穴釣りは、堤防の基礎、石積み、岩の隙間、消波ブロック周辺などに仕掛けを落とし、カサゴ・ソイ・アイナメなどの根魚を狙うショア(岸)のエサ釣りです。魚が潜む場所へ直接仕掛けを入れるため、遠投を必要とせず、短い竿とシンプルな仕掛けで始められます。
基本は、足元の隙間へ仕掛けを静かに落とし、海底へ着いたら少し持ち上げ、エサを上下させて魚へ見せることです。アタリが出たら、魚が岩穴へ戻る前に糸ふけを取り、短く強く合わせて一気に巻き上げます。
一方、穴釣りは「隙間があればどこでもできる釣り」ではありません。消波ブロック上や濡れた石積みへ無理に入ると、転落や挟まり事故につながります。初心者は、平らな足場から安全に届く隙間、手すりのある海釣り施設、岸壁の基礎や石積みの外側などを選んでください。
この記事では、穴釣りとブラクリ釣りの違い、安全な釣り場、短竿・リール・ライン・仕掛け、エサ、落とし方、アタリ、合わせ、根掛かり対策、釣れない原因、根魚の持ち帰りまで、初心者にも実釣の順番が分かるように解説します。
この記事で分かること
- 穴釣りの仕組みとブラクリ釣りとの違い
- 安全に狙える堤防・石積み・岩の隙間
- 初心者向けの短竿・リール・ライン
- ブラクリ・胴付き・オモリと針の選び方
- イソメ・サバ切り身・イカ・エビなどのエサ
- 仕掛けを穴へ落とす基本手順
- 根魚のアタリと即合わせ
- 魚を穴へ戻さない巻き上げ方
- 根掛かりを減らす方法と安全な外し方
- 小型根魚を持ち帰りすぎない考え方
穴釣りの基本情報早見表
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 分類 | ショア(岸)・エサ釣り |
| 難易度 | ★★☆☆☆ |
| 初心者おすすめ度 | ★★★★☆ |
| 主な対象魚 | カサゴ・ソイ・アイナメ・クジメ・メバル・ハタ類など |
| 主な釣り場 | 堤防の基礎・石積み・岩の隙間・安全な消波ブロック周辺 |
| おすすめ時期 | 地域によって通年。冬から春に狙いやすい魚も多い |
| おすすめ時間帯 | 日中でも狙える。朝夕・夜間は安全確認を強化 |
| 予算の目安 | 安全装備を含め、一式で約5,000~20,000円前後から検討 |
| 基本操作 | 隙間へ落とし、底を取り、小さく誘い、アタリ後すぐ巻く |
穴釣りは短い竿と小型リールで始められますが、魚を障害物から引き離すため、細すぎるラインと柔らかすぎる竿は向きません。仕掛けの軽さより、根掛かりと根魚の突っ込みへ対応できる強さを優先してください。
穴釣りはこんな人におすすめ
- 遠投せず、足元の魚を狙いたい人
- 短時間でも魚の反応を探したい人
- シンプルな仕掛けで根魚を釣りたい人
- 堤防釣りの待ち時間に別の釣りも楽しみたい人
- 子どもと近距離の釣りを楽しみたい人
- 海底の隙間を一か所ずつ探るゲーム性が好きな人
消波ブロックへ乗ることが穴釣りではありません
穴釣りは、平らな堤防・岸壁・遊歩道・安全な石積みの上から届く隙間でも楽しめます。濡れた消波ブロック、波をかぶる場所、足を置く面が見えない隙間、立入禁止区域へ入らないでください。
穴釣りとは
根魚は、岩・石・堤防の基礎・消波ブロックの隙間など、身を隠せる場所に潜みます。穴釣りは、その隠れ場所の近くへエサを直接届ける釣りです。
仕掛けを大きく投げず、竿先からほぼ真下へ落とします。底へ着いた後、オモリを少し持ち上げてエサを動かし、魚が食い付くのを待ちます。
魚がいれば反応が早い
根魚は自分の縄張りや隠れ場所の近くへ入ったエサへ反応することがあります。数十秒から数分でアタリが出る場合もあり、反応がなければ次の隙間へ移動します。
一つの穴へ長く粘りすぎない
数回落として反応がなければ、数十センチから数m移動します。多くの隙間を探ることが、穴釣りの基本です。
根魚は掛けた直後が勝負
魚がエサをくわえると、すぐ岩穴へ戻ろうとします。アタリを感じたら、糸ふけを取り、短く合わせて一気に底から離します。
穴釣りとブラクリ釣りの違い
| 比較項目 | 穴釣り | ブラクリ釣り |
|---|---|---|
| 意味 | 隙間や穴へ仕掛けを落とす釣り方 | ブラクリ仕掛けを使う釣り方 |
| 仕掛け | ブラクリ・胴付き・丸オモリ+針など | オモリと針が一体になったブラクリ |
| 狙う場所 | 石積み・岩穴・堤防基礎・消波ブロック周辺 | 穴・壁際・堤防際・岩場など幅広い |
| 操作 | 隙間へ直接落とす | 落とし込み・短いキャスト・底の探り |
穴釣りでブラクリを使うことは多いものの、二つは同じ意味ではありません。穴釣りは「狙い方」、ブラクリは「仕掛けの種類」です。
ブラクリの形・重さ・堤防際での使い方は、初心者向けブラクリ釣り完全ガイドも参考にしてください。
穴釣りで狙える主な魚
| 魚 | 特徴 | 狙う場所 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| カサゴ | 穴釣りの代表魚。口が大きく、エサへ積極的に反応する | 岩・石・基礎・消波ブロック周辺 | 背びれの棘へ注意する |
| ソイ | 暗い隙間や夜間に反応する種類が多い | 岩穴・岸壁・深い隙間 | 種類によって大きくなる |
| アイナメ | 岩礁帯や石積み周辺を好む | 岩・海藻・基礎の変化 | 地域によって資源状況が異なる |
| クジメ | アイナメに似て、浅い岩場でも見られる | 石積み・岩の隙間 | 魚種を確認する |
| メバル | 壁際・海藻・夜間に浮くこともある | 中層から底付近 | 底だけでなく少し上も探る |
| キジハタなどのハタ類 | 強く根へ戻る | 岩礁・基礎・深い穴 | 掛けた直後に強く巻く |
| ギンポ類 | 細長い体で狭い隙間に潜む | 石・堤防の隙間 | ぬめりがあり、魚種確認が必要 |
| ベラ類 | 日中にエサへ反応する | 岩・海藻周辺 | 歯と針外しへ注意する |
知らない魚を素手でつかまない
穴釣りでは、毒のある棘・鋭い歯・強いぬめりを持つ魚が掛かる場合があります。魚種が分からない場合は、フィッシュグリップとプライヤーを使い、無理に素手で触らないでください。
季節と時間帯
春
水温が上がり、カサゴ・メバル・アイナメ・ハタ類などが狙いやすくなる地域があります。海藻が増える場所では、仕掛けが絡まないよう隙間の入口を探ります。
夏
ハタ類・カサゴ・ベラなどが反応する地域があります。浅い隙間は水温が上がりやすいため、深い穴・日陰・潮が当たる場所も探ります。
秋
多くの魚がエサを追い、穴釣りを楽しみやすい時期です。小型魚も多いため、持ち帰るサイズと数を考えます。
冬
カサゴ・ソイ・アイナメなど、寒い時期でも狙える根魚がいます。風・波・濡れによる低体温へ注意してください。
日中
暗い隙間へエサを直接入れられるため、日中でも釣れます。初心者は足元を確認しやすい明るい時間から始めるのがおすすめです。
朝夕・夜間
根魚が活発になる場合がありますが、足場・隙間・波・フックを確認しにくくなります。初めての場所へ夜間だけで入らず、明るい時間に下見をしてください。
穴釣りに向く安全な釣り場
平らな堤防から届く基礎
堤防の足元には、敷石・基礎・段差があり、根魚が隠れることがあります。平らな足場から、竿を少し前へ出して探ります。
岸壁と石積みの境目
岸壁の基礎と石積みが接する場所、角、日陰、海藻の切れ目は有力です。壁へラインをこすり付けないようにします。
遊歩道・海釣り公園の石積み
手すり越しや指定エリアから石積みを狙える施設があります。穴釣り・短竿・オモリ使用が認められているか、施設の規則を確認してください。
消波ブロック周辺
消波ブロックの隙間には魚が潜みますが、上へ乗らず、平らな堤防や岸壁から届く範囲だけを狙います。
消波ブロック周辺の安全については、テトラ釣り完全ガイドも確認してください。
岩場の手前
平らで乾いた場所から、足元の岩の隙間へ仕掛けを落とせる場合があります。波が足場へ届く場所、濡れた岩、逃げ道のない場所へ入りません。
避けたい場所
- 立入禁止・釣り禁止の区域
- 濡れた消波ブロック上
- 足場が見えない隙間
- 波をかぶる石積み・磯
- 係留ロープ・船・漁具の周辺
- 海藻で滑る斜面
- 単独では戻れない場所
- 雷・高波・強風で身体を安定させられない状況
堤防の安全と釣り場選びは、初心者向け堤防釣り完全ガイドも参考になります。
穴釣りに必要な基本タックル
| 道具 | 初心者向けの目安 | 確認すること |
|---|---|---|
| ロッド | 90~150cm前後の穴釣り専用竿・短竿 | オモリ負荷・穂先・バットの強さ |
| リール | 小型ベイトリール・両軸リール・小型スピニング | 太いラインを十分巻けるか |
| ライン | ナイロン・フロロ3~5号前後、またはPE+太いリーダー | 擦れ・根・対象魚・ロッドへの適合 |
| 仕掛け | ブラクリ3~10号前後、胴付き、オモリ+針 | 水深・潮・隙間の広さ |
| 針 | 丸セイゴ・根魚針など | エサと魚のサイズ |
| エサ | イソメ・魚の切り身・イカ・エビなど | 針持ち・大きさ・保冷 |
数値は一般的な目安です。浅い港内と、深く潮が速い外向きでは必要なオモリが変わります。竿のオモリ負荷を超えず、底を確認できる重さを選びます。
釣り道具の名称は、初心者が揃えるべき基本タックル完全ガイドも参考にしてください。
穴釣りロッドの選び方
90~150cm前後の短竿
短い竿は、足元の隙間へ仕掛けを入れやすく、アタリ後に魚を素早く持ち上げられます。長い竿では、狭い場所で穂先をぶつけ、魚を穴から離す力が伝わりにくい場合があります。
穂先はアタリが見える柔らかさ
エサへ触れる小さなアタリを表現できる穂先が便利です。ただし、全体が柔らかすぎる竿では、根へ潜る魚を止められません。
バットの強さ
魚が掛かった直後に底から離すため、手元側に十分な強さが必要です。穴釣り専用竿は、繊細な穂先と強いバットを組み合わせた製品が多くあります。
穂先の破損へ注意する
短竿は隙間へ差し込みやすい一方、岩・手すり・ブロックへ穂先を当てやすくなります。仕掛けが引っ掛かった状態で竿先を押し込まないでください。
コンパクトロッドの代用
適合オモリとラインが合い、魚を根から離せる強さがあれば使用できる場合があります。柔らかいアジングロッドやメバリングロッドで、根掛かりを強引に外す使い方は避けます。
リールの選び方
小型ベイト・両軸リール
クラッチ操作で仕掛けを落とし、ハンドルを回すとすぐ巻き上げへ移れます。親指でスプールを押さえ、落下速度と着底を管理しやすい特徴があります。
小型スピニングリール
扱い慣れている人には使いやすく、堤防際を少し横へ探ることもできます。ベール操作と糸ふけへ注意し、アタリ後すぐ巻ける状態にします。
巻き上げ力
根魚を穴から離すため、極端に小さく弱いリールを避けます。ハンドル・ギア・ドラグ・ライン容量を確認してください。
ドラグは弱くしすぎない
アタリ後にドラグが出続けると、魚が穴へ戻ります。通常より強めに設定し、タックルの限界を超える負荷では滑る範囲へ調整します。
ラインの選び方
ナイロン3~5号前後
しなやかで扱いやすく、価格も抑えやすいため、初心者の穴釣りに向きます。伸びが衝撃を吸収しますが、擦れた部分は弱くなります。
フロロカーボン3~5号前後
岩・貝・堤防角への擦れに比較的強く、沈みやすい特徴があります。硬く巻きぐせが出る場合があるため、リールへ合う太さを選びます。
PEライン
伸びが少なく感度と強度がありますが、岩へ直接触れると傷みます。PEを使う場合は太いフロロカーボンリーダーを接続し、先端を頻繁に確認してください。
細すぎるラインを避ける
魚が小さく見えても、根へ潜る力と擦れが加わります。細いラインで切られると、魚へ仕掛けを残し、海中へラインを失います。
毎回先端を確認する
一つの穴を探った後、根掛かり後、魚を釣った後は、仕掛けから50cm~1m程度を指で確認します。ざらつき・白化・傷があれば切って結び直します。
ブラクリ仕掛けの選び方
ブラクリの構造
ブラクリは、赤やオレンジなどのオモリと針が短いハリスで接続された仕掛けです。全長が短く、隙間へ落としやすく、エサがオモリの近くで動きます。
3~10号前後を使い分ける
| 号数の例 | 向く状況 | 注意点 |
|---|---|---|
| 3~4号 | 浅い港内・潮が弱い・狭い隙間 | 流れがあると底を取りにくい |
| 5~6号 | 一般的な堤防・石積み | 竿のオモリ負荷を確認する |
| 8~10号 | 深い穴・潮が速い・外向き | 隙間へ入り込み根掛かりが増える場合がある |
底を確認できる最も軽い重さ
重すぎるブラクリは隙間へ深く入り、根掛かりが増えます。軽すぎると底とアタリが分かりません。着底を確認でき、潮へ流されにくい範囲で軽い号数を選びます。
針の大きさ
小さなエサへ大きすぎる針を使うと不自然になり、小さすぎる針は伸びや飲み込みが増えます。対象魚とエサに合うサイズを選びます。
胴付き仕掛けと自作仕掛け
短い胴付き仕掛け
オモリの上に針が付くため、針が海底へ直接入りにくく、根掛かりを抑えられる場合があります。長い市販仕掛けは穴へ絡みやすいため、短い根魚用を選びます。
中通しオモリ+針
丸オモリ・ナツメオモリへラインを通し、サルカン・ハリス・針を接続するシンプルな仕掛けです。部品の強度と結び目を確認します。
捨てオモリ式
オモリ側だけを細い糸で接続し、根掛かり時にオモリだけを切る方法があります。海中へオモリを残す可能性があるため、必要な場所だけで使用し、根掛かりしにくい操作を優先します。
仕掛けを長くしすぎない
穴釣りでは、針・ハリス・枝が長いと岩や他の仕掛けへ絡みます。短くシンプルな構成が扱いやすくなります。
仕掛け部品の基本は、初心者向け釣り仕掛け入門も参考にしてください。
穴釣りのエサ
| エサ | 特徴 | 付け方のポイント | 注意点 |
|---|---|---|---|
| アオイソメ・イシゴカイ | 動きとにおいで多くの魚へ有効 | 針へ縫い刺しし、長すぎる部分を調整 | 噛む場合があり、苦手なら虫エサ用器具を使う |
| サバ・サンマの切り身 | においが強く、針持ちがよい | 皮側から刺し、身が回転しないようにする | 大きすぎると針先をふさぐ |
| イカの短冊 | 針持ちがよく、小魚に取られにくい | 細長く切り、端へ針を通す | 硬すぎる場合は薄くする |
| エビ | 根魚・ベラなど多くの魚が反応 | 尾・背・腹など、外れにくい位置へ刺す | 身が柔らかく外れやすい |
| オキアミ | 手軽で多魚種を狙える | 針の形に沿わせる | 穴釣りではエサ取りに弱い |
| 魚の身・釣れた小魚 | 現地のベイトへ近い | 使用できる魚種・サイズだけを使う | 地域の採捕・使用規則を確認する |
初心者はイソメと魚の切り身
イソメは動きがあり、魚の切り身は針持ちがよいため、二つを用意すると反応と使いやすさを比較できます。
エサを大きくしすぎない
大きなエサはアピールしますが、針先をふさぎ、魚が端だけをついばむことがあります。針から少し出る程度へ調整します。
エサを保冷する
魚・イカ・エビは常温で傷みます。小型クーラー・保冷剤・密閉容器を使い、余ったエサを釣り場へ捨てず持ち帰ります。
穴釣りに必要な安全用品と小物
- ライフジャケット
- 滑りにくい靴
- 帽子・保護メガネ
- フィッシングプライヤー
- フィッシュグリップ
- ラインカッター
- 丈夫な手袋
- 根掛かり処理用のラインブレーカー
- 水くみバケツ
- 魚を入れる容器・クーラーボックス
- 予備の仕掛け・オモリ・針・ライン
- ヘッドライトと予備電池
長いタモが必要な場所もある
大型の根魚、足場が高い堤防、抜き上げでロッドへ負担が掛かる場所ではタモを使います。魚が掛かる前に海面まで届く長さを確認してください。
ギャフは初心者の基本装備ではない
鋭い先端を扱い、施設で禁止される場合があります。穴釣りではタモまたは安全な抜き上げを基本にします。
釣行前の準備手順
- 立入・釣りが認められた場所か確認する
- 天気・風・波・雷・潮位を確認する
- 明るい時間に足場と隙間を確認する
- ライフジャケットと滑りにくい靴を着用する
- 竿・リール・ライン・仕掛けの適合を確認する
- 結び目・針先・オモリ・スナップを確認する
- エサを小分けにして保冷する
- プライヤー・グリップ・手袋を準備する
- クーラーまたはリリース用の道具を準備する
- 安全な足場から釣りを始める
隙間へ道具を落とさない
プライヤー・スマートフォン・エサ箱を足元へ直接置くと、隙間へ落ちます。落下防止コード、ふた付きケース、バッグを使用してください。
穴を選ぶ方法
海水が出入りする隙間
閉じた浅い穴より、潮が通り、奥へ空間が続く隙間が有力です。泡・海藻・小魚の動きも確認します。
暗い場所
根魚は日陰・岩の下・堤防基礎の裏などへ隠れます。仕掛けが安全に入る範囲で暗い隙間を探します。
底まで落ちる穴
仕掛けが途中で止まり、海底まで届かない場合は、岩へ乗っているだけの可能性があります。角度を変えて落とします。
海藻と貝の付着
小魚・甲殻類・貝がいる場所は、根魚のエサ場になります。海藻へ仕掛けを絡めないよう、切れ目へ落とします。
同じ形の穴を横へ探す
一匹釣れた場所と同じ水深・石の大きさ・潮の当たり方を横へ探します。
仕掛けを穴へ落とす手順
- 安全な足場と身体の向きを決める
- エサと針先を確認する
- 竿先を隙間の上へ出す
- 仕掛けを静かに水面へ入れる
- ラインを少しずつ出して沈める
- 途中で止まったら軽く持ち上げ、角度を変える
- 着底を確認する
- 糸ふけを取り、オモリを少し持ち上げる
- 小さく上下して魚を誘う
- 反応がなければ別の穴へ移る
勢いよく落とさない
仕掛けを一気に自由落下させると、岩の奥へ入り、針とオモリが掛かります。親指または指でラインを管理し、ゆっくり沈めます。
途中で止まったら着底と決めない
岩の出っ張りへ乗っている場合があります。少し持ち上げ、竿先を左右へ動かし、別の通り道を探します。
着底の見分け方
ラインが止まる
出ていたラインが止まり、たるみが出ます。
竿先が戻る
オモリの重みで曲がっていた穂先が少し戻ります。
硬い感触
オモリが岩やコンクリートへ着くと「コツッ」と伝わります。砂泥底では感触が弱くなります。
底へ置いたままにしない
着底後にラインを出し続けると、仕掛けが隙間へ深く入ります。糸ふけを取り、オモリを数cmから十数cm持ち上げてください。
基本の誘い方
小さな上下動
竿先を数cmから十数cm動かし、エサを底付近で揺らします。大きく持ち上げると、仕掛けが岩へ当たり、魚のいる穴から外れます。
ステイ
数回動かした後、数秒止めます。根魚がエサへ近づき、食い込む時間を作ります。
底を取り直す
オモリを少し持ち上げて戻し、底の位置を確認します。常に海底へ置きっぱなしにせず、根掛かりを防ぎます。
中層も探る
メバル・ソイなどが底より少し上へいる場合があります。底から50cm、1mと持ち上げて反応を確認します。
誘いすぎない
激しく動かし続けると、エサが針からずれ、魚が食いにくくなります。小さく動かし、止める時間を入れます。
アタリの見分け方
| アタリ | 考えられる状態 | 対応 |
|---|---|---|
| 「コツコツ」と小さく震える | 魚がエサの端をついばんでいる | 少し待ち、重みが乗ったら合わせる |
| 「ゴン」と強く引く | 根魚がエサをくわえて穴へ戻る | すぐ糸ふけを取り、強く合わせる |
| 竿先がゆっくり曲がる | 魚がエサを持って動いている | 巻きながら合わせる |
| 急に軽くなる | 魚が持ち上げた・エサが外れた | 糸ふけを巻き、重さを確認する |
| 硬く動かない | 根掛かり・岩へ挟まった | 強く合わせず、角度を変える |
小魚のついばみ
小さなアタリだけが続く場合は、エサを短くする、硬いイカや魚の皮付き切り身へ変える、針を一段小さくする方法があります。
大きなアタリは迷わない
「ゴン」と入った後に待つと、魚が穴へ入ります。ラインを張り、短く強く合わせます。
合わせ方と巻き上げ
- アタリを感じる
- 糸ふけを素早く取る
- 竿を短く持ち上げて合わせる
- 同時にリールを巻く
- 底から1~2m離すまで止めない
- 魚が穴から離れたら一定速度で回収する
一撃で穴から離す
中途半端に竿先だけを動かすと、魚が穴へ戻ります。タックルの範囲内で、短く強く合わせ、すぐ巻き始めます。
竿を真上へ立てすぎない
短竿でも、穂先だけで魚を持ち上げると破損します。バットへ力が掛かる角度で巻き上げます。
ドラグを出し続けない
掛けた直後にドラグが滑ると、魚を根から離せません。釣行前に強めへ設定し、ラインと竿の限界では滑るようにします。
穴から離れたら無理をしない
魚が安全な水深へ出た後は、一定速度で巻きます。足場が高い、魚が大きい場合はタモを使用します。
魚が穴へ入ったとき
強く引き続けない
魚が岩へ張り付いた状態で強く引くと、ラインが擦れて切れます。ロッドを曲げ続けず、一定の張りを保ちます。
少し緩める
ラインを完全にたるませず、少し緩めると魚が動き出す場合があります。動いた瞬間に巻きます。
角度を変える
安全な範囲で立ち位置と竿先の方向を変えます。消波ブロックへ降りたり、身を乗り出したりしないでください。
長時間無理に引かない
魚が動かず、ラインが傷んでいる場合は、タックル破損と転落を避ける判断が必要です。魚を取るために危険な場所へ移動しません。
根掛かりを減らす方法
- 仕掛けを勢いよく落とさない
- 着底後にラインを出し続けない
- オモリを底から少し持ち上げる
- 仕掛けを長くしすぎない
- 狭い穴では小さなブラクリを使う
- 潮で流される場合だけ重くする
- リア側へ大きな針を増やさない
- 同じ場所で繰り返し掛かる場合は穴を変える
- 回収時はゆっくり垂直に上げる
重すぎるオモリを避ける
重いオモリは底を取りやすい一方、隙間へ深く入り、外れにくくなります。底を確認できる最も軽い重さから始めます。
穴の奥へ送り込みすぎない
魚を探そうとしてラインを出し続けると、仕掛けが岩を何度も回り込みます。着底したら必要以上に奥へ入れません。
根掛かりしたときの外し方
- ロッドを強く曲げるのをやめる
- ラインを少し緩める
- 竿先を左右へ動かす
- 軽く張って緩める
- 安全な範囲で立ち位置を変える
- 外れなければ竿を根掛かり方向へ向ける
- 手袋とラインブレーカーを使って処理する
ロッドで引き切らない
竿を大きく曲げて切ろうとすると、折れた竿・外れたオモリ・針が身体へ飛びます。
ラインを手へ巻かない
ナイロン・フロロ・PEのいずれも、強く引くと手へ食い込みます。丈夫な手袋と専用器具を使用してください。
身体をラインの延長線から外す
根掛かりが急に外れると、仕掛けが高速で戻ります。顔・身体・周囲の人を延長線から外し、声を掛けて処理します。
釣れない原因と対策
| 原因 | 確認方法 | 対策 |
|---|---|---|
| 魚がいない穴へ粘っている | 数回落としてもエサが触られない | 早めに別の隙間へ移動する |
| 海底まで届いていない | 仕掛けが途中の岩へ乗っている | 少し持ち上げて角度を変える |
| オモリが軽すぎる | 潮で流され、底が分からない | 竿の範囲内で一段重くする |
| オモリが重すぎる | 毎回深く挟まる | 底を取れる範囲で軽くする |
| エサが大きすぎる | 端だけ取られ、針へ掛からない | 短く細くする |
| エサがすぐ外れる | 回収すると針だけになっている | イカ・皮付き切り身などへ変える |
| 誘いすぎる | エサが穴から離れ、魚が食えない | 小さく動かし、ステイを入れる |
| 合わせが遅い | アタリ後に魚が動かなくなる | 強いアタリではすぐ合わせる |
| ラインが細い | 根へ擦れて切れる | 太いラインとリーダーへ変える |
| 針先が鈍い | アタリはあるが掛からない | 針・仕掛けを交換する |
釣果を伸ばすコツ
一つの穴は短時間で判断する
数回誘って反応がなければ移動します。魚がいれば早く反応することが多い釣りです。
釣れた穴の周辺を探す
同じ水深・石の大きさ・潮・日陰が続く場所を横へ探ります。
エサを二種類用意する
動くイソメと、針持ちのよいイカ・魚の切り身を使い分けます。
底から少し上も探る
メバル・ソイなどは中層へ浮く場合があります。底から50cm、1mと持ち上げます。
潮が変わったら同じ穴へ戻る
満潮・干潮・潮の動き始めで、魚が入り直す場合があります。安全な場所だけを再度探ります。
仕掛けをすぐ交換できるようにする
号数の異なるブラクリ、予備の針・ライン・エサを整理し、根掛かり後すぐ再開できるようにします。
エサの状態を確認する
アタリがなくても、小魚にエサを取られている場合があります。数分ごとに回収して確認します。
子ども・家族と楽しむ場合
穴釣りは近距離で魚の反応が出やすく、子どもにも分かりやすい釣りです。ただし、消波ブロック・石積み・水際へ近づきやすいため、釣果より足場を優先してください。
- 手すり・柵・平らな足場のある施設を選ぶ
- 子どもへライフジャケットを着用させる
- 大人が仕掛けを落とす穴を選ぶ
- 子どもだけで移動・根掛かり処理をさせない
- 針外しは大人が行う
- 魚とエサを触った後に手を洗う
- 短時間ごとに休憩する
安全・マナー
ライフジャケットを着用する
足元をのぞき込み、隙間へ竿を出す釣りでは、重心が海側へ移ります。平らな堤防でも着用してください。
消波ブロックへ降りない
魚・仕掛け・道具を回収するために降りてはいけません。一つの仕掛けより身体の安全を優先します。
濡れた石・海藻へ乗らない
見た目が平らでも、ぬめりで滑ります。乾いた平らな場所から届く範囲を狙います。
身を乗り出さない
仕掛けを穴へ入れるために、手すりを越える、膝を海側へ出す、片足で立つ行為を避けます。
港の作業を優先する
船・ロープ・漁具・荷物・車両・作業員の近くで釣りを続けません。作業が始まったら仕掛けを回収して移動します。
小型根魚を持ち帰りすぎない
根魚は同じ場所に定着しやすく、成長が遅い種類もいます。地域の規則を守り、食べる分だけ持ち帰り、小型魚は傷めないよう素早く戻します。
針を飲み込んだ魚
無理に針を引くと魚を大きく傷めます。持ち帰る魚は適切に処理し、リリースする場合は可能な範囲で素早く安全に外します。
ごみを持ち帰る
切れたライン・針・オモリ・エサの包装を残しません。使用済み針はふた付き容器へ入れます。
海釣り全体の安全対策は、安全に海釣りを楽しむためのルールとマナー完全ガイドも確認してください。
釣った魚の扱いと持ち帰り
フィッシュグリップで固定する
カサゴ・ソイ・ハタ類は背びれやエラ周辺へ硬い部分があります。魚を直接握り込まず、安全に固定します。
プライヤーで針を外す
魚が暴れた状態で手を近づけず、針の向きを確認して外します。
小型魚は素早く戻す
地面へ長く置かず、濡れた手または道具で扱います。写真撮影を長引かせません。
持ち帰る魚は早く冷やす
袋へ入れ、氷または保冷材で冷却します。夏は特に常温へ置かないでください。
魚種を確認する
似た魚が多いため、種類が分からない魚、毒の可能性がある魚を無理に持ち帰りません。
釣行後の道具の手入れ
ロッド
穂先・ガイド・リールシート・グリップへ付いた塩分とエサ汚れを、製品の説明に従って落とします。穂先のひび・曲がり・ガイドの変形を確認します。
リール
メーカー指定の方法で塩分を落とし、十分に乾燥させます。水へ沈めたり、強い水圧を掛けたりしないでください。
ライン
使用した先端を広めに確認し、傷・ざらつき・白化があれば切ります。根掛かりで強く引いた部分は交換します。
仕掛け・針・オモリ
真水で洗い、針先・さび・ハリス・結び目を確認します。エサが付いたままケースへ戻しません。
プライヤー・グリップ・クーラー
魚のぬめり・血・塩分を落とし、完全に乾燥させます。
穴釣りのよくある質問
穴釣りはテトラへ乗らないとできませんか?
乗る必要はありません。平らな堤防・岸壁・遊歩道・海釣り施設から届く基礎、石積み、岩の隙間で楽しめます。安全な足場を最優先してください。
穴釣りとブラクリ釣りは同じですか?
穴釣りは隙間へ仕掛けを落とす釣り方、ブラクリは仕掛けの種類です。穴釣りでブラクリを使うことは多いですが、胴付き仕掛けなども使用できます。
竿は何cmが使いやすいですか?
90~150cm前後の短竿が扱いやすいでしょう。足場・手すり・狙う隙間へ合わせ、穂先の感度とバットの強さを確認してください。
ラインは何号ですか?
ナイロン・フロロ3~5号前後が一つの目安です。根が荒い場所・大型魚の実績がある場所では太くします。細すぎるラインは擦れに弱くなります。
ブラクリは何号ですか?
浅く潮が弱い場所では3~4号、一般的な堤防では5~6号、深場や速い潮では8~10号が候補です。底を確認できる最も軽い重さを選びます。
おすすめのエサは何ですか?
アオイソメと、イカまたは魚の切り身を用意すると使い分けやすいでしょう。動きのある虫エサと、針持ちのよい切り身を比較できます。
仕掛けが途中で止まります
海底ではなく岩の出っ張りへ乗っている可能性があります。少し持ち上げ、竿先を左右へ動かし、別の通り道を探してください。
アタリがあったら待ちますか?
小さなついばみでは少し食い込ませますが、「ゴン」と強く入ったらすぐに合わせます。待ちすぎると魚が穴へ戻ります。
魚が掛かった後に動かなくなりました
魚が穴へ入った可能性があります。強く引き続けず、一定の張りを保ち、少し緩める・角度を変える方法を試します。危険な場所へ移動しないでください。
根掛かりしたら竿で引いてよいですか?
ロッドで引き切ってはいけません。竿を根掛かり方向へ向け、手袋とラインブレーカーを使います。外れた仕掛けが飛ぶ方向から身体を外してください。
同じ穴で何分待ちますか?
数回誘って数十秒から数分反応がなければ移動します。穴釣りは多くの隙間を探るほうが効率的です。
夜のほうが釣れますか?
夜に活発になる根魚もいますが、日中でも釣れます。初心者は足場と隙間を確認しやすい明るい時間から始めてください。
小さなカサゴは持ち帰れますか?
地域の規則を確認し、食べる分だけ持ち帰ります。根魚は成長が遅い種類も多いため、小型魚は素早く戻す判断をおすすめします。
出発前チェックリスト
- 立入・釣りが認められた場所か確認した
- 天気・風・波・雷・潮位を確認した
- 明るい時間に足場と隙間を確認した
- ライフジャケットと滑りにくい靴を用意した
- 短竿のオモリ負荷とライン範囲を確認した
- リールへ3~5号前後のラインを十分巻いた
- ライン先端の傷を確認した
- 重さの異なるブラクリ・オモリを用意した
- イソメ・切り身など二種類のエサを用意した
- 予備の針・ライン・仕掛けを用意した
- プライヤー・フィッシュグリップを用意した
- 手袋・ラインブレーカーを用意した
- 魚を入れる容器・クーラーボックスを用意した
- 使用済み針とラインを入れる容器を用意した
- 危険な消波ブロックへ乗らないと決めた
まとめ|穴釣りは安全な足場から多くの隙間を探る釣り
穴釣りは、堤防の基礎・石積み・岩の隙間などへ仕掛けを直接落とし、カサゴ・ソイ・アイナメ・ハタ類などの根魚を狙うショア(岸)のエサ釣りです。遠投を必要とせず、短い竿とシンプルな仕掛けで始められます。
初心者が最初に覚えたいのは、仕掛けを奥へ入れすぎず、着底後に少し持ち上げ、数回誘って反応がなければ次の穴へ移ることです。強いアタリが出たら、魚が岩穴へ戻る前に短く合わせ、一気に底から離します。
また、穴釣りでは魚より足場が重要です。消波ブロックへ乗る必要はなく、平らな堤防や安全な施設から届く隙間だけでも楽しめます。仕掛けを失った場合も、危険な場所へ回収に行ってはいけません。
太めのライン、予備仕掛け、プライヤー、ライフジャケットを準備し、小型根魚を持ち帰りすぎないよう配慮しながら楽しみましょう。
