釣ったキスを、天ぷらとは少し違う華やかな一皿にしたいなら、梅しそチーズ巻きがおすすめです。
淡泊でやわらかなキスに、梅の酸味、大葉の香り、チーズのコクを重ね、パン粉を付けて揚げ焼きにすると、外はサクッと、中はふっくら。切り口もきれいで、夕食のおかずやおつまみにもよく合います。
成功のポイントは、キスの水分と骨をきちんと処理すること、具材を入れすぎないこと、巻いた中心まで十分に火を通すことです。特に釣ったキスは大きさが揃わないことが多いため、身幅に合わせて梅とチーズの量を変えると失敗しにくくなります。
- キスの梅しそチーズ巻きの材料と基本手順
- 背開きにして中骨・腹骨を処理する方法
- チーズを漏れにくく、形よく巻くコツ
- 衣をはがれにくくする水分管理と付け方
- 揚げ焼きで中心まで火を通す見極め方
- 小さなキスや冷凍キスで作るときの調整
- 保存・温め直し・釣魚ならではの注意点
キスの梅しそチーズ巻きの材料
2〜3人分の目安
15〜20cm前後のキス8尾を想定しています。小型のキスは巻きにくいため、具材を細くするか、巻かずに重ねてフライにすると作りやすくなります。
キスと具材
- キス:8尾(15〜20cm前後)
- 大葉:8枚
- スライスチーズ:4枚
- 梅干し:大きめ2個
- 塩:少々
- こしょう:お好みで少々
- つまようじ:8本程度
梅干しは種を除いて包丁でたたき、ペースト状にします。塩分の強い梅干しや市販の梅肉を使う場合は、キスに振る塩を控えめにしてください。
スライスチーズは1枚を半分にし、さらにキスの身幅に合わせて細長く折ります。巻いたときにチーズが外から見えないくらいが適量です。
衣と揚げ油
- 薄力粉:大さじ3〜4
- 卵:1個
- パン粉:約40g
- 揚げ油:フライパンの底から1〜1.5cm程度
パン粉が大きく粗い場合は、手で軽くもんで細かくすると、小さなキスの曲面にも付きやすくなります。
付け合わせ
- レモン:お好みで適量
- 千切りキャベツ、ベビーリーフ:適量
- ミニトマト:お好みで適量
梅とチーズに塩味があるので、まずはそのまま食べるのがおすすめです。物足りなければレモンや少量のポン酢を添えると、キスの淡泊な味を邪魔しにくくなります。
キスの梅しそチーズ巻きの基本の作り方
- キスのうろこ・頭・内臓を取り、背開きにして中骨と気になる腹骨を除きます。
- 水分をしっかり拭き、塩を少量振って再び出てきた水分を拭きます。
- 大葉、梅肉、細くしたチーズをのせ、身の幅が広い側から巻いてつまようじで固定します。
- 薄力粉、溶き卵、パン粉の順に衣を付けます。
- 165〜170℃程度の油で、巻き終わりを下にして揚げ焼きにします。
- 全体がきつね色になり、中心のキスまで火が通ったら取り出します。
- 1〜2分休ませ、つまようじを抜いて盛り付けます。
ここからは、下処理や巻き方、火入れで失敗しやすいポイントを工程ごとに詳しく見ていきます。
詳しい作り方
1.うろこ・頭・内臓を取り除く
キスは表面に細かなうろこがあります。包丁の背やうろこ取りを尾から頭へ動かして落とし、頭を切り落として内臓を取り除きます。
腹の中に血や汚れが残っていたら短時間で洗い、洗った後はキッチンペーパーで表面と腹の中の水分をしっかり拭き取ってください。キスは身が薄くやわらかいため、長く水に浸けるより、必要な部分だけ素早く洗うほうが扱いやすくなります。
2.背開きにして中骨を外す
梅しそチーズを巻くなら、左右の身がつながった背開きにすると具材をのせる面積を確保しやすくなります。
- 頭を落とした切り口から、中骨に沿って背側へ包丁を入れます。
- 中骨を感じながら尾の近くまで少しずつ開きます。
- 反対側も中骨に沿って開き、左右の身をつなげた状態にします。
- 中骨を頭側から浮かせ、尾の近くで切り離します。
- 腹側に硬い骨が残っていれば、包丁を寝かせて薄くすき取ります。
無理に一度で包丁を進めると身を貫きやすいため、骨に沿って浅く何回かに分けて進めると形を保ちやすくなります。
3.小骨を確認する
開いた身を指の腹でなぞり、硬い骨が当たらないか確認します。気になる骨は骨抜きで骨の向きに沿って抜きます。身に逆らって強く引くと、やわらかなキスが裂けることがあります。
子どもや高齢の方が食べる場合は、特に腹側と身の中央を丁寧に確認してください。
取り外した中骨を捨てずに使いたい場合は、カリカリに揚げる骨チップスにもできます。

4.塩を軽く振り、水分をもう一度拭く
開いたキスに塩をほんの少し振り、5分ほど置きます。表面に水分が浮いてきたら、キッチンペーパーでやさしく押さえてください。
このひと手間で、具材が滑りにくくなり、薄力粉も付きやすくなります。油はねや衣はがれの予防にもつながります。
塩は控えめで十分です。
梅干しとチーズの塩味が加わるため、ここで強く味を付けると完成時に塩辛くなりやすくなります。
5.大葉・梅肉・チーズを準備する
大葉は軸を切り落とし、洗った場合は裏表の水滴までよく拭きます。梅干しは種を除いてたたき、チーズはキスの身幅より短くなるよう細く切るか折ります。
大葉に水気が残っていると梅肉が滑り、巻いている途中で具材がずれます。キスと同じく、ここでも水分を残さないことが大切です。
6.具材を中央に置き、巻き終わりを固定する
キスを皮側が下、身側が上になるように置きます。大葉をのせ、その中央に梅肉を薄く塗り、チーズを置きます。
梅肉は端まで塗らず、周囲を5mmほど空けます。チーズも身の両端からはみ出さない長さにしてください。具材が多すぎると閉じにくくなり、揚げている途中でチーズが流れ出しやすくなります。
身の幅が広い側から具材を包むように巻き、巻き終わりをつまようじで固定します。きつく締め上げるより、具材が中央に収まる程度に巻くほうが身割れを防ぎやすくなります。
7.薄力粉・卵・パン粉の順に衣を付ける
薄力粉を全体に薄くまぶし、余分な粉を落としてから溶き卵、パン粉の順に付けます。巻き終わりと両端にも衣を付けておくと、具材を包む助けになります。
パン粉は強く押し固めず、手のひらで軽く包む程度で十分です。衣を付けた後に3〜5分ほど置くと、表面がなじんで扱いやすくなります。
8.165〜170℃を目安に揚げ焼きする
フライパンに1〜1.5cmほど油を入れ、165〜170℃程度まで温めます。巻き終わりを下にして静かに入れ、最初の1分ほどは触りすぎず、衣と巻き終わりを固めます。
その後は一面だけを長く焦がさないよう、焼き色を見ながら少しずつ転がします。15〜20cm前後のキスなら全体で3〜5分ほどが目安ですが、巻きの太さや油量、火力で変わります。
時間だけで火通りを判断しないでください。
- 衣が全体にきつね色になっている
- 中心のキスが白く不透明になっている
- 中心に冷たい部分や半透明の身が残っていない
- 安全を重視する場合は、最も厚い部分の中心まで75℃で1分以上を一つの目安にする
太く巻けたものは、衣が先に色付いても中心が十分に温まっていないことがあります。最初の1個を切って確認すると、その後の加熱時間を調整しやすくなります。
9.油を切り、少し休ませてから切る
揚げ上がったら網などに取り、1〜2分休ませます。すぐに切ると中のチーズが流れ出しやすいため、少し落ち着かせてからつまようじを抜き、必要に応じて斜め半分に切ります。
断面をきれいに見せたい場合は、よく切れる包丁で押しつぶさずに切るのがコツです。
キスの大きさで巻き方を変える
| キスの大きさ | おすすめの作り方 | 調整ポイント |
|---|---|---|
| 小さめ | 重ねフライ、細巻き | 大葉・梅・チーズを小さくし、無理に一尾で太く巻かない |
| 15〜20cm前後 | 基本の梅しそチーズ巻き | スライスチーズ半枚程度から身幅に合わせて調整 |
| 大きめ・身厚 | 具材を細くして巻く | 外側を焦がさないよう火をやや弱め、中心の火通りを丁寧に確認 |
釣ったキスはサイズが混ざりやすいので、全部を同じ形に仕上げる必要はありません。巻きにくい小型魚は天ぷらや南蛮漬けへ回し、身幅のある魚を梅しそチーズ巻きにすると作業も安定します。
失敗しやすいポイントと直し方
チーズが流れ出す
最も多い原因は、チーズの入れすぎです。チーズを身幅より短くし、巻いた状態で両端から見えない程度にします。巻き終わりをつまようじで固定し、最初は固定した面を下にして衣を固めるのも有効です。
油の中へチーズが流れ出したら、焦げる前に網じゃくしなどで取り除いてください。
衣がはがれる
キス、大葉、手の水分が多いと衣は付きにくくなります。薄力粉を付ける直前に表面が湿っていないか確認し、粉は厚く付けず、余分を落としてから卵へ進みます。
巻いている途中で身が裂ける
キスの身はやわらかいため、具材を多く入れて強く巻くと裂けやすくなります。梅とチーズを減らし、きつく巻かずにつまようじで形を支えてください。小さいキスなら巻くことにこだわらず、2枚を重ねて具材を挟む方法もあります。
外は焦げたのに中心が冷たい
油温が高すぎるか、巻きが太すぎる可能性があります。表面だけ色が進む場合は火を弱め、転がしながら追加加熱します。次の分はチーズ量を減らし、少し細く巻くと火が入りやすくなります。
油っぽくなる
一度に入れすぎて油温が下がると、衣が油を吸いやすくなります。フライパンの大きさに合わせて2〜4個程度ずつ揚げ、取り出した後は重ねずに網で油を切ります。
アレンジと食べ方
梅を減らして子ども向けに
梅の酸味が苦手なら、梅肉をごく薄くするか、大葉とチーズだけで巻いても作れます。チーズだけでも塩味があるので、キスの下味は控えめにします。
黒こしょうや海苔でおつまみ風に
梅肉の上に粗びき黒こしょうを少量振ると、チーズのコクが引き締まります。大葉と一緒に細く切った焼き海苔を巻くのも相性のよいアレンジです。
パン粉なしで軽く焼く
揚げ物を軽くしたい日は、巻いたキスに薄力粉だけを薄くまぶし、少量の油で焼く方法もあります。巻き終わりから焼き固め、転がしながら中心まで加熱します。仕上げに少量のバターを加えると洋風になります。
釣果が多い日は料理を分ける
身幅のあるキスを梅しそチーズ巻きにし、小型は天ぷらや南蛮漬け、中骨は骨チップスへ回すと、一度の釣果を無理なく使いやすくなります。
釣ったキスを使うときの注意点
作り方は下処理から始め、鮮度確認は調理前の前提として行う
料理に使う前に、釣り場から低温で持ち帰れているか、強い異臭や不自然な変色・粘りがないかを確認します。梅や大葉の香りで状態の悪い魚をごまかして使うことは避けてください。
釣った魚の締め方、冷やし方、持ち帰った後の処理を詳しく確認したい場合はこちらも参考になります。

生の魚を触った器具と盛り付け用器具を分ける
生のキスを扱った包丁、まな板、トレー、菜箸には生魚由来の汚れが付いています。加熱後の料理を同じ器具へ戻さず、洗浄した器具や新しい皿を使ってください。
つまようじは盛り付け前に全て抜く
使用した本数を数えておき、盛り付け前に全て抜けていることを確認します。特に子どもへ出す場合は、切った断面でもつまようじや硬い骨が残っていないか再確認してください。
作り置きは長時間の常温放置を避ける
食べない分は長く室温に置かず、粗熱が取れたら冷蔵します。釣った魚は持ち帰るまでの状態によって条件が異なるため、保存日数だけを過信せず、できるだけ早めに食べ切るのがおすすめです。
温め直すなら、電子レンジだけよりトースターやオーブンを併用すると衣が戻りやすくなります。中心まで十分に熱くしてから食べてください。
よくある質問
冷凍したキスでも作れますか?
作れます。冷蔵庫で解凍し、出てきた水分を丁寧に拭いてください。解凍後の身がやわらかい場合は、具材を少なめにし、太く巻かないほうが形を保ちやすくなります。
小さいキスでも巻けますか?
巻けますが、身幅が狭いと崩れやすくなります。梅とチーズを減らして細く巻くか、2枚の身で大葉とチーズを挟む重ねフライにすると作りやすくなります。
開いたキスを買って作ってもいいですか?
問題ありません。開き済みなら中骨の処理を省けますが、腹骨や硬い骨が残っていないか指で確認し、水分を拭いてから巻き始めてください。
チーズはピザ用でも作れますか?
作れますが、細かなピザ用チーズは巻く途中でこぼれやすいため、量を少なめにして大葉で包んでからキスで巻くと扱いやすくなります。初心者には細く折れるスライスチーズが簡単です。
揚げずにトースターやオーブンでも作れますか?
作れます。衣の表面へ少量の油をかけるか塗って焼くと色付きやすくなります。
ただし機種や巻きの太さで必要時間が変わるので、表示時間だけに頼らず、中心のキスが白く不透明になり十分に加熱できたか確認してください。
あると便利な道具
キスを何尾も処理するなら、小型魚に合う小出刃包丁と骨抜きがあると作業が安定します。家庭の三徳包丁や清潔なピンセットでも代用できますが、専用品は細かな作業をしやすいのが利点です。
小出刃包丁
頭を落とす、中骨に沿って開く、腹骨をすくといった工程に使います。キスのような小型魚では、大型魚用の重い出刃より短い小出刃のほうが扱いやすい場合があります。
小型魚向けの刃渡りや選び方はこちらで詳しく紹介しています。

藤次郎 プロ DPコバルト合金鋼2層複合 小出刃 120mm F-634

刃渡り120mmの小出刃包丁です。キス、アジ、メバル、カサゴなど小型魚を家で捌く用途の候補になります。
楽天市場で見る Amazonで見る骨抜き
腹側や身の中央に残る小骨をつまむときに使います。骨を抜く作業が多い方は、先端がしっかり合う骨抜きを選ぶと細かな骨をつかみやすくなります。
魚の骨抜きの選び方と使い方では、形状や使い分けも紹介しています。
まとめ
キスの梅しそチーズ巻きは、淡泊なキスに梅の酸味、大葉の香り、チーズのコクを重ねた、見た目にも楽しめる料理です。
失敗を減らすポイントは次の4つです。
- 背開き後に骨を確認し、キスと大葉の水分をしっかり拭く
- 梅肉とチーズを入れすぎず、身幅に合わせる
- 巻き終わりを固定し、最初にその面を下にして衣を固める
- 衣の色だけでなく中心のキスまで十分に火が通ったか確認する
釣果のサイズが混ざっている日は、身幅のあるキスをこの料理に、小型を天ぷらや南蛮漬けに分けると、それぞれの良さを生かしやすくなります。
ほかの釣魚レシピも探したい方は、釣った魚の料理一覧から魚種や料理別に探せます。
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