釣り糸の結び方は、何と何をつなぐかで選びます。糸の先に輪を作る、針にハリスを結ぶ、サルカンに結ぶ、糸同士をつなぐ。この4つを分けて考えると、必要な結び方が見つかります。
まずは使う仕掛けに必要な1〜2種類から練習しましょう。下の表から手順へ進めます。各図の番号に合わせて、糸の通し方と締め方を説明します。
結ぶ相手から選ぶ早見表
| やりたいこと | 結び方 | 使いどころ |
|---|---|---|
| 糸の先に輪を作る | チチワ結び | スナップなどへの接続に使う輪 |
| 作った輪を金具に付ける | チチワ連結 | サルカン・スナップのアイへ手軽に接続 |
| 金属の輪に結ぶ | ユニノット | サルカン・スナップなど |
| 糸と糸をつなぐ | 電車結び | ユニノットを2つ作って接続 |
| 金属の輪に結ぶ | クリンチノット | サルカン・スナップなど |
| 穴のない針に結ぶ | 外掛け結び | 巻いてから、最後に輪へ通す |
| 穴のない針に結ぶ | 内掛け結び | 輪の内側を通しながら巻く |
手軽に仕掛けをつなぎたいときは、糸の先にチチワを作っておくと便利です。サビキのセット仕掛けなどに付いたサルカンやスナップを接続に使えます。ユニノットも慣れれば素早く結べ、金具との接続部をコンパクトにまとめられます。仕掛け全体のつながりから確認したい方は、初心者向けの釣り仕掛け入門も参考にしてください。
手順の読み方:長く残る側を「本線」、結ぶために動かす短い先端を「端糸」と呼びます。巻き数はナイロン・フロロカーボンで練習する際の目安です。糸の太さや硬さで締まり方が変わるため、使用するラインや仕掛けに指定がある場合は、そちらに合わせてください。
チチワ結び|糸の先に輪を作る
糸の先に、仕掛けの接続に使う輪(チチワ)を作る結び方です。手順が少なく、手軽に作れるのが持ち味です。ここではナイロンやフロロカーボンを8の字に結ぶ方法を紹介します。できた輪の取り付け方は、接続する金具の形に合わせて選びます。
たとえば、上下にサルカンやスナップが付いたサビキのセット仕掛けでは、用意されている接続部を利用できます。チチワを掛けられる開閉式スナップなら、開いて輪を掛け、しっかり閉じれば接続できます。閉じた穴に輪を取り付けたいときは、次のチチワ連結を使います。

- 糸を折り返す
糸の先を折り返し、2本をそろえます。折り返した先が、仕上がりの輪になります。結び目を作る分を見込んで、少し長めに取ってください。 - 2本まとめて輪を作る
折り返した2本を一緒に曲げ、元の2本に交差させて輪を作ります。先端の折り返しは、まだ締めずに大きく残します。 - 8の字に通す
折り返しの先を、元の2本の後ろへ回してから、②で作った輪に通します。単に1回くぐらせて終わらず、図のように交差が増えた8の字の形に整えます。 - 輪の大きさを決めて締める
結び目を水で湿らせ、輪側と元の2本をゆっくり反対方向へ引きます。途中で輪の大きさと糸の並びを整え、最後まで締め込みます。 - 端糸を切る
輪と本線を引いて結び目が動かないことを確認し、短い端糸だけを切ります。結び目ぎりぎりに切らず、数mm残してください。
つまずきやすいところ:締める前に2本がねじれたり、8の字を作らず一重の結び目になったりすると、図と違う形になります。③で糸の通り道を確認してから締めましょう。
チチワ連結|輪をサルカンやスナップの穴につなぐ
チチワをサルカンやスナップの穴(アイ)に取り付ける、手軽な接続方法です。用意した輪をアイに通し、本体をくぐらせて締めるだけでつなげます。金具本体がくぐれる大きさの輪を使ってください。図はスナップ付きサルカンの閉じたアイへ取り付ける手順です。

- チチワをアイに通し、本体をくぐらせる
チチワの先をサルカンのアイに通します。通した輪を広げ、その輪の中へサルカン本体とスナップを丸ごとくぐらせます。図①のように、本体を囲む形になります。 - 輪をアイまで寄せる
サルカン本体を輪から抜ききり、本線をゆっくり引きます。アイの周りに残った輪を指で整え、余分なたるみを減らします。 - 2本をそろえて締める
サルカンを保持し、本線を引いて輪をアイに密着させます。2本の糸が不自然にねじれていないことと、チチワの結び目が緩んでいないことを確認します。
つまずきやすいところ:アイに輪を通しただけでは固定できません。①でサルカン本体を輪にくぐらせてください。本体が通らない場合は無理に広げず、チチワを作り直します。
チチワ連結では、チチワの結び目から金具までの糸が二重になります。水の抵抗や余分な輪への絡みが気になる場面では、ユニノットなどで金具に直接結び、接続部を小さくまとめる方法を選べます。
ユニノット|糸をサルカンやスナップに結ぶ
ナイロンやフロロカーボンを、サルカンやスナップなどの金属の輪に直接結ぶ方法です。慣れれば素早く結べ、チチワのような接続用の輪を残さず、金具の根元に結び目を小さくまとめられます。アイ付きの針でも、アイの形状やメーカーの案内に適合すれば同じ要領で使えます。この結び方は、次の電車結びにも応用できます。

- アイに糸を通して輪を作る
アイに糸を通し、端糸を本線に沿わせて折り返します。さらに端糸を曲げ、図のように2本の糸に重なる大きな輪を作ります。 - 輪の中を通しながら巻く
端糸を大きな輪の中へ通しながら、並んだ2本の糸に巻き付けます。同じ方向に5回前後巻き、巻きが重ならないようにそろえます。 - 巻き部分を仮締めする
結び目を水で湿らせ、まず端糸を引いて巻き部分をまとめます。その後、本線も軽く引き、図③のようにアイと結び目の間に小さな輪が残るところで止めます。 - 結び目をアイまで寄せる
本線をゆっくり引き、仮締めした結び目をアイの根元まで滑らせます。巻きが整ったことを確認して、本線と端糸を引いて締め込みます。 - 確認して端糸を切る
金具と本線を引いて滑らないことを確認します。端糸を数mm残して切り、アイとの間に余分な隙間がない状態に仕上げます。
つまずきやすいところ:②で輪の中を通さず、本線に巻き付けるだけではユニノットになりません。また、③で強く締めすぎて動かなくなった場合は、無理に引きずらず結び直してください。
電車結び|2本の糸をつなぐ
2本の糸にそれぞれユニノットを作り、結び目同士を寄せてつなぐ方法です。まずは太さの近いナイロンやフロロカーボン同士で練習してください。図の色は2本の糸を見分けるためのもので、材質の指定ではありません。左列①〜⑤、右列⑥〜⑩の順に進みます。

- 2本の端を逆向きに重ねる
2本の糸の端が反対方向を向くように、十分な長さを重ねます。図ではピンクの本線が左、青の本線が右へ伸びています。 - ピンクの端糸で輪を作る
ピンクの端糸を折り返し、重ねた2本の糸に沿って大きな輪を作ります。青の端糸を巻き込まずに残せる位置で持ちます。 - ピンクの端糸を1回通す
ピンクの端糸を輪の内側へ通し、重なった2本の糸をまとめて1回巻きます。輪の形を崩さないようにつまみます。 - 同じ輪に通して巻き重ねる
同じ動きを繰り返し、ピンクの端糸を合計4〜5回程度巻きます。糸同士が交差して重ならないように並べます。 - ピンク側を仮締めする
水で湿らせ、ピンクの端糸を引いて巻き部分をまとめます。ピンクの本線も軽く引き、青の糸の上にひとつ目の結び目を作ります。 - 青の端糸で輪を作る
反対側の青の端糸を折り返し、2本の糸に沿って輪を作ります。先ほどのピンクの結び目をほどかないように持ち替えます。 - 青側も同じように巻く
青の端糸を輪の中へ通しながら、重なった2本の糸に4〜5回程度巻きます。こちらも巻きが隣り合うように整えます。 - 青側を仮締めする
水で湿らせ、青の端糸を引いて巻きをまとめます。青の本線も軽く引き、2つの結び目が離れて並ぶ状態にします。 - 両方の本線を引いて寄せる
ピンクと青の長い本線を反対方向へゆっくり引きます。2つの結び目を中央へ寄せ、ぴったり当たるまで締め込みます。 - 両方の端糸を切る
両本線を引いて滑らないことを確認し、ピンクと青の端糸をそれぞれ数mm残して切ります。片方だけ緩んでいたら、そのまま使わず結び直してください。
つまずきやすいところ:⑨で短い端糸だけを引いても、結び目同士は寄りません。長い本線を左右に引きます。太さの差が大きい糸やPEラインでは条件が変わるため、下の注意点を確認して結び方を選んでください。
クリンチノット|金具に糸を結ぶもう1つの方法
サルカンやスナップなどのアイに、ナイロンやフロロカーボンを結ぶ方法です。端糸をアイ際の小さな輪に通した後、できた大きな輪にも通して仕上げます。この通し方は「改良クリンチノット」とも呼ばれます。アイ付きの針に使う場合も、アイの形状やメーカーの案内を確認してください。

- アイに端糸を通す
金具のアイに糸を通し、巻き付けと折り返しができる長さの端糸を残します。本線と端糸を分けて持ちます。 - 端糸を本線に巻く
端糸を本線に5回前後巻き付けます。巻きは同じ方向にそろえ、アイのすぐ近くに小さな輪を残します。 - アイ際の小さな輪に通す
端糸をアイの方へ戻し、アイのすぐ横に残した小さな輪へ通します。折り返した端糸によって、巻き部分の横に大きな輪ができます。 - できた大きな輪にも通す
③でできた大きな輪に端糸を通します。ここではまだ一気に締めず、端糸をつまめる長さを残します。 - 巻きを整えて締める
結び目を水で湿らせ、端糸を軽く引いて形を整えます。続けて本線をゆっくり引き、巻き部分をアイの根元へ寄せて締め込みます。 - 端糸を切る
金具と本線を引いて結びが滑らないことを確認します。端糸を数mm残して切り、巻きが均等に収まっているか見直します。
つまずきやすいところ:③で通す場所はアイそのものではなく、アイ際の糸の小さな輪です。③の後は、④の大きな輪にも端糸を通してから締めます。巻きが固まってアイまで寄らないときは、無理に引かず結び直しましょう。
外掛け結び|穴のない針にハリスを結ぶ
平たい頭(タタキ)が付いた、穴のない針にハリスを結ぶ方法です。ナイロンやフロロカーボンのハリスを使い、針の軸と糸を端糸でまとめて巻きます。図は左列①〜③、右列④〜⑥の順に進みます。

- 針に糸を添えて輪を作る
針の軸にハリスを沿わせ、針の曲がり側に大きな輪を作ります。長い本線と短い端糸を見分け、輪と針の軸を一緒につまみます。 - 端糸を1回巻く
端糸を、針の軸と沿わせた本線の外側に1回巻き付けます。曲がり側に作った大きな輪は残してください。 - 同じ方向へ巻き重ねる
端糸を同じ方向へ続けて巻きます。まずは5回前後を目安に、巻きが隣り合うように並べ、重なりや緩みを直します。 - 端糸を残した輪に通す
巻き部分を指で押さえたまま、端糸を①から残しておいた大きな輪へ通します。巻きがほどけないように保持してください。 - 巻きをそろえて締める
結び目を水で湿らせ、本線と端糸を少しずつ引きます。巻きの並びと本線の向きを整え、タタキの近くでしっかり締め込みます。針先に指を当てないようにしてください。 - 余分な端糸を切る
結び目がずれないことを確認し、端糸を数mm残して切ります。本線が針軸の内側(針先のある側)を通ってタタキ側へ伸び、タタキに不自然に引っ掛かっていないかも確認します。
つまずきやすいところ:巻きが交差したまま締めると、きれいに収まりません。③で一度整えてから④へ進みます。本線が針軸の内側(針先のある側)を通り、タタキ側へ伸びる向きに整えます。タタキの裏側に回り込んだ状態を避けましょう。
内掛け結び|輪の内側を使って針に結ぶ
外掛け結びと同じく、タタキ付きの穴のない針にハリスを結ぶ方法です。外掛けとの違いは、端糸を輪の内側へ通しながら巻くこと。ナイロンやフロロカーボンで練習し、図の左列①〜③、右列④〜⑥の順に進めます。

- 針の軸に糸と輪を添える
ハリスを針の軸に沿わせ、曲がり側に大きな輪を作ります。長い本線はタタキ側へ伸ばし、短い端糸を巻ける長さで残します。 - 輪の内側を通して1回巻く
針の軸と本線を一緒に押さえ、端糸を大きな輪の内側へ通しながら巻き付けます。最初の巻きが緩まないように指で保持します。 - 同じ通し方で巻き進める
端糸を輪の内側へ通す動きを繰り返し、針の軸と本線に5回前後巻きます。巻きが重ならないよう、隣へ並べていきます。 - 輪のたるみを取る
巻き部分を押さえながら端糸と本線を少しずつ引き、大きな輪のたるみを取ります。図④の形になったら、糸の重なりと本線の向きを整えます。 - ゆっくり本締めする
結び目を水で湿らせ、本線と端糸を交互に引いて締め込みます。タタキの近くに巻きを収め、本線が針軸の内側(針先のある側)を通り、タタキ側へ伸びる向きに整えます。 - 端糸を切って仕上げる
結び目が動かないことを確認し、端糸を数mm残して切ります。巻きがばらけていないか、針や糸に傷がないかも確認してください。
つまずきやすいところ:途中で輪の外側に巻くと、手順が混ざってしまいます。②〜③では毎回、端糸が輪の内側を通っているかを見ます。巻きがほどけたら、①から作り直しましょう。
使う前に確認したい3つのこと
- 締める前に湿らせる。巻きや交差を整え、水で湿らせてからゆっくり締めます。勢いよく引くと糸が傷んだり、巻きが崩れたりする原因になります。
- 切る前に引いて確かめる。金具や針を安全に保持して本線に力をかけ、結び目の滑りや緩みを確認します。針先を指に向けず、細い糸を素手に巻き付けて強く引かないでください。
- 端糸と傷を確認する。余り糸は数mm残し、切った後にも軽く引いて確認します。白くつぶれた部分、ささくれ、巻きの重なりがある場合は、傷んだ箇所を切って結び直します。
糸をつぶさず切れる道具を用意しておくと、端糸の処理が楽になります。ナイロン・フロロ用とPE用の違いは、ラインカッター・PEシザーの選び方で確認できます。切った糸くずは釣り場に残さず持ち帰りましょう。
慣れてきたら確認したい結び方の疑問
結び方を全部覚える必要はある?
一度に覚える必要はありません。サルカンに糸を直接結びたいならユニノット、穴のない針にハリスを付けたいなら外掛け結び、というように次の釣りで使う接続から選びます。家で同じ糸と金具を使い、形を見ずに再現できるまで練習しておくと、釣り場で結び直しやすくなります。
外掛けと内掛けは何が違う?
外掛けは、針の軸と本線へ巻いてから、最後に端糸を残した輪に通します。内掛けは、巻くたびに端糸を輪の内側へ通します。どちらも、本線が針軸の内側(針先のある側)を通り、タタキ側へ伸びる向きに整えます。「外掛け」だから本線を針の外側へ出すわけではありません。
小さな針では手元が狭く、太く硬いハリスでは締めにくくなります。まずは持ちやすい大きさの針と扱いやすいハリスで練習し、実際に使う組み合わせでも滑らず締まることを確かめてください。
電車結びはPEラインとリーダーにも使える?
PEに使える場合もありますが、ナイロンやフロロと同じ巻き数をそのまま当てはめないでください。PEは滑りやすく、巻き数を増やすなど、素材と太さに合った結び方が必要です。メーカーが案内する結束方法を確認し、結んだ後は必ず滑りや抜けを確かめます。
細いPEと太いリーダーをつなぐ場合や、結び目を竿のガイドに通して投げる場合は、電車結び以外も含めて選びましょう。FGノットなど、細いPEとリーダーの接続に使われる結び方も候補になります。まずは使う糸の種類と号数を確認してください。素材や製品を調べたい場合は、ライン・リーダーの記事一覧から探せます。
巻き数を増やせば強くなる?
増やせばよいとは限りません。巻きすぎて締まり切らなかったり、巻き同士が重なったりすると、正しく結べません。図の回数だけで判断せず、使用する糸に合う巻き数で、隙間なく締まった形を作ることが大切です。
何がいちばん強い結び方?
結ぶ相手、糸の素材や太さ、締め方によって結果が変わるため、結び方を一律には順位付けできません。用途に合う結びを選び、毎回同じ形に締められることを優先しましょう。釣行中も、根掛かりを外した後や魚を取り込んだ後に結び目と周辺の傷を確認し、異常があれば結び直します。

