釣ったブリを、照り焼きやブリ大根とは少し違う味で楽しみたいときに作りやすいのが、ブリときのこのバター醤油焼きです。香ばしく焼いたブリに、しめじ・エリンギ・しいたけなどのきのこを合わせ、最後にバターとしょうゆを絡めます。
おいしく仕上げるポイントは、最初から全部を一緒に炒めないことです。ブリは表面の水分を拭いて先に焼き、きのこもフライパンに広げて焼き色を付けます。最後に両方を合わせて調味すると、ブリはふっくら、きのこは香ばしく仕上げやすくなります。
この記事で分かること
- 釣ったブリを焼く前の下処理と骨の確認
- ブリを硬くせず、皮目を香ばしく焼く方法
- きのこを水っぽくしにくい炒め方
- しょうゆとバターを焦がしにくい加え方
- 腹側・背側・尾側、ハマチ級、冷凍解凍後の調整
- 保存・温め直し・よくある失敗の直し方
ブリときのこのバター醤油焼きの材料
3〜4人分の目安です。ブリは合計350〜450g程度を想定しています。切り身の厚さが大きく違う場合は、同時に焼き上げようとせず、薄いものから早めに取り出してください。
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| ブリの切り身 | 4切れ(合計350〜450g程度) |
| しめじ | 1パック(約100g) |
| エリンギ | 1〜2本 |
| しいたけ | 3〜4枚 |
| にんにく | 1片 |
| 塩 | 小さじ1/3程度 |
| こしょう | 少々 |
| 薄力粉 | 大さじ2程度 |
| サラダ油または米油 | 大さじ1 |
| バター | 15〜20g |
| パセリ・小ねぎ・レモン | 好みで適量 |
バター醤油ダレ
- しょうゆ:大さじ1と1/2
- みりん:大さじ1と1/2
- 酒:大さじ1
- 砂糖:小さじ1
有塩バターを使う場合や、脂の多い腹側を使う場合は、しょうゆやバターを最初から増やさず、仕上げで味を確認するほうが調整しやすくなります。きのこは合計200〜250g程度を目安に、舞茸やマッシュルームなどへ置き換えても構いません。
ブリときのこのバター醤油焼きの基本の作り方
- ブリを整える:食べやすい切り身にし、残った骨を確認します。
- 水分を取る:塩を薄く振って約10分置き、出てきた水分を丁寧に拭きます。
- 準備する:きのこを切り、タレを混ぜ、ブリへ薄力粉を薄くまぶします。
- ブリを焼く:油を熱し、皮付きなら皮目から焼いて両面に焼き色を付け、いったん取り出します。
- きのこを焼く:にんにくの香りを出し、きのこを広げて水分を飛ばしながら香ばしく焼きます。
- 仕上げる:ブリを戻してタレを絡め、中心まで十分に加熱したら火を止め、最後にバターを溶かします。
いちばん大切なのは「水分を取る」「詰め込みすぎない」「バターを最後に入れる」の3点です。 この3つを押さえるだけでも、蒸したような仕上がりや焦げ、身崩れを減らしやすくなります。
詳しい作り方
1.ブリを切り身にして骨を確認する
三枚おろしにしたブリを使う場合は、腹骨をすき取り、指の腹で身をなぞって残った骨を確認します。大きな血合い骨が残っている場合は、骨抜きで骨の向きに沿って抜くか、身を大きく崩しそうなら骨の周囲を細く切り取ります。
皮は付けたままで構いません。皮目から焼くと切り身の形を保ちやすく、香ばしさも加わります。尾に近い薄い身と、厚い背側・腹側は火の入り方が違うため、厚さをそろえるか、焼き上がる順に取り出せるよう分けておきます。

2.塩を振り、表面の水分を取る
切り身の両面に塩を薄く振り、冷蔵庫で10分ほど置きます。表面に出てきた水分をキッチンペーパーで押さえるように拭き取ってください。
この工程は濃い下味を付けるためではなく、焼く前の表面を整えるために行います。水分が残っているとフライパンの温度が下がりやすく、薄力粉もべたつき、焼くというより蒸すような状態になりやすくなります。
血や汚れが付いている場合は必要な部分だけを冷たい水で短く洗い、その後は特に念入りに水分を拭きます。長時間水に浸ける必要はありません。
3.きのことタレを準備する
しめじは石づきを落として小房に分け、エリンギは5〜7mm程度の薄切り、しいたけは食べやすい大きさに切ります。表面を洗った場合は、炒める前に水分をよく切ってください。
しょうゆ・みりん・酒・砂糖は小さな容器に混ぜます。バターはここへ混ぜず、仕上げ用として別にしておきます。にんにくも薄切りにし、調理を始める前にすべて手元へそろえます。
4.薄力粉を薄くまぶす
ブリへこしょうを振り、薄力粉を両面へ薄くまぶします。粉が厚く付いた部分は軽くはたき落としてください。
薄力粉を薄く付けると、表面に焼き色を付けやすく、仕上げのタレもまといやすくなります。一方、厚く付けるとフライパンに粉が落ちて焦げやすくなるため、表面がうっすら白くなる程度で十分です。
5.ブリを先に香ばしく焼く
広めのフライパンを中火で温め、油を入れます。皮付きなら皮目を下にしてブリを並べ、焼き色が付くまでむやみに動かしません。目安として皮目を2〜4分、裏返して2〜3分ほどですが、厚さや火力によって変わるため時間だけでは判断しないでください。
この段階では最後のタレ絡めでも加熱するため、完全に焼き切る直前でいったん取り出すと身が硬くなりにくくなります。ただし最終的には中心まで十分に加熱します。
皮が反るとき
フライ返しで数秒だけ軽く押さえ、皮全体をフライパンへ接触させます。強く押し続けると身から水分が出やすいため、平らになったら手を離します。
6.焦げを確認して、きのこを焼く
ブリを取り出したらフライパンの底を確認します。薄いきつね色の焼き付きはそのまま生かせますが、黒く焦げた粉が多い場合は、火を止めて安全に拭き取ります。
にんにくを弱めの中火で香りが出るまで加熱し、焦げる前に端へ寄せるか一度取り出します。きのこを加えたらフライパンへ広げ、最初から絶えず混ぜず、接している面に焼き色を付けてから返します。
フライパンが小さい場合は、きのこを2回に分けてください。量を詰め込みすぎると蒸気が逃げにくくなり、タレを加えたときに水っぽくなります。
7.ブリを戻し、バター以外の調味料を絡める
きのこの余分な水分が飛んだら、ブリを戻します。合わせておいたしょうゆ・みりん・酒・砂糖を鍋肌から加え、煮立ったら弱めの中火にします。
ブリを何度も裏返すと身が崩れやすいため、スプーンでタレをすくって上からかけながら1〜2分ほど加熱します。タレが先に煮詰まりすぎた場合は、水または酒を小さじ1程度ずつ加えて焦げ付きを防ぎます。
8.中心まで加熱し、火を止めてバターを加える
最も厚い切り身まで火が通ったことを確認します。温度計を使える場合は、中心部75℃で1分以上をひとつの目安にすると確認しやすくなります。厚い身は、外側だけ焼けて中心が遅れることがあるため注意してください。
火が通ったら火を止め、バターを加えて余熱で溶かします。フライパンをやさしく揺すり、バターとしょうゆダレをなじませれば完成です。バターを加えた後に強火で長く煮立てると、香りが飛びやすく、しょうゆも焦げやすくなります。
ふっくら香ばしく仕上げる5つのコツ
ブリの表面を乾いた状態に近づける
塩を振った後の水分や解凍ドリップを残さないことが、焼き色と香りを出す土台です。表面が濡れているとフライパンへ入れた瞬間に温度が下がりやすく、粉もはがれやすくなります。
薄力粉は焼く直前に付ける
粉を付けたまま長く置くと、魚から出た水分を吸って粘りやすくなります。きのこ・調味料・皿まで準備してから最後に粉を付け、そのまま焼き始めると作業がスムーズです。
ブリときのこを同時に焼き始めない
ブリ4切れときのこ200g以上を一度に入れると、家庭用フライパンでは温度が下がりやすくなります。ブリを焼いて取り出し、そのフライパンできのこを焼くと、それぞれに必要な焼き面を作りやすくなります。
しょうゆは仕上げ段階、バターは最後
しょうゆとバターは香りの決め手ですが、高温で長く加熱すると焦げやすい組み合わせです。先に油でブリを焼き、しょうゆダレは仕上げ、バターは火を止めてから加えると、香ばしさとバターの風味を両立しやすくなります。
焼き時間より切り身の厚さを見る
同じブリでも、腹側の薄い部分と背側の厚い部分では必要な加熱時間が違います。薄い切り身を先に取り出す、厚い切り身だけ蓋を使うなど、1枚ずつ調整するほうが全体を同じ時間で焼くより失敗を減らせます。
部位・サイズ・状態による調整
| 状態 | 特徴 | 調整のポイント |
|---|---|---|
| 脂の多い腹側 | コクが強く、やわらかい | バターを15g程度から始め、薄い部分は早めに取り出す |
| 厚い背側 | 身が締まり、厚みが出やすい | 焼き色後は火を弱め、必要なら蓋を使って中心まで加熱 |
| 尾側 | 薄く火が入りやすい | 焼きすぎを避け、厚い身より先に取り出す |
| ハマチ・小型青物 | 大型のブリより脂が軽い場合がある | 身が薄ければ加熱を短くし、仕上げのバターでコクを調整 |
| 冷凍解凍後 | ドリップが出やすい | 冷蔵庫で解凍し、表面の水分を念入りに拭いてから粉を付ける |
アレンジと食べ方
レモン・黒こしょうで後味を軽くする
脂ののったブリには、食べる直前のレモンや粗びき黒こしょうがよく合います。酸味はフライパンで長く加熱せず、盛り付け後に加えると香りを残しやすくなります。
丼やパスタへ展開する
ほぐしたブリときのこをご飯へ載せればバター醤油丼にできます。パスタへ使う場合は、茹で汁を少量加えてタレをのばし、ブリは最後に戻して温める程度にすると再加熱しすぎを防げます。
別のブリ料理へ回す
ブリが多く釣れた場合は、同じ魚を続けて同じ味にせず、ブリの唐揚げやブリ大根へ分けると食感や味の変化を付けられます。脂の多い部分を焼き物、骨付きのアラを煮物へ回すなど、部位で料理を変える方法もあります。
作るときの注意点
鮮度・保冷状態に不安がある魚は無理に使わない
釣った魚は「翌日だから大丈夫」と日数だけで判断せず、釣った後の処理、持ち帰り時の冷却、冷蔵・冷凍状態まで含めて確認します。普段と違う強い臭い、不自然な粘りや変色、保冷状況が分からない場合は無理に使わないでください。

中心まで十分に加熱する
表面にきれいな焼き色が付いていても、厚い切り身の中心は加熱が遅れることがあります。家庭調理では中心部75℃で1分以上を目安に十分加熱し、特に厚い背側や大型魚の切り身は中心を確認します。
骨の取り残しを確認する
大きな切り身では骨が残ることがあります。加熱前に指で確認し、子どもや高齢者へ出す場合は、食卓でも身をほぐしながら骨が残っていないか確認すると食べやすくなります。
生魚と加熱後の料理で器具を分ける
生のブリを置いた皿へ焼き上がったブリを戻さず、まな板・包丁・骨抜き・手指は生魚を扱った後に洗浄します。盛り付け用の箸や皿を別に用意すると、二次汚染を防ぎやすくなります。
油はねと焦げに注意する
ブリやきのこに水分が残ると油がはねやすくなります。水気を拭き、切り身は手前から静かに置いてください。タレを加えた後は火を強めすぎず、バターは火を止めてから加えます。
保存と温め直し
完成後は長時間室温に置かず、残す場合は清潔な保存容器へ移して早めに冷蔵します。保存できる期間は魚の状態、調理環境、冷蔵庫の温度によって変わるため、日数だけで安全性を判断しないでください。
温め直しは、フライパンへ水または酒を少量加えて蓋をし、弱火で中心まで温める方法が向いています。電子レンジを使う場合は一度に長時間加熱せず、短い時間に分けて全体が十分熱くなったことを確認します。
冷凍もできますが、解凍後はきのこから水分が出やすく、ブリの食感も変わります。焼きたての香ばしさを重視する料理なので、可能なら食べ切れる量を作るのがおすすめです。
よくある失敗と対処法
| 失敗 | 主な原因 | 対処 |
|---|---|---|
| ブリが硬い | 最初の焼き工程で火を入れすぎた | 最初は焼き色を優先し、仕上げのタレで中心まで加熱する |
| 身が崩れる | 水分が多い、触りすぎ、何度も裏返した | 水気を拭き、粉を薄く付け、焼き色が付くまで動かさない |
| きのこが水っぽい | 詰め込みすぎ、表面の水分、早すぎる調味 | 広げて焼き、量が多ければ分け、タレは焼き色の後に加える |
| タレが焦げる | 火力が強い、粉の焦げを残した | 黒い焦げを拭き、タレ投入後は弱めの中火へ落とす |
| 味が重い | 脂の多い部位にバター・しょうゆが多い | バターを減らし、レモンや黒こしょうで後味を整える |
よくある質問
薄力粉の代わりに片栗粉でも作れますか?
作れます。片栗粉は表面がややカリッとしやすく、タレにもとろみが付きやすくなります。どちらも厚く付けず、余分な粉を落としてから焼いてください。
ブリの皮は取ったほうがいいですか?
バター醤油焼きでは皮付きで作れます。皮目をしっかりフライパンへ当てると香ばしさが出やすく、身の形も保ちやすくなります。苦手な場合は焼いた後に外しても構いません。
冷凍ブリでも作れますか?
作れます。冷蔵庫で解凍し、出てきたドリップをよく拭いてから塩・薄力粉の工程へ進みます。解凍後の身は崩れやすいことがあるため、焼いている途中で動かしすぎないようにしてください。
きのこは1種類でも大丈夫ですか?
問題ありません。しめじだけ、エリンギだけでも作れます。複数を合わせる場合は、厚さや大きさを極端にばらつかせないと火の通りをそろえやすくなります。
しょうゆを入れたらすぐ焦げます
フライパンに黒く焦げた粉が残っていないか確認し、タレを入れたら火を弱めてください。水分が少なくなりすぎたら水や酒を少量足します。バターは最後に余熱で溶かすと焦げにくくなります。
あると便利な道具
釣ったブリを半身から切り分ける場合は、骨抜きと十分な作業面を確保できるまな板があると便利です。すでに切り身になっている場合は必須ではありません。
貝印 Kai House SELECT 骨抜き DH8195
骨抜きの選び方を比較したい場合はこちらも参考になります。

VICTORINOX エピキュリアン キッチンシリーズ XL
魚用まな板をサイズから選びたい場合はこちらで比較できます。

まとめ
ブリときのこのバター醤油焼きは、濃い味で魚の状態をごまかす料理ではなく、焼く前の水分処理と、ブリ・きのこそれぞれの焼き方で仕上がりが大きく変わる料理です。
- ブリは塩を薄く振り、出た水分をしっかり拭く
- 薄力粉は焼く直前に薄く付ける
- ブリを先に焼いて取り出し、きのこは広げて香ばしく焼く
- タレを加えた後は火を弱め、中心まで十分に加熱する
- バターは火を止めてから加え、香りを残す
- 腹側・背側・尾側や冷凍解凍後で加熱時間とバター量を調整する
この流れを押さえれば、釣ったブリの脂と旨みを生かしながら、きのこの香りが立つ一皿に仕上げやすくなります。
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