キスの骨チップスの作り方|中骨をカリカリに二度揚げするコツ

白いお皿に盛り付けられた揚げたキスの骨の画像

キスを天ぷらやフライ用に背開きすると、細長い中骨が残ります。捨ててしまいがちな部分ですが、血や身を整えて水分をしっかり抜き、低めの温度からじっくり揚げれば、香ばしいキスの骨チップス(骨せんべい)として楽しめます。

ポイントは、単に「長く揚げる」ことではありません。骨に残った水分を減らすこと、太さに合わせて火を入れること、最後に最も硬い部分を確認することが大切です。キスの大きさによっては十分に揚げても頭側の骨が硬く残るため、食べにくい部分まで無理に使う必要はありません。

この記事で分かること

  • キスの中骨を骨チップスにする基本手順
  • 背開きから中骨をきれいに外すコツ
  • 油はねとベタつきを抑える水分管理
  • 低温→高温の二度揚げでカリッと仕上げる方法
  • 骨が硬い・焦げる・苦いときの原因と対処
  • 子どもや高齢者へ出すときの注意点
  • 余った骨チップスの保存と温め直し
目次

キスの骨チップスの材料

以下は、キスを6〜10尾ほど捌いたときに残る中骨を使う場合の目安です。骨の量に合わせて塩や片栗粉は調整してください。

基本の材料

  • キスの中骨:6〜10尾分
  • 片栗粉:大さじ1程度(なくても可)
  • 揚げ油:適量
  • 塩:少々

好みで用意する味付け

  • 青のり
  • カレー粉
  • 粗びき黒こしょう
  • 粉山椒
  • 七味唐辛子
  • レモン・すだち

このレシピでは、骨から余計な水分を出しにくくするため、塩は基本的に揚げた直後に振ります。揚げる前に塩をする場合は、数分置いて出てきた水分をキッチンペーパーで丁寧に拭いてから油へ入れてください。

キスの骨チップスの基本の作り方

  1. 中骨を外す:キスを背開きにし、身をできるだけ残さず中骨を外します。
  2. 骨を整える:血や内臓の残り、鋭いヒレ・骨の端、厚く残った身を取り除きます。
  3. 水分を取る:短時間洗ったら、キッチンペーパーで骨の溝まで水分を拭きます。
  4. 乾かす:時間があれば冷蔵庫で30分ほど置き、表面を乾かします。
  5. 一度目を揚げる:150〜160℃を目安に、少量ずつじっくり揚げて水分を抜きます。
  6. 休ませる:網の上で2〜5分休ませます。
  7. 二度揚げする:175〜180℃を目安に短時間揚げ、香ばしく仕上げます。
  8. 硬さを確認する:最も太い部分が軽く折れ、鋭い硬さが残っていないことを確認して味付けします。

いちばん大事なのは時間より状態です。
骨の太さ、残った身の量、油の量で必要な時間は変わります。「何分揚げたから完成」と決めず、泡の出方、骨の軽さ、折ったときの硬さまで確認してください。

釣った魚を料理へ回す前の締め方・冷やし方に不安がある場合は、持ち帰りと処理の基本も先に確認しておくと安心です。

詳しい作り方|背開きから二度揚げまで

1.キスを下処理して背開きにする

キスはうろこを落とし、頭と内臓を取り除いて腹の中を手早く洗います。天ぷらやフライに使うなら、背側から中骨に沿って包丁を入れる背開きにすると、身を開いた状態で中骨を外しやすくなります。

頭を落とした切り口から中骨へ包丁を沿わせ、尾の付け根付近まで少しずつ進めます。中骨と腹骨の接合部を切り離して身を開き、最後に中骨を外します。勢いよく引っ張ると身が骨側へ残りやすいため、包丁を寝かせて骨をなぞるように外すのがコツです。

身を天ぷらにする場合の背開きは、こちらの記事で詳しく確認できます。

2.中骨の血・膜・厚い身を取り除く

外した中骨には、頭側や腹骨の付け根に血、黒っぽい膜、内臓の一部が残ることがあります。骨チップスは味付けがシンプルなので、こうした残りがあると苦味や生臭さを感じやすくなります。

  • 冷たい流水で短時間だけ洗う
  • 骨の溝に残った血を指先や小さなブラシで落とす
  • 厚く残った身は包丁で薄く整える
  • 折れた腹骨や鋭いヒレの端はキッチンバサミで切る

すべての身を完全に削り取る必要はありません。薄く残った身は香ばしさになりますが、厚い塊が付いていると、その部分だけ水分が抜けにくくなります。

3.中骨の水分をしっかり拭く

洗った中骨は、清潔なキッチンペーパーではさむようにして水分を取ります。表面だけでなく、骨の溝、切り口、尾の付け根まで確認してください。

水分が残っていると油はねが大きくなるだけでなく、揚げ油の温度が下がり、骨がカリッとする前に衣や残った身だけが色づきやすくなります。

時間があれば冷蔵庫で少し乾かす

水分を拭いた中骨を網付きバットへ重ならないように並べ、30分程度冷蔵庫で置くと表面を乾かしやすくなります。長時間の室温放置や屋外での乾燥は避け、乾燥中も冷蔵状態を保ちましょう。

4.片栗粉は「薄く」が基本

素揚げでも作れますが、片栗粉を使うと表面に軽い香ばしさを付けやすくなります。使う場合は、中骨がうっすら白くなる程度で十分です。

骨の隙間に粉の塊が残るほど付けると、揚げ油へ粉が落ちたり、その部分だけ焦げたりします。袋で振る場合も、最後に余分な粉をよく落としてください。

5.150〜160℃で一度目をじっくり揚げる

揚げ油を150〜160℃程度に温め、中骨を少量ずつ入れます。目安は4〜7分ほどですが、時間は骨の太さや残った身の量で変わります。

最初は骨から大きめの泡が出ます。揚げ続けるにつれて泡が細かくなり、骨全体が軽く、残った身が白く乾いたようになってきたら一度取り出します。最初から高温で色を付けようとすると、骨の内部に水分が残ったまま表面だけ焦げやすくなります。

6.網の上で2〜5分休ませる

一度目の加熱後は、網付きバットへ重ならないように置きます。ここで蒸気を逃がすと、二度目の加熱でさらに水分を飛ばしやすくなります。

平らな皿やキッチンペーパーへ密着させたままにすると底面へ蒸気がこもるため、できれば網を使ってください。

7.175〜180℃で短く二度揚げする

揚げかすを取り除いて油を175〜180℃程度へ上げ、中骨を戻します。二度目は30秒〜1分ほどを目安に、香ばしい色が付いて泡がかなり少なくなったところで取り出します。

二度目は一気に色が進みます。濃い茶色になるまで揚げ続けると苦味が出やすいため、鍋から離れず少量ずつ仕上げてください。

8.最も太い骨を確認してから味付けする

少し冷まして触れられる温度になったら、頭側など最も太い中骨を1本選びます。軽い力でパキッと折れ、断面まで乾き、口へ入れたときに鋭い硬さが残らないかを確認します。

硬い骨は無理に食べない

十分に揚げても「しなる」「噛むと硬い」「切り口が鋭い」と感じる部分は食用に回さないでください。キスの大きさだけで安全に噛める硬さかどうかは決められません。特に太い頭側は、必要に応じて切り落として使います。

問題なければ、油を切っているうちに塩や好みのスパイスを振ります。青のりやカレー粉など香りの強い調味料は、揚げる前ではなく仕上げに使うと焦げにくくなります。

骨がカリカリにならないときの原因

失敗 主な原因 対処
しなる・パリッとしない水分が多い、身が厚く残っている、揚げ時間が不足太い骨だけを選び、焦がさない温度で30秒ずつ追加加熱する
表面だけ焦げる最初から油温が高い、粉が厚い一度目は150〜160℃程度で水分を抜き、片栗粉は薄くする
油っぽい一度に入れすぎて油温が下がった、揚げ上がりを重ねた少量ずつ揚げ、完成後は網の上で油と蒸気を逃がす
苦い・香りが悪い血や内臓が残った、揚げかすが焦げた、二度目を揚げすぎた下処理を丁寧にし、二度目の前に揚げかすを取り除く
油が大きくはねる骨の溝や切り口に水分が残っている油へ入れる直前にもう一度水滴を確認する

キスの大きさ・骨の太さで揚げ方を調整する

同じキスでも、尾側の骨と頭側の骨では太さが違います。複数尾をまとめて揚げるときは、できるだけ太さが近いものを同じ回に入れると仕上がりを合わせやすくなります。

  • 細い骨:一度目の泡が早く落ち着くため、色付きすぎる前に取り出します。
  • 標準的な骨:低温で水分を抜き、短い二度揚げで仕上げます。
  • 太い頭側:揚げても硬さが残ることがあります。切り落とすか、食用にせず別用途へ回します。

「大型なら○分、小型なら○分」と時間だけで決めるより、泡と硬さを見て調整するほうが確実です。

味付けアレンジ

青のり塩

塩と青のりを混ぜ、揚げたてへ薄く振ります。キスの淡い風味を残しながら磯の香りを足せます。

カレー塩

塩に少量のカレー粉を混ぜます。風味が強いので、最初は控えめにして足りなければ後から追加するのがおすすめです。

山椒・黒こしょう

粉山椒なら和風の爽やかさ、粗びき黒こしょうならおつまみらしい香りが出ます。どちらも油から上げてから振ります。

甘辛だれ

しょうゆ・みりん・砂糖を少量煮詰めたたれを薄く絡めても楽しめます。ただし、たれを多く絡めるとせっかくのカリカリ感が戻りにくくなるため、食べる直前にごく薄く仕上げます。

キスの骨チップスを作るときの注意点

鮮度と保冷状態に不安があるキスは使わない

骨チップスは加熱料理ですが、状態が悪くなった魚を「揚げれば大丈夫」と考えるのは避けます。釣った時刻や保冷状態が分からない、強い異臭がある、身や腹の中に不自然な粘りがある場合は使用しません。

骨に身が残っている場合は中心まで十分に加熱する

中骨に厚めの身が残っている場合は、骨の食感だけでなく身の加熱状態も確認します。一般的な家庭調理では、加熱食品の中心部を75℃で1分以上加熱することが安全の目安です。透明感のある生っぽい身や湿った部分が残っている場合は、追加加熱してください。

生魚用と完成品用の皿・器具を分ける

生のキスを置いたまな板、包丁、バット、キッチンバサミは、使用後に洗剤で丁寧に洗います。揚げ終わった骨チップスを、生魚を置いていた未洗浄の皿へ戻さないようにします。

油はねと揚げ物火災に注意する

骨の切り口へ水滴が残っていると激しく油がはねることがあります。濡れた菜箸やトングも油へ入れないでください。揚げ物中はその場を離れず、鍋へ油を入れすぎないことも大切です。

子ども・高齢者には特に慎重に

骨チップスは、十分に揚げても硬い部分や鋭い破片が残ることがあります。小さな子ども、高齢者、噛む力・飲み込む力に不安がある方へは、無理に骨ごと提供しないでください。出す場合も、大人が最も太い部分を確認してからにします。

保存と温め直し

骨チップスは揚げたてが最も軽く、香ばしく食べられます。作り置きを前提にせず、食べ切れる量を作るのがおすすめです。

余った場合は、完全に冷ましてから清潔な密閉容器へ入れて冷蔵し、早めに食べ切ります。しんなりした場合は、トースターで短時間温めると食感が戻りやすくなります。焦げやすいため、数十秒単位で様子を見ながら温めてください。

異臭、強い湿気、変色など違和感があるものは、再加熱して食べずに処分します。

よくある質問

片栗粉なしでも作れますか?

作れます。中骨の水分を十分に取れていれば素揚げでもカリッと仕上がります。片栗粉を使う場合も、ごく薄く付ける程度で十分です。

一度揚げだけでも大丈夫ですか?

細い骨なら一度の加熱で食べやすくなる場合があります。ただ、最初から高温で長く揚げると表面が先に焦げやすいため、低めの温度で水分を抜き、必要に応じて最後だけ高温で仕上げる方法のほうが調整しやすくなります。

冷凍していた中骨でも作れますか?

冷凍前の状態と保冷が適切な中骨なら使えます。冷蔵庫で解凍し、解凍時に出た水分をしっかり拭いてから揚げます。凍ったまま油へ入れないでください。

太い骨がどうしても硬いときは?

追加加熱しても硬い部分は無理に食べません。食べられる部分だけ使い、硬い部分は処分するのが確実です。焦げておらず状態に問題がなければ、だしへ回す方法もあります。

塩は揚げる前と後、どちらがよいですか?

どちらの作り方もあります。このレシピでは油はねと水分管理をシンプルにするため、揚げた後に振ります。下味を付けたい場合は、揚げる前に軽く塩をして数分置き、出た水分を必ず拭いてください。

キスの骨チップス作りに便利な道具

キスの背開きでは、短く扱いやすい小出刃包丁があると中骨へ刃を沿わせやすくなります。尖った腹骨やヒレの端を整える作業には、洗いやすいキッチンバサミが便利です。

高儀 小出刃包丁 ステンレス 和包丁 110mm

高儀 小出刃包丁 ステンレス 和包丁 110mm 兼定

キスの頭を落とす、腹を開く、背開きにして中骨を外す工程で使いやすい刃渡り110mmの小出刃包丁です。

小型魚を扱うときは、大型魚向けの重い包丁より短い刃のほうが細かな操作をしやすくなります。中骨へ刃を沿わせるときは、力で押し切らず骨の位置を感じながら少しずつ進めます。

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小型魚向けの小出刃包丁を比較したい場合はこちらも参考にしてください。

SAVAQ 分解式オールステンレス キッチンバサミ

SAVAQ 多機能キッチンバサミ

中骨に残ったヒレ、尖った腹骨、太い頭側の骨を整えるときに使いやすいキッチンバサミです。

魚に使うハサミは、刃だけでなく接合部まで洗いやすいものが便利です。使用後は血や細かな身が残らないように洗浄し、十分に乾かします。

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魚の下処理に使いやすいキッチンバサミの選び方はこちらで比較しています。

調理用温度計と網付きバット

油温を数字で管理したい場合は調理用温度計、揚げた後に蒸気を逃がしたい場合は網付きバットが役立ちます。特に初めて骨チップスを作るときは、油温を把握できると「高温になりすぎて表面だけ焦げる」失敗を減らしやすくなります。

まとめ

キスの骨チップスは、天ぷらやフライを作るときに残る中骨を、香ばしい一品へ変えられるレシピです。成功のポイントは、中骨をきれいに整える、水分をしっかり取る、低温で水分を抜いてから高温で仕上げる、最後に骨の硬さを確認することです。

揚げ時間は骨の太さで変わるため、時間だけで完成を決めないことが大切です。硬い部分は無理に食べず、食べやすく仕上がった部分だけを楽しみましょう。

キス以外の釣った魚の料理を探したい場合は、釣った魚の料理一覧から探せます。

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