カンパチの刺身・漬け丼|サクの切り方と生食前に確かめること

皮と骨を除いたカンパチの刺身を、大根のつま、大葉、わさびと盛り付けた料理写真

カンパチの刺身は、背身の歯ごたえと腹身の脂を、切る厚さで楽しめます。背身は5〜7mm、脂の多い腹身は4〜5mmを出発点に、よく切れる包丁を長く引いて切りましょう。冷たいしょうゆだれで10〜15分漬ける、2人分の漬け丼も紹介します。

どちらも、生食用として処理・管理されたサクを使います。調理前に下記の生食条件を確かめ、冷えた身を切り付けましょう。

目次

カンパチの刺身の材料

2人分の材料です。生食の条件を満たすサクを用意してからの作業時間は約15分。寄生虫対策の冷凍と冷蔵解凍の時間は別に取ります。

材料 2人分の分量
カンパチの生食用サク 皮・骨なし180〜200g
大根のつま 約60g
大葉 4枚
わさび 適量、少量ずつ添える
しょうゆ 適量、別皿に少量ずつ

必要な道具

よく切れる包丁、洗浄・消毒できるまな板、骨抜き、ペーパー、冷蔵できる皿、つまを洗うボウルとざるを用意します。丸魚の処理に使った道具や台は洗浄・消毒し、清潔な状態にしてからサクを切ってください。

調理前に確かめる生食の条件

釣った魚では、正しい魚種同定と持ち帰りからの保冷が前提です。見た目がきれい、釣った当日、養殖という理由だけでは生食の安全は決まりません。

特に熱帯・亜熱帯海域の天然カンパチは、採捕海域の食用注意情報を確認します。シガテラ毒には地域差・個体差があり、大きさや見た目だけで安全とは判断できません。加熱や冷凍でも毒を除けないため、懸念がある魚は刺身にも加熱料理にも使いません。

冷凍による寄生虫対策

生で食べる身のアニサキス対策として、魚の中心部まで−20℃で24時間以上という条件を満たす必要があります。冷凍庫へ入れてから単に24時間、という数え方ではありません。魚の中心が−20℃以下になってから24時間以上保ちます。設定温度や凍った外観だけでは庫内・中心の条件を確認したことになりません。必要な温度と時間を確認できない場合は生食へ進まず、条件を満たした身は冷蔵庫で解凍して使います。

魚種や保冷履歴が不明、保冷が不適切、傷みや自然毒の懸念がある場合は、加熱して食べることもしません。家庭の冷凍庫で寄生虫対策の条件だけを確認できないときは、魚種・海域・保存状態に問題がない魚を、中心まで十分加熱する料理へ変更してください。冷凍は細菌やウイルス、自然毒を含めたすべての危険をなくす処理ではありません。

塩、酢、しょうゆ、わさびや表面だけの炙りは、必要な冷凍・加熱の代わりにはなりません。妊娠中の人、子ども、高齢の人、免疫機能が低下している人には、生や加熱不十分な魚を避け、十分加熱した料理を選びます。

基本の作り方

  1. 生食に使える条件を確認し、皮・骨を除いたサクを前述の中心温度条件で冷凍し、冷蔵庫で解凍しておきます。
  2. 使用当日につまと大葉を洗って水気を切り、皿と一緒に冷蔵します。サクの残骨を確認し、水分を軽く押さえます。
  3. 冷たいサクをまな板へ置き、身の筋を断つ向きで5〜7mmほどに切ります。脂の多い腹側は少し薄めにします。
  4. つまと大葉を添えた皿へ切り身を重ねすぎず並べ、わさびとしょうゆを添えてすぐに食べます。

工程ごとの詳しい作り方

1.事前に皮と骨を除き、サクを冷凍・解凍する

丸魚から処理するときは、うろこ取りで細かなうろこを落とし、頭・えら・内臓を取り除きます。背骨沿いの血を洗い、十分水気を拭いて三枚におろします。生魚の汁を周囲へ飛ばさず、内臓を扱ったあとは手と道具を洗い直してください。

腹骨をすき取り、大きな身は背側と腹側を分けて中央の血合い骨の列を薄く切り取ります。抜ける骨は骨抜きで向きに沿って引き、硬い骨を無理に抜いて身を裂かないようにします。

尾側の皮を押さえ、刃を皮に沿わせて引きます。皮が取れたら身側も確認し、赤い血合いの風味が気になる場合は好みで薄く切り取ります。

明るい場所でサクの表面と切り口を見て、見つかった寄生虫は除きます。アニサキスライトも表面の確認を補いますが、身の奥などは見逃すことがあります。照射は殺虫や安全保証ではなく、必要な冷凍や加熱の代わりにはなりません。下処理したサクを前述の中心温度条件で冷凍し、使用前に冷蔵庫で解凍しておきます。

2.使用当日につまと大葉を用意する

前述の冷凍条件を満たしたサクは、汁が漏れない容器で冷蔵解凍し、中心まで氷の硬い部分がなくなってから使います。薬味は使う当日に準備します。大根のつまは市販のものを使うと手早く準備できます。つまと大葉を洗い、つまは軽く絞り、大葉はペーパーで水滴を押さえて、清潔な皿と一緒に冷蔵します。

3.筋を断つ向きで5〜7mmに切る

冷蔵していたサクを取り出し、表面の水分を清潔なキッチンペーパーで押さえます。筋の流れを見て、繊維を断つ向きに置きます。身幅が狭い小型魚は、刃を少し寝かせて斜めに切ると一切れの面積を取りやすくなります。

背身は5〜7mm、脂の多い腹身は4〜5mmほどを目安に、まず一切れずつ切ります。包丁の根元から先まで長く引いて切り離し、何度も往復させずに切ると、切り口をつぶしにくくなります。

一切れを味わい、噛み切りにくければまず筋を断てる向きかを見直し、残りを少し薄く切ります。腹身の脂の厚みが心地よければその厚さで切り進め、背身と腹身をそれぞれ食べやすい厚さに調整してください。

4.冷たい皿へ盛り、すぐに食べる

水をよく切ったつまを小さくまとめ、大葉を添えます。刺身は半量ずつ、切り口が見えるよう少しずつずらして並べます。

盛ってから室温で待たせず、食べる直前まで冷蔵します。わさびとしょうゆは別添えにし、一切れずつ少量を付けて食べます。

同じサクで作る、カンパチの漬け丼

漬け丼2人分の材料

刺身の代わりに丼へする場合は、生食の条件を満たすカンパチ180〜200g、炊いたご飯300〜350g、しょうゆ大さじ1と1/2、本みりん大さじ1、食塩無添加の酒大さじ1、大葉2枚、刻みのり適量、白いりごま小さじ1を用意します。小鍋、清潔な耐熱容器、冷却用のボウルと氷水も使います。

酒とみりんを使わずに作る場合

酒とみりんを1分程度煮ても、アルコールが完全に除けるとは限りません。アルコールを避ける必要がある場合は、先にしょうゆの製品表示とメーカーの含有情報も確認します。原材料にアルコールの記載がなくても、発酵由来のアルコールを含むことがあるためです。使えるしょうゆを選んだうえで、酒とみりんの代わりに水大さじ1と砂糖小さじ1を用意し、しょうゆ大さじ1と1/2と混ぜます。清潔な容器で砂糖の粒が見えなくなるまで混ぜ、冷蔵で冷やしてから下記の漬け丼の工程2へ進みます。

冷たいたれで10〜15分漬ける作り方

  1. 魚の必要な冷凍・冷蔵解凍を済ませ、使う当日にたれを作ります。酒とみりんを小鍋へ入れ、弱火で1分ほど煮立てます。火を止めてしょうゆを混ぜ、清潔な耐熱容器へ移します。容器の外側を氷水へ当てて混ぜ、氷水が中へ入らないよう冷まします。熱が取れたらふたをして冷蔵庫で冷やします。
  2. 大葉を洗って水気を拭き、細く切ります。魚は刺身の工程1の事前処理と冷凍・冷蔵解凍を済ませたサクを、工程3の要領で5〜7mmに切ります。たれが冷たくなってから魚を1枚ずつ絡め、ふたをして冷蔵庫で10〜15分置きます。途中で一度上下を返します。
  3. 10分ほどで貼り付いた身があれば清潔な箸で離し、一切れの端を味見します。薄ければ数分延ばし、好みの塩味になったら持ち上げ、たれが滴らなくなるまで汁を切ります。
  4. 食べる直前にご飯を器へよそい、湯気が落ち着いたら大葉・のり・魚をのせ、ごまを散らします。たれはまず足さずに食べ、必要なら未使用のしょうゆを少量だけ加えます。使った漬け汁は保存や次の魚への使い回しをせず処分します。

漬けすぎて塩辛ければ、汁をよく切り、たれを足さずご飯と一緒に食べます。漬け時間は味の目安で、保存期限が延びるわけではありません。その食事で食べる量を作ります。

加熱料理へ切り替える場合

魚種・採捕海域・保存状態に問題がなく、寄生虫対策の条件だけが整わない場合は加熱料理へ回します。皮と骨を除いた身を厚さ1cm程度に切り、鍋で沸かした湯へ重ならない量ずつ入れます。再び煮立ったら静かに煮る火力にし、厚い身の中央を開いて、不透明になり層に沿ってほぐれるか確かめます。半透明でねっとりした部分がある、または火通りに迷う場合は、その部分も湯へ浸して煮続け、同じ所を再確認します。中心温度計があれば75℃以上を1分以上保つよう確かめ、加熱済みの魚を清潔な器へ取り、しょうゆを少量付けて食べます。

切ったらその食事で食べ切る

刺身と漬け丼は、食べる分だけ作ってその食事で食べ切るのが基本です。残す前提で長く室温へ出さず、釣獲後からの保冷・衛生状態を確認してください。解凍は汁漏れを防いで冷蔵庫で行い、解凍後は再び長く保存しません。

食卓に長く置いたもの、保存状態が分からないもの、傷みが疑われるものは食べません。

保存用レシピまとめ

カンパチの刺身の材料と手順を、一枚で振り返れます。

カンパチの刺身の材料・分量と作り方をまとめた保存用レシピカード
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