ホウボウの塩焼きは、香ばしい皮と、噛むとほぐれる白身を楽しめる料理です。皮付きの切り身なら、フライパンで焼き色を見ながら作れます。皮を焼くときは水気をよく拭き、裏返した後は火を弱めて厚い身の中心まで加熱するのがポイントです。
ここでは骨を除いた切り身を使う2人分を紹介します。ホウボウは尾側に向かって身が細くなるため、薄い部分と厚い部分を分けて扱います。塩の量は一尾の重さではなく、実際に焼く切り身の重さから決めましょう。
材料(2人分)
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| ホウボウの皮付き切り身(腹骨・小骨を除く) | 250〜300g、厚さ1.5〜2cm程度を4切れほど |
| 塩 | 魚の重さの1%(250gなら2.5g、300gなら3g) |
| サラダ油 | 小さじ1 |
| 大根 | 100g |
| 大葉 | 2〜4枚 |
| レモン | くし形2切れ |
塩は味付け用を兼ねており、焼く直前の追加分はありません。同じ小さじでも塩の種類によって重さが違うので、重量で量ります。
必要な道具
24〜26cm程度のフライパンとふた、幅のあるフライ返し、骨抜き、はかり、食品用キッチンペーパーを用意します。切り身同士の間にへらを差し込める広さが必要です。食品用の中心温度計があれば、厚い切り身の加熱確認に使えます。
基本の作り方
- ホウボウのうろこ・骨を確認して水気を拭き、薄い尾側と厚い部分を分ける。
- 塩を両面へ振って冷蔵庫で10〜15分置く。手と器具を洗い、その間に大根おろし、大葉、レモンを用意する。魚から出た水分を拭く。
- フライパンへ油を広げて中火で温める。皮を下にして魚を並べ、弱めの中火に落とす。反る部分を軽く押さえ、焼き色が付いてへらではがせるようになったら返す。
- 弱火〜弱めの中火で身側を焼き、厚い中心を開いて確かめる。生っぽさが残ればふたをして弱火で追加加熱し、同じ所を再確認する。火が通った切り身から皮を上にして盛り、薬味を添える。
1.うろこと骨を確認し、厚さの違う部分を分ける
皮付きで焼くホウボウは、細かなうろこを残さないようにします。尾側から頭側へうろこ取りを動かし、ひれの付け根や皮の端も確認してください。洗うのはうろこや汚れが付いた部分を短時間にし、皮と切り口の水を拭き取ります。丸魚ではひれのとげへ手を当てないように扱います。
一尾から用意する場合は、うろこ、頭、内臓を取り、背骨沿いの血を洗って水を拭きます。背側と腹側から中骨に沿って包丁を入れ、左右の身を外すと三枚おろしになります。腹骨を薄くすき取り、皮を残した身を使ってください。持ち帰りから内臓・血の処理までは釣った魚の持ち帰り方と下処理も参考になります。
ホウボウは細長い身の中央に、硬く深く入った小骨が並びます。指の腹で位置を確かめ、骨抜きで骨の根元近くをつかみ、周りの身を押さえて骨の向きに抜きます。抜けないものは骨の列に沿って両側へ包丁を入れ、骨のある部分を帯状に切り取ります。処理した後にも、切り口まで指で確認しましょう。
身はフライ返しで支えられる長さへ切ります。尾側が薄ければ別にし、厚い部分と同時に焼き終える必要はありません。頭側が2cmを大きく超える場合は中心への火通りが遅れるので、焼き色が付いた後にふたを使うつもりで進めます。
2.下塩をして、皮の水気を拭き取る
骨を除いた切り身を量り、重さの1%の塩を両面へ散らします。皿に重ねず並べ、冷蔵庫で10〜15分置きます。この間に大根おろし、大葉、レモンを用意しても構いませんが、生魚を触った手や器具は先に洗ってください。
表面に浮いた水分は、新しいキッチンペーパーを押し当てて取ります。紙がぬれたら面を替え、皮のくぼみと切り口も拭きます。この配合では塩を洗い流さずに焼きます。皮に水滴が残ると、焼き始めに水分を飛ばす時間がかかり、油もはねるので、拭き終えてからフライパンへ移しましょう。
3.皮を焼き、はがせる状態になってから返す
油を薄く広げたフライパンを中火で温めます。魚の端を当てて軽く焼ける音がしたら、皮を下にして間隔をあけて並べ、弱めの中火に落とします。コーティングしたフライパンは、煙が出るまで空焼きしないでください。
皮が縮んで切り身の端が浮いたら、フライ返しで浮く所を軽く押さえ、皮を底へ触れさせます。皮が落ち着いたら手を離し、押しつぶすような力をかけ続けないようにします。薄い尾側を一緒に入れた場合は、そちらから焼き色を見ます。
皮の端が色付き、へらをすべり込ませるとはがれる状態が、返す目印です。まだ白く湿って貼り付いているなら、弱めの火で少し待ちます。返すときは身の下を広く支え、一度で裏返してください。焼き色の付き方はフライパンや身の厚さで変わるため、分数だけで返さず、皮の状態を見ます。
4.厚い中心へ火を通し、皮を上にして盛る
身側へ返したら弱火〜弱めの中火で焼きます。外側が白くなってきたら、最も厚い切り身の中央を清潔な箸などで少し開き、半透明で粘るような身が残っていないか確かめます。
中心に生っぽさが残る、または火通りに迷うときは、ふたをして弱火で加熱を続けます。短く追加して同じ切れ目を開き直し、厚い所まで白くなり、身がほぐれるか確かめます。見た目だけでは所定の温度に達したことまでは分かりませんが、表面の焼き色だけで取り出さず、中心を開いて確認することが大切です。
温度計を使う場合は、最も厚い部分の側面から身の中心へ差し、鍋底に先端が触れないように測ります。中心75℃以上になったら、その温度以上を1分以上保つよう加熱します。途中で下がれば再び温度を上げて保持してください。大きさの違う切り身はそれぞれ確認します。
火が通ったらふたを外して蒸気を逃がし、皮を上にして皿へ移します。大根おろしは軽く水を切って魚の横へ置き、皮に汁をかけないようにすると、焼いた皮をぬらさずに食べられます。塩味が付いているので、まずはそのままかレモンを搾ってどうぞ。
焼いている途中に困ったら
皮が焦げそうなのに、中心が生っぽい
火を弱めて身側へ返し、ふたをして中心の加熱へ切り替えます。鍋底に焦げが広がっているなら一度火を止め、魚をへらで支えて焦げのない別のフライパンへ移してください。皮を濃く焼き直すより、中心を開いて追加加熱の結果を確かめます。
皮が張り付いて、へらが入らない
焦げ臭がなければ、火を弱めて皮が焼き固まるのを待ちます。焦げ臭がする場合は待ち続けずに火を止め、端から薄いへらを底へ沿わせて外します。皮の一部が残っても、身を何度も引っ張らず、支えたまま返して加熱を続けましょう。
薄い尾側だけ先に焼けた
中心まで加熱できた尾側は先に清潔な皿へ移します。厚い切り身だけをフライパンへ残すと、薄い身を硬くなるまで焼かずに済みます。次に作るときは、厚い切り身を先に並べ、薄い部分を後から加える方法も使えます。
魚焼きグリル・冷凍の切り身を使う場合
グリルなら材料の油小さじ1は省き、うろこ・骨の確認と下塩、水気取りまでは同じです。予熱、網への油塗り、受け皿の水は機器の説明書に従います。
- 両面焼き:皮を上にして置き、切り身向けの設定で焼く。焼き色が強ければ火力を下げ、厚い中心も確認する。
- 上火の片面焼き:皮を上にして焼き色を付け、身を支えて一度返す。身側にも火を当て、中心まで加熱する。
どちらも焼けた表面だけで判断せず、厚い所を開いて生っぽさがあれば火力を落として追加加熱します。グリルへ一般のクッキングシートを敷くと燃えるおそれがあります。ホイルなどを使う場合も、機器と製品の対応表示を確認してください。
冷凍の切り身は袋や容器に入れ、受け皿を置いて冷蔵庫で中心まで解凍します。出た液体を拭いてから重さを量り、下塩します。凍った中心が残るまま焼くと表面と中心の差が大きくなるので、今回の手順は解凍してから始めてください。
衛生管理と、残った塩焼きの保存
釣った魚は調理まで冷やしておき、生魚に触れた皿・箸を盛り付け用へ使い回しません。強い異臭や著しい変色があるもの、長く常温に置かれたなど管理に不安がある魚は、焼いて食べようとせず使うのをやめます。塩を振る工程は保存や殺菌の代わりにはなりません。
食べきれない分は清潔な浅い容器へ分け、速やかに冷まして冷蔵します。翌日までに食べきる予定を立て、さらに置く分は早い段階で一切れずつ包んで冷凍してください。保存日数だけで安全とは判断できないため、管理状態の分からなくなったものは食べません。
温め直しは、電子レンジ対応の器へ魚を並べ、対応するふたやラップをふんわりかけて行います。途中で向きを変え、厚い所を開いて冷たい中心が残れば追加加熱します。温度計があれば中心75℃以上を確かめてください。表面も温かいのに中が冷たい、という加熱むらを残さず、食べる分だけ温めます。
保存用レシピまとめ
ホウボウの塩焼きの材料と手順を、一枚で振り返れます。


