ヒラマサの煮付けには、カマと身の付いた中骨が使えます。骨際の血とうろこを霜降りで落とし、しょうがを加えた煮汁で火を通します。身が締まりやすい魚なので、中心加熱が済んだら魚を先に取り出し、煮汁の濃さを調整するのがコツです。
ごぼうは先にゆでておくと、魚が煮上がるまでにやわらかくなりやすく、魚だけを長く煮続けずに済みます。頭なしの骨付き部分400gを使い、食べるときは骨から身を外して少量の煮汁を絡めます。
ヒラマサの煮付けの材料|2〜3人分
カマと身の付いた中骨を合わせて、骨付き重量400gにします。厚い身が2〜3cm程度で、鍋へ一層に収まる3〜4片が目安です。身の付き方で食べられる量は変わります。煮付け用には身の厚いカマと、身が残った中骨を選び、骨主体のあらは汁物に回すと使い分けやすくなります。調理時間は下処理から約35〜40分が目安です。冷凍品は先に冷蔵庫で解凍します。丸魚は頭と内臓を除きます。硬い骨の分割が難しい場合は、持ち込み魚の処理に対応する店などへ相談し、鍋に収まる大きさにしておきます。
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| ヒラマサ(頭なしのカマ・骨付きの身) | 骨付きで400g |
| ごぼう | 80g |
| しょうが | 10g |
| 水 | 160ml |
| 酒(食塩無添加) | 80ml |
| 濃口しょうゆ | 30ml |
| 本みりん | 30ml |
| 砂糖 | 8g |
必要な道具
直径24cm程度の浅い鍋、または深さのあるフライパンと、鍋へ収まる落とし蓋を用意します。食品用温度計はあれば使います。魚を重ねず入れられ、煮汁が広がり過ぎない大きさを選びます。大きな骨を無理に割らず、鍋へ収まる大きさに処理されたものを使ってください。
酒と本みりんを使わない場合は、酒80mlとみりん30mlを水110mlへ替え、材料の水と合わせて270mlにします。砂糖は合計14gから始め、仕上げに味を見ます。香りと照りは変わります。酒類を使って煮てもアルコールが必ずゼロになるとは限らず、厳密に避ける場合はしょうゆの製品仕様も確認し、必要に応じてメーカーへ問い合わせてください。
作り方の流れ
- ごぼうは厚さ4〜5mmの斜め切りにし、5〜6分ほど下ゆでします。しょうがを薄切りにし、煮汁の材料を量ります。
- 魚のうろこ、えらや内臓の残り、血と骨片を除きます。別の湯を沸かして火を止め、大きな泡が収まってから魚をくぐらせます。表面が白くなったら冷水へ取り、残った汚れを落とします。
- 煮汁は水160ml・酒80ml・しょうゆ30ml・みりん30ml・砂糖8g、酒類なしなら水270ml・しょうゆ30ml・砂糖14gです。選んだ配合を鍋で沸かします。しょうが、魚、ごぼうを一層に入れます。
- 落とし蓋をし、弱めの中火で12〜15分ほどから各片の厚い身と骨際を開き、透明感がなくほぐれるか確認します。生っぽさが残る、または判断に迷う場合は、煮汁を回しながら2〜3分ずつ追加して再確認します。
- 火が通った魚を取り出します。ごぼうが硬ければ魚を外したまま煮て、やわらかくなったら取り出します。煮汁の味を見て、塩気も薄い場合だけ1〜2分ほど煮詰めます。
- 魚へ煮汁を少量かけ、しょうがとごぼうを添えます。骨を確認しながら身を外して食べます。
分数は目安です。身の厚さや骨の付き方、鍋によって火通りが変わるため、各片の中心を確かめて仕上げます。
ごぼうを先ゆでし、しょうがを薄く切る
ごぼうは表面の土をよく洗い、厚さ4〜5mmの斜め切りにします。切ったものから水へさっとさらし、濁った水を捨てます。長く水へ浸し続ける必要はありません。沸騰した湯で5〜6分ほどゆで、竹串を刺すと少し抵抗が残る程度でざるへ取ります。硬ければ1〜2分ずつ追加してください。
しょうがは洗い、汚れや傷んだ表面を薄く除いて、厚さ1〜2mmに切ります。煮汁の香り付けとして魚と一緒に入れ、盛り付けにも使います。煮汁の材料も量ってから魚の霜降りへ進むと、湯通しした魚を待たせずに煮始められます。
骨際の血と細かなうろこを霜降りで落とす
ヒラマサは皮がしっかりしていて、細かなうろこが残りやすい魚です。皮とひれの付け根を触り、残ったうろこをうろこ取りで除きます。カマに付いたえらや内臓の残りも取り除きます。骨の切断面には鋭い部分があるため、手で強く握らないでください。
骨のくぼみの血を流水で短く洗い、骨片を除きます。別の鍋に湯を沸かし、火を止めて大きな泡が収まったら魚を少量ずつくぐらせ、表面が白くなったらすぐ冷水へ取ります。湯通しは表面の掃除のためで、中心の加熱はこの後の煮汁で行います。浮いた血の塊や残ったうろこをやさしく落とし、水を切り、続けて煮ます。
煮汁を沸かして入れ、落とし蓋で煮る
鍋へ水160ml、酒80ml、しょうゆ30ml、みりん30ml、砂糖8gを入れます。酒類なしは水270ml、しょうゆ30ml、砂糖14gです。選んだ配合を混ぜ、中火で沸かします。しょうがを入れ、魚を皮側が見える向きに一層に並べ、ごぼうを空いたところへ入れます。煮汁は身の高さの半分程度から、落とし蓋で上面へ回る状態を目安にします。
鍋が大き過ぎて煮汁がほとんど届かない場合は、合う大きさの鍋へ替えます。追加が必要なら、水80ml・酒40ml・しょうゆ15ml・みりん15ml・砂糖4gを混ぜた半量の煮汁を別に作り、必要な分だけ足します。酒類なしの追加分は水135ml・しょうゆ15ml・砂糖7gです。最初の液量不足に足す煮汁と、煮ている途中の蒸発分を補う湯は使い分けてください。
煮立ちが戻ったらアクをすくい、落とし蓋をします。弱めの中火にし、蓋の周囲から小さな泡が続いて上がる程度を保ちます。魚を返したり箸で動かしたりせず、上面が乾いているところへときどきスプーンで煮汁をかけます。カマの骨で落とし蓋が斜めに浮くときは、蓋を押し込んで身をつぶさず、煮汁が届かない面を確認してかけ回します。
12〜15分ほどから各片の厚い身とカマの骨際を少し開き、中心まで透明感がなく身がほぐれるかを見ます。生っぽい部分が残る、または判断に迷う場合は落とし蓋を戻し、煮汁をかけながら2〜3分ずつ追加して見直します。骨際の血合いは白身と同じ色にはならないため、赤茶色だけで生か加熱済みかを決めません。
食品用温度計があれば、骨を避け、血合いを含む骨際と厚い身の中央を数箇所測ります。加熱の目安は中心75℃で1分以上です。届いていなければ加熱を続け、中心で75℃以上を1分保つことを確認します。見た目は加熱不足を見つける目安で、この温度と時間を証明するものではありません。
加熱中に煮汁が減り、鍋底が乾きそうなら湯を30mlずつ足します。ここでは蒸発した水分を補うため、しょうゆを重ねません。落とし蓋を外すときは、顔や手へ蒸気が当たらない向きへ持ち上げます。
魚を先に取り出し、煮汁の濃さを整える
中心加熱が済んだ魚を幅広いフライ返しなどで下から支え、器へ移します。ごぼうは竹串がすっと通れば一緒に取り出します。まだ硬いときは魚を外したまま煮て、煮汁が少なければ湯を足して仕上げます。
煮汁を少量冷まして味を見ます。塩気も薄ければ中火で1〜2分ほど、鍋底を乾かさないよう煮詰めます。十分な濃さなら煮詰めずに使い、濃すぎる場合は湯を10〜20mlずつ足してふつふつするまで温めます。魚へ味を染み込ませようと、煮汁がどろりとするまで身を煮続ける必要はありません。
魚へ煮汁を少量かけ、ごぼうとしょうがを添えます。カマの身を骨から外しながら、好みの量の煮汁を絡めて食べてください。ひれの付け根や中骨周りの小骨にも注意し、子どもなどへは大人が身を外して骨を確かめてから取り分けます。
煮崩れ、焦げ、硬い身への対処
身が割れたら、箸で形を戻そうと何度も動かさず、そのまま必要な中心加熱を終えます。下から広く支えて盛ると、さらに細かく崩すのを抑えられます。割れた断面に骨が残っていないか、盛り付ける際にも確認してください。
煮汁が焦げた場合は消火し、焦げていない魚を清潔な別の鍋へすぐ移します。前述の追加用の配合で新しい煮汁を作って加え、落とし蓋をして中断せずに加熱を続けます。厚い身と骨際を開き、中心まで火を通します。元の焦げをこそげて煮汁へ混ぜず、鍋が冷めてから片付けてください。
中心まで加熱できた身が硬くなった場合は、大きくほぐして少量の煮汁を絡めます。次回は身の厚さをそろえ、中心加熱を確認できた魚から取り出します。煮汁が薄いときは魚を残して煮続けず、汁だけを調整すると魚の加熱を増やさずに済みます。
保存と温め直し
残す分は魚とごぼうを清潔な浅い容器へ小分けし、煮汁も分けて速やかに冷やし、冷蔵します。早めに食べ切り、管理状態が分からないものは食べません。味を染み込ませるために長時間室温へ置くことは避けます。
温め直しは冷たい鍋へ魚とごぼう、煮汁、水30mlを入れてから火にかけます。蓋をして弱火で温め、煮汁全体をふつふつ沸かします。厚い身と骨際を開き、ごぼうも中心まで十分に熱くして冷たい部分を残しません。温度計があれば前述の目安も確認します。煮汁の色が濃いので、焦げそうなら湯を少し足してください。
魚名と保冷状態が確認できるヒラマサを使い、調理直前まで冷蔵します。異臭や不自然な変色、保冷状態への不安があるものは使いません。ヒラマサにはシガテラ中毒の原因となった記録があるため、漁獲地域の自治体などの注意情報も確認してください。毒化の懸念がある魚は使わず、通常の加熱や冷凍で安全にすることはできません。毒は煮汁へ移ることもあるため、魚を除いて汁だけ利用することも避けます。
保存用レシピまとめ
ヒラマサの煮付けの材料と手順を、一枚で振り返れます。


