カンパチのあら煮は、骨に付いた身と、そのうま味を含んだ大根を甘辛く味わう料理です。大根を先に下ゆでしておくと、大根が軟らかくなるのを待って魚を煮続けずに済みます。
頭を除いた身付きの中骨、カマ、腹側の切り落としを組み合わせます。骨のくぼみの血とうろこを落とし、身を崩さずに煮汁を回す手順を紹介します。
天然のカンパチは、使う前に採捕海域の食用注意を確認してください。特に熱帯・亜熱帯の海域ではシガテラに注意が必要で、毒は加熱・冷凍でも除けません。食用の注意対象となる魚や、魚種や保冷履歴が不明な魚、保冷が不適切だった魚や傷みが疑われる魚は使いません。
カンパチのあら煮の材料
2人分、下処理を含め約45分です。あらは骨込み400g、1片4〜6cmほど、厚い身が3cm以内を基準にします。大根は魚と同時に煮始めず、別に下ゆでします。
| 材料 | 2人分の分量 |
|---|---|
| カンパチのあら | 頭なしの身付き中骨・カマ・切り落とし、骨込み400g |
| 下処理用の塩 | 4g |
| 大根 | 200g、1.5cm厚さの半月切り |
| しょうが | 10g、薄切り |
| 水 | 300ml |
| 酒(食塩無添加) | 100ml |
| しょうゆ | 大さじ3 |
| 本みりん | 大さじ3 |
| 砂糖(上白糖) | 大さじ2、約18g |
必要な道具
22〜24cmの浅めの鍋か深型フライパン、落とし蓋、下ゆで用の鍋、ボウル、ざる、トング、幅のあるへら、スプーン、竹串、必要に応じて目の細かいこし器、中心温度計(あれば)を使います。あらを一層に並べられる鍋と落とし蓋を選び、鍋が大きすぎて煮汁が広がらないようにしてください。
あらの選び方と大きさ
大型カンパチの頭や太い中骨を、普段使いの小さな包丁で叩き割るのは避けます。頭を除いたあらを、持ち込み魚の処理に対応する店で鍋に収まる大きさに切ってもらうと扱いやすくなります。自分でおろした魚は骨の関節を見極め、刃が止まる硬い場所へ力をかけ続けないでください。
あらの総重量が同じでも、身が少ないと食べる量は少なくなります。中骨ばかりの場合は、そのうち100gほどを骨なしの切り身へ替え、魚の合計を400gにします。切り身も4〜6cm、厚さ3cm以内に切り、同じ下塩・湯通しをして一緒に煮ます。薄い切り身は早めに火通りを確かめます。
基本の作り方
- 大根を切って下ゆでし、竹串が中心まで通る状態にします。あらに塩4gを振り、冷蔵庫で10分置きます。
- あらの水分を拭き、沸騰した湯に短くくぐらせ、表面が白くなったら冷水へ移します。血とうろこ、骨片を落として水気を切ります。
- 鍋に水・酒・しょうゆ・みりん・砂糖・しょうがを入れて煮立て、あらと大根を重ねずに並べます。
- 再び煮立ったらアクを取り、落とし蓋をして弱めの中火で15〜20分を目安に煮ます。厚い骨際を開き、中心まで不透明になってほぐれるか確かめます。生っぽい所が残る場合は煮続け、再確認します。
- 煮汁をかけて味をなじませ、濃さを確認して火を止めます。身を下から支えて盛り、大根としょうがを添えます。
工程ごとの詳しい作り方
1.大根を下ゆでし、あらに下塩をする
魚を触る前に、大根の皮をむいて1.5cm厚さの半月切りにし、しょうがは洗って薄切りにします。下ゆで用の鍋に大根とかぶる量の水を入れ、沸騰してから10〜15分を目安にゆでます。竹串が中心まで抵抗少なく通れば、ざるへ上げます。
大根をゆでている間に、あらの両面へ塩4gを振り、冷蔵庫で約10分置きます。出た水分を新しいキッチンペーパーで拭きます。ひれ際にまとまったうろこが残っていれば、湯通し前に落としておきます。
2.あらを湯通しし、くぼみの血とうろこを洗う
ボウルに冷水を用意し、鍋にあらが浸る量の湯を沸かします。沸騰した湯へあらを少量ずつ入れ、表面が白く変わったらトングで冷水へ移します。中心までゆでる工程ではありません。触れられる温度になったら、固まった血、ぬめり、浮いたうろこを指先で落とし、骨の切り口に残る細かな破片も確認します。水を替えながら、血の塊やうろこが残らなくなるまで洗い、ざるへ上げて水気を切ります。鋭い骨の切断面を指で強くこすらないでください。
洗い水を周りへ飛ばさず、作業後はシンクや道具も洗ってください。
3.煮汁を煮立て、あらと大根を並べる
調味料と水、しょうがを煮立てた鍋に、水気を切ったあらと大根を並べます。あらの身を上にし、骨が大根や別の身へ刺さらないように置きましょう。
煮汁は具の高さの半分から3分の2ほどが目安です。鍋が広すぎて浅い場合は、まず小さい鍋へ替えます。増量が必要なら、水150ml・酒50ml・しょうゆとみりん各大さじ1と1/2・砂糖大さじ1を混ぜた半量分を、必要なだけ加えます。
4.落とし蓋で煮汁を回し、骨際まで火を通す
再び煮立ったら表面の灰色の泡をすくい、食材へ直接載せる落とし蓋をします。全体を激しく沸かさず、蓋の縁から煮汁が静かに上がる弱めの中火を保ちます。箸でかき混ぜたり何度も裏返したりせず、ときどきスプーンで煮汁を上からかけます。
あらが同じ400gでも、脂のあるカマや腹側が多いほど、表面へ透明な脂が浮きやすくなります。最初にすくう灰色の泡や血のアクと分け、透明な脂まで一度に全部取り去らないでください。食べるときに重く感じる分だけ後で少し除くと、魚の風味を残して調整できます。
15分ほど煮たら、最も厚いカマの骨際を少し開きます。中心まで不透明になり、箸で層に沿ってほぐれるかを確かめます。半透明でねっとりした所が残る、中心が冷たい、火通りに迷う場合は煮汁を回しかけ、落とし蓋を戻して煮続け、厚い所を再確認してください。煮汁が減ったら水を少量補い、煮立ちを戻してから加熱を続けます。薄い切り落としは別に確認し、十分加熱したものから取り出して構いません。
中心温度計があれば、骨を避けて厚い身の中央へ差し、中心75℃以上を1分以上保って加熱します。身の色やほぐれは手掛かりで、見た目だけでこの温度と保持時間を満たした保証にはなりません。
5.煮汁の濃さを確かめて盛り付ける
火が通ったら、煮汁を少し取って冷まし、濃さを確かめます。塩気も薄ければあらと大根を清潔な皿へ取り出し、煮汁だけを短く煮詰めてかけます。濃すぎるときは水を大さじ1ずつ足してのばしてください。
あらは幅のあるフライ返しなどで下から支えて盛ります。表面に煮汁を少量かけ、大根と薄切りしょうがを添えます。
骨付きで盛ったあらは、別皿へ取り、身のまとまりに沿ってほぐして骨を外しながら食べます。子どもなどへ取り分ける分は、明るい場所で小骨や切断片を取り除いてから盛ります。身が崩れて煮汁にも骨片が混じった場合は、身の骨を除き、汁は目の細かいこし器でこします。細かな骨片を十分に除けない汁は使いません。
あら煮の失敗対策と味の変え方
| 困ったこと | 直し方・次回の調整 |
|---|---|
| 大根が硬い | 加熱済みの魚を取り出して、大根だけを煮る。次回は下ゆでで中心まで軟らかくする |
| 魚が崩れた | 中心まで十分加熱してから、骨片をよく確認して取り分ける。次回は一層に並べ、煮立ちと返す回数を抑える |
| 煮汁が少なくなった | 味が濃ければ水を少量足す。調味料をそのまま追加して濃くしすぎない |
| 脂が多い | 表面の脂を少量ずつすくい、煮汁を少し冷まして味を確かめる |
ごぼうを加えるなら、50gを洗って4cm長さに切り、太ければ縦に2〜4つに割ります。大根と一緒に下ゆでし、竹串が通る軟らかさになったら取り出し、工程3で一緒に並べて煮ます。甘さを控えるなら砂糖を大さじ1に減らし、仕上がりを見て調整してください。
釣ったカンパチの扱いと保存
釣った魚は持ち帰る間から保冷し、帰宅後も低温で扱います。
残りは清潔な浅い容器へ煮汁ごと小分けし、速やかに冷まして冷蔵します。翌日までに食べ切る予定とし、鍋に戻し、煮汁が少なければ水を補って蓋をします。汁をふつふつさせながら厚い身を開いて冷たい所が残らないよう温め、温度計があれば中心75℃以上を目安に確認します。常温で長く置いたものや傷みが疑われるものは使いません。
冷凍する場合は身を骨から外して確認し、少量の煮汁と1回分ずつ包みます。食感が変わりやすい大根は冷蔵分で食べ切るとよいでしょう。冷凍日を書いて早めに使い、冷蔵庫で解凍してから同じ方法で再加熱します。
保存用レシピまとめ
カンパチのあら煮の材料と手順を、一枚で振り返れます。


