投げ釣りを始めるなら、まず投げ竿・投げ用リール・道糸・力糸・天秤とオモリ・投げ仕掛け・エサの7点を揃えます。そこへ、釣り方に応じて竿立てやフィンガープロテクター、安全装備、魚を持ち帰るためのクーラーボックスなどを追加します。
この記事で扱うのは、20〜30号前後のオモリも使いながらサーフや堤防から沖を狙う本格的な投げ釣りです。2〜3m前後の万能竿と軽いオモリで近距離を狙う釣りを考えている方は、初心者向けちょい投げ釣り完全ガイドの道具構成が合います。
投げ方や仕掛けを動かす手順まで確認したい方は、初心者向け投げ釣り完全ガイドもあわせてご覧ください。ここでは「何を揃えるか」「どの仕様を組み合わせるか」「どの順番で準備するか」に絞って解説します。
投げ釣りは、まずこの道具を揃えれば始められる
最初に全体像を確認しておくと、竿だけを先に買ってオモリの重さが合わない、キスの引き釣りなのに置き竿向けの構成を選ぶ、といった組み合わせのズレを防げます。
| 道具 | 必要度 | 初心者が確認するポイント | 役割 |
|---|---|---|---|
| 投げ竿 | 必須 | 全長と適合オモリ。最初の1本は3.6〜4.05m前後、20〜30号前後を使えるモデルが候補 | 重い仕掛けを沖へ投げ、魚を寄せる |
| 投げ用リール | 必須 | キスの引き釣りか、カレイ・マダイなどの置き竿かでドラグの有無と糸巻量を決める | 遠投に必要な道糸を収納し、仕掛けを回収する |
| 道糸 | 必須 | PEならキス狙いで0.8〜1号前後が一例。必要な飛距離とリールの糸巻量も確認 | リールから仕掛けまでつなぐメインの糸 |
| 力糸 | 細い道糸で重いオモリを投げるなら必須 | 道糸の種類・号数に合う投げ釣り用を選ぶ | キャスト時に仕掛けへかかる大きな負荷を受ける |
| 天秤・オモリ | 必須 | 竿の適合範囲内で選ぶ。本格的な投げ釣りでは20〜30号前後が使われる場面が多い | 仕掛けを沈め、遠投し、ハリスの絡みを抑える |
| 投げ仕掛け | 必須 | キス・カレイ・マダイなど対象魚に合う針とハリスを選ぶ。キスは2〜3本針から始めると取り回しやすい | エサを付けて魚を掛ける |
| エサ | 必須 | 狙う魚に合わせて虫エサなどを用意し、釣行時間に見合う量を準備 | 魚を仕掛けへ誘う |
| フィンガープロテクター | 強く推奨 | 投げ釣り用で指を覆えるものを用意 | キャスト時に指へかかる糸の摩擦・負荷を減らす |
| 予備仕掛け・予備力糸 | 強く推奨 | 根掛かりや高切れ後に組み直せる数を持つ | 仕掛けを失った後も釣りを再開できる |
| 竿立て | 置き竿なら重要 | 砂浜・堤防など設置場所に合うタイプと安定性を確認 | カレイ・マダイなどの待つ釣りで竿を保持する |
| プライヤー・ラインカッター | 強く推奨 | 針外しと使用ラインの切断に対応できるもの | 魚から針を外し、仕掛けを交換する |
| ライフジャケット | 安全装備 | 体格と釣り場に合うものを着用 | 落水時の浮力を確保する |
| 釣り場に合う靴 | 安全装備 | 濡れた護岸・砂浜など足元の状況に合わせる | 移動時の転倒や滑りを抑える |
| クーラーボックス・氷 | 持ち帰るなら必要 | 釣る量と移動距離に合う容量を用意 | 釣った魚を低温で保って持ち帰る |
買う順番は、①狙う魚と釣り方を決める → ②使うオモリに合う竿を決める → ③リールと道糸・力糸を合わせる → ④天秤・仕掛け・エサを揃える → ⑤安全装備と補助用品を追加する、という流れが基本です。
最初に押さえたい5つのポイント
1.竿は「何m飛ばしたいか」より、使うオモリとの適合を先に確認する
本格的な投げ釣りでは、20〜30号前後のオモリを使う場面が多くなります。1号は約3.75gなので、25号なら約94g、30号なら約113gです。これだけの重量を投げるため、竿は長さだけでなく適合オモリや標準オモリ負荷を必ず確認します。
最初の1本は3.6〜4.05m前後が候補になりますが、長いほど自動的に遠くへ飛ぶわけではありません。体格や投げ方に対して長すぎたり硬すぎたりすると、竿を十分に曲げて振り切れず、キャストが安定しにくくなります。
先に使いたいオモリの範囲を決め、その重量を無理なく扱える竿を選ぶと、竿と仕掛けの組み合わせを合わせられます。
2.キスの引き釣りとカレイ・マダイの置き竿では、リールの優先条件が変わる
キスの引き釣りは、仕掛けを投げてからゆっくり動かしながら魚を探る釣りです。この用途では、軽量な細糸用スプールを備えたドラグなしの投げ専用リールも有力です。ドラグとは、魚が強く引いたときに設定した力を超えると糸を送り出す機能のことです。
一方、カレイやマダイなどを置き竿で待つ釣りでは、ドラグ付きリールを優先します。特にマダイなど強く走る可能性がある魚では、ドラグを締め切ったまま放置せず、魚が引いたときに必要な分だけ糸を出せるように設定しておくことが重要です。竿ごと持っていかれる、ハリスや道糸へ急激な負荷が集中するといったトラブルを減らせます。
つまり、投げリールは「投げ釣り用なら何でも同じ」ではなく、手持ちで探るか、置き竿で待つかを決めてから選びます。
3.細いPEラインで投げるなら、力糸までを1セットで用意する
キスの投げ釣りでは、伸びが少なく細い号数でも強度を確保しやすいPEラインがよく使われます。初心者が本格的な引き釣りを始める場合は、PE0.8〜1号前後が一つの目安です。遠投してから魚を探るため、必要な飛距離に対して余裕のある巻き量も確認します。
ただし、細い道糸へ重いオモリのキャスト負荷を直接かけるのは危険です。そこで道糸の先へ、先端側が太くなった力糸(キャスト時の負荷を受ける投げ釣り用のリーダー)を接続します。PEだけを買って終わりにせず、力糸と接続方法まで準備しておきます。
ナイロン道糸を使う構成もあります。狙う魚、必要な飛距離、リールの糸巻量によって適した太さは変わるため、「PEは必ず細いほどよい」と考えず、仕掛け全体で決めてください。
4.仕掛けは対象魚を先に決め、キスなら2〜3本針から始める
同じ投げ釣りでも、キス・カレイ・マダイでは仕掛けの作りが変わります。最初に対象魚を決めておくと、針の大きさ、ハリスの太さ、針数、エサを同じ方向で揃えられます。
キスの引き釣りでは多点掛けを狙う多針仕掛けも使われますが、初心者は2〜3本針の完成仕掛けから始めると、投げる前後の仕掛け絡みや魚を外す作業を減らせます。慣れてから針数を増やせば十分です。
カレイやマダイを狙う場合は、対象魚に合わせた専用仕掛けへ切り替えます。針数だけで選ばず、パッケージに記載された対象魚と使用ハリス、使用するエサを確認してください。
5.置き竿の竿立てと、キャスト時の指保護は後回しにしない
カレイやマダイを置き竿で狙うなら、竿立ては仕掛けを投げた後に初めて必要になる道具ではなく、最初からタックルの一部として用意します。砂浜では砂へ差し込むタイプ、堤防では三脚型など、設置場所に合うものを選びます。大きな魚を狙う場合は、竿が引き込まれないよう固定方法も考えておきます。
また、重いオモリを強く投げるときは、糸を掛ける指へ大きな力がかかります。フィンガープロテクターを使い、PEラインや力糸で指を傷めるリスクを減らします。投げる前には後方と左右を確認し、人がキャスト範囲へ入っていないことを確認してから振り抜きます。
投げ釣りに必要な道具を順番に確認
1.投げ竿|使うオモリを決めてから長さと負荷を合わせる
竿は、まず使うオモリの号数に対応していることを確認します。本格的な投げ釣りで20〜30号前後を中心に使うなら、その範囲をカバーできる投げ竿が基本候補です。
長さは3.6〜4.05m前後から検討すると、サーフでのキスから堤防のカレイまで幅広く組み立てられます。4.05m級は投げ竿でよく見られる長さですが、体格やキャスト経験によっては3.6m前後のほうが振り切りやすい場合もあります。
構造では、コンパクトに収納できる振出竿と、複数本に分けて継ぐ並継竿があります。持ち運びや置き竿中心なら振出、キスの引き釣りでキャストや海底の感触を重視するなら並継も候補です。詳しい違いは投げ竿の選び方・おすすめ完全ガイドで比較できます。
2.投げ用リール|ドラグの有無と糸巻量を決める
投げ専用リールは、遠投時に糸が放出されやすい形状のスプールを持ち、長い道糸を巻けるよう設計されたモデルが中心です。購入前は「投げ用」という名称だけでなく、使うラインを何号・何m巻けるかを確認します。
キスの引き釣りを主目的にするなら、細いPEライン用のドラグなし投げ専用リールが候補です。カレイ・マダイの置き竿を中心にするなら、ドラグ付きで必要な太さと長さのラインを巻けるモデルを優先します。
特に置き竿は、アタリが出た瞬間に手で竿を持っていないことがあります。ドラグを適切に設定し、魚の走りに対して糸を送り出せる構成にしておくことが重要です。用途ごとの糸巻量や構造は投げリールの選び方・おすすめ完全ガイドで確認してください。
3.道糸と力糸|リールへ巻く長さとキャスト時の負荷を同時に考える
キスの引き釣りでは、PE0.8〜1号前後を軸に考えるとタックルを組みやすくなります。PEは伸びが少ないため、沖で出る小さなアタリや海底の変化も手元へ伝わりやすいのが特徴です。
遠投してからさらに仕掛けを動かすので、道糸は使用距離ぎりぎりではなく余裕を持たせます。キスの本格的な投げ釣りなら200m以上を一つの目安にし、リールのスプールへ適正量を巻きます。
細いPEを使う場合は、先端へ力糸を接続します。力糸はキャスト時の負荷を受ける部分なので、結び目の傷や毛羽立ちも釣行前に確認してください。PEそのものの特徴はPEラインの選び方・おすすめ完全ガイドで詳しく解説しています。
4.天秤とオモリ|竿の適合範囲を超えない重量を選ぶ
天秤は、オモリと仕掛けをつなぎ、投げたときにハリスが道糸へ絡みにくくするためのパーツです。固定式、遊動式、オモリ一体型のジェット天秤などがあり、狙い方によって使い分けます。
本格的な投げ釣りでは20〜30号前後がよく使われます。キスの遠投では25〜27号前後も代表的な範囲ですが、風、潮、狙う距離、底の状態で軽くしたり重くしたりします。最優先は、使用する竿の適合オモリ範囲を超えないことです。
天秤の違いは釣り用天秤・ジェット天秤の選び方、キス・カレイ・マダイ向けの組み合わせは投げ釣り仕掛けの選び方で確認できます。
5.投げ仕掛けとエサ|最初は対象魚用の完成仕掛けを使う
初めてなら、自作から始める必要はありません。対象魚が明記された完成仕掛けを選び、天秤へ接続して使える状態にしておきます。
キスは2〜3本針から始めると、長い仕掛けを投げるときの絡みや、複数の魚が掛かった後の針外しを減らせます。慣れてきたら針数を増やし、群れを効率よく探る方法へ広げられます。
エサはキスならジャリメやイシゴカイ、カレイならアオイソメなどの虫エサが代表例です。地域や釣り場で入手しやすいエサも変わるため、釣具店で当日の状況を確認するのも有効です。マダイなど大型魚を狙う場合は、仕掛けの強度とエサを対象魚に合わせて組み替えます。
6.予備仕掛け・力糸・接続小物|切れた後にその場で復旧できるようにする
投げ釣りは、根掛かりやキャスト時のトラブルで仕掛けを失うことがあります。完成仕掛けを1組だけ持って行くと、最初のトラブルで釣りを続けられなくなる場合があります。
予備の仕掛け、力糸、天秤・オモリ、スナップ付きサルカンなど、交換が必要になりやすい部分は複数用意します。あわせて、ラインを切れるハサミまたはラインカッター、針外しに使えるプライヤーも入れておきます。
ここで大切なのは小物を大量に増やすことではなく、自分の仕掛けがどこで分離し、何を交換すれば復旧できるかを出発前に確認することです。
7.竿立て|置き竿なら設置場所と固定方法まで決める
キスの引き釣りで常に竿を持つなら、竿立ての優先度は下がります。カレイやマダイのように仕掛けを投入して待つ釣りでは、竿立てを用意します。
砂浜では砂へ差し込むタイプ、堤防では三脚型などが候補です。複数本を並べる場合は、仕掛け同士が交差しにくい間隔も確保します。大型魚を狙う置き竿では、竿受けへ置くだけで終わらせず、ロープなどを使った落下・引き込み対策も検討してください。
釣り場ごとのタイプ選びは堤防・サーフ用竿立て・ロッドスタンドの選び方で確認できます。
8.フィンガープロテクターと安全装備|投げる前に身につける
投げ釣りでは、100g前後になるオモリを強く振り抜く場面があります。フィンガープロテクターは、キャスト時に糸を掛ける指を保護するための道具です。重いオモリを使う本格的な投げ釣りでは、タックルと一緒に準備しておきます。
ライフジャケットと釣り場に合う靴も用意します。サーフでは波打ち際から安全な距離を取り、遊泳者やサーファーなど周囲の利用者にも注意します。堤防では立入禁止区域へ入らず、濡れた足元や段差を確認してください。
また、釣行前に天気・風・波を確認し、状況が悪化したら遠投を続けることより撤収を優先します。釣り場ごとの準備は初心者向けサーフ釣り完全ガイド、基本的な安全事項は安全に海釣りを楽しむためのルールとマナー完全ガイドも参考にしてください。
9.プライヤー・クーラーボックス・氷|釣れた後まで準備する
魚が釣れた後は、針を外すためのプライヤーが役立ちます。魚が針を深く飲み込んだ場合や、素手で触れにくい魚が掛かった場合にも、手を針へ近づけすぎず作業できます。
魚を持ち帰るなら、クーラーボックスと十分な保冷材・氷を用意します。釣りを始める道具だけで荷物を組むと、釣れた後の保冷が抜けやすいため、出発前の持ち物へ最初から入れてください。
針外し用の道具は釣り用フィッシングプライヤーの選び方、容量の考え方は釣り用クーラーボックスの選び方で詳しく確認できます。
まとめ|必要な道具を揃えて投げ釣りの準備を整えよう
本格的な投げ釣りを始める基本は、投げ竿・投げ用リール・道糸・力糸・天秤とオモリ・投げ仕掛け・エサの7点です。そこへフィンガープロテクターと安全装備を加え、置き竿なら竿立て、魚を持ち帰るならクーラーボックスと氷を追加します。
最初に決めたいのは「キスを手持ちで探るのか」「カレイやマダイを置き竿で待つのか」です。ここが決まると、ドラグの有無、ラインの太さと巻き量、竿立ての必要性まで具体的に決められます。
次に使うオモリの号数を決め、竿の適合範囲、リールの糸巻量、道糸と力糸を順番に合わせてください。道具が揃ったら、初心者向け投げ釣り完全ガイドで仕掛けの組み方、投げ方、実釣の流れを確認してから釣り場へ向かいましょう。

