シマアジの刺身は、弾力のある身と脂のうまみをそのまま楽しむ食べ方です。漬け丼なら少し薄く切り、冷たいたれを短時間絡めて、ごま・のり・大葉とご飯へ。たれを先に冷やしておくと、切った魚をすぐに漬けられます。
生食前の確認:生食向けの衛生管理と寄生虫対策を確認したシマアジを使い、調理まで低温を保ちます。釣った魚や家庭で冷凍する魚は、後半の「生食に使う魚の確認」を先に読んでから準備してください。
シマアジの刺身・漬け丼の材料(2人分)
皮と骨を除いた生食用の柵200gを使います。柵は、食べる厚さへ切る前のまとまった身です。次の表は漬け丼を基本にしています。
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| シマアジ(生食用・寄生虫対策を確認した皮なし骨なし柵) | 200g |
| 炊いた白ご飯 | 360g |
| 濃口しょうゆ(漬けだれ) | 大さじ2(30ml) |
| 酒(食塩無添加) | 大さじ1(15ml) |
| 本みりん | 大さじ1(15ml) |
| 水(漬けだれ) | 大さじ2(30ml) |
| 大葉 | 4枚 |
| 小ねぎ | 2本 |
| 焼きのり | 1/2枚、細く刻む |
| 白いりごま | 小さじ2 |
| わさび | 少量 |
| 大根つま(刺身だけにする場合) | 80g |
刺身だけにする場合は、ご飯・漬けだれ・ねぎ・のり・ごまを使わず、大根つま80gを用意します。大葉、わさび、つけしょうゆを少量ずつ添えます。
必要な道具
よく切れる包丁、清潔なまな板、食品用キッチンペーパー、漬ける容器、たれ用の直径12〜14cm程度の小鍋、たれを冷ます耐熱容器と氷水を用意します。皮付きの身を使う場合は骨抜きもあると便利です。盛り皿と漬ける容器を冷蔵庫へ入れておきます。
漬け丼の基本の作り方
下処理済みの柵からなら、たれの冷却を含めて30〜40分ほどが目安です。寄生虫対策の冷凍・解凍時間は含みません。先に工程3の骨と皮を除く下処理を行い、後半の条件どおりに冷凍・冷蔵解凍を済ませます。以下のたれや薬味は食べる当日に準備してください。
- たれを作って冷やす:酒、本みりん、水を小鍋で煮立て、火を止めてしょうゆを加えます。耐熱容器へ移し、魚と同じくらい冷たくなるまで冷やします。
- 薬味を用意する:大葉と小ねぎを洗って水気を取り、切ります。のりを刻みます。
- 魚を切る:骨と皮を除いた冷たい柵の水気を取り、5〜7mmのそぎ切りにします。
- 冷蔵庫で漬ける:冷えたたれへ魚を入れ、10〜15分を目安に漬けます。この間にご飯を用意し、湯気を落ち着かせます。
- 丼に盛る:ご飯にごまとのり、汁を切った魚をのせ、大葉・小ねぎ・わさびを添えてすぐ食べます。
刺身だけなら、たれ作りと漬ける工程を省きます。つまと大葉を先に用意し、魚を7〜8mmほどに切って冷たい皿へ盛ります。
1.漬けだれを先に作り、冷やす
酒類を加えずに作りたい場合は、加熱する前に、後半の「酒と本みりんを使わないたれ」の配合を選んでください。
小鍋へ酒大さじ1、本みりん大さじ1、水大さじ2を入れ、中火で煮立てます。弱めの火にして30秒〜1分ほど煮立て、火を止めてしょうゆ大さじ2を混ぜます。液が少ないので、鍋底へわずかしか残らなくなる前に火を止めます。この短い加熱でアルコールが完全になくなるわけではありません。
清潔な耐熱容器へ移し、容器の底を氷水に当てて冷まします。水がたれへ入らないようにし、粗熱が取れたら冷蔵庫で魚と同じ程度まで冷やします。魚はたれが冷えてから切り始めます。
ご飯へ追加するたれが欲しい場合は、魚を漬ける前に少量を清潔な小皿へ取り分け、冷蔵しておきます。
2.薬味とつまを先に用意する
大葉と小ねぎを洗い、水気を拭きます。大葉は軸を除いて細切り、小ねぎは小口切り、のりは細く刻みます。薬味を切った後に魚を扱うと、盛り付け用の食材へ生魚の汁が付くのを避けられます。
刺身だけにする日は、つまの水をよく切り、大葉と一緒に冷やした皿へ盛って冷蔵庫に置きます。つまから皿に水が出ていれば、魚をのせる前に除きます。
3.冷たい柵を、食べ方に合う厚さへ切る
事前に皮付きの身から柵を用意する場合
丸魚はうろこ、頭と内臓を除き、腹の血を洗って三枚におろします。身から腹骨を薄くそぎ、大きな半身は背側と腹側に分け、境目の血合い骨を細い帯状に切り取ります。小さな身なら骨抜きで一本ずつ抜き、指でなぞって残りを確かめます。
皮を下に置き、尾側の端から皮と身の境目へ包丁を差し込みます。皮をペーパーでつかみ、刃をまな板とほぼ平行に保って皮を引きます。皮に厚く身が残るときは刃が身側へ寄りすぎ、皮が途中で切れるときは皮側へ寄りすぎています。切れた所でいったん止め、新しい端から境目へ刃を入れ直します。
硬い皮やうろこの取り残しを確認し、表裏の水分をキッチンペーパーで押さえます。清潔に包んで後半の条件どおり冷凍し、使う日に冷蔵庫で解凍します。解凍後は水分を拭き、切る直前まで冷蔵します。
漬け丼は5〜7mm、刺身は7〜8mmを起点にする
必要な冷凍・冷蔵解凍を済ませた柵の骨の取り残しを指で確かめ、水気を押さえます。柵の表面に見える筋目を横切る向きに置き、刃元から刃先まで長く使って手前へ引きます。背側と腹側を切り替えるときは、その柵の筋目を見直します。
漬け丼は包丁を少し寝かせ、5〜7mmほどのそぎ切りにします。斜めに切ると一枚の幅を取りやすく、短い漬け時間でも表面へたれが絡みます。腹側のやわらかい身が裂けるなら少し厚く切り、形を残します。刃が滑るときは脂を拭き、身が温まってきたら柵を冷蔵庫へ戻してから続けます。
刺身は包丁を立て気味にして7〜8mmほどに切ります。まず一切れを味わい、歯ごたえが強ければ残りを少し薄くします。つまと大葉を用意した皿へ少しずつ重ねて並べ、しょうゆとわさびを別に添えたら完成です。
4.冷蔵で短く漬け、ご飯を用意する
魚を少し重ねて広げられる小さめの容器へ冷たいたれと魚を入れ、覆って冷蔵庫へ置きます。10〜15分を目安にし、薄く切った身は10分ほどで一切れをご飯と合わせて味を見ます。味が付いていれば取り出して盛り、薄ければ数分ずつ延ばします。
途中で一度やさしく上下を返し、貼り付いている身を離して両面へたれを付けます。たれが浅くても、返せば全体へなじませられます。魚の中心まで茶色になるのを待つ必要はありません。
漬けている間に、ご飯360gを清潔な広い皿へ軽く広げ、湯気を落ち着かせます。ご飯を冷ますために長く放置せず、盛り付ける直前まで魚は冷蔵庫に置きます。
5.汁を切って丼へ盛る
ご飯を1人180gずつ丼へ移し、白いりごまと刻みのりを散らします。魚を持ち上げ、たれが滴らなくなる程度に汁を切ってから、ご飯の上へ少しずつ重ねて並べます。汁を切ると、ご飯がたれを吸いすぎるのを防げます。
大葉、小ねぎ、わさびを添え、すぐ食卓へ出します。味を足すときは、先に取り分けておいたたれを少量ずつ使います。生魚に触れた漬けだれは保存して使い回しません。
酒と本みりんを使わないたれ
基本の酒・本みりん・水を、水大さじ3と砂糖小さじ1へ替え、しょうゆ大さじ2はそのまま使います。小鍋で水と砂糖を温めて溶かし、火を止めてしょうゆを混ぜます。耐熱容器へ移して氷水で粗熱を取り、冷蔵庫で十分冷やしてから、基本と同じ切り方と漬け方へ進みます。
これは酒類を加えない配合です。アルコールを厳密に避ける必要がある場合は、しょうゆにも発酵由来や添加のアルコールが含まれることがあるため、製品の仕様を確認してください。
水っぽい・塩辛い・切ると崩れるとき
刺身の皿へ水が出た
皿へ出た水を清潔なスプーンで除きます。つまや大葉がぬれていれば水を切り直します。次に切る柵も新しいペーパーで水気を押さえてください。
漬けが塩辛い
たれをよく切り、ご飯や薬味と一緒に食べます。追加だれはかけず、次回は薄い身の漬け時間を短くして、一切れの味で止める時点を決めます。
身が押しつぶれる、薄く切ると裂ける
柵を覆って冷蔵庫へ戻し、包丁に付いた脂を拭いてから長く引き切ります。腹側の薄いやわらかい部分は、少し厚く切って形を残します。冷えた身でも切れなければ、刃の切れ味を確かめてください。
生食に使う魚の確認
釣った魚で確認すること
釣った魚は速やかに冷やし、内臓を早く除いて衛生的に処理します。魚種や保冷履歴が分からないもの、保冷が不適切だったもの、傷みが疑われるものは使いません。
魚が生きているときから身にアニサキスがいる場合があります。身の張りや釣った当日という条件だけでは判断せず、必要な寄生虫対策を確認します。
冷凍の温度・時間と、目視やライトの役割
本手順では、魚の中心がマイナス20℃以下になってから24時間以上保つ冷凍を行います。冷凍庫の設定や凍った見た目だけでは中心の条件を満たしたと確認できません。家庭で条件を確認できない場合は生食に使わず、魚種・保冷履歴・衛生管理が確かな魚に限り中心まで加熱する料理へ使います。解凍は清潔な容器に入れて冷蔵庫で行い、出た水分を拭き取ります。
明るい所で身や切り口を確認し、見つけた虫体は除きます。アニサキスライトの使い方と見える範囲も確認の補助になりますが、身の奥まで見通せるものではありません。見つからなかったことを安全の保証にせず、ライトの照射や、しょうゆ・塩・酢・わさびを冷凍や加熱の代わりにしないでください。
冷凍は保存不良を帳消しにする方法ではありません。すでに生じたヒスタミンは、加熱や冷凍では取り除けません。子ども、高齢者、妊娠中の人、免疫機能が低下している人には、生魚より十分加熱した料理を選びます。食後に強い腹痛や吐き気が出た場合は、魚を食べたことと時刻を伝えて医療機関へ相談してください。
食べる分を作り、残す魚は調理前に分ける
刺身も漬け丼も、その食事で食べる分を作ります。漬けることを保存期間を延ばす方法にはしません。残す予定の身はたれへ入れる前に清潔な状態で分け、早めに加熱用として冷凍します。
魚とご飯を合わせた丼は作り置きせず、長く室温へ置いたものは食べません。ご飯を保存するなら魚をのせる前に分け、速やかに冷まして一食分ずつ冷凍します。生魚を扱った手や器具はよく洗い、器具に合った方法で消毒します。
保存用レシピまとめ
シマアジの漬け丼の材料と手順を、一枚で振り返れます。


