シマアジのあら汁は、刺身や焼き物用に身を取ったあとのカマ・中骨から、魚の風味を引き出せる汁物です。霜降りして血とうろこを洗い、静かに煮出してから汁をこすと、骨片が入りにくくなります。ここでは頭を使わず、あらから外した身と豆腐を具にした味噌仕立てで作ります。
シマアジのあら汁の材料(2〜3人分)
あらは骨込みで300g。身の付いたカマと中骨を組み合わせると、だしだけでなく具になる身も取れます。厚いカマの身は2〜3cm程度を想定しています。頭、えら、内臓は使いません。持ち込み処理に対応する魚店で5〜7cm程度に切り分けてもらえると家庭で扱いやすくなります。
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| シマアジのあら(頭なし、身付きカマ・中骨) | 300g、骨込み |
| 塩(下処理用) | 3g、洗い流す |
| 水 | 600ml、蒸発時は湯を追加 |
| 昆布 | 3g |
| 酒(食塩無添加) | 大さじ2(30ml) |
| だしなし米味噌 | 30〜36g |
| 絹ごし豆腐 | 150g |
| 小ねぎ | 2本 |
| 霜降りと冷却用の湯・水 | あらが浸かる量 |
味噌はだしなしの米味噌を想定しています。最初に30gを溶き、必要なら6gほど足します。甘口や減塩などで塩味が違うので、初めから全量を入れないでください。昆布は省いても作れますが、うま味の出方は変わります。
用意する道具
直径20cm程度の鍋、霜降り用のボウル、あらをすくう網じゃくし、目の細かいこし器、熱い汁を受けられる金属製などのボウルを用意します。小骨の確認には骨抜き、火通りの補助に食品の中心を測れる温度計(あれば)を使います。
加熱後の身を広げるバットと箸は、清潔なものを別に用意します。骨片が細かいときにこし器へ重ねられる、だしこし用の布もあると便利です。
あら汁の基本の作り方
昆布を浸す時間を含め45分ほどが目安です。昆布を冷蔵庫で戻す間に、あらの下処理を進めます。
- 昆布を水に浸す:分量の水600mlへ昆布を入れ、冷蔵庫で20〜30分ほど置きます。
- あらを霜降りする:塩を振って冷蔵庫で10分置き、洗ってから湯をくぐらせます。冷水に取り、血とうろこを落とします。
- だしを取る:昆布を浸した水へあらと酒を加え、煮立つ直前に昆布を取り出します。あくをすくい、弱火で10分ほどから厚い身を確認しながら、静かに煮ます。
- 身と骨を分ける:厚い骨際を開いて確かめ、生っぽい所が残れば汁へ浸してさらに煮て、同じ骨際を確かめ直します。中まで十分加熱したらあらを取り出します。汁をこし、あらの身を骨から外して小骨を確かめます。
- 豆腐と身を温める:汁を鍋へ戻して豆腐と魚の身を入れ、中心まで加熱します。火を弱めて味噌を溶き、小ねぎを散らします。
工程ごとの詳しい作り方
1.昆布を水に浸す
昆布は表面の汚れを軽く拭き、分量の水600mlへ入れて冷蔵庫で20〜30分置きます。昆布を省く場合は水600mlを用意します。小ねぎを洗って小口切りにし、覆って冷蔵してから、あらの下処理へ進みます。
2.あらを霜降りして、血とうろこを落とす
カマはえらの後ろにある身の厚い部分、中骨は背骨に沿って残る骨と身です。カマと中骨を合わせると、だしに加えて具になる身も取れます。中骨だけで身が少ない場合は、豆腐を具の中心にします。
えらや内臓は使わず、腹の内側や骨のくぼみに残る血を落とします。切り口に細かな骨片がないかも確認してください。硬い骨を切る必要がある場合は持ち込み処理に対応する魚店へ頼み、鍋に収まる大きさのものを用意します。
あらに下処理用の塩3gを振り、覆って冷蔵庫で10分置きます。水分が出たら塩ごと短い流水で洗い流します。これは汁へ塩味を付ける工程ではありません。
湯を沸かし、火を弱めて激しい沸騰がおさまったら、あらを少量ずつくぐらせます。表面が白く変わったら引き上げ、冷水へ移します。湯が冷めたら温め直して、次のあらを入れます。
冷水の中で、浮いた血、ぬめり、うろこを取り除きます。シマアジの細かなうろこは、ひれ際やカマの皮に残りやすいので、指の腹で確かめます。うろこ取りを使う場合は、魚をまな板で安定させてから行います。
洗い終わったらざるで水を切ります。霜降りは表面の汚れを洗いやすくする下処理で、このあと汁の中で中心まで煮ます。
3.昆布を引き上げ、あらを静かに煮る
鍋へ昆布と水を移し、下処理したあらと酒を加えて中火へかけます。
鍋の縁へ細かな泡が集まり、煮立つ直前になったら昆布を取り出します。脂の膜と灰色の泡を見分け、あくの泡をお玉ですくいます。
あらが鍋の中で転がらず、表面が静かに揺れる程度の火加減で煮ます。ふたはせず、10分ほどからカマの厚い骨際を少し開きます。半透明で生っぽい所が残る、または判断に迷うときは、開いた部分を汁へ浸して煮続け、同じ骨際をもう一度確認します。10分は確認を始める目安で、煮終わりの時間ではありません。
中心温度計を持っている場合は、骨を避けて厚い身の横から中央へ差し、中心75℃以上で1分以上を目安に確認します。色やほぐれ方は手掛かりで、見た目だけでこの温度と保持時間の達成は保証できません。
水面が下がってあらが大きく露出したら、熱湯を少量ずつ足します。あらが動くほど激しく沸かすと身や骨の欠片が散りやすいので、表面が静かに揺れる火加減を保ちます。
4.汁をこし、身の骨を取り除く
あらを網じゃくしで清潔なバットへ取り出します。目の細かいこし器を耐熱ボウルへ安定させ、鍋の汁をゆっくり注いでこします。こし器は受ける容器へ確実に載せておきます。
細かな骨片がある場合は、食品のだしこしに使える清潔な布をこし器へ重ねてこします。十分に骨片を除けない汁は使わないでください。こした汁を洗った鍋へ戻します。
シマアジは加熱すると骨から身が離れやすくなります。まずカマのまとまった身を取り、次に中骨沿いの身を少しずつ外します。細い腹骨が身に付いて外れることがあるので、汁をこす作業とは別に、身の骨も確かめます。
清潔な箸で身を広げ、付いている骨を取り除きます。触れられる温かさになったら指の腹でも確かめ、硬いものが触れたら骨抜きで除きます。細かすぎて骨を確認できない身は使いません。作業を手早く済ませ、ほぐした身を清潔なバットへまとめます。
5.豆腐と身を温め、味噌を溶いて盛る
豆腐は2cm角に切ります。こした汁へ豆腐とほぐした身を入れ、弱めの中火へかけます。魚の身も豆腐も中心まで十分温まるよう加熱します。身の重なりをほぐし、豆腐を少し開いて冷たい所が残る場合は、汁へ浸して加熱を続け、同じ部分をもう一度確かめてください。
蒸発して汁が少なくなっていれば、ここで湯を足して調整します。魚や豆腐が十分に浸かる、汁部分が550〜600ml程度の仕上がりを目安にすると、味噌量を決めやすくなります。
火を弱め、味噌30gをお玉の汁で溶いて戻します。味を見て足りない分だけ追加し、強く沸騰させ続けずに温めて止めます。味噌を入れる前に魚と豆腐を加熱しておけば、味噌の香りを残しやすくなります。
器へ魚と豆腐を分けて汁を注ぎ、小口切りの小ねぎを散らします。
味やにおいが気になるときの調整
味が薄い
塩味が薄ければ、味噌を少量ずつ足します。塩味は十分なのに魚の風味が弱い場合は、そのまま軽めの汁として食べ、次回は身付きのカマもあらに組み合わせます。味噌を足すほど魚のだしが濃くなるわけではありません。
脂が多く、重く感じる
火を止めて表面へ集まった脂を、お玉で少しずつすくいます。脂を全部取る必要はありません。次回は脂の多い腹周りばかりにせず、中骨とカマを組み合わせてください。
生臭い、細かいかすが浮く
細かいかすや骨片なら、工程4の方法でもう一度汁をこします。血が残っていた場合は、次回の霜降り後に骨の溝とひれ際をよく洗います。魚種や保冷履歴が不明なもの、保冷が不適切だったもの、異臭や不自然なぬめりがあるものは食べないでください。
味噌を入れすぎた
湯を少量ずつ足して味を調整し、全体を再び十分に温めます。魚のだしも薄まるため、一度に大量の水を入れず、小さじ〜大さじ単位で様子を見ます。
残ったあら汁は早く冷まし、温め直す
汁物は鍋の中心に熱が残りやすいため、小分けにすると冷ましやすくなります。残す分は清潔な浅い容器へ小分けし、氷水に当てるなどして速やかに冷まし、冷蔵します。
冷蔵後も早めに食べ、温め直しは汁全体がふつふつと沸くまで混ぜながら加熱します。魚の身の重なりをほぐし、豆腐の中央を開いて冷たい所が残る場合は温め足し、同じ部分を再確認します。温度計があれば中心75℃以上で1分以上を目安に確認します。
常温に長く置いた汁など、保管状態に不安があるものは食べません。食べる予定が決まらないときは、あらを新鮮なうちに下処理して冷凍し、使う日に汁を作る方法もあります。釣った魚の保冷は持ち帰りと下処理から切らさないようにします。
保存用レシピまとめ
頭を使わない味噌あら汁の材料と手順を、一枚で振り返れます。


