに違和感がない魚でも、寄生虫や目に見えない微生物のリスクが完全になくなるわけではありません。
表面だけを数秒加熱し、中心を半生で食べる場合は、生食と同様の注意が必要です。
- 釣った後の保冷状態が分からない
- 内臓を取り除くまでに時間がかかった
- 身の状態や生食の可否を判断できない
- 小さな子ども、高齢者、妊娠中の方へ出す
- 免疫機能が低下している方が食べる
- 食べる人が半生の魚に不安を感じている
アニサキスへの対策を理解する
海産魚介類には、アニサキスなどの寄生虫がいる可能性があります。内臓をできるだけ早く取り除き、身の両面を明るい場所で目視してください。
ただし、目視だけですべてを見つけられるとは限りません。加熱を対策にする場合は、中心まで70℃以上、または60℃で1分以上を目安にします。
身の表面が白くなっても、中心が半透明で温度が低い場合があります。短時間の加熱を、確実な寄生虫対策と考えないでください。
冷凍処理を選ぶ場合は温度と時間を確認する
アニサキス対策として冷凍を選ぶ場合は、魚の中心までマイナス20℃以下で24時間以上という条件を満たす必要があります。
家庭用冷凍庫へ入れただけで、魚の中心まで条件を満たしたとは限りません。冷凍庫の実際の温度や魚の厚さを確認できない場合は、「冷凍したから大丈夫」と決めつけないでください。
生魚用と食事用の箸を分ける
生のタチウオを鍋へ入れる箸やトングと、加熱した身を食べる箸を分けます。
生魚をつかんだ箸で、薬味、野菜、豆腐、締めの具材などを触らないようにしてください。
生魚を常温へ長く置かない
薄切りにした身は、食べる直前までラップをして冷蔵庫へ入れておきます。
鍋の横へ全量を長時間置かず、食べる分だけ少量ずつ出す方法もおすすめです。
だしが減ったら水だけを大量に足さない
鍋の途中でだしが減った場合は、温めた昆布だしまたは湯を少量ずつ加えます。
冷たい水を大量に加えると鍋の温度が下がり、魚へ火が通るまで時間がかかります。
鍋のアクを放置しない
魚や野菜から出たアクを放置すると、だしに雑味が出やすくなります。表面へ集まったアクは、網じゃくしでこまめに取り除いてください。
締めを作る前に残った生魚を片付ける
雑炊やうどんを作る前に、使用していない生のタチウオを冷蔵庫へ戻し、生魚用の箸やトングを片付けます。
締めの料理へ生魚の汁が付かないよう、作業場所も清潔に整えてください。
食後に激しい腹痛などが出た場合は受診する
魚を食べた後に、激しいみぞおちの痛み、強い下腹部痛、吐き気、嘔吐などが現れた場合は、自己判断で放置せず医療機関を受診してください。
受診時には、いつ、どの魚を、どの程度加熱して食べたかを伝えます。
よくある質問
タチウオのしゃぶしゃぶは皮付きで作りますか?
基本的には皮付きで作ります。皮は薄い身を支え、加熱したときに皮下の脂とうま味を楽しめます。
太い身で皮が気になる場合は、皮目へ浅い切れ目を数本入れてから薄く切ってください。
筒切りでもしゃぶしゃぶにできますか?
筒切りでは中骨、背びれ側の骨、腹側の骨が残るため、薄切りのしゃぶしゃぶには向きません。
三枚おろしにして肋骨もすき取り、骨のない身を使用してください。
三枚おろしにすれば骨はすべて取れますか?
三枚おろしにすると、中骨と一緒に背びれ側・腹側の骨を身から外せます。しかし、頭側の身には肋骨が残ります。
三枚おろし後に肋骨を包丁ですき取り、最後に指で残った骨を確認してください。
何mmくらいに切ればよいですか?
3〜5mm程度のそぎ切りが目安です。
薄すぎると鍋の中で崩れやすく、厚すぎると中心まで火が通るのに時間がかかります。
何秒しゃぶしゃぶすればよいですか?
必要な時間は、身の厚さ、鍋の温度、入れる枚数によって変わります。
安全のために加熱する場合は秒数だけで判断せず、中心まで白く不透明になっていることを確認してください。確実な温度管理が必要な場合は調理用温度計を使います。
半生で食べてもよいですか?
中心が半生の状態は、生食と同様の注意が必要です。新鮮に見えることだけを理由に、安全とは判断できません。
魚の処理や保冷状態に不安がある場合、または生食の判断ができない場合は、中心まで十分に加熱してください。
どのようなだしが合いますか?
基本は昆布だしがおすすめです。タチウオの上品な味を邪魔しにくく、魚と野菜から出るうま味も楽しめます。
豆乳、ゆず塩、みそなどにもアレンジできますが、最初から味を濃くしすぎないようにしてください。
ポン酢とごまだれのどちらが合いますか?
タチウオの脂をさっぱり味わうならポン酢、野菜と一緒に濃厚に楽しむならごまだれが合います。
両方を用意し、部位や野菜によって使い分けるのもおすすめです。
締めは雑炊とうどんのどちらがおすすめですか?
魚と野菜のだしを余さず味わうなら雑炊、食べ応えを求めるならうどんがおすすめです。
雑炊はご飯を軽く洗ってから加えると、だしが必要以上に濁りにくくなります。
冷凍したタチウオでも作れますか?
作れます。冷蔵庫内でゆっくり解凍し、表面へ出た水分を丁寧に拭き取ってください。
一度解凍した身は再冷凍せず、状態を確認して早めに調理します。
タチウオのしゃぶしゃぶにあると便利な道具
三枚おろしと肋骨処理後に残った骨を取り除くには骨抜きが役立ちます。また、細長いタチウオを切り分け、薄いそぎ切りを行うには、作業スペースを確保しやすい広めのまな板が便利です。
貝印 Kai House SELECT 骨抜き DH8195
三枚おろしと肋骨の処理後、指で身をなぞって見つけた骨を取り除くときに使える骨抜きです。
骨を真上へ強く引かず、骨が生えている方向に沿ってゆっくり引くと、薄い身が裂けるのを抑えやすくなります。


VICTORINOX エピキュリアン キッチンシリーズ XL
約44.4×33cmの広さがあるカッティングボードです。細長いタチウオを切り分けるときや、三枚おろし、肋骨処理、薄いそぎ切りを行うときに作業スペースを確保しやすくなります。
しゃぶしゃぶ用の身を切る前には、頭や内臓の処理に使った面を丁寧に洗い、清潔な状態へ整えてください。


魚の骨抜きや、魚の大きさに合うまな板の選び方は、次の記事で詳しく解説しています。




まとめ
タチウオのしゃぶしゃぶは、骨を取り除いた皮付きの身を薄く切り、昆布だしでふっくら加熱して味わう鍋料理です。
- 三枚おろしで中骨・背びれ側・腹側の骨を外す
- 頭側に残る肋骨をすき取り、指で残った骨を確認する
- 皮付きのまま3〜5mm程度のそぎ切りにする
- 昆布だしは薄味にし、グラグラ沸騰させない
- 身は少量ずつ入れ、中心まで火が通ったら早めに取り出す
- 生魚用の箸と食べる箸を分け、衛生的に楽しむ
ポン酢、ごまだれ、ゆず塩、豆乳だしなどにアレンジでき、最後はタチウオと野菜のうま味が溶けた雑炊やうどんまで楽しめます。
表面だけを短時間加熱して中心を半生で食べる方法は、生食と同じ注意が必要です。加熱を安全対策にする場合は、秒数だけで判断せず、中心まで十分に火を通すことを大切にしてください。
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