釣ったカレイを手軽な洋風おかずにするなら、バター醤油ソテーは作りやすく、ご飯にも合わせやすい料理です。淡白でやわらかな身にバターのコクとしょうゆの香ばしさが加わり、皮付きなら皮目の香ばしさも楽しめます。
一方で、カレイは身が薄く崩れやすいため、焼き方を急ぐとフライパンへ付く、身が割れる、水っぽくなる、バター醤油が焦げるといった失敗が起こりやすい魚です。
成功のポイントは、下処理後の水分をしっかり拭き、薄力粉を焼く直前に薄く付け、皮目に焼き色が付くまで触りすぎないこと。バターとしょうゆは魚へ火を通した後に短時間で仕上げると、身を加熱しすぎず香りも残しやすくなります。
この記事で分かること
- カレイのバター醤油ソテーの材料と基本手順
- 丸ごとのカレイを使う場合の下処理と五枚おろし
- 身崩れ・フライパンへの張り付きを防ぐ焼き方
- 皮目を香ばしく、身をふっくら仕上げる火加減
- バターとしょうゆを焦がしにくいソースの作り方
- 小型・大型・冷凍カレイでの調整方法
- 水っぽい、焦げる、身が崩れるときの原因と直し方
- 釣った魚を調理するときの加熱・保存・衛生上の注意点
カレイのバター醤油ソテーの材料
以下は2人分の基本量です。丸ごとのカレイから作る場合は、五枚おろしにした節身を使います。市販の切り身でも同じ流れで作れます。
| 材料 | 分量 | ポイント |
|---|---|---|
| カレイの切り身 | 2〜4切れ・合計220〜300g程度 | 皮付きがおすすめ。厚さが極端に違う切り身は分けて焼く |
| 塩 | 少々 | 水分を引き出すため薄く振る |
| こしょう | 少々 | 好みで白こしょうでも可 |
| 薄力粉 | 大さじ1〜1と1/2 | 焼く直前に薄くまぶす |
| サラダ油・米油など | 小さじ2 | 最初の焼き付け用 |
| バター | 15g | 仕上げに加えると焦がしにくい |
バター醤油ソース
- しょうゆ:大さじ1
- 酒:大さじ1
- みりん:大さじ1
- にんにく:1/2〜1片(好みで)
- レモン汁:小さじ1(好みで・火を止めてから)
有塩バターを使う場合は、魚へ振る塩としょうゆをやや控えめにすると味を調整しやすくなります。
付け合わせの例
ブロッコリー、じゃがいも、きのこ、ミニトマト、ほうれん草などがよく合います。火が通るまで時間のかかる野菜は先に加熱しておき、カレイを焼き始めてから慌てないようにします。
カレイのバター醤油ソテーの基本の作り方
詳しい工程の前に、全体の流れを確認します。切り身から作る場合は4から始めればOKです。
- 丸のカレイを下処理:両面のうろこを取り、頭・内臓・血ワタを処理して水気を拭きます。
- 五枚おろし:中骨に沿って4枚の節身を外し、必要なら残った骨を確認します。
- 大きさを整える:厚みが近くなるよう切り分け、皮付きなら反り防止の浅い切れ目を入れます。
- 水分を抜く:塩を薄く振って約10分置き、出た水分を丁寧に拭きます。
- 粉を付ける:こしょうを振り、焼く直前に薄力粉を薄くまぶして余分を落とします。
- 皮目から焼く:油を熱し、皮目を下にして中火で焼き色が付くまで動かしません。
- 裏面を加熱:一度だけ返し、必要なら蓋をして弱めの火で中心まで火を通します。
- 仕上げる:魚を一度取り出し、弱火でバター醤油ソースを作って短時間だけ絡めます。
詳しい作り方|下処理からバター醤油を絡めるまで
1.丸ごとのカレイは両面のうろこを取る
丸のカレイを使う場合は、茶色い表側だけでなく白い裏側も確認します。尾から頭へ向けてうろこ取りをやさしく動かし、頭まわりやヒレの付け根まで処理します。
カレイは身が薄いため、魚体を強く押さえ込まず、少しずつ作業します。洗うのは下処理の必要な場面だけにし、最後はキッチンペーパーで水分を残さないことがソテーの焼き上がりにもつながります。
うろこ取りの選び方は、以下の記事も参考にしてください。

2.頭・内臓・血ワタを取り、手早く洗う
頭を落として内臓を取り出し、中骨周辺へ残る血ワタを小さなブラシなどで掃除します。腹の中と表面を冷たい水で手早く洗ったら、すぐに水気を拭きます。
釣った魚は、調理直前だけでなく釣り場から自宅までの冷却も大切です。持ち帰り方を確認したい場合は以下の記事も参考にしてください。

3.大きなカレイは五枚おろしにする
身幅のあるカレイは、魚体中央の中骨に沿って切れ込みを入れ、背側・腹側の節身をそれぞれ外す五枚おろしにすると、ソテーしやすい切り身へ整えられます。
- 魚体中央の中骨に沿って、尾から頭側へ切れ込みを入れます。
- 背ビレ・尻ビレの際にも浅く切れ目を入れます。
- 中骨の上をなでるように、背側の身を少しずつ外します。
- 腹側も同じように外します。
- 裏側も繰り返し、4枚の節身と中骨に分けます。
ソテーでは皮を残して焼くと身を支えやすく、香ばしさも出せます。骨が残っていないか指でなぞり、気になる小骨があれば骨抜きで処理してください。
魚料理用の骨抜きについては以下の記事で紹介しています。

4.切り身へ塩を振り、約10分後に水分を拭く
切り身をバットへ並べ、両面へ塩を薄く振ります。冷蔵庫で約10分置くと表面へ水分が出てくるので、乾いたキッチンペーパーで皮目、身側、切り口まで丁寧に拭きます。
この工程は強い塩味を付けるためではありません。表面の余分な水分を減らすことで、薄力粉が均一に付きやすくなり、フライパンの中で蒸れにくくなります。
冷凍カレイを使う場合:冷蔵庫で解凍し、解凍時に出たドリップをしっかり拭いてから塩を振ります。水分が多いまま粉を付けると、焼き色が付きにくく衣もはがれやすくなります。
5.皮が反りやすい切り身は浅く切れ目を入れる
皮付きの切り身は加熱で皮が縮み、フライパンから身が浮くことがあります。反りやすそうな大きな切り身は、皮だけへ1〜2本ほど浅い切れ目を入れます。身まで深く切らないようにしてください。
6.焼く直前に薄力粉を薄くまぶす
こしょうを振り、茶こしなどで薄力粉を薄くまぶします。表面がうっすら白くなる程度で十分です。余分な粉は軽く落とし、粉を付けたら時間を置かずフライパンへ入れます。
粉が厚いと油を吸って重くなり、バター醤油ソースも必要以上に絡みます。カリッとした衣を作るというより、魚の表面を薄く保護するイメージです。
7.油を熱し、皮目を下にして焼く
フライパンを中火で温め、サラダ油または米油を広げます。皮付きの切り身は皮目を下にして置き、最初の数秒だけフライ返しで軽く押さえると反りを抑えやすくなります。
焼き色が付くまでは触りすぎないことが大切です。切り身の厚さにもよりますが、2〜4分を目安にし、フライ返しが自然に入りやすくなってから返します。
8.一度だけ返し、中心まで火を通す
切り身全体を支えられるフライ返しを深く差し込み、菜箸を軽く添えて静かに返します。反対側は2〜3分を目安に加熱し、厚い切り身なら火を弱めて蓋をし、1〜2分ほど追加します。
薄いヒレ側と厚い中央部では必要な加熱時間が違います。小さい切り身は先に取り出し、厚い切り身だけ追加加熱すると、全体を硬くしにくくなります。
焼き色だけで完成判断しない
表面がきれいに焼けても、厚い部分や骨の近くに生の部分が残ることがあります。中心まで十分に加熱し、温度計を使う場合は中心部75℃で1分間以上を一つの安全目安にしてください。
9.焼けたカレイを一度取り出す
中心まで火が通ったら、清潔な皿へ移します。魚をフライパンへ入れたままソースを煮詰めると、やわらかな身へ余計な加熱が入り、身崩れもしやすくなります。
生魚を置いていた皿には戻さず、加熱後専用の清潔な皿を使ってください。
10.弱火でバター醤油ソースを作る
フライパンへ黒く焦げた粉が多く残っていれば、火を止めて安全に拭き取ります。にんにくを使う場合は弱火で薄く色付くまで炒め、一度取り出しても構いません。
弱火にしてバターを加え、半分ほど溶けたらしょうゆ・酒・みりんを加えます。小さな泡が出る程度で20〜30秒ほどなじませ、強く煮詰めません。
ソースが濃くなりすぎたら、水または酒を小さじ1ずつ足して調整します。レモン汁を使う場合は火を止めてから加えると香りが残りやすくなります。
11.カレイを戻し、ソースを回しかけて仕上げる
カレイをフライパンへ戻し、スプーンでソースを上から回しかけます。弱火で10〜20秒ほど温め、全体へ味がなじんだらすぐに火を止めます。
ここで何度も裏返す必要はありません。皮目の焼き色を見せるように皿へ盛り、付け合わせ、にんにく、パセリ、小ねぎ、レモンなどを添えます。
皮目を香ばしく、身をふっくら仕上げる5つのコツ
水分を残したまま焼かない
カレイは水分が多い状態でフライパンへ入れると、表面温度が上がりにくく、焼くより蒸す状態になりやすくなります。下処理後、解凍後、塩を振った後の3つのタイミングで水分を確認してください。
薄力粉は直前に薄く付ける
粉を付けて長く置くと魚の水分を吸ってべたつきます。フライパンと油、ソースの材料を先に準備し、最後に粉を付けてすぐ焼きます。
フライパンへ詰め込みすぎない
切り身同士が触れるほど詰めると温度が下がり、蒸気も逃げにくくなります。2切れずつ焼くなど、間隔を空けられる量に分けてください。
焼き色が付くまで動かさない
焼き始めは粉がフライパンへ付きやすいため、何度も持ち上げるほど衣がはがれます。自然に離れやすくなるまで待ち、裏返すのは基本1回にします。
バター醤油は最後に短時間
バターとしょうゆを最初から強火へかけ続けると、魚に火が通る前に焦げやすくなります。魚を油で焼いて一度取り出し、弱火にしてからソースを作ると、香りと焼き色を両立しやすくなります。
カレイの大きさ・状態に合わせた調整
| カレイの状態 | 調整方法 |
|---|---|
| 薄い小型の切り身 | 短時間で火が通るため、裏返した後は早めに確認する。蒸し焼きは不要なことも多い |
| 厚い大型の切り身 | 表面を焼いた後、弱火+蓋で中心へ火を届ける。薄い切り身とは分けて焼く |
| 冷凍・解凍した切り身 | 冷蔵庫で解凍し、ドリップを十分に拭いてから塩を振る |
| 小型の丸ごとカレイ | 下処理後に両面へ浅い切れ目を入れ、骨付きのまま弱めの火でじっくり焼く。中心と中骨周辺の火通りを確認する |
よくある失敗と対処法
| 失敗 | 主な原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 表面が水っぽい | 水分が残っていた、フライパンへ詰めすぎた | 水気を拭き、少量ずつ焼く。焼き始めは蓋をしない |
| フライパンへ付く | 温度不足、粉を付けて放置、早く動かした | フライパンを温め、粉は直前に付け、焼き色が付くまで待つ |
| 身が崩れる | 裏返しすぎ、フライ返しが小さい | 幅のあるフライ返しで支え、基本1回だけ返す |
| 外は焼けたのに中心が生 | 厚い切り身を強火だけで焼いた | 弱火+蓋で追加加熱し、厚い部分の中心を確認する |
| バター醤油が苦い | 焦げた粉を残した、強火で煮詰めた | 焦げを除き、弱火で短時間だけソースを作る |
| 味が濃い | 塩・有塩バター・しょうゆが重なった | 水または酒でのばす。次回は塩としょうゆを控えめにする |
味を変えて楽しむアレンジ
ガーリックバター醤油
薄切りにしたにんにくを弱火で香ばしく焼き、一度取り出してから魚を焼きます。仕上げに戻すと、にんにくを焦がしにくくなります。
レモンバター醤油
基本のソースを作って火を止めた後、レモン汁を小さじ1程度加えます。バターのコクを残しながら後味を軽くできます。
きのこバター醤油
魚を取り出したフライパンできのこを炒め、水分を飛ばしてからバター醤油を加えます。最初から魚と一緒に入れると水分が出やすいため、後から合わせる方が皮目の香ばしさを保ちやすくなります。
ポン酢バター
しょうゆ・みりんの代わりにポン酢を使い、大根おろしや小ねぎを添えるとさっぱりした和風にできます。ポン酢も煮詰めると塩味が強くなるため短時間で仕上げます。
釣ったカレイを使うときの安全・衛生上の注意点
釣った後の保冷状態を確認する
加熱料理でも、長時間十分に冷やせていなかった魚や、強い異臭、不自然な粘り、著しい身崩れがある魚を無理に使わないでください。バターやにんにくの香りで状態の悪さを隠すことはできません。
生魚に触れた器具と盛り付け用の器具を分ける
生のカレイを扱った包丁、まな板、バット、手は、そのまま加熱後の魚や付け合わせへ触れないようにします。洗浄してから使うか、盛り付け用に別の器具と皿を用意します。
厚い部分まで十分に加熱する
カレイは薄い部分が先に白くなるため、見た目だけでは厚い中央部の火通りを判断しにくいことがあります。中心部まで十分に加熱し、家庭調理では中心部75℃で1分間以上が一般的な加熱の目安です。
骨の取り残しを確認する
五枚おろしにした節身でも、切り分け方によっては骨が残ることがあります。子どもや高齢者へ出す場合は、加熱後にも身をほぐして確認してください。
保存と温め直し
できたてが最も香ばしく、身もふっくらしています。食べない分は室温へ長く置かず、清潔な浅い容器へ移して冷蔵します。
温め直すときは、フライパンへ水または酒を少量加え、蓋をして弱火で温めます。電子レンジを使う場合も中心まで十分に温めます。強火で長く加熱すると身が締まり、バター醤油も焦げやすくなるため注意してください。
保存期間だけで安全性を決めず、魚の元の状態、冷却までの時間、冷蔵庫の温度を含めて判断します。異臭、変色、不自然な粘りなどがあれば食べないでください。
よくある質問
カレイの皮は残した方がよいですか?
ソテーでは皮を残すと切り身を支えやすく、香ばしさも出せます。皮が反る場合は浅い切れ目を入れてください。皮が苦手なら、焼いた後に外す方法もあります。
薄力粉の代わりに片栗粉でも作れますか?
作れます。片栗粉は表面がややカリッとし、ソースにもとろみが付きやすくなります。軽いムニエル風に仕上げたいなら薄力粉が使いやすいです。
市販の切り身でも同じ作り方ですか?
基本は同じです。塩味付きの商品なら下味の塩とソースのしょうゆを減らします。冷凍切り身は冷蔵庫で解凍し、ドリップを十分に拭いてから調理してください。
小型のカレイは丸ごと焼けますか?
フライパンへ収まるサイズなら、うろこ・頭・内臓・血ワタを処理して骨付きのまま焼けます。両面へ浅い切れ目を入れ、切り身より弱めの火でじっくり加熱し、中骨周辺まで火が通ったか確認してください。
ソースが塩辛くなったらどうしますか?
魚を戻す前なら、水または酒を小さじ1ずつ加えてのばします。無塩バターを少量足して丸くする方法もあります。魚へ振った塩、有塩バター、しょうゆの合計で塩味が決まるため、最初から濃くしすぎないことが大切です。
下処理にあると便利な道具
丸ごとのカレイから作る場合は、両面の細かなうろこを処理するうろこ取りと、残った小骨を確認するときの骨抜きがあると作業しやすくなります。
貝印 KAI うろこ取り DH8196

カレイの茶色い面・白い面の細かなうろこを処理するときに使えるうろこ取りです。
魚体を強く押さえず、尾側から頭側へ少しずつ動かします。ケース付きタイプは、細かなうろこの飛び散りを抑えたいときにも使いやすい形です。
楽天市場で見る Amazonで見るうろこ取りの記事への重複カードは整理します。
魚用の骨抜き

五枚おろし後に残った小骨を確認するときに使える魚用ピンセットです。
カレイは身がやわらかいため、無理に引っ張らず、骨の向きへ沿わせるように抜きます。取りにくい骨がある場合は、身を崩してまで抜くより切り分け方を調整します。
Amazonで見る骨抜きの記事への重複カードも整理します。
まとめ
カレイのバター醤油ソテーをおいしく仕上げる鍵は、難しい味付けよりも水分管理・触りすぎない焼き方・ソースを最後に作る順番です。
- 下処理後と塩を振った後の水分をしっかり拭く
- 薄力粉は焼く直前に薄く付け、皮目に焼き色が付くまで動かさない
- 厚い部分まで火を通したら一度取り出し、バター醤油は弱火で短時間仕上げる
釣ったカレイが複数あるなら、ソテーだけでなく煮付けや唐揚げに分けると、同じ魚でも食感の違いを楽しめます。
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