タチウオの唐揚げ|骨なしでカラッと揚げる作り方・下処理のコツ

タチウオの唐揚げのアイキャッチ画像

釣ったタチウオを、外はカラッと香ばしく、中はふっくらやわらかいおかずにしたいときは、唐揚げがよく合います。

タチウオは身が薄く火が通りやすい一方、やわらかい身は崩れやすく、背びれ側や腹側の骨も気になりやすい魚です。そこで今回は、三枚おろしにして骨をできるだけ取り除いた身を使い、しょうゆ・酒・しょうがの下味と片栗粉で食べやすく仕上げます。

ポイントは、下処理で水分と骨を丁寧に整えること、下味を長く入れすぎないこと、片栗粉を揚げる直前に薄く付けることです。薄い身ほど加熱しすぎると硬くなるため、時間だけでなく衣の色や中心の火通りも見ながら仕上げます。

この記事で分かること
  • タチウオを骨なし唐揚げ用に下処理する方法
  • 三枚おろし後に残りやすい肋骨の処理
  • 下味の分量と漬け時間
  • 片栗粉がべたつかない付け方
  • 170℃前後でカラッと揚げるコツ
  • 小型・大型・冷凍タチウオの調整方法
  • 骨・歯・加熱・保存で気を付けたい点

釣った魚は、料理を始める前の保冷状態も仕上がりに大きく影響します。持ち帰り方から確認したい場合は、次の記事も参考にしてください。

目次

タチウオの唐揚げの材料

2〜3人分の目安です。三枚おろし後の身が300〜400gほどある場合を基準にしています。

タチウオと下味

  • 三枚おろしにしたタチウオ:300〜400g
  • しょうゆ:大さじ2
  • 酒:大さじ1
  • おろししょうが:小さじ1
  • おろしにんにく:小さじ1/2〜1

  • 片栗粉:大さじ5〜7程度
  • 揚げ油:適量
  • レモン・すだち:お好みで
  • 塩・七味唐辛子:お好みで少量
  • 大葉・パセリ:盛り付け用としてお好みで
にんにくは食べる場面に合わせて調整

夕食やおつまみなら小さじ1程度でも合います。お弁当や、タチウオの繊細な風味を残したい場合は小さじ1/2程度から始めると使いやすい味になります。

タチウオの唐揚げの基本の作り方

  1. 下処理する:頭・内臓・血合いを除き、水分をしっかり拭きます。
  2. 骨を外す:扱いやすい長さに切って三枚おろしにし、肋骨や残った骨を確認します。
  3. 切り分ける:骨のない身を4〜5cm程度に切ります。
  4. 下味を付ける:しょうゆ・酒・しょうが・にんにくへ10〜15分ほど漬けます。
  5. 衣を付ける:余分なタレを切り、揚げる直前に片栗粉を薄くまぶします。
  6. 揚げる:170℃前後の油で中心まで火を通し、網に上げて油を切ります。
急いでいるときはここまでで調理できます

すでに三枚おろし済みのタチウオなら、骨を確認して4〜5cmに切り、10〜15分下味を付け、片栗粉を薄くまぶして170℃前後で揚げれば作れます。以下では、丸魚からの下処理や失敗しにくい判断基準を詳しく解説します。

タチウオの唐揚げの詳しい作り方

1.頭・内臓・血合いを取り除く

丸のまま持ち帰ったタチウオは、頭を落として内臓を取り除きます。タチウオは口の歯が非常に鋭く、口元を素手でつかむとけがにつながります。頭を切り離した後も歯は危険なので、調理台の端へ放置せず、すぐに手が触れにくい容器へ移してください。

  1. まな板の上で魚体を安定させ、頭の付け根へ包丁を入れます。
  2. 頭を切り落とします。
  3. 肛門側から頭側へ腹を浅く開き、内臓を取り出します。
  4. 背骨沿いの血合いへ軽く刃を入れ、残った血や膜を取り除きます。
  5. 弱い流水で腹の中を短時間洗い、すぐにキッチンペーパーで水分を拭きます。

タチウオは一般的な硬いうろこを持たず、表面ははがれやすい銀色の層に覆われています。強くこすったり、うろこ取りで削ったりする必要はありません。表面の汚れを軽く流し、こすらず押さえるように水分を取る程度で十分です。

2.15〜20cm程度に切って三枚おろしにする

細長いタチウオは、そのままでは包丁を動かしにくいため、まな板へ収まる15〜20cm程度に切り分けると扱いやすくなります。

今回の唐揚げは骨を残しにくくするため、筒切りではなく三枚おろしにします。腹側と背側から中骨へ沿って少しずつ刃を入れ、片身ずつ外します。タチウオの身は薄いため、深く大きく切り込むより、中骨へ刃先を沿わせて少しずつ進めるほうが身を残しやすくなります。

筒切りの唐揚げとは骨の残り方が違います

筒切りでも唐揚げは作れますが、中骨や背びれ側の骨が残ります。骨ごと揚げれば必ず食べられる硬さになるわけではないため、家族で食べやすくするなら三枚おろしの骨なし身を基本にすると安心です。

3.頭側の身に残る肋骨をすき取る

三枚おろしで中骨を外しても、内臓が入っていた頭側には肋骨が残ります。皮側を下にして身を置き、骨の位置を指で確認してから、包丁を寝かせて骨のすぐ下へ薄く入れます。

深く削ぐと可食部まで大きく失うため、骨の形に沿って薄くすき取るのがコツです。その後、身の内側を指の腹でゆっくりなぞり、硬く当たる骨があれば骨抜きで取り除きます。

4.4〜5cm程度に切る

骨処理を終えた身は、4〜5cm程度を目安に切ります。小さくしすぎると揚げている間に水分が抜けやすく、大きすぎると身の厚い部分で火通りに差が出やすくなります。

頭側の厚い身は4cm前後、尾側の薄い身は少し長めにすると、揚げ上がりの大きさをそろえやすくなります。

5.10〜15分だけ下味を付ける

ボウルまたは保存袋へ、しょうゆ、酒、おろししょうが、おろしにんにくを混ぜ、切ったタチウオを入れます。身をつぶさないようにやさしくなじませ、冷蔵庫で10〜15分程度置きます。

タチウオは身が薄いため、長時間漬けなくても味が入りやすい魚です。長く漬けるほどおいしくなるとは限らず、しょうゆ味が強くなったり、身から水分が出て衣がべたつきやすくなったりします。

6.余分なタレを切り、片栗粉を薄く付ける

漬け終わった身は、袋やボウルにたまったタレを軽く切ります。表面がびしょびしょの場合だけキッチンペーパーで軽く押さえ、片栗粉を両面へ薄くまぶします。

カラッと仕上げる粉の付け方
  • 片栗粉は揚げる直前に付ける
  • タレが大量に残ったまま粉を付けない
  • 粉を厚く押し固めない
  • 余分な粉は軽く落とす
  • 鍋へ入る量ずつ粉を付ける

粉を付けた状態で長く置くと、下味の水分を吸って衣が湿ります。最後までカリッとさせたい場合は、揚げる分だけ順番に粉を付けてください。

7.170℃前後の油で中心まで揚げる

鍋または深めのフライパンへ油を入れ、170℃前後まで温めます。タチウオを静かに入れ、最初の30秒ほどは衣が固まるまで触りません。その後、必要に応じて一度返します。

薄めの骨なし身なら2〜4分程度で火が入りやすいですが、実際の時間は身の厚さ、油量、鍋、入れる枚数で変わります。衣が薄いきつね色になり、泡が落ち着いてきたら一番厚い部分を確認してください。

揚げ時間だけで判断しない

家庭で加熱する魚は、中心まで十分に火を通すことが基本です。温度計を使える場合は、厚い部分の中心が75℃で1分以上になることを一つの目安にしてください。見た目だけで迷う場合は、最も厚い身を一つ割り、中心まで白く不透明になっているか確認します。

8.網に上げて重ねずに油を切る

揚がったタチウオは網やバットへ取り、できるだけ重ねずに並べます。揚げたてを重ねると、下側へ蒸気がこもり、せっかくの衣がしんなりしやすくなります。

レモンやすだちを添え、まずはそのまま味を確認してください。下味が入っているため、塩や七味は必要な分だけ後から足すと味が濃くなりすぎません。

タチウオの唐揚げをカラッと仕上げる7つのコツ

水分を残しすぎない

腹の中を洗った後、下味を付ける前、片栗粉を付ける前の3回で水分を意識すると、油はねと衣のべたつきを抑えやすくなります。特に解凍したタチウオはドリップが出やすいため、表面を丁寧に押さえてください。

銀色の皮を無理にはがさない

唐揚げでは銀色の皮を残したままで構いません。皮を無理にはがそうとすると、薄い身まで崩れやすくなります。大きく厚い切り身で反り返りが気になる場合は、皮側へ浅い切れ目を数本入れると形を整えやすくなります。

下味を濃くしすぎない

タチウオはクセの少ない白身なので、濃い味で隠すより短時間の下味で香りを足すほうが、魚らしい甘みを残しやすくなります。

片栗粉は薄く均一にする

厚く付いた粉は、揚げると硬い衣になったり、内側が粉っぽく残ったりすることがあります。粉をまとわせた後に軽くはたき、表面がうっすら白くなる程度を目安にします。

鍋へ入れすぎない

一度に大量に入れると油温が急に下がり、衣が油を吸いやすくなります。鍋の表面が切り身で埋まらない程度に分けて揚げてください。

入れた直後は触らない

衣が固まる前に箸で動かすと、片栗粉がはがれたり、身が割れたりします。最初の30秒ほどは待ち、衣が固まってから必要最小限だけ動かします。

二度揚げは短時間だけ

より軽い食感にしたい場合は、一度揚げた身を2〜3分休ませ、180℃前後で20〜30秒だけ二度揚げしても構いません。ただし、タチウオは身が薄いため、長い二度揚げはパサつきやすくなります。

タチウオのサイズ・状態で作り方を調整する

状態 下処理・切り方 揚げるときのポイント
細め・小型三枚おろしにすると身が細くなるため、極端に小さく切らない火が通りやすいので揚げすぎに注意する
太め・大型肋骨と残骨を丁寧に確認し、厚い部分は4cm前後にする表面の色だけで判断せず、厚い部分の中心を確認する
尾側の薄い身少し長めに切ってサイズ感をそろえる頭側の厚い身より早く引き上げることがある
冷凍後冷蔵庫で解凍し、ドリップを丁寧に拭く水分が残ると油はね・衣はがれにつながるため、粉付け前に再確認する

釣果が多い日は、全部を同じ料理にせず、厚い身は塩焼きや蒲焼き、細い身は唐揚げや天ぷらなどへ分けると、それぞれの身質を生かしやすくなります。

唐揚げ以外でもタチウオを楽しむ

同じ揚げ物でも、下味を控えて衣を軽くしたい場合は天ぷらが向きます。素材の味をシンプルに楽しみたい場合は塩焼きも相性のよい料理です。

タチウオの唐揚げを作るときの注意点

保冷状態に不安がある魚は無理に使わない

タチウオは鮮度が落ちやすいため、釣った後は早めに冷やし、自宅でも低温で扱うことが大切です。強い異臭、腹部の崩れ、著しい変色など気になる状態がある場合は、加熱すれば問題ないと考えず、使用を控えてください。

口元と切り離した頭の歯に注意する

タチウオは鋭い歯を持つため、口の中へ指を入れたり、口元を素手で強くつかんだりしません。切り落とした頭も安全な場所へすぐ移し、子どもが触れないようにしてください。

骨なしでも食べる前に確認する

三枚おろしと肋骨処理をしても、小さな骨が残ることがあります。特に子どもや骨が苦手な方へ出す場合は、揚げる前に指でなぞり、食べる際にも骨がないか確認してください。

生魚を扱った器具は洗ってから使う

生のタチウオを切った包丁、まな板、トング、皿を、そのまま揚げ上がった唐揚げへ使い回さないようにします。生魚の汁がサラダや薬味など加熱しない食品へ付かないよう、作業場所も分けると安心です。

水分を油へ落とさない

魚の表面や調理器具に水が残っていると、油が大きくはねる原因になります。粉付け前に表面の水分を確認し、濡れた箸やトングを熱い油へ入れないでください。

揚げ物中は鍋から離れない

揚げ油は高温になるため、火にかけたままその場を離れません。鍋の近くへ燃えやすい紙類や布巾を置かず、油を入れすぎないようにしてください。

完成後は室温へ長く置かない

食べきれない分は、粗熱が取れたら清潔な容器へ移して冷蔵します。作ったまま長時間室温へ放置しないことが基本です。

保存と温め直し

唐揚げは揚げたてが最も衣の食感を楽しめます。残った場合は、粗熱を取ってから清潔な容器へ入れて冷蔵し、できるだけ早く、目安として翌日中に食べ切ると扱いやすいです。

温め直しは、電子レンジだけだと衣がしんなりしやすいため、最初に短時間レンジで中心を温め、その後トースターやオーブンで表面の水分を飛ばすと食感を戻しやすくなります。温め直すときも中心まで十分に熱くしてください。

冷凍する場合は、完全に冷めてから1個ずつ離して包み、冷凍用袋へ入れます。ただし、揚げたての食感は落ちるため、釣果が多い場合は生の下処理済み身を適切に冷凍し、食べる日に唐揚げへする方法も選択肢です。

よくある失敗と対処法

失敗 主な原因 対処
衣がべたつく下味の水分が多い、粉付け後に長く置いた、油温が下がったタレを軽く切り、揚げる直前に薄く粉を付け、少量ずつ揚げる
衣がはがれる油へ入れた直後に触った、表面が濡れすぎていた最初の30秒ほど触らず、粉付け前の水分を見直す
身がパサつく切り身が小さすぎる、揚げ時間が長すぎる4〜5cmを基準にし、薄い部位から早めに引き上げる
味が濃い漬け時間が長い、しょうゆ量が多い10〜15分を基本にし、次回はしょうゆを減らして柑橘で仕上げる
油っぽい一度に入れすぎて油温が下がった鍋の大きさに合わせて数回に分ける
骨が残る肋骨や小骨の確認不足三枚おろし後に指でなぞり、必要に応じて骨抜きを使う

タチウオの唐揚げのアレンジ

塩唐揚げ

しょうゆを使わず、酒、塩、しょうが、にんにくで下味を付けると、白身の味が分かりやすい軽い仕上がりになります。塩は入れすぎず、足りない分を食卓で補うほうが調整しやすくなります。

カレー風味

片栗粉へ少量のカレー粉を混ぜると、魚の香りが苦手な方にも食べやすい味になります。カレー粉は焦げやすいため、片栗粉大さじ5に対して小さじ1/2程度から試してください。

甘酢・南蛮風

揚げたてへ玉ねぎやにんじんを加えた甘酢を絡めれば、さっぱりした主菜に変えられます。長く漬けると衣はしっとりするため、カリッと感を残したい場合は食べる直前にかけます。

お弁当用

お弁当に使う場合は、にんにくを控えめにし、中心まで十分に加熱してからしっかり冷まして詰めます。温かいまま密閉すると蒸気がこもり、衣も傷みやすくなります。

タチウオの唐揚げについてよくある質問

骨付きの筒切りでも作れますか?

作れますが、中骨や背びれ側の骨が残ります。揚げればすべての骨が食べられる硬さになるとは限らないため、食べやすさを優先するなら三枚おろしがおすすめです。

三枚おろしにすれば骨は全部取れますか?

中骨は外れますが、頭側の身には肋骨が残ります。さらに小さな骨が残ることもあるため、肋骨をすき取った後に指で確認してください。

銀色の皮は取ったほうがよいですか?

唐揚げでは残したままで構いません。表面ははがれやすいので、強くこすったり無理にはがしたりせず、汚れを流して水分を拭いて使います。

片栗粉と小麦粉はどちらが向いていますか?

カリッと軽い衣にしたいなら片栗粉が使いやすいです。薄力粉でも作れますが、少しやわらかい衣になりやすいため、食感の好みで選んでください。

揚げ時間は何分ですか?

骨なしの薄い身なら2〜4分程度が一つの目安ですが、厚さや油温で変わります。時間だけで決めず、衣の色と中心の火通りを確認してください。

二度揚げは必要ですか?

一度でカラッと揚がれば不要です。二度揚げする場合は180℃前後で20〜30秒程度の短時間にとどめ、身の乾燥を防ぎます。

タチウオの唐揚げを作るときにあると便利な道具

骨処理と三枚おろしで役立つ道具

三枚おろしと肋骨の処理後に残った骨を抜くには骨抜きが役立ちます。また、細長いタチウオを切り分けるには、魚体と包丁を安定して置ける広めのまな板があると作業しやすくなります。

貝印 Kai House SELECT 骨抜き DH8195

三枚おろしと肋骨の処理後、指で見つけた骨を取り除くときに使える骨抜きです。骨を真上へ強く引かず、骨が生えている方向へゆっくり引くと、薄い身が裂けにくくなります。

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関孫六 桧まな板 450×300

45×30cmのまな板です。細長いタチウオを扱いやすい長さへ切り分けるときや、三枚おろしにして肋骨を処理するときに作業スペースを確保しやすくなります。

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骨抜きの種類や選び方を詳しく確認したい場合は、次の記事も参考にしてください。

まとめ

タチウオの唐揚げは、身のやわらかさを生かしながら、片栗粉の軽い衣で香ばしく楽しめる料理です。

おいしく作る要点
  • 三枚おろしにして中骨を外し、頭側の肋骨も処理する
  • 銀色の表面は強くこすらず、水分を丁寧に拭く
  • 切り身は4〜5cmを基準にする
  • 下味は10〜15分程度にする
  • 片栗粉は揚げる直前に薄く付ける
  • 170℃前後で少量ずつ揚げ、中心の火通りを確認する
  • 揚げた後は重ねず、蒸気を逃がす

タチウオがたくさん釣れた日は、唐揚げだけでなく炊き込みご飯や塩焼きなどへ分けると、部位やサイズの違いも楽しめます。料理からタチウオの釣り方まで広げたい方は、関連記事も活用してください。

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