マトウダイの塩焼きは、皮付きの切り身に塩を薄く振り、出た水分を拭いてから焼きます。皮の香ばしさを出し、白身の中心まで火を通したら、すだちと大根おろしを添えるだけで一皿になります。
身は加熱すると締まるため、薄い端まで同じ時間焼き続けないことが大切です。グリルで焼く方法と、火加減を見ながら焼けるフライパンの方法を紹介します。
マトウダイの塩焼きの材料
2人分です。皮付き・骨なしの切り身250gを、長さ6〜9cm、厚さ1〜1.5cmほどの3〜4切れにします。
| 材料 | 2人分の目安 |
|---|---|
| マトウダイの切り身 | 250g(皮付き・骨なし) |
| 塩 | 2g(魚の重量の約0.8%) |
| 大根 | 100g |
| すだち | 1個 |
| サラダ油 | 小さじ1(5ml、フライパンで焼く場合) |
塩は全体へ薄く散らせる細かい粒のものを、重さで量ります。皮なしの切り身なら、材料表の油5mlを使うフライパンの方法を選びます。
必要な道具
グリル、または魚を一段に並べられる24cm程度のふた付きフライパンを用意します。包丁・まな板、はかり、おろし金、ざる、食品用ペーパー、幅広のフライ返し、生魚用とは別の清潔な箸・皿も準備します。食品用中心温度計はあれば使います。
基本の作り方
- 大根とすだちを洗い、大根はすりおろして軽く水を切る。すだちは半分に切り、どちらも覆って冷蔵する。
- 魚の皮を残し、骨を確認する。厚さ1〜1.5cmにそろえ、薄い端と厚い身を分ける。
- 塩2gを両面へ振り、冷蔵庫で10分置いて水分を拭く。
- グリルかフライパンの一方で焼く。グリルは機器の切り身設定、フライパンは皮から焼いて返し弱火にする。厚い中心を確かめ、不安があれば追加加熱して再確認する。
- 火の通った切り身から皿へ移し、大根おろしとすだちを横へ添える。
工程ごとの詳しい作り方
1.大根とすだちを先に用意する
生魚を扱う前に大根とすだちを洗います。大根はすりおろしてざるで軽く水を切り、すだちは半分に切ります。別の清潔な容器へ入れて覆い、魚が焼けるまで冷蔵してください。
2.皮を残し、身の区切りを生かして切る
冷凍の切り身は、汁漏れを防ぐ容器に入れて冷蔵庫で解凍します。中心に硬い凍結部分がなくなったら、出た水分を拭いてから使います。
丸魚はヒレと付け根の棘を握り込まないように扱います。帰宅後の下処理に沿って頭・エラ・内臓を除き、腹の血を洗います。背側と腹側から中骨に沿って刃を進め、左右の身を外して腹骨をすき取ります。慣れていなければ釣魚の持ち込み処理に対応する店へ下処理を相談します。皮を残し、骨を外した切り身を使ってください。
マトウダイはおろした身が割れ、細長く分かれることがあります。分かれた身を無理につなげず、薄い部分と厚い部分を分けます。中骨を外した跡と切り口を指でなぞり、残った硬い骨やヒレ際の部分を取り除きます。
1.5cmより厚い部分は横へ切り分け、厚さをそろえます。身の薄い部分へ深く切れ目を入れると割れやすいため、今回の1〜1.5cm厚では大きな切り込みを入れずに焼きます。
3.塩を量り、冷蔵庫で10分置く
塩2gを両面に分けて振り、皮にも身にも偏らないようにします。容器に入れて覆い、冷蔵庫で10分置いたら表面に出た水分を新しい食品用ペーパーで押さえます。塩は洗い流さず、水分と一緒に表面の塊を軽く拭き取ります。
この塩が味付けを兼ねるので、焼く直前の追加の塩はありません。水分を拭いたら続けて焼きます。
4.グリルかフライパンで焼き、中心を確かめる
ここからは使う道具に合わせて、どちらか一方の方法で焼きます。
グリルの場合
グリルは水あり・水なし、片面・両面で扱いが異なります。予熱の要否、受け皿の水、網への油、魚の皮の向き、裏返す必要と時期は説明書を優先してください。アルミホイルや敷き物も使用可否を確認し、紙をグリルへ入れないようにします。
切り身は説明書で指定された向きに、間隔を空けて並べます。火が直接近づく場所へ厚みのない端を置くと焦げやすいので、機器の火の当たり方を見て位置を調整します。
機器に切り身用の設定があれば優先します。手動なら中火から始め、表面が乾いて薄い焼き色がつき始めたら、厚い中心も確認します。裏返しが必要な機器では指定の時期を確認し、フライ返しを身の分かれ目より奥まで入れ、全体を支えて返します。薄い端は厚い身より早く確認してください。
一番厚い切り身を清潔な箸で少し割り、中心に半透明でねっとりした身が残らず、白身がほぐれるか確かめます。生っぽい、ほぐれない、火通りに迷う場合は火を弱めて追加で焼き、厚い中心をもう一度開いて確かめます。焼き色だけで取り出さないでください。温度計がある場合は網や骨を避け、厚い身の側面から中心を測り、75℃以上を1分以上保って加熱します。下回れば、再び75℃以上になってから保持時間を確保します。色や時間だけでこの数値を確認できるわけではありません。
皮が先に濃く色づいたら火力を落とすか、火から遠い位置へ動かします。焦げ防止にアルミホイルをかぶせる場合も、機器で使用できることを確認し、熱源へ触れないようにしてください。
フライパンの場合
24cm程度のフライパンへ油5mlを広げ、中火で温めます。皮付きは皮を下、皮なしは平らな面を下にして入れます。反るところだけフライ返しで軽く押さえ、反りが落ち着いたら離します。あとは動かさず、焼き面に薄い焼き色がつくまで焼きます。
焼き面が貼りついているうちに力ではがすと、身の区切りから割れやすくなります。焦げていなければ火を少し弱め、焼き面が固まるのを待ちます。幅広のフライ返しが入るようになったら、身の分かれ目より奥まで差し込んで返してください。煙や焦げ臭が出る場合は待ち続けず火を止め、落ち着いてから少しずつはがします。
裏返したら弱火で焼き、切り口の白い部分が内側へ広がってきたら、厚い切り身を少し開いて中心を確かめます。半透明でねっとりした身が残る、ほぐれない、火通りに迷う場合はふたをして追加加熱します。その後に厚い中心を再び開いて、同じ点を確かめます。中心温度計を使う場合は、グリルと同じく魚の中心75℃以上を1分以上保ち、焼き色や時間の観察とは分けて確認してください。薄い身が先に中まで焼けたら取り出し、厚い身だけを続けてください。
ふたの水滴が焼き面へ落ちると皮が湿るので、最後にふたを外して余分な蒸気を逃がします。香ばしさを足そうと長く焼き直すより、温かいうちに盛り付けます。
5.大根おろしとすだちを添える
中まで焼けた魚から、清潔なフライ返しで下から支えて皿へ移します。冷蔵しておいた大根おろしを取り出します。少し汁気を残しておくと白身と一緒に食べやすくなります。魚の焼き面がぬれないよう横へ盛り、半分に切ったすだちを添えます。
最初はそのまま一口食べ、すだちは食べる分へ少しずつ搾ります。しょうゆを足すなら魚へまとめてかけず、大根おろしへ数滴ずつ落とすと塩味を調整できます。ご飯と豆腐の汁物、ゆでた青菜などを合わせると、焼き魚中心の献立になります。
よくある失敗と対処法
しょっぱくなった
しょうゆを加えず、大根おろしと合わせて食べます。味が濃すぎる場合は、十分に加熱した身を骨を取りながらほぐし、塩を加えないご飯へ少量ずつ混ぜる食べ方もできます。次回は魚の正味重量に対して塩を量り、追加の振り塩を控えてください。
表面が焦げ、中心に火が通っていない
焦げだけを増やさないよう火力を落とし、工程4と同じように中心を確認しながら追加加熱します。フライパンの油や焼きかすまで黒くなったら火を止め、魚を油を薄く引いた別のフライパンへ移して弱火とふたで加熱を続け、厚い中心を開いて再確認します。熱い油へ水を注がず、元の鍋は冷めてから洗います。
皮がはがれる、魚が崩れる
焼き面が固まる前に返す、幅の細い道具で持ち上げる、何度も動かすと崩れやすくなります。次回は魚が重ならない広さを確保し、幅広のフライ返しで支えます。崩れた身も厚い部分の火通りを確かめて十分に加熱し、皮を上にしてまとめて盛ります。
身がぱさついた
薄い部分を厚い切り身と同じ時間焼き続けていないか見直します。中まで十分に焼けたら取り出し、保温のためグリルの中へ長く残さないようにします。焼いた身には大根おろしや少量のだしを添えると食べやすくなります。
安全と保存の注意点
マトウダイと確認でき、衛生的に処理・保冷された魚を使います。魚種や保冷の経過が分からないもの、傷みが疑われるものは使いません。
生魚用と盛り付け用の皿・器具は分け、生魚を触った手を洗ってから、大根おろしとすだちを添えます。
保存する分は食卓へ出す前に取り分け、浅い容器で速やかに冷まして冷蔵し、翌日までを目安に食べ切ります。大根おろしとすだちは別にします。室温に長く置いた残りは保存せず、釣獲後からの保冷・衛生状態も確認してください。
温め直しは火にかける前のフライパンに魚と水大さじ1を入れ、ふたをして弱火で温めます。厚い身の中心を開き、内側まで十分熱くなったか確かめます。冷たい・ぬるい場合や温まり方に迷う場合は追加加熱し、再確認してください。水がなくなる前に火を止めて蒸気が落ち着くのを待ち、水大さじ1を補って続けます。中心温度計があれば75℃以上を1分以上保って加熱します。焼き色を付ける目的で強火にすると身が乾きやすいため、中心の温まりを優先します。
よくある質問
骨付きの切り身でも作れますか?
作れますが、骨の付き方と身の厚さに応じて加熱を調整します。この作り方は骨を除いた1〜1.5cm厚の切り身用です。骨付きの場合は厚い身を開き、骨際にも生っぽさがないか確かめながら加熱します。測温する場合も骨に先端を当てないでください。
下塩の水分を拭き、焼けた切り身から盛り付ける
塩を振って10分置き、にじんだ水分を取るところまでを下ごしらえにします。皮に焼き色をつけ、切り身ごとに中心の加熱を確認したら、すだちと大根おろしを添えて温かいうちに味わってください。
保存用レシピまとめ
フライパンで焼くマトウダイの塩焼きの材料と手順を、一枚で振り返れます。


