ヒラマサのあら汁は、カマや中骨に残った身を生かせる汁物です。細かなうろこと骨際の血を下処理で除き、静かに煮出した汁をこしてから身を戻すと、細かな骨片を取り除き、身の骨も確かめられます。大根とにんじんを加え、味噌で仕上げます。
ここでは頭を入れず、カマと中骨を使います。煮上がったあらから骨を外し、大きめにほぐした身を椀へ盛ります。塩と淡口しょうゆで仕上げる潮汁にもできます。
ヒラマサのあら汁の材料|2〜3人分
あらは骨付き重量で300g、カマの厚い身が2〜3cm程度のものを用意します。身の付き方で食べられる量は変わるため、重量の全てが椀に入るわけではありません。下処理から仕上げまで約50分が目安です。昆布を戻す間にあらを処理します。冷凍のあらは先に冷蔵庫で解凍し、中骨は鍋へ収まる長さに切ったものを用意してください。大きな硬い骨は無理に割らず、持ち込み魚の処理に対応する店などへ分割を相談してください。
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| ヒラマサのあら(頭なしのカマ・中骨) | 骨付きで300g |
| 塩(下処理用) | 3g |
| 水 | 700ml |
| だし昆布 | 3g |
| 酒(食塩無添加) | 30ml |
| 大根 | 100g |
| にんじん | 40g |
| 味噌 | 25〜30g |
| 小ねぎ | 5g |
必要な道具と材料の変更
直径20cm程度の鍋、霜降り用の別鍋、あらが入る耐熱ボウル、細かい目のざる、汁を受ける清潔な容器を用意します。食品用温度計はあれば使います。こした後の汁は600mlへ調整します。
酒なし:酒30mlを水30mlへ替えます。昆布を戻す水700mlはそのままです。潮汁:味噌を省き、仕上げ用の塩2gと淡口しょうゆ小さじ1/2を用意します。下処理用の塩3gとは別です。酒なしと潮汁は組み合わせられます。
酒を加熱してもアルコールが必ずなくなるとは限りません。厳密に避ける場合は、味噌やしょうゆの製品表示も確認してください。
作り方の流れ
- 鍋で昆布3gを水700mlへ20分ほど浸します。あらはうろこと血、えら、内臓の残りを除き、塩3gを振って冷蔵庫で10分置きます。
- あらを短く洗い、一度沸かして火を止めた湯へくぐらせ、表面を白くします。冷水で血や残ったうろこを除きます。
- 昆布の鍋へあらと酒30ml(酒なしは水30ml)を入れ、中火へかけます。沸く直前に昆布を取り出し、弱火で12〜15分ほどから厚い身と骨際を開いて確認。生っぽければ煮足して再確認します。
- あらを取り出し、汁を細かいざるでこします。身を骨から外し、小骨を確かめて2〜3cm程度にほぐします。
- 汁を600mlに調整し、薄切りの大根とにんじんを6〜8分ほど煮ます。身を戻して汁全体をふつふつさせ、身の中心まで十分に再加熱します。
- 火を止めて味噌25gを溶き、味を見て5gまで追加します。潮汁なら塩2gと淡口しょうゆ小さじ1/2で調味し、小口切りの小ねぎを散らします。
昆布を戻し、あらの血とうろこを落とす
鍋へ水700mlと昆布3gを入れ、20分ほど置きます。その間にあらを処理します。皮には細かなうろこが残りやすいため、うろこ取りで除き、ひれの付け根も確認します。残ったえら、内臓、骨の切断面に付いた血の塊と骨片を取り除いてください。鋭い切断面を素手で強く握らないようにします。
あらへ塩3gを薄く振り、覆いをして冷蔵庫で10分置きます。表面へ出た水分と塩を流水で短く洗い流します。ボウルにためた水へ長く漬けたままにせず、下処理が済んだら続けて加熱します。
霜降りをしてから静かに煮出す
別鍋にあらを浸せる量の湯を沸かし、火を止めて大きな泡が収まったら、あらを少量ずつ入れます。表面が白くなったものから取り出し、すぐ冷水へ移します。30秒前後が一つの確認目安ですが、身の中心まで加熱する工程ではありません。冷水の中で浮いた血の塊や残ったうろこを指先で除き、水を切ります。
昆布の鍋へあらと酒30ml(酒なしなら水30ml)を加え、中火へかけます。あらを鍋底へ収まるよう並べ、おおむね汁へ浸るようにします。汁から少し出る場合は水を足して浸るようにし、こした後に汁量を調整します。
沸く直前に昆布を取り出します。表面に浮く泡やアクをすくい、細かい泡が静かに上がる弱火にします。ぐらぐら沸かして骨同士を動かすと、身が崩れて細片が汁へ混ざりやすくなります。鍋をかき回さず、蒸発してあらが乾きそうなときは湯を少しずつ足します。
弱火で12〜15分ほどから厚い身とカマの骨際を少し開きます。中心の透明感がなくなり、骨際の身もほぐれるかを見ます。生っぽさが残る場合や火通りに迷う場合は汁へ戻し、2〜3分ずつ煮続けて同じ中心を見直します。薄い端だけでなく、骨の周りも確認してください。
食品用温度計があれば、骨へ当てず、カマの骨際を含む厚い身の中心を複数箇所測ります。加熱の目安は中心75℃で1分以上です。届いていなければ加熱を続け、中心で75℃以上を1分保つことを確認します。見た目は加熱不足を見つける目安で、この温度と時間を証明するものではありません。
汁をこし、骨を外した身を取り分ける
中心加熱が済んだあらを清潔なバットへ取り出します。汁は細かい目のざるで清潔な容器へこし、骨の破片やうろこを除きます。熱い汁を一度に勢いよく注がず、少量ずつ受けてください。ざるに残った細片は取り除きます。
触れられる程度になったあらから身を外し、ひれと骨を分けます。皮は好みで除き、うろこを取り切ったやわらかい部分は少量残してもかまいません。身は明るい場所で広げ、指でも小骨を探し、残っていれば骨抜きで取り除きます。2〜3cm程度の食べやすい塊を目安にし、取り切れない硬い部分は使いません。
ほぐした身は、次の野菜を煮る工程に続けて汁へ戻します。こした汁の底にも骨片が残っていないかを確かめ、細かな骨片を十分に除けない汁は使いません。
大根とにんじんを煮て、身を戻す
大根とにんじんは皮をむき、大根を厚さ3mm程度のいちょう切り、にんじんを2〜3mmの半月切りにします。小ねぎは洗って水を切り、小口切りにします。野菜を厚く切ると火の入り方が変わるので、同じ厚さへそろえてください。
こした汁を量り、600mlにします。足りなければ水を足し、多ければ余分を別へ取り分けてから、清潔な鍋へ戻します。大根とにんじんを加え、ふつふつする火加減で6〜8分ほど煮ます。大根へ竹串がすっと通るまで、硬ければ1〜2分ずつ追加します。
ほぐし身を戻し、崩さないよう静かに温めます。汁全体をふつふつさせ、厚い身片を割って中心まで十分に熱くします。味噌を入れた後に長く煮続けないよう、魚と野菜の加熱はここで終えます。測れる場合は前述の中心加熱の目安も確認します。
味噌を溶く方法と、潮汁への分け方
火を止め、味噌25gをお玉の中で汁に溶かして加えます。味を見て薄ければ5gまで足します。味噌の塩分によって濃さが変わるため、初めから30gを全量入れないでください。椀へ魚と野菜を分け、汁を注いで小ねぎを散らします。
潮汁にする場合は、味噌を入れず、汁600mlへ塩2gと淡口しょうゆ小さじ1/2(2.5ml)を加えます。魚と野菜の加熱が済んだ後に溶かし、味を見て薄ければ塩を少量ずつ足します。酒なしでも同じ量の塩としょうゆから味を見て調整します。
汁の濁り、骨、味の濃さに困ったとき
煮立て過ぎて濁った場合は、あらの中心加熱を確認してから取り出し、汁をこします。白く濁った汁を無理に透明へ戻そうと長く煮詰めず、骨片を除いて味噌仕立てにすると使いやすくなります。
身から骨が見つかったら、残りの身も広げて確認します。細かい骨が多く取り切れない部分は椀へ入れません。汁に硬いものが混ざった場合も飲み込まず、再度こしてから、具とともに再加熱してください。
味噌や塩を入れ過ぎたときは、湯を30mlずつ足して調整します。味が薄ければ、汁量を確認してから調味料を少量ずつ加えてください。
魚の風味が弱い・脂が多いとき
味噌を溶く前に汁を少量取って冷まし、魚の風味を確かめます。あら300gは骨込みなので、中骨に残る身とカマの割合でだしの濃さは変わります。次回は身付きの中骨とカマを組み合わせ、魚のうま味が出る部分を含めてください。塩気が十分ある汁へ味噌を重ねても、魚の風味だけを強くはできません。
透明な脂が表面へ集まり、口当たりが重いと感じたら、お玉で少量ずつすくいます。脂の出方は個体や部位で異なるため、好みの分だけ除きます。
原料の確認とあら汁の保存
魚名と保冷状態が確認できるヒラマサのあらを使い、調理直前まで冷蔵します。異臭や不自然な変色、保冷状態への不安があるものは使いません。漁獲地域の自治体などのシガテラ情報も確認してください。ヒラマサには原因魚としての記録があり、毒化した魚は加熱しても毒が失われず、煮汁にも移ります。毒化の懸念がある魚は、あら汁にも使わないでください。
残す分は鍋のまま室温へ放置せず、清潔な浅い容器へ小分けし、速やかに冷やして冷蔵します。早めに食べ切り、管理状態が分からないものは食べません。再加熱は鍋底からやさしく混ぜて汁全体を十分に沸かし、魚と野菜の厚い部分を割って中心に冷たさを残さず温めます。温度計があれば前述の加熱の目安も確認します。表面の汁だけを見て終えないでください。
保存用レシピまとめ
ヒラマサのあら汁の材料と手順を、一枚で振り返れます。


