メゴチの塩焼きは、皮を軽く香ばしく焼き、ほぐれる白身を大根おろしやレモンと合わせて食べる一品です。頭と骨を除いた小さな身ならフライパンに並べやすく、下からへらで支えて返せます。塩を振って出た水分を拭き、皮側から焼き始めます。
ここで使うのは標準和名メゴチというコチ科の魚です。釣り場や天ぷら店で「メゴチ」と呼ばれるネズミゴチなどのネズッポ科とは区別します。釣った魚の種類を確実に確認できない場合は、料理に使いません。
メゴチの塩焼きの材料
2人分の小さめの主菜です。頭・内臓・骨を除いた皮付きの身160〜200gを用意します。長さ6〜9cm、厚さ1cm以内が目安です。小型魚で取れる身が少ないため、尾数より下処理後の重さで分量を決めます。
| 材料 | 2人分 |
|---|---|
| メゴチの皮付き・骨なしの身 | 160〜200g |
| 塩 | 身の重さの1%(1.6〜2g) |
| サラダ油など香りの穏やかな油 | 小さじ1 |
| 大根 | 100g |
| 大葉 | 2枚 |
| レモン | くし形2切れ |
皮の食感が苦手なら、切り分ける前に皮を引いて使えます。冷凍の身は、汁が漏れない容器で冷蔵庫へ移し、中心まで解凍してから使います。卵も食べる場合は、さばくときに身と分け、後半の別加熱の方法で準備してください。塩を計算する身の重量に卵は含めません。
必要な道具
24cm程度のフライパンと蓋、幅のあるフライ返し、塩を少量ずつ量れるはかり、包丁、まな板、大根おろし器を使います。先端の細い食品用中心温度計があれば、厚い身の加熱確認に使えます。
基本の作り方
- 大根をすりおろして軽く水を切り、大葉とレモンを準備します。魚のうろこ・骨を除き、水気を拭きます。
- 身の重さの1%の塩を両面へ振り、冷蔵庫で5〜10分置きます。出た水分を拭き取ります。
- フライパンへ油を広げて弱めの中火で温め、魚を皮を下にして一層に並べます。皮なしは盛り付けるとき上にする面を下に置きます。焼いている面に薄い焼き色が付き、底から離れやすくなったら返します。
- 弱火にし、身側も焼きます。身側にも薄い焼き色が付き始めたら厚い所を開き、中心まで十分に火を通します。焼き色だけが進む場合は、少量の水を加える蒸し焼きへ切り替えます。
- 火が通った身から皿へ移し、大根おろし、大葉、レモンを脇へ添えます。
工程ごとの詳しい作り方
1.薬味を準備し、うろこと骨を取り除く
魚を扱う前に大根をすりおろし、軽く汁を切ります。大葉は洗って水分を拭き、レモンはくし形に切って冷蔵しておきます。
丸魚は細かなうろこを落とし、頭・内臓を除いて腹の血を洗います。頭部にはとげや突起があるので、素手で強く握らず、安定したまな板で扱ってください。中骨に沿って左右の身を外し、腹骨を薄くそぎ取ります。小さくて包丁を安全に動かせない場合は無理に切らず、魚を冷蔵し、さばき慣れた人に手伝ってもらいます。
身の中央を指の腹でなぞり、小骨を骨抜きで取ります。抜くと身が裂ける骨の列は細く身ごと切り取り、切り口も確認します。皮なしにする場合は、尾側の皮をつかんで、皮と身の間へ寝かせた刃を沿わせ、この段階で皮を引きます。
メゴチの皮はやや硬めです。皮付きはうろこを残さないよう確かめ、表裏をキッチンペーパーで押さえます。小さな半身はフライパンに収まれば切らずに使い、骨を取って細くなった身もそのまま一枚ずつ焼きます。
2.身の重さで塩を量り、出た水分を拭く
塩は身180gなら1.8g、100gなら1gです。頭や骨を除いた後の重量から計算し、量った塩を両面へ薄く均等に振ります。小さな量なので、軽い小皿へ塩だけを量ると、重い魚皿を載せるより微量モードを使いやすくなります。はかりの表示範囲は説明書で確認してください。
覆いをして冷蔵庫で5〜10分置き、出た水分を紙で吸わせます。水分の多い薄い身なので、ぬれた紙は替え、握って絞らずに表面を押さえます。皮側まで拭くと油はねを抑え、焼き色を付けやすくなります。
3.皮側を焼き、下から支えて一度返す
フライパンに油を薄く広げ、弱めの中火で温めます。魚を皮側から置き、へらを差し込む隙間を残して並べます。入り切らない分は冷蔵庫で待たせ、2回に分けて焼きます。その場合は分量の油を半量ずつ使います。皮なしの場合は、盛り付けたとき上にしたい面から焼きます。
皮が反って浮くときは、初めだけへらで軽く押さえ、焼き面へ当たったら離します。焼いている面の端へへらを少し入れ、薄い焼き色が付き、底から離れるようになったら、身の下まで差し込んで一度返します。
張り付いていても焼き色が薄く、煙や焦げ臭がなければ少し待ちます。焦げ臭がする、急に色が濃くなる場合は火を弱めるか止め、離れる端からへらを少しずつ入れます。鍋に使える素材のへらで、底へ沿わせて身を受けてください。
4.弱火で身側を焼き、厚い中心まで火を通す
返したら弱火にして身側を焼きます。身側にも薄い焼き色が付き始めたら、厚い一枚をへらで少し持ち上げ、中心を開きます。中央に生の透明感やねっとりした部分が残る、または判断に迷う場合は、弱火で加熱を続けて再確認します。中心まで白身がほぐれる状態を確かめ、薄い尾側は先に取り出して構いません。
温度計を使う場合は、厚い身の横から先端を中心へ入れ、中心75℃以上を1分以上保つことを目安に加熱します。鍋底に先端を当てずに測ります。色やほぐれ方は観察目安で、この温度と時間を外観だけで確認できるわけではありません。
表面が十分色付いているのに中心の加熱が足りない場合は、いったん火を止め、水小さじ2を鍋肌から静かに加えて蓋をします。弱火へ戻し、蒸気を保って加熱し、厚い中心を再確認します。水がなくなりそうなら少量足します。中まで火が通ったら蓋を外して余分な水分を飛ばします。蒸し焼きにすると皮はしっとりした食感になります。
5.焼けた面を上にして盛り、薬味は脇へ添える
へらで全体を受け、先に焼いた面を上にして皿へ移します。大根おろしは魚の脇へ置き、食べるときに一口ずつ合わせます。レモンも食べる直前に搾ると、焼いた皮へ汁をかけすぎずに済みます。
まずそのまま一口食べ、塩味を確かめます。白身の味が淡く感じるときも、追加の塩を全体へ振る前に、レモンや大根おろしと合わせて好みを見てください。ご飯と具だくさんの味噌汁を添えると、小さなフィレの塩焼きを主菜にできます。
子持ちのメゴチは卵を分けて加熱する
食用のメゴチと確認した個体で、卵と分かる部位だけを使います。さばくときに内臓から分けて血や汚れを落とし、20〜30gほどを厚さ1cm程度に切り分けます。身を焼く前に小鍋で加熱しておくと、薄い身を卵の火通りに合わせて焼き続けずに済みます。
小鍋で水200ml、酒(食塩無添加)大さじ1、塩ひとつまみを煮立て、卵を入れて静かに煮ます。厚い部分を開き、中央まで不透明に固まって生の液状部分がなくなるまで加熱します。温度計があれば中心75℃以上・1分以上を目安にしてください。判断に迷う場合は煮続けて中心を確かめます。
火が通った卵を清潔な器へ取り出して覆い、その後に魚を焼きます。食べるときに卵が冷めていれば、煮汁へ戻して中心まで熱くしてから、汁を切って皿の脇へ添えます。
身の硬さ・塩味・グリルで迷ったとき
ぱさつく・皮が口に残る
中まで火が通った身がぱさつく場合は火から外し、大根おろしを一口ずつ合わせます。次回は薄い部分を早めに確認し、火が通った身から取り出してください。皮が硬く感じる場合は食べるときに外し、次回は塩を振る前に皮を引きます。
塩辛い・身が崩れた
塩辛いときは、大根おろしや白ご飯と少量ずつ合わせます。次回は身の重さと塩量を確認し、下塩の時間は5分からにします。返すときに身が割れた場合は、切れ端も中心まで加熱してからへらで受け、小鉢や皿へ寄せて盛れます。
魚焼きグリルでも作れる?
小さな身が網から落ちそうなら、グリル対応トレーを使います。対応する器具と予熱、火加減はグリルの説明書に従ってください。身の水気を拭いてから並べ、片面焼きは焼き色が付いたら下から支えて返します。両面焼きは機器の指示を優先します。
厚い中心を開いて確認し、生っぽさが残る、または判断に迷う場合は火を弱めて焼き足します。表面が焦げそうならフライパンへ移し、工程4の蒸し焼きで中まで火を通せます。
保冷と保存、温め直し
釣った魚は持ち帰りの保冷と帰宅後の下処理を早めに行い、調理直前まで冷蔵します。種類や保存状態が分からない魚、傷みが疑われる魚は使いません。生魚に触れた器具を洗浄し、焼けた魚は清潔な皿へ移します。
残りは清潔な浅い容器へ移して速やかに冷まし、冷蔵して早めに食べます。温め直すときはフライパンへ魚を一層に並べ、水を少量加えて蓋をし、身や卵の中央まで十分に熱くします。水がなくなりそうなら少し補います。常温に長く置いたものや保存状態に不安があるものは食べません。
保存用レシピまとめ
コチ科のメゴチをフライパンで焼く塩焼きの材料と手順を、一枚で振り返れます。


