シマアジのあら煮は、カマや中骨に残る身を甘辛く煮て食べる料理です。霜降りのあとに血と細かなうろこを落とし、火が通ったあらを取り出してから煮汁の濃さを整えると、身を硬くしすぎず仕上がります。ここでは頭を使わず、身の付いたカマ・中骨・腹骨周りとごぼうで作ります。
シマアジのあら煮の材料(2〜3人分)
あら400gは骨込みの重量です。中骨だけでは食べる身が少ないため、カマや腹側の身も組み合わせます。5〜7cm程度に切り、厚いカマの身は2〜3cmほどを想定しています。
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| シマアジのあら(頭なし、カマ・中骨・腹骨周り) | 400g、骨込み |
| 塩(下処理用) | 4g、洗い流す |
| ごぼう | 60g |
| しょうが | 10g |
| 水 | 150ml |
| 酒(食塩無添加) | 75ml |
| 濃口しょうゆ | 大さじ2と小さじ1(35ml) |
| 本みりん | 大さじ2(30ml) |
| 砂糖 | 10g |
| 霜降り・冷却・ごぼう下ゆで用の湯と水 | あらやごぼうが浸かる量 |
煮汁には食塩無添加の酒を使います。食塩入り料理酒を使う場合は、しょうゆを最初から全量入れず、大さじ1と1/2程度から味を調整します。酒を使わない場合は同量の水に置き換えられますが、風味は軽くなります。
必要な道具
直径22cm程度の浅めの鍋、または深さのあるフライパン、落とし蓋を使います。トング、お玉、あらを支えるフライ返し、食品の中心温度を測れる温度計(あれば)、霜降り用の大きめのボウル、ざる、目の細かいこし器、汁を受ける耐熱ボウルも用意してください。
あら煮の基本の作り方
切り分け済みのあらなら40〜50分ほど。下の流れでは、あらの霜降り後に同じ鍋で湯を替え、ごぼうを下ゆでします。別鍋があれば下塩中に進めても構いません。
- 下塩をする:あらへ塩4gを振り、覆って冷蔵庫へ15〜20分置きます。
- 霜降りして洗う:下塩を流し、沸騰直前の湯へくぐらせます。表面が白くなったら冷水へ取り、血とうろこを落とします。
- ごぼうと煮汁を準備する:ごぼうを斜め薄切りにして下ゆでし、煮汁の材料としょうがを鍋で沸かします。
- あらを煮る:ごぼうとあらを並べ、落とし蓋をして静かに煮立つ火加減で10分ほど煮たら、厚い骨際の火通りを確認し始めます。
- あらを取り出して仕上げる:厚い骨際を開いて確かめ、生っぽい所が残れば落とし蓋をして煮汁をかけながら煮続け、同じ骨際をもう一度確認します。十分加熱したあらとごぼうを盛り、煮汁を味見し、塩気も薄いときだけ汁を煮詰めてかけます。
工程ごとの詳しい作り方
1.身の付いたあらを用意し、下塩をする
カマはえらの後ろから胸びれの付け根にかけての部分で、厚い身が付いています。中骨にはおろしたときに残った身が付き、腹骨周りには脂のある薄い身が残ります。部位を混ぜると、身を食べながら煮汁の風味も楽しめます。
中骨だけで身がほとんど付いていない場合は汁物に向きます。身を食べるあら煮には、カマや腹側も組み合わせてください。
持ち込み処理に対応する魚店へ頼める場合は、あらを5〜7cm程度に切り分けてもらいます。家庭では鍋へ収まる大きさを選び、硬い骨の切断が必要なら店へ頼んでください。切り口の骨片は、霜降り後に洗い落とします。
この配合は頭なしのあら用です。頭のえら取りや割り方は別の作業になるため、カマ・中骨・腹骨周りを用意します。
あらをバットへ広げ、下処理用の塩4gを皮と切り口へ振ります。覆って冷蔵庫へ15〜20分置き、出た水分と塩を短い流水で流します。内臓の欠片が残っていたら取り除きます。
2.表面を霜降りし、血とうろこを洗い落とす
大きめの鍋に湯を沸かし、火を弱めて沸騰が静まってから、あらを数切れずつ入れます。表面が白く変わるまでくぐらせ、すぐ冷水へ取ります。中心までゆでる工程ではなく、汚れを落としやすくする下処理です。
骨のくぼみに固まった血、皮のぬめり、残ったうろこを指や柔らかなブラシで落とします。シマアジは細かなうろこが残りやすいため、ひれの根元も確かめます。皮の処理にうろこ取りを使う場合も、骨の鋭い切り口を握らないようにしてください。
洗い終わったあらはざるへ上げ、ペーパーで水分を取ります。霜降りの湯と洗った水は煮汁へ使いません。
3.ごぼうを下ゆでし、煮汁を沸かす
ごぼうはたわしなどで洗い、皮を厚くむかず、4〜5mmの斜め切りにします。切ったものを水へ2〜3分さらし、水を切ります。しょうがは皮の汚れを落として薄切りにしてください。
ごぼうを別の湯で5〜7分ほどゆで、竹串が少し抵抗を残して通る程度にします。硬ければ追加でゆでます。厚いごぼうを生のままあらと入れると、やわらかくなるのを待つ間に魚の身が締まるため、先に火を通しておきます。
鍋に水、酒、しょうゆ、本みりん、砂糖、しょうがを入れて中火へかけます。煮立ったらごぼうを広げ、その間にあらを重ねず並べます。皮の付いた部分は皮を上にし、厚いカマにも熱い煮汁をお玉でかけます。
あらが一段に並び、煮汁が高さの半分前後まで届く鍋を使います。広すぎて煮汁が底へ薄く広がる場合は、一回り小さな鍋へ移します。上に出た部分は煮汁をかけ、落とし蓋で煮汁を回します。
4.落とし蓋で煮て、カマの厚い身を確かめる
再び煮立ったら浮いた大きなあくを取り、落とし蓋をします。弱めの中火にして、蓋の縁から煮汁が静かに上がる程度を保ちます。あらは返さず、上に出た部分へお玉で煮汁をかけます。
10分ほど煮たところから、カマの骨際など厚い身を少し開いて確認します。半透明で生っぽい所が残る、または判断に迷う場合は、開いた所へ煮汁をかけ、落とし蓋を戻して煮続け、同じ骨際を再確認します。10分は確認を始める目安で、煮終わりの時間ではありません。薄い腹側は別に確かめ、十分加熱できたものから取り出して構いません。
中心温度計があれば骨を避け、厚い身へ横から差し、中心75℃以上で1分以上を目安に確認します。色やほぐれ方は手掛かりで、見た目だけでこの温度と保持時間の達成は保証できません。
煮ている途中に鍋底が見えるほど煮汁が減り、まだ中心の加熱が足りないときは、熱湯大さじ1〜2を加えて続けます。これは蒸発した水分を戻すための追加です。調味料は足さず、減った水分だけを補います。
5.あらを取り出し、煮汁だけを好みの濃さにする
加熱できたあらは、フライ返しなどで下から支えて皿へ移します。ごぼうも取り出し、骨片が煮汁へ落ちていないか確かめます。細かな骨片がある場合は、目の細かいこし器で耐熱ボウルへこし、鍋へ戻します。十分に除けない煮汁は使わず、あらの身も骨を確かめて盛ります。
残った煮汁を味見し、塩気も薄い場合だけ中火で1〜3分ほど、少量ずつ味を確かめながら煮ます。塩気が十分なら煮詰めず、そのまま使います。味見する汁は少量を取り、口へ入れられる温かさに冷まします。お玉からまださらりと流れ、少量を魚へ絡めて食べられる濃さで止めます。
あらに煮汁をかけ、ごぼうとしょうがを添えます。骨から外した身に皿の煮汁を少し絡めて食べます。骨付きのあらは、ひと口に入れる前に皿の上で身と骨を分けてください。
カマや腹骨周りが多いあらでは、煮汁の上へ脂が広がって強い照りに見えることがあります。表面の光沢だけで濃さを決めず、脂の下の汁を少量取り、骨から外した身と一緒に味見します。身と少量の汁を合わせて好みの味になったところで仕上げます。
生臭い・身が硬い・煮汁が濃いときは
生臭さが残る
骨のくぼみに残った血や、えら・内臓の欠片は、煮汁のにおいの原因になります。次回は霜降り後にくぼみを開いて洗います。魚種や保冷履歴が不明、保冷が不適切、または異臭や不自然なぬめりがある魚は使わないでください。
身が硬くなった
煮汁を詰める間もあらを入れ続けた場合は、次回、中心の加熱を確認した時点で先に取り出します。中心までの加熱を確認できた身は骨を外して小さめにほぐし、煮汁を少し絡めて食べます。さらに長く煮ても、やわらかさは戻りません。
煮汁が塩辛い、甘すぎる
煮汁へ熱湯を大さじ1ずつ加え、味を確かめて薄めます。魚の身がすでに濃い場合は、煮汁を多くかけず、白ご飯や味を付けていない大根おろしと合わせます。
あらの保冷と保存、温め直し
あらは切り口が多く、血も残りやすいため、持ち帰ったら低温を保ち、できるだけその日のうちに下処理して調理します。魚の持ち帰りと処理で保冷を切らさないようにしてください。
残す場合は、あらと煮汁を清潔な浅い容器へ小分けし、速やかに冷まして冷蔵します。冷蔵後も早めに食べます。温め直しは煮汁が少なければ水を補い、全体がふつふつと沸くまで加熱します。あらの厚い身を開いて汁へ浸し、冷たい所が残る場合はさらに温め、同じ中心をもう一度確かめます。温度計があれば中心75℃以上で1分以上を目安に確認します。
すぐ使わない生のあらは、血や水分を除いて一回分ずつ包み、早めに冷凍します。使うときは受け皿へ載せて冷蔵庫で解凍し、改めて状態を確かめます。
保存用レシピまとめ
頭を使わないあら煮の材料と手順を、一枚で振り返れます。


