コブダイのあら煮は、骨のまわりの白身をほぐしながら、甘辛い煮汁と一緒に味わう一品です。皮付きのあらなら、ぷるっとした皮も楽しめます。旨みを吸った大根までおいしく仕上げるコツは、あらの血とうろこをきれいに洗い、大根を先にやわらかくしておくことです。
ここでは、身の付いた中骨やカマを使う2人分の材料と、下処理から煮汁の仕上げまでを紹介します。頭を加えて煮る場合や、切り身で作る場合の調整もまとめました。
コブダイのあら煮の材料
2人分です。調理時間は、切り分け済みのあらから約40分が目安です。
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| コブダイの身付きあら(頭を除く) | 350〜400g(骨込み) |
| 大根 | 200g |
| 長ねぎ | 1/2本 |
| しょうが | 10g |
| 水 | 250ml |
| 酒(食塩無添加) | 100ml |
| しょうゆ(濃口) | 大さじ2 |
| 本みりん | 大さじ2 |
| 砂糖(上白糖) | 大さじ1 |
あらは、三枚におろした後の中骨や、胸びれの付け根にあるカマなどです。食べられる身の量は部位によって違うので、骨だけでなく、身のしっかり付いたものを選びます。4〜6cmほどに切り分けられたあらを用意すると、鍋に並べやすくなります。コブダイの頭や太い中骨は硬いので、大きなものは釣魚の持ち込み処理に対応する店へ切り分けを相談してください。
道具は、あらを重ねず並べられる浅めの鍋と落とし蓋、大根をゆでる小鍋、うろこ取り、ボウル・ざる、トング、お玉、盛り付け用のへらを用意します。鍋は直径22cm前後が目安です。あらは調理するまで冷蔵しておきます。
基本の作り方
- あらを湯通しして洗う。表面が白くなったら冷水へ取り、血や残ったうろこを落とします。
- 野菜を切り、大根を下ゆでする。大根は厚さ1cmの半月切りにし、竹串が通るまでゆでます。
- 煮汁を沸かしてあらを入れる。水と調味料、しょうが、大根を煮立て、あらを重ねずに並べます。
- 落とし蓋をして煮る。途中で長ねぎを加え、10〜15分ほどから厚い身の骨際を開いて確認します。生っぽい・迷う場合は追加で煮て再確認します。
- 煮汁を仕上げて盛る。あらと野菜を取り出し、煮汁の味を整えてからかけます。
工程ごとの詳しい作り方
1 あらを湯通しし、血とうろこを洗い落とす
あらに残った内臓や大きな血の塊を取り、皮に残るうろこをうろこ取りで落とします。切り口の骨片や鋭いひれにも気を付けて扱いましょう。
ボウルに冷水を用意します。鍋に湯を沸かし、火を弱めてからあらを少量ずつ入れます。身の表面が白く変わったら、トングですくって冷水へ移します。この下処理を「霜降り」といい、血や汚れを落としやすくします。
触れる温度になったら、水の中であらを一つずつ確かめます。皮に残ったうろこは指の腹でなでて外し、中骨の溝やカマのくぼみに付いた血は、流水を当てながら指先で取り除きます。骨の切り口は鋭いので、そこをこすらないようにします。
皮がざらつかず、骨際の血の塊も取れたら、ざるへ上げて水を切ります。しょうがを加える前に、この下処理で生臭さのもとを取り除くと、煮汁がすっきり仕上がります。生魚を扱った手と道具を洗い、あらは煮るまで冷蔵しておきます。
2 大根を下ゆでし、ねぎとしょうがを切る
大根は皮をむき、縦半分に切ってから厚さ1cmの半月切りにします。小鍋に入れ、かぶるくらいの水を注いで火にかけます。沸いたら大根が静かに動く程度の火加減にし、10〜15分を目安にゆでます。
竹串が中心まですっと通れば、下ゆでは完了です。湯を切っておきます。ここでやわらかくしておくと、あらを煮る間に大根にも味がなじみ、魚だけを長く煮続けずに済みます。
大根をゆでている間に、長ねぎを4cmほどの長さに、しょうがを薄切りにします。
3 煮汁を沸かし、あらを重ねずに入れる
浅めの鍋に水250ml、酒100ml、しょうゆ・本みりん各大さじ2、砂糖大さじ1、しょうが、下ゆでした大根を入れます。中火にかけ、砂糖を溶かしながら煮立てます。
大根を少し端へ寄せて場所を作り、あらを皮や身の付いた面を上にして並べます。あら同士を重ねないようにすると、火が均一に入り、盛るときも取り出しやすくなります。
煮汁の深さは、あらの高さの半分〜2/3ほどが目安です。隙間だらけの大きな鍋では汁が浅くなるので、あらと大根が収まる大きさの鍋を使います。再び煮立ったら、表面に浮く泡状のアクをお玉ですくいます。
4 落とし蓋をして、骨際まで火を通す
落とし蓋をあらにかぶせ、弱めの中火で煮ます。目安は、鍋の縁から小さな泡が続けて上がり、煮汁が落とし蓋の周りへ回る状態です。蓋が大きく跳ねるほど沸いたら火を弱め、泡がほとんど出なければ少し強めます。
落とし蓋は煮汁を上面へ回し、あらを動きにくくする役目があります。あらは裏返さずに煮て、汁から出ている部分にはお玉で煮汁をかけます。煮始めて5分ほどで長ねぎを隙間へ加え、落とし蓋を戻します。
合計10〜15分を目安に、厚いカマを一つ皿へ取り、箸で身を骨際まで開いて確認します。中心の身に生の透明感がなく、箸でほぐれるかを確かめます。生っぽい部分が残る、または判断に迷う場合は、鍋へ戻して落とし蓋をし、加熱を続けて同じ骨際を再確認します。形や厚みで火の通り方が違うため、時間だけで決めず、厚い部分を確かめてください。
途中で煮汁が底にわずかしか残らなくなったら、水を少し足して火を弱めます。あらに火が通るまでは、煮汁を残しながら煮ていきましょう。
5 あらを取り出してから、煮汁を仕上げる
火の通ったあらを、へらで下から支えて皿へ移します。大根は箸がすっと入り、長ねぎはしんなりしていれば一緒に盛ります。野菜がまだ硬いときは、そのまま鍋に残して煮ます。
煮汁を少量すくい、冷まして味見します。塩気も薄ければ落とし蓋を外し、中火で少し煮詰めます。白身に少量かけて食べたとき、甘みとしょうゆの味がほどよく付く濃さに整えてください。すでに塩味が強い場合は、水を少しずつ加えてなじませます。
あらを先に取り出すと、身の形を保ったまま煮汁だけを調整できます。煮汁に細かな骨片がないか確認し、気になるときは細かいざるでこしてから、あらと大根へかけます。
頭や切り身を使うときの調整
切り分けた頭を加える場合
コブダイの頭には、頬や目の周りなど、身をほぐして楽しめる部分があります。頭を加えるときは、中骨やカマの一部を、えらを除いて切り分けた頭に替えます。頭を含むあらの合計を350〜400gにし、重ならず鍋に収まる分を使ってください。大根と煮汁は材料表と同じ量で作ります。
頭も霜降りして血とうろこを洗い落とし、ほかのあらと一緒に煮ます。頬などの厚い身を骨際まで開いて確かめ、10〜15分で火が通らなければ加熱を続けます。煮汁が減ったら水を少し補い、火が通ったあらから取り出して、最後に煮汁を仕上げます。
切り身なら、身を取り分けやすい煮付けに
骨から身を外す手間を減らしたいときは、あらの代わりに皮付きの骨なし切り身250〜300gで作れます。厚さ2cmほどに切り、大根と煮汁の分量は同じにします。
下ゆでした大根、長ねぎ、しょうがを煮汁で先に煮て、野菜がやわらかくなってから切り身を加えます。落とし蓋をして煮て、厚い身の中心まで火が通ったら取り出し、煮汁を仕上げます。あらより火が通りやすいので、煮始めて6〜8分ほどから身の状態を確かめましょう。
大根と煮汁まで楽しむ食べ方
あらは身の見える面を上にして盛り、大根とねぎを脇に添えます。骨を置く小皿も用意しておくと、身を少しずつほぐしながら食べやすくなります。白いご飯と、青菜のおひたしや酢の物を合わせれば、甘辛い味にさっぱりした口直しが加わります。
コブダイは皮などにゼラチン質が多く、冷蔵すると煮汁が煮こごりになることがあります。温かいご飯に少量のせると、煮こごりがほどけて、甘辛い魚の旨みをご飯と一緒に楽しめます。
安全に食べるための確認
十分な加熱の目安は中心75℃で1分以上です。色やほぐれ方は調理の目印ですが、温度までは分かりません。中心まで測れる料理用温度計があれば、厚い身の横から差し、骨や鍋底を避けて中心を測ると確認できます。
釣ったコブダイは持ち帰りから帰宅後の処理まで低温を保ち、早めに内臓を除きます。魚種や保冷履歴が不明な魚、保冷が不適切だった魚、傷みが疑われる魚は使わないでください。
食べるときは、身を少しずつ骨から外します。切り口の細かな骨片や、皮に付いた骨にも気を付けてください。小さな子どもに出す分は、大人が別皿で身をほぐして骨を確認します。
保存と温め直し
残す分は、あらと煮汁を浅い保存容器へ小分けにし、速やかに冷まして冷蔵します。翌日までに食べ切る予定で保存してください。
温め直すときは煮汁ごと鍋へ移し、落とし蓋をして、厚い身の骨際まで十分に熱くします。中心を開いて冷たい所や迷いがあれば追加で煮て再確認します。煮汁が少なければ水を少し足します。食卓や室温に長く置いたもの、保存状態に不安のあるものは食べないでください。
保存用レシピまとめ
コブダイのあら煮の材料と手順を、一枚で振り返れます。


