ホウボウのブイヤベースは、白身、あさり、えびのうま味をトマトのスープで味わう一皿です。このレシピは骨から別にだしを取らず、切り身を焼かずに煮るので、野菜を炒めた鍋でそのまま作れます。玉ねぎとセロリが軟らかくなってから魚介を入れ、身を長く煮すぎないよう仕上げましょう。
2人分ならホウボウ250gに、あさり200gと頭なしのえび4尾が目安です。サフランは好みで加え、なくてもトマトと香味野菜の風味を楽しめます。あさりの砂抜きが必要な場合は、その時間を別に確保してください。
材料(2人分)
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| ホウボウの皮付き切り身(腹骨・小骨除去) | 250g、6切れほど。幅3〜4cm、厚さ1.5〜2cm程度 |
| あさり(殻付き、砂抜き済み) | 200g |
| えび(頭なし) | 4尾、殻付きで80〜100g程度 |
| 玉ねぎ | 1/2個、100g |
| セロリの茎 | 40g |
| にんにく | 1片、みじん切り |
| カットトマト缶 | 200g、汁ごと |
| 水/白ワイン | 水300ml/白ワイン50ml |
| オリーブオイル | 大さじ1 |
| 塩 | 魚の下処理用1.5g、仕上げ用は0.5gずつ味を見て追加 |
| こしょう | 少々 |
| パセリ | 刻んだもの小さじ1〜2 |
| サフラン(好みで) | ひとつまみ、0.05g程度 |
サフランを使う場合は分量の水から50mlを取り、ぬるま湯にして15分以上浸しておきます。鍋へ注ぐ水は残り250mlです。白ワインを使わない日は、水を合計350mlにします。あさりから塩味が出るため、顆粒コンソメは入れずに味を確かめる配合です。
必要な道具
22〜24cm程度の深さのある鍋とふた、お玉と魚を支えられるヘラを用意します。先端の細い中心温度計はあれば使います。魚介を分けて煮る応用では、加熱済みの具を置く清潔な皿も2枚用意します。深型フライパンでも作れますが、魚介を入れても煮汁があふれない大きさを選んでください。
基本の作り方
- 玉ねぎとセロリを5mmほどに刻み、にんにくとパセリも刻みます。魚介を扱う前に野菜を準備します。
- ホウボウのうろこと骨を確かめて塩1.5gを振り、冷蔵庫で10分置いて水分を拭きます。あさりの殻をこすり洗いし、えびは尾を残して殻をむき、背わたを取ります。
- 鍋に油とにんにくを入れて弱火にかけ、香りが出たら玉ねぎとセロリを加えます。弱めの中火で5分ほど炒めます。
- トマトを入れて2〜3分炒め、白ワイン、水、好みのサフランを浸した水ごと加えます(水の合計は300ml)。煮立ったら弱めの中火で5分煮ます。
- ホウボウ、あさり、えびを加え、再び煮立ったらアクを取ります。ふたをして穏やかに煮立つ火加減を保ちます。魚・えびの厚い中心と、あさりの身まで確かめ、生っぽさが残れば追加加熱して再確認します。
- 十分に加熱できたら味を見て塩とこしょうを足します。魚を崩さず深皿へ盛り、パセリを散らします。
あさりの殻が開いただけで加熱を終えず、身の中心まで十分に加熱します。魚介の具体的な確認方法は、下の「魚介を加えて仕上げる」で説明します。
野菜と魚介の下準備
サフランを使う場合は先に水へ浸します。玉ねぎとセロリを5mmほどに刻み、にんにくをみじん切りにします。パセリは刻んで別皿に取り、冷蔵庫へ。盛り付け用のパセリに生魚の汁を付けないよう、ここまで済ませてから魚介を扱います。
ホウボウは小骨を取り、皮の水気を拭く
一尾から使う場合は、うろこ取りなどで細かなうろこを落とし、頭とえら、内臓を取り、腹の血を洗います。背側と腹側から中骨に沿って切り込みを入れて左右の身を外し、三枚におろします。腹骨をすき取り、身の中央を指でなぞって小骨を確かめます。
ホウボウの頭寄りの小骨は硬く、身の奥へ入っています。骨抜きで根元近くをつかみ、身を支えて骨の向きへ抜いてください。抜きにくければ骨の列を細い帯状に切り取ります。
正味250gを3〜4cm幅へ切り、塩を振って冷蔵庫で10分置きます。出た水分はキッチンペーパーで押さえます。厚い頭側と薄い尾側を見分け、薄い身は加熱中に崩れないよう大きめのまま使えます。
あさりは砂抜きと殻の洗浄を済ませる
購入品は砂抜きの有無と調理方法を表示で確認します。必要な場合は3%程度の塩水(水500mlに塩15g)を用意し、あさりを重ねずに並べ、殻の上部が少し出る深さで冷蔵庫に4〜5時間ほど置く方法があります。販売店の指定があればそちらに従い、砂抜き済みでも殻同士をこすり合わせて洗います。
殻が割れているもの、強い異臭があるものは使いません。生のあさりの汁が付いた器具で、パセリなどの盛り付け用食材を扱わないようにします。冷凍あさりは自己判断で長く砂抜きせず、凍ったまま加熱するか解凍するかを商品の表示で確認してください。
えびは殻と背わたを取る
頭なしのえびを使い、尾の一節を残して殻をむきます。背を浅く開いて背わたを取り、短く洗って水分を拭きます。冷凍品は表示に従い、解凍して使うものは冷蔵庫で解凍します。
香味野菜とトマトでスープを作る
鍋へ油とにんにくを入れて弱火にかけ、焦がさないように香りを出します。玉ねぎとセロリを加え、弱めの中火で5分ほど炒めて、玉ねぎが透き通りしんなりするまで火を通します。
カットトマトを汁ごと入れ、底から混ぜながら2〜3分炒めます。焦げ付きそうなら火を弱め、早めに次の液体を加えます。白ワイン50mlと水300mlを加えます。サフランを使う日は、水を250mlと、サフランを浸した50mlに分けて入れ、合計300mlにします。白ワインなしなら、ここへ代わりの水50mlも加えて合計350mlにしてください。一度煮立ててから5分ほど穏やかに煮て、野菜をやわらかくします。玉ねぎやセロリをスプーンの背で押して硬ければ、魚介を入れる前にもう少し煮ます。
ここで味を濃く決めすぎないことが大切です。魚介を入れた後に塩味とうま味が加わるので、仕上げの塩は最後まで取っておきます。
魚介を加えて仕上げる
魚は煮汁へ入れ、強くかき混ぜない
ホウボウを皮を上にして置き、あさりとえびを間へ入れます。魚が野菜の上に乗って汁から大きく出ないようにし、足りなければ水を50mlずつ足します。入れた直後は火を強め、再び煮立ったらアクをすくいます。
ふたをして、細かな泡が続く程度の弱めの中火で煮ます。外側の色が変わってきたら、厚い魚やえびの中心を確認し始めます。途中で底からかき混ぜず、必要なら鍋を軽く揺するか、上へ煮汁をかけます。
貝の開きと、中心の加熱を分けて確認する
魚は厚い所を少し開き、中心の透明感がなく身がほぐれるかを見ます。えびも厚い背側を開き、中心まで不透明に締まり、生っぽさが残っていないか確認します。生っぽさが残る場合や加熱に迷う場合は鍋へ戻し、ふたをして穏やかな煮立ちで加熱を続けます。その後に同じ切れ目を開き直し、中心まで白くなった魚の身がほぐれるか、えびの中心も不透明に締まったかを再確認してください。
あさりは開殻してもすぐに取り出さず、ふたを戻して煮汁の沸きと蒸気を保ちます。身が縮み、茶色や黒色の内臓部分まで固まることを補助の目安にします。生っぽい部分が残る、または加熱に迷う場合は、貝の身へ煮汁をかけ、ふたを戻して煮足し、身をもう一度確かめます。同じ汁へ入れた魚介も途中で取り出さず、煮汁ごと十分に加熱します。十分に加熱しても開かない貝は取り除き、こじ開けて食べません。
食品用温度計があれば、魚とえびは厚い中心75℃以上を1分以上、ノロウイルス汚染のおそれがある二枚貝などは中心85〜90℃を90秒以上保つよう加熱します。魚介の中心に感温部を合わせ、殻や汁だけを測らないでください。途中で温度が下がれば温度を戻し、それぞれの時間を確保します。殻の開きや身の色などの外観だけで、この条件や安全を保証することはできません。
加熱を確認したらスープの味を見ます。塩を0.5gほどずつ加え、混ぜて味見し、こしょうを振ります。お玉とヘラで身を支えて盛り、スープを注いでパセリを散らしてください。
味や煮え方が合わないとき
| 状態 | 調整のしかた |
|---|---|
| 味が薄い | まず塩を少量加えて味を見る。汁が多く塩気も薄いなら、魚介全体の加熱を終えて取り出し、スープだけを軽く煮詰める |
| 塩辛い | 水を50mlずつ足して薄め、全体を再び温める。塩入りのだしや調味料は足さない |
| トマトの酸味が強い | 魚介全体に火が通ったら取り出し、スープだけを数分煮る。まだ強ければ砂糖をひとつまみ加えて確かめる |
| 魚が崩れる | 強い沸騰とかき混ぜを止める。中心まで火を通し、穴あきお玉などでそっとすくう |
| 貝の砂が残った | 魚介全体を十分に加熱して取り出す。目の細かいこし器で汁をこし、底の沈殿は注がない。戻して温め直す |
切り身の大きさと材料を変える場合
小型のホウボウは細いフィレを短く切りすぎず、長めのまま使います。厚さ2cmを大きく超える切り身は中心の加熱が遅れるので、表面だけで終えず、中心を開いて煮足します。
薄い尾側や小さなえびは、貝と加熱を分ける
薄い尾側や小さなえびが多いときは、あさり、厚い魚、薄い魚とえびの順で分けて煮ると、先に火が通った具を取り出せます。材料の分量は同じで、中心の確認方法と加熱条件は基本手順と共通です。取り出すための清潔な皿を2枚用意し、次の順で一続きに作ります。
- 香味野菜とトマトのスープへ、まずあさりだけを入れます。蓋をして煮立ちと蒸気を保ち、開殻後も身と内臓まで加熱します。基本手順の二枚貝の加熱を確認し、煮汁も十分に煮立てたら、あさりを清潔な皿へ取り出して覆います。
- 同じスープへ厚いホウボウを入れ、蓋をして煮ます。基本手順の方法で中心までの加熱を確認したら、もう1枚の清潔な皿へ取り出します。
- 薄い尾側とえびを加えて煮ます。魚とえびをそれぞれ基本手順と同じ方法で確認し、生っぽさがあれば加熱を続けます。煮汁が減ったら水を少量ずつ補います。
- 先の魚とあさりを鍋へ戻し、全体を十分に温めます。塩とこしょうで味を調え、すぐに盛ります。
加熱した具には清潔な皿と器具を使い、取り出したまま長く室温へ置かず、続けて仕上げます。
あさりを省くと貝の塩味とうま味が減ります。魚を50gほど増やすか、そのまま作って仕上げの塩を調整できます。えびを省く場合も水をむやみに増やさず、魚と貝のだしを生かします。サフランなしならトマトと香味野菜の風味を中心に楽しめます。
パンを添えるほか、食事の続きで残ったスープをリゾット風にできます。骨片と殻を取り除いたスープ200〜250mlに温かいご飯150gを入れ、底から混ぜて全体を十分に温めます。粉チーズは塩味を見ながら少量加えてください。
保存と温め直し
釣ったホウボウは持ち帰り時の保冷と下処理を済ませ、調理まで冷蔵します。魚介の生汁が付いたまな板、包丁、手は洗い、味見用のスプーンも清潔なものを使ってください。
残る場合は鍋を常温に置いたままにせず、浅い容器へ小分けし、容器の外側を氷水で冷やすなどして速やかに冷却して冷蔵します。翌日までに食べる予定にし、温め直す際は底から静かに混ぜてスープ全体をしっかり煮立て、厚い魚・えび・貝の身も開いて冷たい部分を残さず十分に加熱します。温度計があれば、魚介の種類ごとに前述の中心加熱の目安を確認します。
早い段階で冷凍する場合は貝の身を殻から外し、骨や殻片がないか確認して、スープと具を一食分ずつ保存します。冷凍日を書いて長く保存せず使う計画を立て、冷蔵庫で解凍後に十分再加熱します。保存日数は安全の保証にはならず、常温放置や管理に不安があるものは使いません。
よくある質問
ホウボウを先に焼かなくても作れますか?
作れます。このレシピは炒めた野菜とトマトへ切り身を入れて煮る方法です。焼き目を付ける工程を省き、皮付きの身を鍋の中で返さず仕上げます。
白ワインは煮れば完全に抜けますか?
加熱時間や鍋の状態によってアルコールの残り方は変わるため、完全になくなるとは言えません。避けたい場合は最初から同量の水へ替えてください。
骨や頭も同じ鍋へ入れてよいですか?
切り身の鍋へ細かな骨を混ぜると、食べるときや残ったスープを使うときに取り除きにくくなります。このレシピでは骨を除いた切り身を使い、頭や中骨を追加しません。あらは別に取り分けて、あら汁などの料理に回してください。
保存用レシピまとめ
ホウボウのブイヤベースの材料と手順を、一枚で振り返れます。


