アカムツ(ノドグロ)の刺身・焼き霜造り|皮を炙って冷やす手順

アカムツの皮目を炙った刺身を、大根のつま、大葉、わさびと盛り付けた料理写真

アカムツ(ノドグロ)の刺身は、脂を含んだ白身の甘みを楽しむ食べ方です。皮を残して表面だけ炙る焼き霜造りにすると、香ばしい皮としっとりした身を一緒に味わえます。皮を引いた刺身とは、下処理と切るときの扱いが少し違います。

ここでは、皮を炙る焼き霜造りを基本に、皮を引く刺身も紹介します。両方を作るなら、柵を分けた段階で皮を残す分と引く分を決めます。いずれも中心が生の料理なので、生食用の衛生・保冷と寄生虫対策を確認できた魚を使ってください。

目次

アカムツの刺身・焼き霜造りの材料(2人分)

材料 分量
アカムツ(生食の条件を確認した皮付き・骨なしの柵) 200〜250g
大根(つま用) 100g
大葉 2〜4枚
わさび 適量
刺身に添えるしょうゆ 適量
清潔な氷と飲用に適した水 魚を冷やせる量

200〜250gは頭と骨を除いた身の重さです。全量を皮なしにする場合は、皮付き柵の皮を引くか、生食用の皮なし柵を用意し、炙りと氷水の工程を省きます。トーチや適した作業場所がない場合も皮なしを選べます。

用意する道具

切れ味のよい包丁、洗浄・消毒できるまな板、骨抜き、清潔なペーパー、冷却用ボウル、蓋付き容器を用意します。焼き霜には料理用のガストーチと、直火に対応するステンレス製バットなどを使います。普通の皿や木・樹脂のまな板に直接炎を当てません。

丸魚から処理するならうろこ取りも使います。氷水へ魚を移す清潔なトング、つまの水を切るざる、盛り付け皿も用意します。炙る道具は指定の用途と燃料を確認し、トーチの下へ熱が伝わっても支障のない、不燃性の作業面を確保します。

生食用の魚と冷凍条件を確認する

釣ったアカムツの魚種、衛生・保冷管理と寄生虫対策を確かめます。釣魚は持ち帰りから低温を保ち、内臓を早く除きます。魚種や保冷履歴が不明なもの、保冷が不適切だったものや傷みが疑われるものは食べません。見た目の鮮度や血抜きだけでは、生食の可否を決められません。

この生食の手順では、アニサキス対策として、魚の中心部まで−20℃以下になった状態を24時間以上保ちます。家庭用冷凍庫の設定や凍った外観だけでは、中心の温度と保持時間を確認できません。中心の条件を確認できない場合は生食に使わず、魚種・衛生・保冷管理が確かな魚だけを中心まで加熱する料理へ回します。冷凍は細菌の危険を全てなくしたり、傷んだ魚を戻したりする処理ではありません。

上記の冷凍を済ませ、生食条件を確認できる柵は、受け皿付き容器へ入れ、冷蔵庫で解凍します。出た汁をペーパーで拭き、早めに使います。妊娠中の人、幼児、高齢者、免疫機能が低下している人には、中心まで加熱した料理を選びます。

アカムツの焼き霜造りの基本の作り方

冷凍・解凍と丸魚の下処理を除き、焼き霜は冷却を含め25〜35分ほどが目安です。魚の下処理と必要な冷凍・冷蔵解凍を済ませ、使う当日につまと皿を冷やします。魚は作業する分ずつ冷蔵庫から出します。

  1. 魚のうろこ・腹骨・小骨を除き、柵の表裏と切り口を確認する。皮なし分は皮を引く。皮付き・皮なしとも上記の中心冷凍と冷蔵解凍を済ませる。
  2. 使う当日に大根と大葉を洗い、大根をつまにして水を切り、皿とともに冷やす。
  3. 焼き霜用の氷水と火に強い作業場所を整え、魚の水分を拭く。
  4. 皮を上に置き、トーチの炎を動かして薄く焼き色を付ける。
  5. 消火を確認して氷水へ移し、表面の熱が取れたらすぐ引き上げて拭く。冷蔵庫で20分ほど冷やす。
  6. 冷えた柵を包丁で引き切りし、つま・大葉・わさびと盛る。食べる直前まで冷蔵する。

詳しい作り方

1.骨を除いて柵にし、皮なし分を分ける

丸魚から柵を取る場合は、まずうろこを落とします。アカムツのうろこは柔らかく取りやすい反面、身へ強く押し付けると傷みます。乾く前にうろこ取りを軽く動かし、皮を残す焼き霜では、ひれの際や胸びれの下も確かめます。

鋭い歯やひれの棘へ手を当てないように頭を外し、腹を浅く開いて内臓を除きます。黒い腹膜と中骨に沿った血を洗い落とし、水分を拭いて三枚におろします。内臓を生で食べる使い方はしません。

うろこや内臓を処理したあと、包丁、まな板、手を洗浄し、器具は材質に合う方法で消毒してから刺身の切り付けへ移ります。処理前の魚を置いた皿へ、できあがった柵を戻さないようにします。

腹骨は骨に沿って包丁を寝かせ、身を取りすぎないように薄くそぎます。半身を背側と腹側に分けると、中央に並ぶ血合い骨の部分を細く取り除きやすくなります。

抜ける骨は骨抜きで骨の向きに引きます。身が裂けそうなら無理に抜かず、骨が並ぶ帯を切り取ります。柵の表裏と切り口を確かめ、水気を清潔なペーパーで押さえます。

切り分け済みの骨なし柵も、明るい所で表裏と切り口を確認します。白い糸状のものなど異物を見つけたら除きます。アニサキスライトを使う場合も発見の補助とし、目視や光の反応がないことだけで安全とは判断しません。

全量を皮なしにする場合は全て、二種類を盛りたい場合は皮なし用の柵だけ、次の方法で皮を引きます。焼き霜用は皮を残して冷蔵しておきます。

炙らずに食べる場合は、骨を除いた柵を皮が下になるよう置き、尾側の端から皮と身の間へ包丁を入れます。皮を少し残してつかみ、包丁の位置を安定させながら皮を左右に動かして引きます。皮際に脂があり身もやわらかいため、強く引いて身を裂かないようにします。皮が途中で切れそうなら小さく分けて無理なく進めます。

皮を引いた面も確かめ、水分を拭きます。皮付き・皮なしとも清潔に包み、前述の中心部まで−20℃以下で24時間以上の冷凍と冷蔵解凍を済ませます。使う当日は次の薬味を準備し、魚は切る直前まで冷蔵します。全量皮なしなら薬味の準備後、工程3〜5を省いて工程6へ進みます。皮引きと平造りの動きを確認したい場合は、マダイの刺身の下処理と切り方も参考になります。

2.使う当日につまと盛り付け皿を冷やす

大根と大葉を流水で洗い、大根は皮をむいて細い千切りにします。大根を短く水へさらし、ざるへ上げてよく水を切ります。清潔な容器へ入れ、大葉と盛り付け皿も冷蔵庫で冷やします。使う当日の魚を触る前に済ませておきます。

3.氷水と、火に強い作業場所を用意する

炙り始める前に、清潔な氷と飲用に適した水をボウルへ入れ、柵が浸かる氷水を用意します。取り出し用のトングと新しいペーパーもそろえ、炎の届かない所に置きます。

不燃性で熱に強い作業面へ金属バットを安定して置きます。ペーパー、ラップ、ふきんなど燃えやすい物を離し、換気します。バットの下へ熱が伝わることにも注意し、熱に弱い天板を直接加熱しないでください。

トーチは指定の燃料を使い、取り付け、点火時の向き、連続使用時間などを説明書で確認します。顔や手へ火口を向けず、ガスの異常なにおいや漏れがあるときは点火しません。消火後も火口や金属バットは熱いので、素手で触りません。

柵の水分を拭き、直火に対応する金属バットへ皮を上に置きます。厚い背側と薄い腹側は離して並べ、薄い柵へ熱を当てすぎないよう、一つずつ炙ります。

4.皮の色と縮みを見ながら炙る

説明書どおりの向きで点火し、炎を皮の上で小刻みに動かします。皮が少し縮み、薄い焼き色が付いたら次の場所へ移ります。黒く焦がすほど同じ所へ当てず、皮の香りを引き出すところで止めます。

厚さやトーチの火力で変わるため、秒数は固定しません。焼き霜は皮の表面を炙る料理で、中心は生です。焼き色を寄生虫対策の完了と考えず、最初に確認した生食用の条件で扱います。

5.消火してすぐ冷やし、水分を拭く

炙り終えたら消火を確認し、清潔なトングで魚を氷水へ移します。表面の熱が取れたら引き上げ、皮と身へ清潔なペーパーを当てて水を取ります。長く水へ浸すと表面が水っぽくなるので、冷えた魚をそのまま漬け置きしません。

清潔な容器に入れて冷蔵庫で20分ほど冷やすと、温まってやわらかくなった皮際を切りやすくなります。これは切り付け前の短い冷却で、生食できる期間を延ばす工程ではありません。

6.引き切りにして、冷えたつまと盛る

焼き霜の柵は皮を上に置き、包丁を押し付けて往復させず、刃元から先へ長く引くように切ります。5〜7mmを目安にすると、皮の香ばしさと脂のある身を一緒に食べやすくなります。脂が強く重く感じる場合は薄め、形が崩れやすい薄い腹側は7mm程度から試します。

アカムツは皮の下に脂があり、炙ったあと温かいまま切ると皮がずれやすくなります。柵を冷やし、皮をつまんで引っ張らず、身全体を軽く支えます。包丁に脂が付いて切りにくくなったら、清潔に拭いてから続けます。

皮なしの柵は、5〜8mmほどから好みで厚さを変えます。身全体を軽く支え、包丁を押しつぶすように動かさず、一度に長く引いて切ります。二種類作った場合は、焼き霜が冷えたところで皮なしの柵も取り出し、続けて切って盛ります。

大根の水をよく切り、大葉とともに冷やした皿へ置きます。魚は重ねすぎず、わさびを少量添えます。しょうゆは皮の香りが分かるよう、身へ少し付けながら食べます。

盛り付けたら食べる直前まで冷蔵し、長時間の常温の盛り置きは避けます。人数が多い場合も、冷蔵庫から少量ずつ出した方が温度を保ちやすくなります。

皮がずれる、食べにくいとき

炙った皮が切るときにはがれる

魚が温かいままになっていないか、刃を何度も往復させていないかを確認します。清潔な容器で短く冷蔵し直し、切れ味のよい包丁で皮を上にして一度に引きます。無理に皮を戻して何度も触るより、はがれた部分は分けて盛り付けます。

薄い腹側は背側と同じ形にそろえず、皮を切り離せる幅に整えます。

皮が硬く、噛み切りにくい

厚く切りすぎたか、皮にうろこが残っていないかを確認します。食べにくい皮は無理に飲み込まず除きます。生食条件が整っている身を皮なしで食べる方法もあります。次回はうろこを丁寧に落とし、切り付けを少し薄くします。

炙りと生食の安全は別に考える

一般的な塩漬け、酢、しょうゆ、わさびではアニサキスは死滅しません。内臓を早く除いても筋肉中にいるものを取り切れるとは限らず、見落としもあります。生食用の衛生と保冷、寄生虫対策を確認したうえで調理します。

加熱によるアニサキス対策は70℃以上、または60℃で1分です。加熱料理へ変える場合は、ほかの食中毒対策も含め、食品用温度計があれば中心75℃で1分以上を目安にします。温度計がない場合も厚い中心を開いて透明感や生っぽさを見て、残る場合や迷う場合は焼く・蒸すなどの加熱を続け、同じ中心を再確認します。観察だけで温度と時間を保証できないので、皮だけの炙りで済ませず中心まで十分に加熱してください。

食べ切る量を切り、余りは状態を見て扱う

刺身と焼き霜は、その食事で食べ切れる量を切ります。まだ食卓へ出していない魚で、魚種・衛生・保冷が適切な余りは、早めに中心まで加熱する料理へ回せます。長時間常温に置いた魚や、保存状態が分からない魚は食べません。

身まで白くなるほど炙った魚も、加熱料理へ変えるなら厚い中心まで火を通します。表面が白いだけで加熱済みとせず、上の方法で確認してください。

刺身を食べたあと強い腹痛が出たら?

強い腹痛や吐き気などが出たときは、自己判断で我慢せず、速やかに医療機関へ相談してください。食べた魚の種類、生か炙りか、食べた時刻を伝えます。原因をアニサキスと決め付けず診察を受けます。

保存用レシピまとめ

アカムツ(ノドグロ)の焼き霜造りの材料と手順を、一枚で振り返れます。

アカムツ(ノドグロ)の焼き霜造りの材料・分量と作り方をまとめた保存用レシピカード
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