カンパチのムニエルは、薄い粉の香ばしい表面と、ほぐれる身をレモンバターで楽しむ料理です。切り身を油で焼いてからバターを加えると、焦がしすぎずに香りを付けられます。
皮付き・骨なしの2切れで作ります。脂の多い腹身はソースを少なめに、厚い背身は必要に応じて蒸し焼きにし、どちらも中心まで火を通して仕上げましょう。
天然のカンパチは、使う前に採捕海域の食用注意を確認してください。特に熱帯・亜熱帯の海域ではシガテラに注意が必要で、毒は加熱・冷凍でも除けません。食用の注意対象となる魚や、魚種・保存状態を確認できない魚は使いません。
カンパチのムニエルの材料
2人分、調理時間は約30分です。魚は正味200〜240g、厚さ1.5〜2cmを基準にします。
| 材料 | 2人分の分量 |
|---|---|
| カンパチの皮付き切り身 | 2切れ、合計200〜240g |
| 塩 | 1.5g。有塩バターを使う場合は1g |
| こしょう | 少々 |
| 薄力粉 | 大さじ1、約9g |
| 油 | 小さじ2 |
| 食塩不使用バター | 15g、焼き上げに5g、ソースに10g |
| レモン汁 | 小さじ2 |
| ソース用の水 | 大さじ1 |
| 蒸し焼き用の水 | 必要な場合に大さじ1 |
| パセリ | 刻んで小さじ1 |
| ブロッコリー | 小房4つ、約80g |
| 飾り用レモン | くし形2切れ |
必要な道具
竹串、付け合わせ用の小鍋とざる、まな板と包丁、ペーパー、スプーン、22〜24cmほどのフライパンとふた、フライ返し、トング、先端の細い中心温度計(あれば)を用意します。粉を付ける皿と、焼けた魚を置く皿は分けてください。
基本の作り方
- 魚を触る前にブロッコリーをゆで、パセリとレモンを用意します。魚のうろこと骨を確認し、塩を振って冷蔵庫で10分置き、水分を拭きます。
- こしょうを振り、焼く直前に薄力粉を薄くまぶします。余分な粉を落とします。
- 油を入れたフライパンで皮側から中火で3〜4分焼き、返して弱めの中火で2〜3分焼きます。厚い部分は必要に応じて蒸し焼きにし、中心まで火を通します。
- 蒸し焼きにした場合はふたを外して余分な水分を飛ばします。弱火でバター5gを加えて魚へ絡め、皿へ移します。
- いったん火を止め、トングで持ったペーパーでフライパンの余分な脂や焦げた粉を拭き、残りのバター10g・水大さじ1・レモン汁を合わせてソースを作ります。魚にかけ、パセリと付け合わせを添えます。
工程ごとの詳しい作り方
1.付け合わせを用意し、魚の骨と水分を取る
ブロッコリーは小房に分け、沸騰した湯で2〜3分を目安に、茎へ竹串が通るまでゆでて水を切ります。パセリは洗って水気を拭き、細かく刻みます。レモンも洗い、くし形2切れを切り、ソース用の果汁小さじ2を搾って種を取ります。
カンパチを三枚におろした身から作る場合は、腹骨をすき、背側と腹側の間に残る硬い血合い骨を確認します。大型魚は背と腹を分けて、骨列を薄く切り取ると整えやすくなります。切り身でも指先で骨の残りを確かめましょう。
皮付きなので、細かなうろこも確認します。ひれの付け根近くに残ったものはうろこ取りなどで除き、短く洗って水気を拭きます。
塩1.5g(有塩バターなら1g)を両面に振り、冷蔵庫で10分置きます。表面の水分をキッチンペーパーで押さえ、こしょうを少量振ります。追加の塩は不要です。
2.焼く直前に薄く粉を付ける
フライパンへ油小さじ2を入れ、焼けた魚用の清潔な皿を近くへ用意します。魚へ粉をまぶし、余分な粉をはたき落とします。魚が透けて見えるくらいの薄さが目安です。厚い粉やぬれた塊は焼きむらの原因になるため、皮の端にも固まっていないか確認してください。
3.両面を焼いて、厚い中心まで火を通す
フライパンの油を広げ、中火で温めます。広い皮面があれば皮側を下にし、皮が側面に細く付く切り身は広い身の面を下にして置きます。3〜4分を目安に最初の面を焼きます。反る場合だけフライ返しで10〜20秒軽く押さえます。粉が固まるまでは何度も動かさず、縁が色付き、はがれやすくなってから返します。
返すときは幅のあるフライ返しを深く差し込み、身全体を支えます。
返したら弱めの中火で2〜3分焼き、2切れそれぞれの厚い中央を開きます。中心が不透明で、層に沿ってほぐれるかを確認します。半透明でねっとりした所がある、中心が冷たい、火通りに迷う場合は、いったん火を止めます。脂が多くたまっていれば、トングで持ったペーパーで拭き取ります。鍋肌から水大さじ1を静かに加え、ふたをして弱火へ戻し、蒸し焼きにします。
同じ厚い所を開き直し、生っぽさが残ればふたを戻して加熱を続け、再び確かめます。厚さの違う身もそれぞれ厚い中心を確かめ、十分に加熱できたものから次の仕上げへ進みます。
中心温度計があれば厚い身の横から中央へ差し、中心75℃以上を1分以上保つよう加熱します。身の色やほぐれだけでは、この条件を満たした保証にはなりません。
4.水分を飛ばし、バター5gを絡める
蒸し焼きにした場合は、ふたの水滴を魚へ落とさないように外し、鍋底に残った水分を飛ばします。弱火にしてバター5gを加え、溶けたバターを魚へかけます。表面へ行き渡ったら清潔な皿へ取り出します。魚にはすでに火が通っているので、ここはバターの香りを付けるだけにとどめます。
5.レモンバターソースを作ってかける
魚を取り出したフライパンはいったん消火します。余分な脂や黒く焦げた粉を、トングで持ったペーパーで拭き取ります。温度が落ち着いてからバター10gを入れ、弱火で溶かします。
火を止めて水大さじ1とレモン汁小さじ2を低い位置から静かに加えます。蒸気やはねに顔を近づけないでください。再び弱火にし、フライパンを軽く揺すり、水分とバターが混ざって白っぽくなったら火を止めます。油だけが浮く場合は火から外し、水小さじ1を加えて揺すり直します。
ソースの味はスプーンだけでなく、加熱済みの魚へ少量付けて確かめます。腹身には魚自身の脂があるため、ソースだけでは軽く感じても、かけ切ると重くなることがあります。皮の香ばしさを残したい場合は、ソースを皮へかけず、魚の周りと身へ少量かけます。残りを別添えにすると、部位ごとに量を調整できます。
パセリを散らし、ブロッコリーとくし形レモンを添えて完成です。
部位別の調整と失敗の直し方
| 状態 | 対処 |
|---|---|
| 厚い背側だけ中心が冷たい | 表面を焦がさず弱火の蒸し焼きへ。バターは加熱を確認してから加える |
| 腹側から脂が多く出る | 火を止め、トングに持ったペーパーで余分な脂を拭く。ソースのバター量は増やさない |
| 粉がべたつく | 焼く前なら湿った粉の塊を取り、魚の水分を押さえて薄く付け直す。焼き始めた魚は粉を上から足さず、膜が固まるまで触らない |
| バターが黒く焦げた | 魚を清潔な皿へ出して火を止め、焦げた油脂を拭く。中心が生っぽい魚はフライパンへ戻し、水大さじ1とふたで弱火加熱して再確認。焼けた魚を取り出し、工程5の材料でソースを作り直す |
| 身が崩れた | 十分加熱してから大きなまとまりのまますくう。次回は焼き固まるまで触らず返す回数を減らす |
和風に変えるなら、ソースのレモン汁を小さじ1に減らし、しょうゆ小さじ1を加えます。有塩バターを使う場合も、しょうゆは魚とソースを一緒に味見してから少量ずつ加えます。
魚の扱い方と保存
釣った魚は保冷して持ち帰り、帰宅後も低温で処理します。
残りは清潔な浅い容器へ分け、速やかに冷まして冷蔵します。翌日までに食べ切る予定とし、少量の水と一緒にフライパンへ入れてふたをし、弱火で蒸し焼きにします。厚い中心を開いて冷たい所が残らないよう十分温め、温度計があれば中心75℃以上を目安に確認します。長く室温に置いたものや、傷みが疑われるものは使いません。
冷凍するなら魚を1切れずつ包み、冷凍用保存袋へ入れます。冷凍日を書いて早めに使い、冷蔵庫で中心の凍った部分がなくなるまで解凍し、前段と同じように蒸し焼きで温め直します。ソースを作り直す場合は、魚1切れにつき工程5のバター・水・レモン汁を半量ずつ使います。
保存用レシピまとめ
カンパチのムニエルの材料と手順を、一枚で振り返れます。


