イワシは、群れが港へ入れば初心者や子どもでも数釣りを楽しみやすい魚です。小さな体でありながら食味がよく、フライ、蒲焼き、つみれ、梅煮、刺身など料理の幅も広い一方、口や身がやわらかく、釣った後の鮮度低下も早いため、やさしい取り込みと素早い冷却が欠かせません。
この記事では、マイワシ、カタクチイワシなど釣り場でまとめて呼ばれる「イワシ」を対象に、時期、時間帯、場所、サビキ仕掛け、トリックサビキ、飛ばしサビキ、釣れない原因、手返し、持ち帰り、料理まで解説します。魚種や地域で釣れ方が変わるため、現地の直近情報も合わせて確認してください。
海仙人イワシは小さいから簡単と思われがちじゃが、針を大きくしすぎたり強く巻いたりすると外れやすい魚じゃ。細かな道具とやさしい操作が効くぞ。
イワシ釣りの基本を最初に確認
| 項目 | 初心者向けの目安 |
|---|---|
| 狙いやすさ | 群れの接岸時は非常に釣りやすい。群れがいない日は難しい |
| 主な釣り場 | 堤防、釣り公園、漁港、湾内、オフショア(船) |
| 代表的な釣り方 | サビキ釣り、トリックサビキ、飛ばしサビキ |
| 釣果を左右する要素 | 群れ、針の大きさ、タナ、コマセ、手返し |
| 扱いの注意 | 口が切れやすく身も傷みやすい。強く巻かず、すぐ冷やす |
イワシはどんな魚?
マイワシ・カタクチイワシなどが群れで回遊する
イワシ類は大きな群れを作り、プランクトンや小さな餌を追って沿岸へ入ります。港内へ群れが入ると、水面が細かく揺れる、銀色の魚体が光る、鳥が集まるなどの変化が見えることがあります。群れが濃い日は足元で釣れますが、沖や深い層を通る日は飛ばしサビキやタナ調整が必要です。
ベイトとして多くの魚を呼び込む
イワシはサバ、ブリ、サワラ、スズキ、ヒラメなど多くの魚に追われます。イワシの群れが接岸していることは、ほかの魚を狙ううえでも重要な情報です。海面でイワシが追われているときは、大型魚が突然近くへ入ることもあるため、周囲のキャスト方向や仕掛けに注意します。
口と身がやわらかい
イワシは強く合わせると口切れしやすく、空中で激しく振ると針から外れます。サビキのアタリが出たら、竿を大きくあおらず、ゆっくり持ち上げて一定速度で回収します。抜き上げ後も地面へ落とさず、仕掛けを低い位置へ下ろして魚を外します。
イワシが釣れる時期
| 釣り場 | ◎ 最盛期の目安 | ○ 狙いやすい月 | △ 地域・条件次第 |
|---|---|---|---|
| ショア(岸) | 6月・7月・8月・9月・10月 | 4月・5月・11月 | 1月・2月・3月・12月 |
| オフショア(船) | 5月・6月・7月・8月・9月 | 3月・4月・10月・11月 | 1月・2月・12月 |
ショア(岸)では春後半から秋に群れが入りやすく、夏から秋は家族向けのサビキ釣りで狙いやすい時期です。ただしイワシは資源量や海況による変動が大きく、前年よく釣れた月でも同じように釣れるとは限りません。釣行前は釣り公園の釣果、港周辺の情報、釣具店の仕掛けサイズを確認しましょう。
春
水温の上昇とともに沿岸の釣果が出始めます。群れが小さい時期は、足元で釣れなくても沖や底付近を通ることがあります。針を大きくしすぎず、タナを細かく変えます。
夏
港内へ群れが入り、初心者や家族でも数釣りをしやすい時期です。暑い日は魚もエサも傷みやすいため、クーラーボックス、氷、手洗い用の水、日よけを準備し、短時間で安全に楽しみます。
秋
群れが続きやすく、サイズが上がることもあります。イワシを追う大型魚が近くへ入るため、サビキ仕掛けが急に切られたり、周囲でルアー釣りが始まったりすることがあります。お互いの釣り方を見て間隔を取ります。
冬
地域によっては港内で群れが続きますが、釣果が限定される場所も増えます。深い港や水温の安定した湾内が候補になり、日中の暖かい時間に反応が出ることもあります。
イワシが釣れやすい時間帯と潮
朝夕のまずめ
日の出・日没前後は群れが動きやすく、短時間で連続して釣れることがあります。コマセを解凍し、仕掛けを結び、魚を外す道具とクーラーを準備した状態で時合いを待ちます。
日中
群れが港内へ残っていれば昼でも釣れます。水面に見えない日は、底まで落としてから少しずつ巻き上げ、反応が出た深さを探します。釣り公園では、同じ列でも潮上・潮下や水深差で釣果が分かれることがあります。
夜・常夜灯
常夜灯へプランクトンが集まり、イワシが寄ることがあります。明るい場所の中心だけでなく、光と暗闇の境目や潮下も探ります。夜は長いサビキ仕掛けを扱いにくいため、短めの仕掛けや安全な足場を選びます。
潮が速すぎると仕掛けが群れから外れる
軽いサビキ仕掛けは潮で斜めに流されます。周囲より自分の仕掛けだけ大きく斜めになる場合は、オモリを合わせるか、投入位置を潮上へずらします。施設や混雑した釣り場では、周囲と大きく異なるオモリを使わず、同じ方向へ流すことも大切です。



イワシの群れは目の前に見えても、針の少し下や上を通るだけで食わんことがある。見える魚を追いかけるより、釣れた深さを正確に合わせるんじゃ。
イワシが釣れる場所
堤防・漁港
港の入り口、外向き、先端、船道、潮が当たる角、スロープ周辺などが候補です。群れは港内を回るため、一か所で釣れなくても少し離れた場所で釣れていることがあります。作業船・漁船・市場周辺では釣りをせず、漁業者の動線を空けます。
釣り公園
設備、柵、売店、釣果情報があり、家族でイワシを狙う場所として向いています。繁忙期は開園直後から混むため、場所取りのルールを守り、長い竿や仕掛けを後方へ振らないよう注意します。
湾内
外海より波が穏やかで、プランクトンや小魚がたまりやすい湾奥へ群れが入ることがあります。排水、潮目、橋脚、常夜灯など変化のある場所を探します。ただし水質や立入規制を確認し、食べる魚は清潔な環境で釣ります。
オフショア(船)
イワシを直接狙う船釣りのほか、泳がせ釣りのエサを確保するためサビキで釣る場合があります。船長から「エサに使う分だけ」「弱らせないように」など指示がある場合は従います。生け簀やバケツへ入れすぎると酸欠で弱るため、必要数を守ります。
イワシの代表的な釣り方
サビキ釣り
最も始めやすい方法です。アミエビをコマセカゴへ入れ、群れのいる深さで仕掛けを小さく動かします。魚影が濃いときはコマセを大量に出す必要はありません。針をコマセの煙へ入れ、止めて待つ時間を作ります。
トリックサビキ
サビキ針へアミエビを直接付ける方法で、通常の疑似餌へ反応しにくい日や、群れが見えるのに食わない場面で有効です。専用のエサ付け器を使うと手返しが上がります。細い仕掛けが絡みやすいため、投入前に針が互いに絡んでいないか確認します。
飛ばしサビキ
ウキ付きのサビキを沖へ投げ、足元へ寄らない群れや深いタナを狙います。ウキ下を固定したまま遠投を繰り返すのではなく、周囲の釣果を見て少しずつ深さを変えます。混雑時は隣のウキと流れる方向を合わせます。
小型ルアーで狙う
小型のメタルジグやサビキ付きジグで釣れることもありますが、イワシの口は小さく、通常のルアーでは掛かりにくい場合があります。ルアーで無理に引っ掛けるのではなく、魚が食える針と動きで狙います。
イワシ釣りのタックル・仕掛け
| 道具 | 選び方の目安 |
|---|---|
| 竿 | 2〜3m前後の万能竿・磯竿など。子どもは短めで軽いものが扱いやすい |
| リール | 2000〜3000番前後のスピニングリール |
| 道糸 | ナイロン2号前後を基準に釣り場で調整 |
| サビキ | 小さめの針を中心に、色・皮・号数違いを用意 |
| オモリ・カゴ | 水深と潮速に合わせ、施設や周囲の指定を優先 |
針は小さめを基準にする
イワシの口は小さいため、サバやアジ向けの大きな針では掛かりにくい場合があります。一方で、小さすぎる針は仕掛けが絡みやすく、良型サバが混じると切られやすくなります。対象魚と混じる魚の両方を考えて選びます。
短いサビキ仕掛けも使いやすい
子ども、低い柵、狭い釣り座、夜釣りでは、針数の多い長い仕掛けより短い仕掛けが安全です。針数が少なくても、手返しが良ければ十分に数を伸ばせます。針が多いほど釣れるとは限りません。
コマセは少量ずつ
一度に大量のコマセを出すと、魚が散ったり、針のない場所で満腹になったりします。小さく振って仕掛けの周囲へ出し、反応がなければタナを変えます。釣り場を汚さないよう、こぼれたアミエビは水で流します。
イワシを釣るコツ
- 群れの位置を海面・鳥・周囲の釣果で探す
- 底まで落としてから少しずつ巻き上げ、反応の出るタナを見つける
- 釣れたタナをリールの回転数やラインの目印で再現する
- アタリが出ても強く合わせず、一定速度で巻く
- 魚を地面へ落とさず、低い位置で素早く針を外す
- 群れがいる間はコマセ・仕掛け・クーラーを手元へ集める
一匹掛かった後に待つ時間を調整する
群れが濃ければ複数掛けになりますが、長く待ちすぎると魚同士が仕掛けをねじります。小型で周囲が空いていれば少し待ち、混雑時や仕掛けが絡みやすい日は一匹でも回収します。
魚を外す順番を決める
複数掛けでは、下の魚から外す、クーラーのふたを開けてから取り込む、魚つかみを置く位置を固定するなど、自分の動線を決めます。魚を外した後にクーラーを探すと、身が傷み、仕掛けも絡みます。



数釣りのコツは、針を増やすことではなく無駄な動きを減らすことじゃ。魚を外す場所、コマセ、クーラーの位置を先に決めておくんじゃぞ。
イワシが釣れない原因と対策
| 原因 | 対策 |
|---|---|
| 群れが入っていない | 直近の釣果を確認し、港内の別地点・時間帯・潮変わりを試す |
| タナが違う | 表層から底まで一定間隔で探し、釣れた深さを再現する |
| 針が大きい | 一段階小さい仕掛けを試す |
| サビキの色が合わない | 白・ピンク・魚皮など複数を用意し、周囲の当たり色を参考にする |
| コマセだけ落ちている | 強く振りすぎず、コマセを出した後に仕掛けを止める |
| 仕掛けが絡んでいる | 投入前に針を確認し、絡みがある仕掛けは交換する |
イワシの取り込みと持ち帰り
やさしく回収し、直接手で握り込まない
イワシは鱗がはがれやすく、強く握ると身が傷みます。魚つかみを使う場合も力を入れすぎず、針外しやプライヤーで素早く外します。食べない魚は乾いた地面へ置かず、触る時間を短くして海へ戻します。
氷で素早く冷やす
小型のイワシは、氷と海水を使って素早く冷却する方法が向いています。真水が多すぎると身が水っぽくなるため、氷を袋へ入れる、海水との割合を調整するなど工夫します。持ち帰りの途中で氷がなくならない量を準備してください。
ヒスタミンと温度管理
イワシなどの赤身魚は、温度管理が悪いとヒスタミンによる食中毒の原因になることがあります。ヒスタミンは加熱でなくならないため、魚を常温のバケツへためず、釣った直後から低温を保ちます。少しでも異常なにおい・味・状態を感じた魚は食べません。
生食は寄生虫と衛生面に注意
イワシにもアニサキスが寄生することがあります。鮮度が良くても安全とは限らず、酢や塩では死滅しません。丸ごと持ち帰った魚は早めに内臓を除き、目視確認を行います。安全な冷凍・加熱条件を確保できない場合は、十分な加熱料理を選びます。
釣ったイワシのおすすめ料理
イワシのフライ
開いて骨を外し、衣を付けて揚げる定番です。小型は身が薄いため、高温で長く揚げすぎないようにします。水分をよく拭くと衣がはがれにくくなります。
イワシの蒲焼き
開いた身を香ばしく焼き、甘辛いタレを絡めます。小骨が気になるサイズは骨を丁寧に除き、身が崩れないよう返す回数を減らします。
イワシのつみれ汁
数が釣れたときにまとめて使いやすく、骨や小さな身も活用できます。血合い・内臓・汚れを丁寧に除き、状態の良い魚を使います。
イワシの梅煮
梅と煮汁でさっぱり食べられる料理です。骨まで食べたい場合は圧力鍋など適切な調理法を使い、骨が十分やわらかくなったことを確認します。
イワシ釣りでよくある質問
見えているのに釣れないのはなぜですか?
群れがコマセではなく別のプランクトンを食べている、針が大きい、タナが数十センチずれている、サビキの色が合っていないなどが考えられます。トリックサビキ、小さい針、タナ変更を一つずつ試します。
コマセなしでも釣れますか?
群れが非常に濃い場合やサビキの疑似餌へ反応する場合は釣れますが、安定させるには少量のコマセが有効です。施設によってコマセ禁止の場合もあるため、ルールを確認してください。
子どもには針が何本の仕掛けがよいですか?
安全を優先し、短くて針数の少ない仕掛けが扱いやすいです。大人が投入と魚外しを補助し、子どもの後ろへ人がいないことを確認してから竿を動かします。
釣ったイワシはその日のうちに食べるべきですか?
適切に冷却・処理すれば保存できますが、イワシは傷みやすい魚です。持ち帰ったら状態を確認し、早めに下処理します。常温放置した魚や状態に不安がある魚は食べないでください。
釣り場で出会う主なイワシ類と仕掛けの考え方
マイワシ
体側の黒い点が並んで見える個体が多く、群れで港内へ入るとサビキ釣りの好対象になります。大きさには幅があり、良型には小さすぎる針より、口へ掛かりながら強度も確保できる仕掛けを選びます。
カタクチイワシ
口が大きく見え、細身で小型の群れが多い魚です。非常に小さい群れには通常のサビキ針が大きすぎることがあり、小針やトリックサビキが有効です。身がやわらかいため、抜き上げと針外しは特にやさしく行います。
ウルメイワシなど
地域や時期によって別のイワシ類が混じることがあります。釣った魚の種類が分からないまま生食せず、体の特徴を確認します。仕掛け選びでは魚種名だけでなく、実際に見える大きさと口のサイズを優先してください。
目的別|イワシの仕掛け選び
| 状況 | 向いている仕掛け | ポイント |
|---|---|---|
| 足元に濃い群れがいる | 小針のサビキ | コマセを出しすぎず、釣れたタナで待つ |
| 見えるのに疑似餌へ食わない | トリックサビキ | アミエビを針へ付け、仕掛け絡みに注意する |
| 群れが沖を通る | 飛ばしサビキ | ウキ下を調整し、同じ投入点へ入れる |
| 子どもが使う | 短いサビキ・少ない針数 | 長さより安全と扱いやすさを優先する |
| サバが多く混じる | 少し強めのサビキ | イワシに大きすぎない範囲でハリス強度を上げる |
仕掛けを細くすれば必ず釣れるわけではありません。魚が小さければ小針が必要ですが、サバやアジが混じる場所では切られやすくなります。二種類の仕掛けを持ち、魚の大きさと混じる魚を見て交換するのが実用的です。
家族でイワシ釣りをするときの安全な配置
- 子どもは海側、大人は横または少し後ろで仕掛けを補助する
- 通路へコマセ、バケツ、針付き仕掛けを置かない
- 長い仕掛けを後方へ振らず、足元から静かに投入する
- 魚外しと仕掛け交換は大人が担当する
- 柵へ乗る、身を乗り出す、魚を追って走る行動をさせない
- ライフジャケットは釣り開始前から終了まで着用する
イワシが釣れ始めると、子どもは魚へ意識が集中します。大人は釣果より、足元、針、竿の向き、周囲の人を見ます。魚を外す専用の場所を決め、釣れたら必ずそこへ仕掛けを下ろすルールにすると事故を減らせます。
大型魚がイワシを追っているとき
海面でイワシが激しく跳ね、鳥が突っ込み、水面が割れると、サバ、青物、サワラ、スズキなどが追っている可能性があります。サビキへ大型魚が掛かると仕掛けを切られたり、周囲へ走ったりします。無理に取り込まず、ドラグと竿の角度を保ち、隣へ声をかけます。
大型魚を狙う釣り人が近くでルアーを投げる場合、サビキとキャスト範囲が重ならないよう相談します。群れへ向けて全員が無理に投げると、仕掛け同士が絡み、鳥へ針を掛ける危険もあります。鳥が近いときは投入を待ってください。
初めてのイワシ釣り|当日の流れ
- 釣り公園や釣具店の最新釣果で、魚の大きさとサビキ号数を確認する
- 短い仕掛け、小さめの仕掛け、少し強い仕掛けを用意する
- 釣り場で群れと周囲のタナを観察する
- 底から表層まで探し、一匹釣れた深さを繰り返す
- 釣れた魚は地面へ置かず、やさしく外してすぐ冷やす
- 食べる量に達したら釣りを切り上げ、釣り座を水で清掃する
釣る数を先に決める
イワシは群れが入ると短時間で多数釣れますが、下処理には時間がかかります。家族人数、クーラー容量、帰宅後に処理できる量を考え、持ち帰る上限を決めておきます。釣れ続けるからと必要以上に持ち帰らず、食べ切れる量で終了することも大切です。
まとめ|イワシ釣りは小さな仕掛けと素早い冷却がポイント
- 群れの接岸が釣果を大きく左右する
- 小さめの針とやさしい回収で口切れを防ぐ
- 釣れたタナを再現し、コマセを出しすぎない
- 子どもには短く針数の少ない仕掛けを使う
- 釣った魚を常温へためず、すぐ冷やす
- 生食は鮮度だけで安全と考えず、寄生虫と衛生管理を確認する
初心者は釣果情報のある釣り公園や足場のよい堤防で、短めのサビキ仕掛けから始めると安心です。群れが入れば忙しい釣りになるため、釣れ始める前にコマセ、魚外し、クーラー、予備仕掛けの位置を整えておきましょう。









