はじめに|キジハタの塩焼きが愛される理由
🎣 キジハタ(アコウ)は、刺身や煮付けでも人気ですが、シンプルな塩焼きにすると、その旨味と香ばしさが際立ちます。
特に釣りたての新鮮な個体を焼き上げたときの香りは格別で、皮目のパリッと感とふっくらした白身が同時に味わえます。
この記事では、釣り人ならではの下処理の工夫から、焼き加減、盛り付けまで、家庭で失敗しないキジハタ塩焼きの作り方を詳しくご紹介します。
釣った直後の下処理|美味しい塩焼きの第一歩
キジハタは鮮度が命の魚。塩焼きにする場合も釣った直後の処理が味を大きく左右します。
① 血抜き
釣り上げたらすぐにエラを切り、海水を入れたバケツに入れて血を抜きます。
真水は使わず、必ず海水を使用するのがポイントです。
② 神経締め
神経締めを行えば、焼き上げたときに身が縮みにくく、ふっくら感が長持ちします。
③ 内臓処理
帰港後、できるだけ早く内臓を取り出します。
血合いを流水で丁寧に洗い、臭みを完全に除去します。
塩焼きにするサイズと切り方
キジハタはサイズによって焼き方が変わります。
- 小型(〜25cm):丸ごと姿焼き
- 中型(25〜35cm):半分に切って焼く
- 大型(35cm〜):切り身にして焼くと均一に火が通る
姿焼きの場合は、背びれ・胸びれ・尾びれをキッチンバサミで短く切っておくと食べやすくなります。
焼く前の下ごしらえ
塩焼きの出来を左右するのが塩の振り方です。
① 水気をしっかり取る
下処理後、ペーパータオルで表面と腹の中の水分をしっかり拭き取ります。
水分が残ると皮がパリッと焼けません。
② 塩の量とタイミング
塩は全体に均一に振り、腹の中にも軽く振ります。
焼く10〜15分前に塩を振ると、余分な水分が出て臭みが取れます。
③ 飾り包丁
皮が反り返るのを防ぐため、皮目に浅く切れ目を入れます。
この切れ目は見た目にも美しく、火の通りも均一になります。
焼き方の基本
キジハタの塩焼きは、遠火の中火がベスト。皮目を焦がさず、じっくり火を通します。
グリルを使う場合
- 予熱したグリルに魚を皮目を上にして置く
- 中火で約5〜7分焼く
- 裏返してさらに5分前後焼く
魚焼き網を使う場合
- 網に薄く油を塗っておく(皮がくっつくのを防ぐ)
- 炭火やガス火の中火でじっくり焼く
- 表3〜4分、裏3〜4分を目安に様子を見ながら焼く
ポイント:火加減が強すぎると表面だけ焦げ、中が生焼けになります。中火でじっくりが鉄則です。
盛り付けの工夫
塩焼きはシンプルだからこそ、盛り付けで見栄えが変わります。
- 焼き上がったらすぐに皿へ盛る(余熱で身が固くなりすぎないように)
- 器は和風の長皿や木製プレートがおすすめ
- 皮目を上にして盛ると香ばしさが引き立つ
- 焼き目を見せるように少し斜めに配置すると美しい
おすすめの薬味と付け合わせ
塩焼きの魅力は、薬味や付け合わせで味の変化を楽しめることです。
① 大根おろし+醤油
塩味の中に優しい甘みとさっぱり感が加わります。
大根おろしは水気を軽く切ると魚が水っぽくなりません。
② カボス・スダチ
焼きたてに絞ると香りと酸味が広がり、脂の旨味が引き締まります。
③ 焼き野菜
シシトウ、パプリカ、しいたけなどを一緒に焼くと彩りと栄養がアップします。
塩焼きを美味しくするアレンジ
キジハタは淡白なようで旨味が濃い魚なので、シンプルな塩焼きにもアレンジが効きます。
① ハーブソルト焼き
ローズマリーやタイムを混ぜたハーブソルトで洋風アレンジ。
白ワインとも相性抜群です。
② 味噌漬け風塩焼き
塩の代わりに、味噌を薄く塗って半日置いたものを焼くと香ばしい味わいに。
③ 塩麹焼き
塩麹に軽く漬けてから焼くと、身がふっくらジューシーに仕上がります。
保存方法と温め直し
焼きたてが一番美味しいですが、余った場合は以下の方法で保存できます。
- 粗熱を取ってからラップで包み、冷蔵庫で2日程度保存可能
- 冷凍する場合は1食分ずつラップ+保存袋に入れて1ヶ月程度
温め直す際は電子レンジよりもオーブントースターがおすすめ。
皮が再びパリッと仕上がります。
釣り人ならではの楽しみ方
塩焼きは、釣ったその日の晩ごはんにぴったりな調理法です。
新鮮なうちに焼き上げると、皮の香ばしさと身の甘みを最大限に楽しめます。
また、頭や骨は翌日に潮汁や味噌汁に使うと、魚の旨味を余すことなく味わえます。
まとめ
キジハタ(アコウ)の塩焼きは、シンプルながら素材の良さを最大限に引き出す料理です。
釣りたてならではの新鮮さと、丁寧な下処理、適切な火加減が揃えば、料亭にも負けない味に仕上がります。
ぜひこの記事を参考に、ご家庭で香ばしくふっくらと焼き上げたキジハタを楽しんでください。
きっと家族や仲間からも「また食べたい!」と言われるはずです😊
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