カンパチの西京焼きは、甘口白みそのまろやかな甘みと、焼いた表面の香ばしさを味わう料理です。少量のみそ床を切り身へ直接塗ってラップで包むので、魚を埋めるほどたっぷりのみそを用意せずに作れます。
皮付きの切り身2切れを冷蔵で8〜12時間漬け、表面のみそを落としてフライパンで弱火焼きにします。厚い背身は中心を開いて確かめ、焦げそうなときは少量の水を加えた蒸し焼きへ切り替えましょう。
天然のカンパチは、使う前に採捕海域の食用注意を確認してください。特に熱帯・亜熱帯の海域ではシガテラに注意が必要で、毒は味噌漬け・加熱・冷凍でも除けません。食用の注意対象となる魚や、魚種や保冷履歴が不明な魚、保冷が不適切だった魚や傷みが疑われる魚は使いません。
カンパチの西京焼きの材料
2人分、作業時間は約25分、別に冷蔵で8〜12時間漬けます。魚は皮付き・骨を除いた正味200〜240g、厚さ1.5〜2cmを基準にします。釣獲後の保冷・衛生状態を確認し、漬け込みで保存を延ばそうとせず、作る日から逆算して用意しましょう。
| 材料 | 2人分の分量 |
|---|---|
| カンパチの皮付き切り身 | 2切れ、合計200〜240g |
| 下塩用の塩 | 1g |
| 甘口白みそ(西京みそなど) | 60g |
| 酒(食塩無添加) | 小さじ2 |
| 本みりん | 小さじ2 |
| 油 | 小さじ1 |
| 蒸し焼き用の水 | 大さじ1、必要に応じて追加 |
| ししとう | 4本、浅い切れ目を入れる |
| 大根 | 80g、おろして添える |
必要な道具
食品用ラップ、小さなボウル、スプーンかへら、キッチンペーパー、汁漏れしにくい保存袋か容器、ふた付きのフライパン、フライ返し、先端の細い中心温度計(あれば)を用意します。魚が重ならない22〜24cmほどのフライパンが使いやすい大きさです。
基本の作り方
- 魚のうろこと骨の残りを確認し、塩1gを振って冷蔵庫で10分置き、水分を拭きます。
- 白みそ・酒・みりんを混ぜます。魚へ半量ずつ薄く塗り、1切れずつラップで包んで保存袋へ入れ、冷蔵庫で8〜12時間漬けます。
- 焼く前にししとうと大根おろしを用意します。魚のみそをヘラやペーパーで取り、水気を拭きます。
- 油を広げたフライパンでししとうを焼いて取り出します。火を止めて少し冷まし、魚を入れて弱火で5分ほど、返して4〜5分ほど焼きます。
- 厚い身を開き、中心が不透明になってほぐれるか確認します。生っぽい所が残る、または火通りに迷う場合は火を止めて少量の水を加え、ふたをして弱火へ戻します。蒸し焼きで中まで加熱してから、ししとうと大根おろしを添えます。
工程ごとの詳しい作り方
1.うろこと骨を確認し、下塩後の水分を拭く
皮付きの切り身は、皮を指でなぞって細かなうろこが残っていないか確認します。ひれ際から切り出した身に多く残る場合は、うろこ取りで除いてから水気を拭きます。
大型カンパチを自分でおろした場合は、腹骨をすき、背身と腹身の間の血合い骨を確認します。硬くて抜けない骨列は身を薄く付けて切り取り、切り身に整えます。厚い背身と薄い腹身が混ざる場合は、1.5〜2cm程度に厚さをそろえます。皮を残して厚さを整えにくい切り身は、持ち込み魚の処理に対応する店で厚さを指定して切ってもらうと、漬かり方と火通りをそろえやすくなります。
塩1gを2切れの両面へ振り、冷蔵庫で約10分置きます。出てきた水分は、清潔なキッチンペーパーで押さえます。みそ床が水っぽくならないよう、皮と切り口の両方を拭いてください。
2.甘口白みその床を作り、包んで冷蔵する
使うのは、西京みそなどの米麹を多く使った甘口白みそです。白っぽい味噌でも辛口のものがあり、同じ60gに置き換えると塩味や甘さが変わります。パッケージの種類、甘口の表示、食塩相当量を確認してください。
甘口白みそ60gへ酒と本みりん各小さじ2を少しずつ混ぜます。水っぽい部分と固いみその塊が分かれなくなるまで混ぜ、へらで薄く塗れる状態にします。基本ではしょうゆや砂糖を加えず、白みその風味を生かします。
みそ床を4等分し、1/4量をラップへ切り身と同じ大きさに広げます。魚を置いて上にも1/4量を塗り、ラップを身に沿わせて包みます。もう1切れも同じように包みます。2切れでみそ床を使い切る量です。袋か容器へ入れて汁漏れを防ぎ、冷蔵庫で8〜12時間置きます。
薄い尾側は8時間ほどから焼いて味を確認し、厚い背側も12時間を目安に使います。朝に仕込んで夕食に焼くか、夜に仕込んで翌朝に焼くと段取りを組めます。味噌に漬けても保存を延ばせる保証はなく、釣獲後からの保冷・衛生管理は必要です。
3.付け合わせを用意し、魚のみそを落とす
大根は皮をむいてすりおろし、ざるで自然に落ちる汁を切ります。ししとうを洗い、水気を拭いて1本ずつ浅い切れ目を入れます。準備ができたら魚を取り出し、ヘラやペーパーで表面のみそを丁寧に取ります。皮の端や切れ込みに固まりが残ると焦げやすくなります。落としにくければ弱い流水で短く洗い、周囲への飛び散りを避けて、水分をよく拭いてください。
魚から取り除いた使用済みのみそ床は処分します。
4.ししとうを焼き、魚の両面を弱火で焼く
油を広げたフライパンでししとうを中火で焼き、全体がしんなりしたら清潔な皿へ取り出します。火を止め、フライパンをコンロから外して数分冷まします。広い皮面がある切り身は皮を下にし、皮が側面に細く付く切り身は広い身の面を下にして置きます。魚を置いた途端に激しく音がして色付き始める場合は、火をつけずに少し待ちます。落ち着いた状態で弱火にかけ直してください。水をかけて急冷しないでください。
弱火で約5分、下の面が固まって薄い焼き色が付き、へらで支えて動かせる状態になったら裏返します。反対側も4〜5分を目安に焼き、表面が濃くなる前に中心を確認します。みその糖分があるので、照り焼きのような濃い茶色まで焼き込む必要はありません。
5.中心の火通りを確かめ、必要なら蒸し焼きにする
2切れそれぞれの最も厚い中央を少し開き、不透明になって層に沿ってほぐれるかを確かめます。半透明でねっとりした所が残る、中心が冷たい、火通りに迷う場合は、火を止めて鍋肌から水大さじ1を静かに加えます。ふたをして弱火に戻し、開いた中心まで蒸し焼きにし、同じ厚い所を再確認します。水がなくなりそうなら少量足し、みそだけを焦がさないようにしてください。
中心温度計があれば厚い身の横から中央へ差し、中心75℃以上を1分以上保って加熱します。身の色やほぐれは手掛かりで、見た目だけでこの温度と保持時間の達成は保証できません。焼き上がりは幅のあるフライ返しで下から支えて皿へ移し、ししとうと大根おろしを添えます。
中心まで焼けた身は、みその付いた表面と中央を一口にして味見します。塩味が足りていれば何も足さず、不足する場合は食卓でしょうゆをごく少量、別添えにして付けます。濃い場合は大根おろしと合わせます。
厚さと味噌に合わせた調整
| 状態 | 調整のしかた |
|---|---|
| 厚い背側 | 表面に焼き色が付いても中心が生っぽければ、工程5の蒸し焼きへ切り替える |
| 薄い尾側 | 漬け時間を短めから試し、焼くときも早めに中心を確認する |
| すぐ焦げる | 火を止めて魚を皿へ取り、鍋の焦げを拭き取る。魚を戻して弱火で加熱し、工程5で中心を確認する。次回はみその残りと鍋の温度を見直す |
| 塩辛い | 次回は甘口白みその種類と漬け時間を確認する。しょうゆをかけず大根おろしと食べる |
| 甘みが足りない | 次回のみそ床へ砂糖小さじ1を加えて調整する。焦げやすさにも注意する |
漬ける魚の扱いと保存
釣った魚は持ち帰りから保冷し、処理中も室温へ長く出しません。
すぐ焼けない場合は、冷蔵で漬け終わった魚をそのまま何日も置かず、みそをぬぐって1切れずつ包み、冷凍用保存袋へ入れます。冷凍日を書いて早めに使います。冷蔵庫で中心の凍った部分がなくなるまで解凍し、水分を拭いて工程4・5の手順で焼きます。
焼いたあとの残りは清潔な浅い容器に分け、速やかに冷まして冷蔵します。翌日までに食べ切る予定にし、少量の水と一緒にフライパンへ入れてふたをし、弱火で蒸し焼きにします。厚い中心を開いて冷たい所が残らないよう十分温め、温度計があれば中心75℃以上を目安に確認してください。常温で長く置いたものや傷みが疑われるものは使いません。
保存用レシピまとめ
カンパチの西京焼きの材料と手順を、一枚で振り返れます。


