アカムツ(ノドグロ)の一夜干し|塩水と冷蔵脱水、焼き方のコツ

頭と尾を除いたアカムツの一夜干しフィレを焼き、大根おろしとレモンを添えた料理写真

アカムツ(ノドグロ)の一夜干しは、脂を含む白身の水分を少し抜き、焼いたときにふっくらした身と香ばしい表面を楽しむ料理です。表面の水っぽさを除き、身にやわらかさが残る程度に仕上げます。

頭と骨を除いた皮付き半身を塩水に漬け、食品用の脱水シートで包んで冷蔵する作り方です。翌日はシートを外し、中心まで焼いて仕上げます。シートを使わない冷蔵庫干しも、後半で道具と乾かし方を紹介します。

目次

アカムツの一夜干しの材料(2人分)

主材料は、頭・中骨・腹骨・小骨を除いた半身2枚、計250〜300gです。最も厚い所が1.5〜2cm程度のものを基準にします。尾を大きく残した開き魚ではなく、皮付きのフィレで作ります。

材料 分量
アカムツ(皮付き・骨なし半身) 2枚、計250〜300g
冷水 475ml
塩 25g
大根 100g
レモン 1/4個

水475g相当と塩25gで、全体500gの5%塩水になります。魚が全部浸からない場合は、同じ割合で増やしてください。塩水は漬け込み用で、食べる分量ではありません。

釣ったあと冷凍した魚は冷蔵庫で中心まで解凍し、出た汁を拭いてから使います。釣獲後の衛生・保冷管理を確かめ、翌日まで適切に冷蔵して作れる魚を用意してください。管理は適切でも保存を延ばしたくない場合は、一夜干しにせずその日の加熱料理へ回します。保冷履歴が不明・不適切な魚は使いません。

必要な道具

魚が収まる蓋付きの浅い容器、清潔なペーパー、食品用の一夜干しに使える浸透圧脱水シート、受け皿、魚焼きグリル、広いへら、骨抜き、おろし器を用意します。中心温度計はあれば使います。以下の時間は高吸収タイプのピチット レギュラーを使う目安です。別の製品では、その用途と使用時間に合わせます。

シートの代わりに冷蔵庫の冷気で干すなら、魚を重ねず置ける網付きバットと、他の食品に魚汁が付かない置き場所を先に用意します。焼く道具をフライパンにする場合は、表面加工のあるフライパンと蓋、油小さじ1、広いへら、トングも必要です。

アカムツの一夜干しの基本の作り方

夕方に塩漬けと包装をし、翌朝から脱水具合を確かめる流れです。冷蔵中の時間に加え、下処理と焼く時間が必要です。

  1. 皮付き半身のうろこ・骨・血を除き、水気を拭く。
  2. 5%の冷たい塩水を作り、魚を冷蔵庫で30分ほど漬ける。
  3. 魚を引き上げ、表面を冷水でさっと流して水滴を拭く。
  4. 脱水シートを全面へ密着させて包み、冷蔵庫へ。12時間ほどから身の締まりを確認する。
  5. 翌日、添え物を用意してからシートを外す。グリルで焼き、厚い中心まで加熱する。
  6. へらで支えて皿へ移し、大根おろしとレモンを添える。

詳しい作り方

1.皮を残し、骨と汚れを取り除く

アカムツのうろこは比較的取りやすいものの、乾くと残りやすくなります。丸魚を使う場合は冷えた状態でうろこを落とし、背びれや腹びれの付け根、胸びれの下まで確かめます。皮を強くこすり続けると身を傷めるので、うろこ取りを軽く動かします。

鋭いひれや歯へ触れないように頭を外し、内臓を除きます。黒い腹膜や中骨に沿う血をきれいにして、弱い流水で洗い、すぐ水分を拭きます。左右の身を中骨から外して三枚におろします。

小型で骨を抜くと身が崩れそうなら、ここで骨付きの半身として作る方法を選べます。骨なしの場合は次の骨取りへ進み、骨付きの場合は腹骨や小骨、ひれの硬い部分を残した位置が分かるように扱います。焼くときは骨際も確認し、盛る前に別皿で骨を除きます。

腹骨は包丁を寝かせ、骨に沿って薄くすき取ります。身の中央を指でなぞり、小骨を探して骨の向きに抜きます。太く抜けにくい骨は無理に引かず、骨が並ぶ細い帯ごと切り取ります。ひれの付け根に硬い部分が残っていないかも確認してください。

皮付き半身を平らに広げ、表面の水気を拭きます。左右がつながった開きにしなくても作れます。薄い腹側と厚い背側があるので、脱水と焼き上がりはそれぞれ確認します。

2.5%塩水へ冷蔵庫で漬ける

清潔な容器へ冷水と塩を入れ、底の粒がなくなるまで溶かします。魚の身へ濃い塩の粒が直接当たると、その部分だけ塩辛くなるので、塩が溶けてから魚を入れます。

厚さ1.5〜2cm程度の骨なし半身は、まず冷蔵庫で30分漬けます。薄い尾側が多い場合は20分ほどに短くし、厚い半身は次回の塩味を見ながら10分単位で調整します。魚の長さだけでなく、厚みと焼いたあとの味を基準にします。

初回は同じ濃度と時間で作り、塩味は焼いた一切れで確かめて次回の漬け時間を調整します。使い終わった塩水は捨てます。

3.さっと流し、水滴を押さえる

塩水から上げたら冷水で表面を短く流し、身と皮を清潔なペーパーで押さえます。水へ長く浸して塩を全部抜こうとする必要はありません。とくに薄い腹側は破れやすいので、ペーパーを滑らせてこするより、当てて離すようにします。

4.シートを密着させ、冷蔵庫で脱水する

水滴を拭いた魚をシートで挟み、皮側も身側も触れるように包みます。折れた魚の内側や、空気のたまった部分は水分が抜けにくくなります。平らに置ける大きさを選び、大きければシートを2枚使って挟みます。

ピチット レギュラーは切らずに使い、包んだ魚を受け皿へ置いて冷蔵します。シートは一回使い切りです。別の製品を使う場合も、切断の可否、用途、冷蔵の条件を表示で確認してください。

高吸収のレギュラータイプなら、冷蔵庫で12時間ほどから状態を見ます。表面の水滴がなくなり、身が少し締まって、押すとやわらかさが残る程度が目安です。皮のつやや脂っぽさだけを、水分が多い状態と取り違えないようにします。アカムツは脂のある皮が乾いた後も光って見えるため、皮の色だけでなく、身側に動く水滴が残っていないか、薄い腹側の端だけが硬くなっていないかを合わせて見ます。

まだ表面が水っぽい場合は、シートが全面に接しているかを確認します。折れや隙間のある所だけ湿っていれば、まず平らに整えて接触を直します。薄い部分が十分締まっているのに、皮のつやをなくそうとして全体の脱水を延ばさないでください。適切に冷蔵できていて、魚の保存期限にも余裕がある場合に、製品の時間目安の範囲で数時間ずつ調整します。乾かすために何日も置かず、浅い脱水のまま十分に焼いて食べる方法もあります。

シートが皮に付いて外しにくい場合は、外側を清潔な軽く湿らせた布で拭き、端からゆっくり外します。皮を下から支えると引っ張りすぎを防げます。

5.添え物を準備し、シートを外して焼く

翌日は生の魚に触れる前に、大根を洗っておろし、軽く汁を切ります。レモンは洗ってくし形に切り、清潔な器へ置きます。次に脱水シートを完全に外し、魚へフィルムが残っていないか確かめます。シートは加熱に使えません。

グリルの古い脂を取り、受け皿の水、予熱、干物の向きと設定を説明書で確かめます。両面焼きは返さず、弱めの中火で7〜9分ほどから厚い所を確認します。片面焼きは、指定の面に焼き色が付いたら一度返し、反対面も焼きます。機種に指定があればその設定を優先し、焼いている間は離れません。

厚い背側の中心を少し開き、骨付きなら骨際も見ます。温度計があれば中心75℃で1分以上の加熱を確かめます。温度計がない場合は中心の生っぽい透明感や身のほぐれ方を見て、生っぽい所が残る、または判断に迷うときは火力を下げて焼き足し、同じ中心を再確認します。外側の乾燥や焼き色だけでは、中心の温度と保持時間を保証できません。

6.皮を上にして盛り付ける

消火してから、広いへらで半身全体を支えて取り出します。皮を上にして盛り、大根おろしは汁で皮がぬれないよう脇へ置きます。レモンは食べる分へ少しずつ絞ります。すでに塩味が付いているので、しょうゆを足す前に味を確かめてください。骨付きで作った分は別皿で腹骨・小骨・ひれ周りを除き、身を盛ります。

シートを使わず、冷蔵庫の冷気で干す場合

工程3まで同じように塩水へ漬け、水滴を十分に拭きます。網付きバットの上へ身側を上にして重ねず並べ、ラップをかけずに冷蔵庫へ入れます。下へ汁が漏れない受け皿を使い、ほかの食品が触れない場所で乾かします。

翌朝から表面を確かめ、水っぽさが取れて少し締まったら裏返し、皮側も確かめます。シートとは乾き方が違うので、時間だけでそろえず、身にやわらかさが残るところで終えます。塩漬けから冷蔵で保ち、干し終わったら工程5のように中心まで焼いてください。方法を比較したい場合はアジの干物の冷蔵庫干しも参考になりますが、塩水はこの記事の配合を使います。

フライパンで焼く場合

シートを完全に外し、表面加工のあるフライパンへ油小さじ1を広げます。皮を下に入れ、弱めの中火で4〜5分ほどを目安に焼き、焼き色が付いて底から離れるようになったら広いへらで返します。

反対側は3〜4分ほどから厚い背側を確認します。中心が生っぽい、または迷うときは弱火にして蓋をし、追加加熱して工程5の方法で再確認します。火が通ったら蓋を外し、皮側を短く焼いて湿りを飛ばします。脂がたまる場合は一度消火し、トングで持ったペーパーで余分だけを拭き取ってから加熱を再開します。

よくある失敗と対処法

焼いたら塩辛かった

しょうゆはかけず、大根おろしや白ご飯と少量ずつ合わせます。加熱済みの身をほぐし、塩を控えたご飯や汁物へ使う方法もあります。次回は同じ5%塩水のまま漬け時間を10分ほど短くし、一度に濃度と時間の両方を変えない方が調整しやすくなります。

身が硬く、ぱさついた

脱水時間が長すぎたか、焼きすぎた可能性があります。次回は薄い半身から先に脱水を終え、焼くときも薄い所の火通りを早めに確かめます。十分に焼いた身は、だしを加えた茶漬けやご飯への混ぜ込みにも使えます。

冷蔵で作り、脱水後は焼くか冷凍する

塩漬けと脱水は冷蔵庫で行います。魚はアカムツと確かめ、持ち帰りと冷却から低温を保ちます。保冷状態が分からない魚や傷みが疑われる魚は使いません。生魚に触れた手と道具を洗い、焼けた魚には清潔な器具を使います。

一夜干しは水分を残す生の魚です。塩や脱水で殺菌・寄生虫対策が済んだわけではなく、常温保存できる乾物でもありません。においが弱くなったことを安全の証拠にせず、食べる前に中心まで加熱します。

脱水が終わった魚はシートを外し、その日のうちに焼いて食べる予定で扱います。すぐ使わない分は1枚ずつラップで密着包装し、冷凍用袋へ入れて空気を抜き、速やかに冷凍します。脱水を始めた日と冷凍日を記しておくと使い忘れを防げます。

家庭冷凍は風味の目安として1〜2週間程度で使い、冷蔵庫で解凍してから中心まで焼きます。魚の状態や温度管理で変わるため、期間内の安全を保証するものではありません。冷凍前の塩漬け・脱水に要した期間も、魚を保存していた時間に含めて扱います。

保存用レシピまとめ

アカムツ(ノドグロ)の一夜干しの材料と手順を、一枚で振り返れます。

アカムツ(ノドグロ)の一夜干しの材料・分量と作り方をまとめた保存用レシピカード
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